コンフィデンス・インターワークス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

コンフィデンス・インターワークス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

同社は東証グロース市場に上場しており、ゲーム・エンタメ業界に特化した人材派遣・受託等のHRソリューション事業や、製造業向け求人メディア運営等のメディア&ソリューション事業を展開しています。直近の業績は売上高12.1%増、経常利益14.8%増と増収増益で推移しています。


※本記事は、株式会社コンフィデンス・インターワークス の有価証券報告書(第11期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月20日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. コンフィデンス・インターワークスってどんな会社?


同社グループは、ゲーム・エンタメ業界向けの人材派遣・紹介を行うHRソリューション事業と、求人メディア運営等を行う企業です。

(1) 会社概要


同社は2014年8月に設立され、2021年6月に東証マザーズ(現グロース)へ上場しました。2023年4月にフリーランス支援を行うコンフィデンス・プロを設立し、同年8月にはインターワークスを吸収合併して現商号に変更しました。2024年2月にはプロタゴニストを子会社化し、事業領域を拡大しています。

連結従業員数は1,063名、単体では1,051名です。筆頭株主は創業者の父親である中山隼雄氏の資産管理会社アミューズキャピタルで、第2位は中山晴喜氏の資産管理会社アミューズキャピタルインベストメントです。創業者の澤岻宣之氏も主要株主の一人として名を連ねています。

氏名 持株比率
アミューズキャピタル 22.74%
アミューズキャピタルインベストメント 18.65%
中山 隼雄 6.58%

(2) 経営陣


同社の役員は男性11名、女性1名の計12名で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役社長は澤岻宣之氏が務めています。取締役8名のうち4名が社外取締役であり、社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
澤岻 宣之 代表取締役 スタッフサービス等を経て、2015年同社代表取締役社長に就任。Dolphin代表取締役社長等を歴任し、2025年よりレッツアイ取締役を兼務して現職。
吉川 拓朗 専務取締役 キヤノン、野村総合研究所等を経て、2014年同社取締役就任。2022年専務取締役HRソリューション事業本部長。2023年よりコンフィデンス・プロ代表取締役社長を兼務して現職。
工藤 政嗣 常務取締役 コジマ、デジタルハリウッド等を経て、2021年インターワークス入社。2023年同社常務取締役就任。2024年よりプロタゴニスト代表取締役社長を兼務して現職。
永井 晃司 取締役 新日本有限責任監査法人を経て、2020年同社管理本部長兼総合政策部長。2023年取締役就任。2025年よりプロタゴニスト取締役を兼務して現職。


社外取締役は、雨宮玲於奈(元アイアム&インターワークス社長)、水谷翠(公認会計士)、三木寛文(元グリー)、河野弘(元ソニー執行役員常務)です。

2. 事業内容


同社グループは、「HRソリューション事業 人材派遣・受託」、「HRソリューション事業 人材紹介」、「メディア&ソリューション事業」を展開しています。

(1) HRソリューション事業 人材派遣・受託


主にゲーム・エンタメ業界の企業に対し、クリエイター等の人材を派遣するサービスや、ゲーム開発・運営におけるデバッグ等の業務受託サービスを提供しています。また、フリーランス人材のマッチング事業も行い、契約形態の多様化に対応しています。

収益は、クライアント企業からの派遣契約に基づく対価や、業務委託契約に基づく受託料等から得ています。運営は、同社および子会社のコンフィデンス・プロが行っています。

(2) HRソリューション事業 人材紹介


メーカー、エネルギー、IT、ゲーム、エンタメ等の業界を中心とした顧客企業に対して、アッパーミドル層を中心とするプロフェッショナル人材を紹介するサービスを展開しています。Web3領域を中心とした人材紹介も行っています。

収益は、紹介した求職者が顧客企業に入社した際に受け取る紹介手数料等から得ています。運営は、同社および子会社のプロタゴニストが行っています。

(3) メディア&ソリューション事業


製造業界・工場に特化した求人メディア「工場ワークス」の運営を行っています。また、採用課題解決のためのアウトソーシングコンサルティングや採用支援サービスも提供しています。

収益は、顧客企業からの広告掲載料や採用支援に関わるコンサルティング料等から得ています。運営は同社が行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高、経常利益ともに5期間を通じて増加傾向にあり、順調な成長を続けています。特に直近2期間においては、M&Aの効果もあり事業規模が拡大し、売上高は80億円規模、経常利益は13億円を超える水準に達しています。利益率も15%以上を維持しており、高い収益性を保ちながら成長しています。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 36億円 44億円 52億円 75億円 84億円
経常利益 6.0億円 7.4億円 9.3億円 11億円 13億円
利益率(%) 16.9% 16.7% 17.8% 15.3% 15.6%
当期利益(親会社所有者帰属) 4.0億円 5.3億円 6.2億円 7.3億円 10億円

