※本記事は、株式会社シキノハイテック の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
シキノハイテックは、半導体に関する設計、生産、販売、サービス活動を展開する企業です。電子機器製品、半導体検査装置、システム製品、カメラモジュール製品などを手掛けています。
単体従業員数は435名です。事業セグメントは電子システム事業、マイクロエレクトロニクス事業、製品開発事業の3つです。
同社は、魚津工場と福島事業所で電子機器製品や半導体検査装置などを生産し、本社や各デザインセンター、事業所で営業、設計開発、保守業務を行っています。販売は直販を主体としています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
シキノハイテックは、技術力とものづくり力を活かし、新しい価値創造を目指す企業です。従業員の成長と多様性を重視し、働きやすい環境づくりにも力を入れています。給与水準や福利厚生、人材育成への取り組みを通じて、どのような環境で働くことができるのかを見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が長く活躍できる環境が整っており、平均勤続年数から安定したキャリア形成が期待できる傾向が見られます。平均年齢もバランスが取れており、幅広い世代の従業員が在籍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,007,000円 |
| 平均勤続年数 | 12.2年 |
| 平均年齢 | 42.8歳 |
| 単体従業員数 | 435人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しており、国内の従業員を対象としています。退職一時金制度もあり、給与と勤務期間に基づいて一時金が支給されます。なお、退職給付債務は8.4億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
シキノハイテックは、持続的な成長と企業価値向上を実現するため、人材を重要な経営資源と位置付けています。高度な技術的専門性と、新たな付加価値を創出できる創造力・実行力豊かな人材の確保と育成が不可欠であると考えています。新卒・経験者採用を通じた多様な人材の確保に加え、教育・研修やOJT等による能力向上に継続的に取り組んでいます。
給与やその他の給付額は、給与関連規程および人事考課規程等に基づき、人事評価の結果や人材開発会議における審議内容、総人件費予算との均衡を考慮して決定されます。また、公正な評価・処遇制度の運用や、コアタイムレス・フレックスタイム制など働きやすい職場環境の整備を通じて、従業員の定着と活躍を促進し、将来を担う人材の育成を図っています。
同社は、2027年までの中期経営方針において、「失敗を恐れずチャレンジできる会社」「多様性があり、風通しの良い会社」「社員が誇れる・働き甲斐があり、社員が成長できる会社」を目指す企業イメージとして掲げています。この実現のため、多様性に富んだチャレンジ精神旺盛な人材を採用・育成し、全ての人材の能力発揮のための環境を整備することを人材戦略の基本的な考え方としています。人材育成においては、「学習する組織」の実現を目指し、「自発的成長を促す」「エンゲージメントの向上」「社会人基礎力を鍛える」の3点を戦略として掲げ、キャリア段階に応じた階層別研修や社内外研修を用意し、従業員の自律的な成長を支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男女の賃金差異に影響を与えている主な理由は、正規雇用労働者では男性管理職が多く、都市手当や家族手当の受給者が男性に多いこと、また育児短時間勤務者が全員女性であること、パート・有期労働者では男性に定年後の継続雇用者が多く給与水準が高い一方、女性は勤務時間の短いパート社員が多いことなどが挙げられます。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 10.0% |
| 男性育児休業取得率 | 50.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 60.2% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 66.8% |
| 男女賃金差異(パート・有期労働者) | 31.1% |
多様な人材の活躍推進
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 10.0% |
| 男性従業員の育休取得率 | 50.0% |
| 男性従業員の育休取得者数 | 1人 |
| 男性従業員の平均取得日数 | 9日 |
| 育休からの復職率 | 100% |
| 中途採用従業員の比率 | 65.3% |
| 中途採用従業員管理職の比率 | 76.0% |
| 外国人従業員の比率 | 0.9% |
| 外国人管理職の比率 | 0.0% |
ウェルビーイング
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 定期健康診断受診率 | 100.0% |
| ストレスチェック受検率 | 100.0% |
| 傷病者数 | 14名 |
| 従業員持株会加入率 | 21.3% |
| 確定拠出年金加入率 | 100% |
| マッチング拠出実施率 | 53.9% |
| 平均残業時間(全従業員) | 21時間58分 |
| 平均残業時間(男性従業員) | 26時間24分 |
| 平均残業時間(女性従業員) | 10時間18分 |
| 平均有給休暇取得日数 | 13.1日 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
シキノハイテックは、半導体に関する設計、生産、販売、サービス活動を一貫して展開している企業です。魚津工場や福島事業所では電子機器製品や半導体検査装置などを生産し、本社や各地のデザインセンター、事業所では営業、設計開発、保守業務を行っています。販売は直販を主体としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、半導体関連の技術を基盤に、多岐にわたる製品とサービスを提供することで収益を上げています。半導体製造の各工程や、画像処理技術を応用した製品開発まで、幅広い分野で事業を展開しています。
