※本記事は、アルマードの有価証券報告書(第26期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. アルマードってどんな会社?
アルマードは、卵殻膜の成分を活用した化粧品や健康食品の企画、開発および販売を手掛ける企業です。
■(1) 会社概要
2000年に卵殻膜を用いた化粧品および健康食品の製造販売を目的に設立され、同年に化粧品の販売を開始しました。2001年にはQVCテレビショッピングにて販売を開始し、その後は大学等との産学連携による共同研究を進めてきました。2021年には東京証券取引所JASDAQスタンダード市場(現スタンダード市場)への上場を果たしています。
同社の単体従業員数は93名です。大株主の構成については、筆頭株主が資産管理会社とみられるDALMAで、第2位がCBC、第3位が事業会社でありOEM商品の販売先でもあるオージオとなっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| DALMA | 16.64% |
| CBC | 13.24% |
| オージオ | 5.45% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性1名の計7名で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は保科史朗が務めており、取締役会における社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 保科史朗 | 代表取締役社長 | 1985年に野村證券に入社し、2014年に同社へ入社して経営企画部長を務めました。2015年に常務取締役に就任した後、2022年6月より現職。 |
| 蕨博雅 | 常務取締役管理管掌 | 2006年にあらた監査法人へ入所し、コンサルティング会社等を経て2018年に同社へ入社しました。総合企画室長、取締役を経て2022年6月より現職。 |
| 阿曽勇一郎 | 取締役営業管掌 | 1999年に野村證券に入社し、外資系コンサルティング会社を経て2024年に同社へ執行役員として入社しました。同年6月より現職。 |
社外取締役は、大和田寛行(大和田公認会計士事務所代表)です。
2. 事業内容
同社は卵殻膜ヘルスケア事業を単一で展開しており、以下のような販売チャネルごとに事業を推進しています。
■(1) 直販(EC)
自社ECサイトや他社ECサイト等を通じて、最終消費者から直接注文を受け、商品を配送するサービスを提供しています。主要な取扱商品としては、卵殻膜成分を配合した化粧品のCELLULAシリーズ等があり、定期購買サービスによる顧客基盤の拡大に注力しています。
収益源は、一般消費者からの化粧品や健康食品の購入代金および定期購入による利用料です。本チャネルの運営や商品の企画開発はアルマードが行っており、実際の製造はすべて外部の委託先に発注するファブレス体制を採用しています。
■(2) 外部間接販売(外販)
取引先と共同で製品仕様を決定して提供するOEM製品の販売と、ドラッグストアを中心とした量販店、バラエティショップ、理美容室などに向けた卸売販売を展開しています。主要商品として全身美容ドリンクやサプリメント、美容液などを扱っています。
収益源は、OEM取引先からの製品注文に基づく販売代金や、一般流通網を通じた卸売販売代金です。同チャネルの運営はアルマードが行い、OEM製品は取引先のブランドとして消費者に販売されるビジネスモデルを構築しています。
■(3) TVショッピング販売(TV通販)
主にTVショッピング専門チャンネルであるQVCにおいて、自社で企画開発した卵殻膜食品や卵殻膜化粧品を番組を通じて視聴者に紹介し、販売するチャネルです。主要商品として、化粧品のOdeシリーズや全身美容サプリメントなどを展開しています。
収益源は、TV放送を通じて商品を受注したQVCジャパンに対する商品の納入代金です。運営の主体はアルマードであり、QVCジャパンが消費者から受注した数量を納品し、同社が最終的な顧客へ商品を出荷する体制となっています。
3. 業績・財務状況
同社の業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
過去5期間の売上高は一貫して成長を続けており、53.7億円から101.2億円へとほぼ倍増しています。一方で経常利益は8億円から9億円台で推移してきましたが、直近では積極的な広告宣伝費の投下などの影響により6.9億円へと減益となり、利益率も低下傾向にあります。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 53.7億円 | 65.3億円 | 75.4億円 | 84.8億円 | 101.2億円 |
| 経常利益 | 8.4億円 | 8.4億円 | 9.6億円 | 9.4億円 | 6.9億円 |
| 利益率(%) | 15.6% | 12.8% | 12.8% | 11.0% | 6.8% |
| 当期純利益 | 5.8億円 | 5.9億円 | 7.0億円 | 6.5億円 | 5.2億円 |
■(2) 損益計算書
売上高が前期比で増収となるなか、売上総利益率も改善を見せています。しかし、将来的な成長に向けた新規顧客獲得のための投資を強化したことで、営業利益は減益となり、営業利益率も低下しています。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 84.8億円 | 101.2億円 |
| 売上総利益 | 59.2億円 | 76.2億円 |
| 売上総利益率(%) | 69.9% | 75.3% |
| 営業利益 | 9.5億円 | 6.9億円 |
| 営業利益率(%) | 11.2% | 6.8% |
販売費及び一般管理費のうち、広告宣伝費が39.9億円(構成比58%)、運送費が5.6億円(同8%)を占めています。売上原価は24.9億円であり、大部分を外部委託先等からの商品仕入高が占めています。
■(3) セグメント収益
