コンフィデンス・インターワークス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

コンフィデンス・インターワークス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東京証券取引所グロース市場に上場するコンフィデンス・インターワークスは、「HRソリューション事業 人材派遣・受託」「HRソリューション事業 人材紹介」「メディア&ソリューション事業」を展開しています。直近の連結業績は、新規連結等により売上高約100億円で前年比増収の一方、既存事業の軟調により減益となっています。


※本記事は、コンフィデンス・インターワークスの有価証券報告書(第12期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. コンフィデンス・インターワークスってどんな会社?


多様な人材サービスや求人メディアの運営を通じて、プロフェッショナルのキャリアを支援する企業です。

(1) 会社概要


2014年に設立され、ゲーム業界等向けの人材派遣・紹介事業を開始しました。2021年にマザーズ(現グロース)市場に上場し、2023年にはインターワークスを吸収合併して現社名に変更しました。2025年にはレッツアイやBRAISEなどをM&Aで子会社化し、映像制作など新規領域への展開を加速しています。

連結従業員数は1,275名、単体では980名です。筆頭株主は創業者の資産管理会社であるアミューズキャピタルで、第2位も同関連のアミューズキャピタルインベストメント、第3位は個人株主の中山隼雄氏となっています。

氏名 持株比率
アミューズキャピタル 22.45%
アミューズキャピタルインベストメント 17.60%
中山隼雄 6.50%

(2) 経営陣


同社の役員は男性10名、女性1名の計11名で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は澤岻宣之氏です。取締役8名中、社外取締役は4名です。

氏名 役職 主な経歴
澤岻 宣之 代表取締役 1996年スタッフサービス入社。2009年同社取締役営業本部長を経て、2015年より現職。
吉川 拓朗 専務取締役 2000年キヤノン入社。ベネフィット・ワン等を経て、2018年同社常務取締役。2023年より現職。
工藤 政嗣 常務取締役 1997年大阪有線放送社入社。デジタルハリウッド等を経て、2021年インターワークス入社。2023年より現職。
永井 晃司 取締役 2008年新日本有限責任監査法人入所。公認会計士登録後、2020年同社管理本部長に就任。2023年より現職。


社外取締役は、雨宮玲於奈(元スマートエージェンシー代表取締役社長)、水谷翠(スマート・プラス・コンサルティング代表取締役)、三木寛文(MKマネジメント代表取締役)、河野弘(合同会社オフィスK代表)です。

2. 事業内容


同社グループは、「HRソリューション事業 人材派遣・受託」「HRソリューション事業 人材紹介」「メディア&ソリューション事業」の3つの報告セグメントを展開しています。

HRソリューション事業 人材派遣・受託


ゲーム業界等の企業を主要顧客とし、クリエイターの派遣やゲームタイトルのデバッグ業務等の受託サービスを提供しています。契約の多様化に合わせてフリーランスマッチング事業なども展開しています。

派遣先からの派遣料金や業務の受託代金が主な収益源です。運営は同社のほか、コンフィデンス・プロ、レッツアイ、BRAISE、ジーズ・コーポレーションが担っています。

HRソリューション事業 人材紹介


メーカー、エネルギー、IT、ゲーム、エンタメなどの顧客企業に対し、アッパーミドル層を中心とした専門性の高い求職者を紹介する職業紹介サービスを提供しています。

求職者の入社決定に伴い顧客企業から受け取る紹介手数料が収益源です。運営は同社および、Web3等の領域に注力するプロタゴニストが行っています。

メディア&ソリューション事業


製造業界や工場に特化した求人メディア「工場ワークス」の運営を行うほか、企業の採用課題解決を支援する採用アウトソーシングコンサルティング等を提供しています。

求人広告の掲載料や、採用代行に伴う手数料が主な収益源となっています。同事業の運営は主に同社が担っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は一貫して成長を続けており、44億円から100億円へと規模を大きく拡大しています。一方、経常利益はM&Aの積極展開や既存事業の軟調な推移もあり、利益率は16%台から12%台へと低下傾向にあります。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 44億円 52億円 75億円 84億円 100億円
経常利益 7億円 9億円 11億円 13億円 13億円
利益率(%) 16.7% 17.8% 15.3% 15.6% 12.7%
当期利益(親会社所有者帰属) 5億円 6億円 7億円 10億円 7億円