(2) 損益計算書


前期と比較して売上高が増加し、売上総利益率も向上しています。営業利益も増加しており、増収増益を達成しました。コスト構造においては、事業規模の拡大に伴い販売費及び一般管理費が増加していますが、利益率への影響は限定的であり、効率的な経営が行われています。

項目 2024年3月期 2025年3月期
売上高 75億円 84億円
売上総利益 35億円 42億円
売上総利益率(%) 46.7% 50.1%
営業利益 12億円 13億円
営業利益率(%) 16.0% 15.5%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び賞与が12億円(構成比42%)、支払手数料が3億円(同12%)を占めています。

(3) セグメント収益


HRソリューション事業(人材紹介)およびメディア&ソリューション事業が大幅な増収増益となり、全社の成長を牽引しています。一方、主力の人材派遣・受託事業は、市場環境の影響を受け売上が微減、利益も減少しました。全社としては多角化の効果により増益を確保しています。

区分 売上(2024年3月期) 売上(2025年3月期) 利益(2024年3月期) 利益(2025年3月期) 利益率
HRソリューション事業 人材派遣・受託 55億円 53億円 14億円 12億円 22.8%
HRソリューション事業 人材紹介 10億円 15億円 3億円 5億円 35.7%
メディア&ソリューション事業 10億円 16億円 3億円 5億円 34.2%
連結(合計) 75億円 84億円 12億円 13億円 15.5%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

項目 2024年3月期 2025年3月期
営業CF 10億円 10億円
投資CF -0.7億円 0.7億円
財務CF -3.0億円 -12億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は17.7%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は87.3%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、「プロフェッショナルの力と可能性を信じ、共に未来を創り出す」をビジョンとして掲げています。多様化する社会で活躍するプロフェッショナルの夢の実現をサポートするとともに、所属企業や業界、社会の成長・発展に貢献し、可能性に満ち溢れる社会の実現を目指しています。

(2) 企業文化


同社は、人材サービスにおける知見やメディア運営技術を活かし、セグメント特化型のHRビジネスを展開しています。各セグメントを代表する企業の最前線で活躍する「人」に光をあてることで、業界における雇用環境の改善や転職市場の健全化を実現させることを重視しています。

(3) 経営計画・目標


同社は、成長性と収益性を評価する指標として、売上高、営業利益(セグメント利益)およびその利益率を重視しています。

* 事業領域や規模が拡大しても営業利益率15%を維持する。
* プライム市場への移行に必要な定量基準(流通株式時価総額、時価総額、収益基盤等)の早期達成。

(4) 成長戦略と重点施策


同社は、全事業領域でセグメント選定の上、顧客内部に深く入り込み、対象領域に特化したカテゴリーNo.1の集合体を目指しています。また、既存事業の成長に加え、M&Aを積極的に活用する方針です。

* ゲーム業界向け人材派遣から、人材紹介やアウトソーシングへサービスを循環させ、網羅深耕を図る。
* 自社の強みを発揮できるニッチ市場を選択し、シェア拡大および独占による他領域でのカテゴリーNo.1達成。
* 適切なコストコントロールによる安定的な利益体質への改善。
* 既存領域および周辺領域を中心としたM&Aによる事業基盤の拡大。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は、ターゲット層となる人材の採用チャネルを多様化・強化するとともに、職種別研修やOJTを通じて教育制度の充実を図っています。また、福利厚生の充実や社員交流の機会を増やすことで、プロフェッショナルが長期にわたって就業できる環境整備を進め、人材の確保・育成に注力しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年3月期 34.5歳 3.5年 3,902,000円


※平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 20.0%
男性育児休業取得率 66.7%
男女賃金差異(全労働者) 91.8%
男女賃金差異(正規雇用) 89.7%
男女賃金差異(非正規) 93.3%

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 人材の確保について


同社グループの主力事業である人材派遣においては、優秀なクリエイター人材の確保が事業拡大の必要条件です。人材確保が十分に行えない場合、顧客企業からのニーズに対応できず、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 派遣先での業務遂行及び機密情報の取り扱いについて


人材派遣・受託事業では、派遣先での業務遂行に際し、過失による事故や契約違反、機密情報の漏洩が生じるリスクがあります。これらが発生した場合、社会的信用の低下や損害賠償請求等により、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 求職者の確保について


人材紹介事業では、求職者の確保が重要であり、他社データベース活用やWebマーケティングを実施しています。雇用情勢の変化等により十分な人材確保ができない場合、マッチングサービスを提供できず、同社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(4) 検索エンジンへの集客依存


求人メディア事業において、利用者の多くは特定の検索エンジンからの集客に依存しています。検索エンジンのアルゴリズム変更等によりSEM・SEO対策が機能しなくなった場合、求人サイトへの集客に支障が生じ、同社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。