電子システム事業
電子システム事業では、半導体製造工場で使用される検査関連機器や装置を取り扱っています。半導体部品の評価や検査に必要なバーンイン装置、バーンインボード、周辺機器、治具の開発・製造を行っています。また、産業顧客の製品生産工程における検査ボードや専用計測器、各種電子機器の開発・設計・製造も手掛けています。収益は、これらの半導体検査関連機器や産業用電子機器の提供から得ています。同事業は前期から収益を伸ばしています。
マイクロエレクトロニクス事業
マイクロエレクトロニクス事業では、半導体のLSI設計(アナログ・デジタル)やIPコアの開発を行っています。回路設計からレイアウト設計、特性評価、LSIテストプログラム作成までの一貫設計体制を構築しており、設計技術者の人材派遣も行っています。高速I/Fや電源ICの設計技術に強みがあり、デジタル情報家電や電気自動車関連のLSI開発が主な用途です。収益は、LSI設計受託やIPコアのライセンス販売から得ています。同事業も前期から収益を伸ばしています。
製品開発事業
製品開発事業では、画像技術を活用した産業用組込カメラ、画像処理カメラの開発・製造、およびシステムの開発を行っています。複雑な画像処理をカメラ単体で実現し、画像検査や計測、各種認識処理など幅広い用途に活用されています。専用クリーンルームを完備した国内自社工場での一貫生産により、高い信頼性と安定供給を実現しています。また、画像処理システム開発や見守り用機器の商品開発・製造も行っています。収益は、これらのカメラ製品やシステム、見守り用機器の提供から得ています。同事業は前期から収益が減少しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 電子システム事業 | 30.2億円 | 30.6億円 |
| マイクロエレクトロニクス事業 | 20.7億円 | 21.2億円 |
| 製品開発事業 | 14.3億円 | 13.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が前期からわずかに減少する傾向にあります。営業利益、経常利益、当期純利益については、いずれも損失を計上する状況となっています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
従業員一人あたりの収益性や生産性に関する具体的な数値は、直近のデータからは確認できません。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | - |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、本業での資金創出が課題となり、財務活動で資金を調達している状況です。将来に向けた事業の安定性や成長性を判断する上で、資金の流れや事業リスクの把握が重要となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は、当期に前期から減少しています。プライム市場上場製造業の平均と比較すると、同社の自己資本比率は下回る水準となっています。この比率は、会社の財務の健全性を示す重要な指標の一つです。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 45.7% | 39.7% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、資金を使用する結果となりました。これは主に、税引前当期純損失の計上や売上債権及び契約資産の増加、仕入債務の減少などが影響しています。
投資活動によるキャッシュ・フローは、資金を獲得する結果となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入があった一方で、有形固定資産の取得による支出があったことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、資金を獲得する結果となりました。これは主に、短期借入金の増加や長期借入れによる収入があった一方で、長期借入金の返済や配当金の支払いがあったことによるものです。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは資金を使用する状況となっています。本業での資金創出が課題となっている状況であり、今後の資金繰りの動向が雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.9億円 | △9.6億円 |
| 投資CF | △1.9億円 | 6百万円 |
| 財務CF | 39百万円 | 6.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 9百万円 | △9.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、特定顧客への依存度が高い状況にあります。今後も依存度の高い顧客から継続的な受注を得られる保証はなく、顧客との関係に変化が生じた場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、同社が製品・サービスを提供する半導体業界は、技術進歩が著しく、激しいコスト競争に晒されています。顧客が要求するニーズに対して、競合他社よりも先行対応できなかった場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社の事業では、電子回路の基礎知識から応用技術までの幅広い知識を有する優れた技術者の確保と維持が必要です。これらの人材を十分に確保できなかった場合や、将来優秀な技術者が多数離職した場合は、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
