※本記事は、株式会社アルマード の有価証券報告書(第25期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. アルマードってどんな会社?
卵殻膜素材を用いた化粧品・健康食品の企画・開発・販売を主力とするバイオテクノロジー企業です。
■(1) 会社概要
2000年に設立され、同年より化粧品の製造販売を開始しました。2001年にはQVCテレビショッピングでの販売をスタートし、2007年からは東京大学との産学連携プロジェクトを開始して卵殻膜の研究を強化しました。2018年には自社ECサイトでの定期購買サービスを開始し、2021年に株式上場を果たしています。
同社の従業員数は71名(単体)です。筆頭株主はDALMAで、第2位は商社のCBC、第3位は化粧品通信販売を行うオージオです。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| DALMA | 16.68% |
| CBC | 13.27% |
| オージオ | 5.46% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性1名の計7名で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は保科史朗氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 保科 史朗 | 代表取締役社長 | 野村證券を経て同社入社。経営企画部長、常務取締役を経て2022年6月より現職。 |
| 蕨 博雅 | 常務取締役管理・企画管掌 | あらた監査法人、デロイトトーマツコンサルティング、岡三証券を経て同社入社。総合企画室長、取締役を経て2022年6月より現職。 |
| 阿曽 勇一郎 | 取締役営業管掌 | 野村證券、EYストラテジー・アンド・コンサルティングを経て同社入社。執行役員を経て2024年6月より現職。 |
社外取締役は、大和田寛行(大和田公認会計士事務所代表)です。
2. 事業内容
同社グループは、「卵殻膜ヘルスケア事業」を展開しています。
■卵殻膜ヘルスケア事業
卵殻膜原料を活用した化粧品および健康食品の企画・開発・販売を行っています。主な商品には、化粧品の「Ode」シリーズや「CELLULA」シリーズ、全身美容サプリメントの「TO-Ⅱ」などがあります。製造はすべて外部に委託するファブレス経営を行っています。
販売チャネルは大きく3つに分かれます。「TV通販」ではQVCジャパンを通じた販売、「外販」ではOEM製品の提供やドラッグストア等への卸売、「直販」では自社ECサイトを通じた消費者への直接販売を行っています。運営は同社が行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
2021年3月期から2025年3月期の5期間における業績推移です。売上高は着実に右肩上がりで成長を続けており、5年間で約1.9倍に拡大しています。利益面では、積極的な成長投資を行いながらも安定して黒字を維持しており、高い利益率を確保しています。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 45億円 | 54億円 | 65億円 | 75億円 | 85億円 |
| 経常利益 | 5.4億円 | 8.4億円 | 8.4億円 | 9.6億円 | 9.4億円 |
| 利益率(%) | 11.8% | 15.6% | 12.8% | 12.8% | 11.0% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 3.7億円 | 5.8億円 | 5.9億円 | 7.0億円 | 6.5億円 |
■(2) 損益計算書
直近2期間の業績比較です。売上高は前期比で増加し、増収となりました。一方、営業利益については、売上総利益が増加したものの、販売費及び一般管理費の増加により前期をわずかに下回る結果となりました。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 75億円 | 85億円 |
| 売上総利益 | 51億円 | 59億円 |
| 売上総利益率(%) | 67.3% | 69.9% |
| 営業利益 | 9.6億円 | 9.5億円 |
| 営業利益率(%) | 12.7% | 11.2% |
販売費及び一般管理費のうち、広告宣伝費が26億円(構成比53%)、運送費が4億円(同9%)を占めています。売上原価については、商品売上原価が25億円(売上原価に対する構成比97%)を占めています。
■(3) セグメント収益
販売チャネル別の売上状況です。主力の直販(EC)チャネルが新規顧客獲得の好調により大きく伸長し、全体を牽引しました。外販(一般流通)も店舗数拡大により増加しています。一方で、TV通販は一部番組の影響で減収となり、OEM販売も出荷数量減により減少しました。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) |
|---|---|---|
| TV通販 | 14億円 | 12億円 |
| 外販(一般流通) | 4億円 | 5億円 |
| 外販(OEM販売) | 17億円 | 16億円 |
| 直販(EC) | 42億円 | 53億円 |
| 合計 | 75億円 | 85億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
**【勝負型】**
営業CFはマイナスですが、財務CFがプラスであり、事業拡大のために資金調達を行っている状態です。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 8.5億円 | -1.9億円 |
| 投資CF | -0.0億円 | -1.1億円 |
| 財務CF | -7.2億円 | 3.5億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は34.6%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は39.7%で市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は、「世界の人々の人生に健康と美しさをもたらす。卵殻膜とバイオテクノロジーで。」という経営理念を掲げています。高齢化社会において、卵殻膜素材の持つ美容・健康効果を科学的に解明し、安心・安全・低価格な商材を提供することで、アンチエイジングの側面から社会貢献を果たすことを使命としています。
■(2) 企業文化
同社は、卵殻膜の多機能な効果・効能の科学的解明に基づき、常にユニークで最高品質の商品開発にこだわる姿勢を重視しています。また、卵殻膜を通じて美容と健康分野において新しい価値観を浸透させ、人々の「生活の質」向上に貢献することを目指す企業文化を持っています。
■(3) 経営計画・目標
同社は、成長性と効率性のバランスを重視し、継続的な成長と財務基盤の構築を目標としています。具体的な経営指標としては、以下の項目を重要視しています。
* 売上高
* 売上総利益
* 営業利益
■(4) 成長戦略と重点施策
同社は、直販チャネルでの広告投資による顧客獲得とLTV向上、および新商品開発や販路拡大を重点施策としています。特に、ウェブデザインやパッケージの刷新によるブランドイメージ確立、大学等との共同研究による機能性向上、海外・実店舗・OEM等の新規販路開拓を推進しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は、従業員を企業の成長を支える重要な存在と位置づけ、多様な人材が能力を発揮できる環境整備に取り組んでいます。性別や国籍等に関わらない公平な登用や人事評価制度を整備するとともに、個人のキャリア開発や能力開発のニーズに対応した支援を行い、組織貢献と個人の成長を両立させる方針です。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均とほぼ同じ水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 41.8歳 | 4.2年 | 6,093,388円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 52.2% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | -% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | -% |
| 男女賃金差異(非正規) | -% |
※同社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、健康診断受診率(100.0%)、ストレスチェック受診率(65.4%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 特定取引先への依存リスク
同社商品の主原材料である卵殻膜の仕入や一部原材料の外注加工は、特定の取引先に依存しています。また、販売面でもQVCジャパンやオージオといった大口販売先への依存度が高いため、これらの取引先の事業状況や契約変更等が同社の業績に影響を与える可能性があります。
■(2) 直販部門(自社ECサイト)に関するリスク
自社直接販売の拡大に向けて広告宣伝等に投資を行っていますが、十分な効果が得られない場合やコストが上昇した場合には業績に影響が及ぶ可能性があります。また、通信ネットワークやシステムへの依存度が高く、障害やサイバー攻撃等により販売活動が困難になるリスクもあります。
■(3) 競合環境の変化に関するリスク
現在は卵殻膜を主成分とした有力な競合商品は多くありませんが、今後、卵殻膜の認知度向上に伴い競合他社やOEM先が類似商品を多数発売した場合、競争が激化し業績に悪影響を及ぼす可能性があります。同社は研究開発や商品改良により差別化を図っています。



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