(2) 損益計算書


売上高は前期比で大きく増加し約100億円に達しましたが、売上総利益率は50.1%から45.8%へと低下しました。また、M&Aに伴う経費増や既存事業での利益率低下の影響により、営業利益率も15.5%から12.9%へ低下しています。

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 84億円 100億円
売上総利益 42億円 46億円
売上総利益率(%) 50.1% 45.8%
営業利益 13億円 13億円
営業利益率(%) 15.5% 12.9%


販売費及び一般管理費(33億円)のうち、給与及び賞与が13億円(構成比40%)、広告宣伝費が4億円(同13%)を占めています。また、売上原価(54億円)の大部分は労務費(構成比88%)となっています。

(3) セグメント収益


主力の「人材派遣・受託」はM&A効果により大幅な増収となりましたが、利益は微減に留まっています。「人材紹介」と「メディア&ソリューション」は売上横ばいの中、堅調な利益率を維持しています。

区分 売上(2025年3月期) 売上(2026年3月期) 利益(2025年3月期) 利益(2026年3月期) 利益率
HRソリューション事業 人材派遣・受託 53億円 69億円 12億円 12億円 17.3%
HRソリューション事業 人材紹介 15億円 15億円 5億円 5億円 33.8%
メディア&ソリューション事業 16億円 16億円 5億円 5億円 34.7%
連結(合計) 84億円 100億円 13億円 13億円 12.9%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

項目 2025年3月期 2026年3月期
営業CF 10億円 14億円
投資CF 1億円 -3億円
財務CF -12億円 -7億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は13.3%で、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は80.5%であり、いずれも市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


「プロフェッショナルの力と可能性を信じ、共に未来を創り出す」をビジョンに掲げています。多様化する社会で活躍する専門人材の夢の実現をサポートするとともに、その所属企業や業界の成長に貢献し、可能性に満ち溢れる社会の実現を目指しています。

(2) 企業文化


人材サービスにおける知見やメディアサイト運営の技術を活かし、業界特化型の事業を展開する文化があります。各セグメントの最前線で活躍する「人」に光を当て、雇用環境の改善や転職市場の健全化を追求する真摯な姿勢が根付いています。

(3) 経営計画・目標


成長性と収益性の両立を重視しており、事業規模が拡大しても「営業利益率15%」を維持することを経営上の数値目標として掲げています。また、プライム市場への移行に向けて、流通株式時価総額や収益基盤など定量基準の早期達成を目指しています。

(4) 成長戦略と重点施策


既存事業であるゲーム業界向けの人材派遣を基盤としつつ、人材紹介やアウトソーシング等へサービス網を拡大しています。M&Aやアライアンスを機動的に活用して新規領域への参入を加速させ、自社の強みを発揮できるニッチ市場でのシェア獲得を進めます。

* 複合的な提案による顧客基盤の拡大
* 人的資本への投資とエンゲージメント向上
* AI等テクノロジーの活用による生産性向上

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


持続的成長の実現に向け、組織目標を担うマネージャーを「成長エンジン」と位置づけています。次世代幹部育成機関「GRIPS Lab」を設立し、実践的な課題解決力を育成するほか、リスキリング支援や柔軟な働き方の拡充を通じて、多様な人材の市場価値とエンゲージメントを高める方針です。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。成果と成長の2軸で評価する人事評価制度を導入し、役割に応じた適正な処遇を決定しています。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年3月期 35.2歳 3.8年 3,851,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 27.9%
男性育児休業取得率 83.3%
男女賃金差異(全労働者) 91.0%
男女賃金差異(正規雇用労働者) 91.1%
男女賃金差異(パート・有期労働者) 90.7%

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 人材獲得競争の激化と定着リスク


ゲーム領域や製造領域において専門人材の獲得競争が激化しています。意図した人材の確保ができない場合や人材の流出が想定以上に進んだ場合、同社の事業基盤や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) テクノロジーやAIの進化への対応遅れ


IT分野の技術革新や生成AIの普及により、一部職種で派遣需要が減少する恐れがあります。最先端のスキルを持つ人材を育成・確保できない場合や、新技術導入で競合に遅れをとった場合、競争力を失うリスクがあります。

(3) M&A・資本提携におけるシナジー創出の遅れ


企業買収や提携において、対象企業の業績悪化や統合(PMI)の遅れが生じ、期待したシナジーが得られない可能性があります。この場合、投資額の回収困難やのれんの減損処理が発生し、財務に影響を及ぼす恐れがあります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。