シキノハイテックは、テクノロジーを通じて新しい価値を創造し、社会に貢献することを目指す企業です。お客様の信頼を第一に、常に発展し続けることを追求する文化が根付いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「和して拓く」を社是とし、社業を通じて社会に奉仕し、企業の永続と繁栄、社員の幸福と人格の向上を社訓としています。お客様の信頼を得る製品とサービスを創り出し、立ち止まらず、高いモラルを有し、発展し続ける企業を目指すことを経営理念に掲げています。Missionとして「テクノロジーで新しい価値を創造し、安全・安心・効率的な社会の実現に貢献」を、Visionとして「社会が求めるソリューションを『計測』×『デバイス』×『カメラ』で提案・実現」を掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「自ら考え自ら行動する。挑戦なくして成功はない。」を行動指針としています。Valueには「常に『どうあるべきか』を念頭にチャレンジ、事実を直視し考え行動する『Fact・Think・Act』の実践」を掲げています。失敗を恐れずチャレンジできる会社、多様性があり風通しの良い会社、社員が誇れる・働き甲斐があり成長できる会社を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、優秀な人材の育成・確保を成長力の源泉と捉え、eラーニングや階層別研修など社内外教育を優先事項としています。また、採用活動では人材の多様化に配慮し、WEB面接を多用して優秀な人材の確保に努めています。従業員エンゲージメントの向上と企業風土の浸透も重視しており、採用、育成、評価などの人事サイクルに組み込みながら、エンゲージメントのさらなる向上に取り組んでいます。コーポレート・ガバナンスの推進も重要課題とし、リスク管理、内部統制、コンプライアンスへの取り組みを強化しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
株式会社シキノハイテックは、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人、内部監査室を設置する体制をとっています。外部視点からの経営監督機能を強化するため、社外取締役と社外監査役を選任しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
シキノハイテックは、個人株主が筆頭株主であり、上位株主には複数の個人名が並んでいます。また、従業員持株会も上位に位置しており、幅広い層に支えられた資本構成となっています。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 塚田 隆 | 9.11% |
| 名古屋中小企業投資育成 | 4.67% |
| シキノハイテック従業員持株会 | 4.37% |
| 宮本 和子 | 3.19% |
| 岸 和彦 | 3.07% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長執行役員は髙橋信一氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 髙橋 信一 | 代表取締役社長 執行役員 | 1984年4月松下電器産業株式会社(現パナソニックホールディングス株式会社)入社。2020年6月同社入社 執行役員事業推進室長。2025年6月同社代表取締役社長執行役員より現職。 |
| 舛田 敏彰 | 常務取締役 執行役員 管理本部長 兼企画経理部長 | 1998年10月監査法人トーマツ入所。2007年9月株式会社クロタニコーポレーション(現株式会社MERF)入社。2024年3月同社入社。2025年6月同社常務取締役執行役員管理本部長兼企画経理部長より現職。 |
| 古川 卓哉 | 常務取締役 執行役員 電子システム事業本部長 兼ESD品質管理室長 | 1991年4月立山科学工業株式会社入社。2003年7月同社入社。2017年6月同社取締役。2025年6月同社常務取締役執行役員電子システム事業本部長。2026年4月同社常務取締役執行役員電子システム事業本部長兼ESD品質管理室長より現職。 |
| 岸 和彦 | 取締役 品質担当 | 1988年4月同社入社。2008年6月同社取締役システム開発部長。2015年6月同社常務取締役マイクロエレクトロニクス事業本部長。2025年6月同社取締役執行役員品質管理本部長。2026年4月同社取締役品質担当より現職。 |
| 菊池 弘樹 | 取締役 執行役員 生産本部長 兼生産技術部長 | 1986年4月株式会社村田製作所入社。2021年2月同社出向。2024年2月同社入社。2025年6月同社取締役執行役員生産本部長兼生産技術部長より現職。 |
社外取締役は、宮本幸男氏(志貴野メッキ代表取締役社長)、髙安錬太郎氏(株式会社アール・アンド・カンパニー代表取締役)、星野奈津希氏(安田総合法律事務所所長)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役3名と社外監査役2名を選任し、外部視点からの経営監督機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
シキノハイテックの役員報酬は、企業価値の持続的な向上と各職責に応じた適正水準を基本方針としています。業務執行取締役には固定報酬である基本報酬、業績連動報酬、および譲渡制限付株式報酬が支給されます。一方、社外取締役にはその職務に鑑み、基本報酬のみが支払われる仕組みです。報酬の決定プロセスにおいては、指名・報酬委員会が設置され、公正性・透明性・客観性の確保に努めています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 94百万円 | 15.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 11百万円 | 11.3百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 17百万円 | 3.3百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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