※本記事は、株式会社ペルセウスプロテオミクス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ペルセウスプロテオミクスは、東京大学先端科学技術研究センター・システム生物医学ラボラトリー(LSBM)で開発された蛋白質発現・抗体作製技術を基盤に、がんやその他疾患の治療用医薬品の研究開発を行う企業です。医薬品事業の単一セグメントで、創薬、抗体研究支援、抗体・試薬販売の3つの分野で事業を展開しています。
単体従業員数は35名です。
ペルセウスプロテオミクスは、東京大学先端科学技術研究センター・システム生物医学ラボラトリー(LSBM)で開発された蛋白質発現・抗体作製技術を基盤としています。同社は医薬品シーズ抗体の創生を通じて、がん及びその他疾患の治療用医薬品の研究開発を行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ペルセウスプロテオミクスは、最先端の抗体技術で世界の医療に貢献することを目指す創薬企業です。高度な専門性を持つ人材が、長期的な視点で研究開発に取り組める環境が特徴といえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が比較的高く、勤続年数も一定の長さがある傾向が見られます。これは、専門性の高い分野で経験を積みながら、長くキャリアを築いている社員が多いことを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,778,263円 |
| 平均勤続年数 | 7.6年 |
| 平均年齢 | 48.6歳 |
| 単体従業員数 | 35人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は「最先端の抗体技術で世界の医療に貢献する」という企業理念のもと、高度な専門性と熱意を持つ人材を成長の原動力と位置付けています。優秀な人材の確保・定着、人材育成、ダイバーシティ、職場での安全確保を人材戦略の基本方針としています。
人事制度としては等級制度を採用しており、等級基準の充足度と半期ごとの評価シート達成度評価に基づき、昇格・降格や月俸を決定しています。賞与は半期ごとの評価シート達成度評価結果に基づき、毎年1回支給される仕組みです。中長期的な企業価値向上への貢献意欲を高めるため、個人業績連動型の報酬・賞与制度や株式報酬型ストック・オプションなどのインセンティブ制度も整備されています。
具体的には、国内外から博士号取得者や創薬研究開発に優れた実績を持つ研究者を積極的に採用しています。専門性の向上を図るため、社外研究顧問による定期的な研究発表会、学会参加、外部研究機関との共同研究への参画、大学への派遣などを支援しています。また、採用、昇進・昇格、報酬において性別による差異を設けない方針のもと、女性が活躍しやすい職場環境と風土の醸成に取り組んでおり、外国籍人材の採用も進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
男性育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため記載を省略しています。女性管理職比率と男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づき算出されており、男女の賃金の差異は正規雇用労働者を対象としています。賃金制度・体系において性別による差異は設けていませんが、賃金水準が高い男性管理職が多いことによる差異が生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 37.5% |
| 男女の賃金の差異(正規雇用) | 84.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ペルセウスプロテオミクスは、東京大学で開発された蛋白質発現・抗体作製技術を基盤とし、診断・創薬標的に対する抗体の医療活用を目指す企業です。がんやその他疾患の治療用医薬品の研究開発を主力事業としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、ハイブリドーマ法、独自のスクリーニング技術を取り入れたファージディスプレイ法、シングルBセルスクリーニング法といった多様な抗体取得技術を保有しています。これらの技術を融合し、医療ニーズにマッチした医薬品シーズ抗体を取得することを特長としています。
収益モデルは主に、開発した医薬品候補を国内外の製薬企業に導出することによる契約一時金、開発進捗に応じたマイルストーン収入、上市後のロイヤリティ収入です。また、抗体に関連した研究支援サービスや、研究用試薬の販売も行っています。特に、抗体研究支援は、アカデミアや製薬企業とのネットワーク拡大に貢献しています。
同社の事業セグメントは医薬品事業のみの単一セグメントです。販売実績を見ると、特定の海外企業への売上が一定割合を占める傾向があります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社は、直近の事業年度において売上高が増加しました。しかし、営業損失、経常損失、当期純損失が継続しています。一方で、各損失額は前期に比べて減少する傾向を示しています。
研究開発費は多額を計上しており、これが販売費及び一般管理費の主要な部分を占めています。営業活動によるキャッシュ・フローは支出となっていますが、新株予約権の行使による株式の発行により、財務活動で資金を調達しています。特別損失として固定資産の減損損失を計上しています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、研究開発型の事業特性上、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなる傾向があります。現在は、将来に向けた事業展開のための資金確保に注力している段階です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤を見ると、当期の純資産は12.2億円、自己資本比率は75.0%となっています。これはプライム市場平均と比較しても高い水準を示しており、安定した財務体質がうかがえます。手元資金である現金及び預金は当期で15.2億円あり、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。これらの財務状況は、同社の事業継続性や将来の成長投資の余力に影響を与える要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 14.3億円 | 12.2億円 |
