※本記事は、株式会社ココペリ の有価証券報告書(第18期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ココペリってどんな会社?
中小企業の成長を支援するビジネスプラットフォーム事業を展開し、地域金融機関と連携したSaaSを提供しています。
■(1) 会社概要
2007年に設立され、2018年に中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance」をリリースしました。2020年に東証マザーズへ上場し、2022年の市場再編に伴いグロース市場へ移行しました。2023年にはキー・ポイントを完全子会社化するなど、事業基盤の拡大を進めています。
連結従業員数は118名(単体91名)です。筆頭株主は代表取締役CEOの近藤繁氏、第2位は創業時からの主要メンバーである森垣昭氏、第3位は近藤淳氏となっており、経営陣や関係者が主要株主として名を連ねています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 近藤 繁 | 31.70% |
| 森垣 昭 | 5.20% |
| 近藤 淳 | 3.70% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性1名の計8名で構成され、女性役員比率は12.0%です。代表取締役CEOは近藤繁氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 近藤 繁 | 代表取締役CEO | 2002年みずほ銀行入行。2006年イー・ステージ入社を経て、2007年6月より現職。 |
| 兼子 真人 | 取締役 | 2006年ケイビーエムジェイ入社。エス・エム・エス等を経て、2017年同社入社。2021年取締役就任。2024年4月よりソリューション事業部ゼネラルマネージャー。 |
| 馬庭 興平 | 取締役 | 2003年スルガ銀行入社。プロシップ取締役管理本部長を経て、2020年同社入社。2024年6月よりコーポレート事業部ゼネラルマネージャー。 |
社外取締役は、松尾幸一郎(有限会社松システム取締役)、松本直人(株式会社ABAKAM代表取締役)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ビジネスプラットフォーム事業」の単一セグメントで、「Big Advance」および「DX Solutions」を展開しています。
■(1) 中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance」
地域金融機関と連携し、中小企業の成長や課題解決を支援するプラットフォームを提供しています。ビジネスマッチング、福利厚生、ホームページ作成機能などをワンパッケージ化しており、金融機関の枠を超えた全国規模のネットワークを活用できる点が特徴です。
収益は、導入金融機関から受領する月額固定の運用・保守費と、金融機関が会員企業から受領する月額利用料に対するレベニューシェアで構成されるサブスクリプション型です。運営は主にココペリが行っています。
■(2) DX Solutions
金融機関や中小企業のDXを推進し、業務効率化を支援するサービス群です。専門性AI FAQ「SAF」や、セキュリティを確保したファイル送受信・共有サービス「WebFile」、中小企業向けの補助金活用コンサルティングなどを提供しています。
収益は、サービスの導入や利用に伴う対価を顧客である金融機関や中小企業から受領します。運営はココペリおよび子会社のキー・ポイントなどが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は順調に拡大し、第18期には20億円台に到達しました。利益面では、第18期において経常利益が大幅に増加し、利益率も大きく改善しています。
| 項目 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| 売上収益(または売上高) | 18億円 | 18億円 | 20億円 |
| 経常利益 | 0.7億円 | 0.4億円 | 2.0億円 |
| 利益率(%) | 3.7% | 2.2% | 10.0% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 0.7億円 | 1.0億円 | 1.5億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の増加に加え、売上総利益率が上昇しています。営業利益は前期と比較して大きく伸長し、営業利益率も改善しました。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 18億円 | 20億円 |
| 売上総利益 | 10億円 | 11億円 |
| 売上総利益率(%) | 54.4% | 56.8% |
| 営業利益 | 0.3億円 | 2.0億円 |
| 営業利益率(%) | 1.9% | 9.9% |
販売費及び一般管理費のうち、給料手当が3.3億円(構成比35%)、外注費が0.8億円(同8%)を占めています。
■(3) セグメント収益
単一セグメントのため、全社の売上高推移と同様にビジネスプラットフォーム事業の売上は増加しました。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) |
|---|---|---|
| ビジネスプラットフォーム事業 | 18億円 | 20億円 |
| 連結(合計) | 18億円 | 20億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業CFはプラス、投資CFと財務CFはマイナスで、本業で得た現金を投資や借入返済に回している「健全型」のキャッシュ・フロー状態です。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.4億円 | 4.1億円 |
| 投資CF | -1.8億円 | -3.1億円 |
| 財務CF | -1.4億円 | -0.2億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は6.8%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は76.6%で市場平均を上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「企業価値の中に、未来を見つける。」というミッションのもと、「中小企業にテクノロジーを届けよう。」というビジョンを掲げています。主力サービスである「Big Advance」等の普及により、中小企業の成長支援や労働生産性の向上に貢献することを目指しています。
■(2) 企業文化
同社では、「Deep User In(ユーザーを知り尽くし、ユーザーの期待を超えよう)」「Commit myself(今、自分にできる最高の仕事をしよう)」「Big & Speedy(大胆な方針を立て、素早く実行しよう)」「Team is Great(一人ではできないことを成し遂げよう)」という4つの行動指針を共通の価値観として大切にしています。
■(3) 経営計画・目標
「Big Advance」はサブスクリプション型のビジネスモデルであることから、導入金融機関数、会員企業数、および会員企業の解約率(チャーンレート)を重要指標として設定しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
「Big Advance」のユーザー数拡大に向け、金融機関とのリレーション強化や機能改善による顧客満足度向上を図ります。また、新機能や新サービスのリリースによるARPA(1アカウントあたり平均売上)の拡大、および金融機関向けのDX支援ツールの提供強化を推進します。さらに、海外ビジネスマッチングプラットフォーム「BIG ADVANCE GLOBAL」の提供を開始し、グローバル展開を目指します。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
持続的な成長のためには優秀な人材の確保と育成が重要であると考え、新卒・キャリア採用を積極的に進めています。また、E-learningシステムの導入や資格取得支援などの教育投資を行うとともに、専門職やマネジメント職に応じたキャリアパスの整備、女性活躍推進など、多様な人材が活躍できる環境づくりに取り組んでいます。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均とほぼ同じ水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 35.9歳 | 2.5年 | 5,981,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は従業員規模が300人以下のため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) システムトラブル
同社の事業はインターネットを介してサービスを提供する形態であり、AWS等の外部クラウドサービスを利用しています。システムエラーや自然災害等によりサービス停止が発生した場合、顧客への損害や信頼性の低下により、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 情報セキュリティ及び個人情報等の漏洩
事業において個人情報や機密情報を多数取り扱っています。情報漏洩や不正使用等が発生した場合、顧客への損害賠償や社会的信用の失墜により、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。同社は公的認証の取得や体制整備に努めています。
■(3) 特定サービスへの依存
主力サービスである「Big Advance」への依存度が高く、事業環境の変化や競争力低下により当該サービスの収益が悪化した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。同社は継続的な機能強化や研究開発に努めています。



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