TV通販や外販(OEM販売)の売上が減少したものの、ECサイトを通じた直販が新規顧客の獲得により大幅な増収となり、一般流通向けの外販もドラッグストア等での導入店舗数拡大により成長を牽引しました。
| 区分 | 売上(2025年3月期) | 売上(2026年3月期) |
|---|---|---|
| TV通販 | 11.9億円 | 9.4億円 |
| 外販(一般流通) | 4.7億円 | 8.7億円 |
| 外販(OEM販売) | 15.6億円 | 8.9億円 |
| 直販(EC) | 52.6億円 | 74.2億円 |
| 連結(合計) | 84.8億円 | 101.2億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業CFはプラス、投資CFおよび財務CFはマイナスとなっており、本業からの収入で投資や借入金の返済を賄っている健全な状態を示しています。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | -1.9億円 | 7.6億円 |
| 投資CF | -1.1億円 | -0.1億円 |
| 財務CF | 3.5億円 | -7.0億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は28.1%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は40.1%で市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は「世界の人々の人生に健康と美しさをもたらす。卵殻膜とバイオテクノロジーで。」という経営理念を掲げています。高齢化社会において、人々の健康や美しさの維持向上による生活の質の向上という根源的なニーズに対し、卵殻膜の多機能な効果を科学的に解明してユニークな商品を提供することを目指しています。
■(2) 企業文化
化粧品を一時的に外見を整えるものではなく肌細胞自体を美しくするものとし、健康食品を未病の改善に貢献するものと定義しています。美容と健康分野において、卵殻膜による新しい価値観を浸透させ、社会やステークホルダーから信頼を得られるよう、コンプライアンスや内部統制の充実を重視する文化を持っています。
■(3) 経営計画・目標
同社は、成長性および効率性をもって収益に結びつけ、継続的に成長していくことを経営上の目標としています。外部環境に左右されない財務基盤を構築し、企業価値の向上を図るため、以下の指標を重要な経営指標として位置付けています。
・売上高
・売上総利益
・営業利益
■(4) 成長戦略と重点施策
既存販路でのシェア拡大と新たな成長の柱づくりを推進し、卵殻膜市場の拡大を目指しています。直販チャネルでは広告を活用した顧客獲得効率の向上や継続率の改善を図り、外部機関との共同研究を通じてより機能性の高い新商品の開発を進めます。また、実店舗での販売拡大やOEMの新たな販路開拓にも注力する方針です。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は、従業員が企業の成長を支える重要な存在であるとの認識に立ち、事業の持続的な成長を支える人材の確保と育成に取り組んでいます。性別や社歴等で区分せず、意欲と能力のある従業員が平等に機会を得られる人事評価制度を整備し、仕事と家庭を両立して最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成を目指しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 41.4歳 | 3.9年 | 6,342,577円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 48.6% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
※同社は常時雇用する従業員数が300人以下のため、男女の賃金差異に関する記載はありません。
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、健康診断受診率(100.0%)、ストレスチェック受診率(100.0%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 仕入・在庫管理に関するリスク
同社は商品の製造を外部に委託するファブレス体制をとっており、主原材料である卵殻膜の仕入も特定の取引先に依存しています。委託先での品質問題や不測の事態による供給の遅延、原材料の調達が困難になった場合、または需要動向を見誤り欠品や滞留在庫が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 直販部門の拡販施策に関するリスク
直販チャネルの拡大に向けて積極的に広告宣伝費を投下していますが、想定した広告効果が十分に得られない場合やコスト上昇が生じた場合、投資回収が遅れ計画通りの収益を確保できなくなる恐れがあります。また、通信ネットワークの障害や個人情報の漏洩が発生した場合も、自社直接販売に支障を来すリスクがあります。
■(3) 大口販売先への依存と競合環境の変化
TVショッピング販売のQVCジャパンやOEM販売先のオージオといった大口取引先に対する売上依存度が高く、これらの取引先の業績悪化や方針転換が生じた場合には影響を受けます。また、卵殻膜の認知度向上に伴い、競合他社が類似商品を多数投入して競争環境が悪化した場合も、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(4) 法的規制や風評被害に関するリスク
化粧品や健康食品を取り扱うため、医薬品医療機器等法や景品表示法、食品衛生法などの法的規制の遵守が求められます。万が一、関連法規に抵触して行政処分を受けた場合や、市場で類似商材の安全性に疑義が生じて風評被害が発生した場合には、顧客からの信用失墜により業績に影響を及ぼす可能性があります。



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