| 自己資本比率 | 78.8% | 75.0% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金 | 16.7億円 | 15.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュ・フローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュ・フローが△6.5億円の支出となりました。これは主に税引前当期純損失の計上による減少があった一方、助成金による増加があったことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、研究開発用の有形固定資産の取得により△0.1億円の支出となっています。財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使による株式の発行により5.0億円の収入となりました。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは△6.6億円の支出を示しています。同社は研究開発型の企業であり、開発期間中は営業キャッシュ・フローがマイナスとなる傾向があります。現在は、新株発行による資金調達も活用しながら、将来の事業展開に向けた投資を継続している状況です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | △6.5億円 |
| 投資CF | - | △0.1億円 |
| 財務CF | - | 5.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △6.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は抗体医薬品開発を行っていますが、一般に医薬品開発の成功確率は低く、多額の研究開発投資と長期間を要します。そのため、研究開発が遅延したり中止されたりする可能性があります。また、同社の収益は製薬企業との契約に基づく契約一時金やマイルストーンに大きく左右されるため、研究開発の進捗や導出先の事業方針変更により変動する可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、事業成長のために優秀な人材の確保と育成を不可欠な要素としています。特に研究開発分野における専門的な知識・技能を持つ人材の確保に支障が生じた場合や、重要な人材が社外に流出した場合には、同社の事業や業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ペルセウスプロテオミクスは、最先端の抗体技術を駆使し、世界の医療に貢献することを使命としています。革新的な医薬品の創製を通じて、持続可能な社会の実現を目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「最先端の抗体技術で世界の医療に貢献する」ことを企業理念としています。LSBMで開発された蛋白質発現技術やファージ抗体ライブラリを用いた抗体スクリーニング技術、シーズ探索技術を駆使しています。
がん及びその他の疾患の治療用抗体医薬品の研究開発を進めることで、世界の医療に貢献していくことを基本方針としています。中核である創薬を積極的に推進し、有用で安全な抗体医薬品を開発することを通じて、持続的な成長による企業価値の向上と、事業活動を通じた持続可能な社会の実現に貢献することをサステナビリティ基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、企業理念のもと、独自の抗体技術を用いて新しい抗体医薬品の開発を目指しています。重点的に取り組むマテリアリティ(重要課題)として、「革新的な医薬品の創製」「環境に配慮した事業活動」「従業員の多様性受入れ 組織の一体感醸成」「コンプライアンスの徹底 個人情報、秘密情報の保護」「コーポレート・ガバナンスの強化」を掲げています。
特に、従業員の多様性受入れと組織の一体感醸成を重視し、全ての人々の人権尊重、従業員の働きがい醸成、能力開発、女性活躍推進に取り組んでいます。ジェンダーや国籍を問わず、働きやすく、やりがいのある職場づくりを継続的に行い、社員の成長を促すことで企業基盤の強化に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、「最先端の抗体技術で世界の医療に貢献する」という使命のもと、いくつかの課題に取り組んでいます。その一つが企業基盤の強化です。
優秀な人材を積極的に採用し、新たな抗体医薬品の開発をさらに積極的に進めています。また、ジェンダーや国籍を問わず、働きやすく、やりがいのある職場づくりに継続的に取り組み、社員の成長を促すことで企業基盤の強化に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ペルセウスプロテオミクスは、取締役会と監査等委員会を設置し、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。取締役会は社外取締役が過半数を占める構成となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ペルセウスプロテオミクスの株主構成を見ると、大和証券が筆頭株主となっています。上位には証券会社やキャピタル会社、事業会社が名を連ねており、幅広い機関投資家や事業会社に支えられている資本構成です。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つような状況は見られません。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 大和証券 | 2.93% |
| SBI証券 | 2.42% |
| 三菱UFJキャピタル | 1.68% |
| 富士フイルム | 1.39% |
| 楽天証券共有口 | 1.32% |
なお、野村證券は2026年3月13日現在で1,067,175株を所有している旨が大量保有報告書に記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員は横川拓哉氏が務めています。社外取締役比率は62.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 横川 拓哉 | 代表取締役社長 執行役員 | 1985年4月富士写真フイルム株式会社(現富士フイルム株式会社)入社。2009年6月同社R&D統括本部医薬品研究所所長。2018年6月同社代表取締役社長、2019年1月同社執行役員より現職。 |
| 鈴川 信一 | 取締役 執行役員 管理部長 | 1978年4月国際電信電話株式会社(現KDDI株式会社)入社。2008年4月KDDI株式会社東南アジア統括拠点長兼KDDIシンガポール社長。2019年6月同社監査役、2020年6月同社取締役執行役員管理部長より現職。 |
| 萩原 真二 | 取締役 執行役員 研究開発部長 | 1989年4月サンド薬品株式会社(現ノバルティスファーマ株式会社)入社。2007年2月富士フイルム株式会社医薬品ヘルスケア研究所主任研究員。2022年6月同社執行役員研究開発部長、2023年6月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、小南欽一郎氏(テック&フィンストラテジー代表取締役)、花井陳雄氏(元協和発酵キリン代表取締役社長・島津製作所社外取締役)、長清達矢氏(ジャパニアス社外取締役(監査等委員))、堀内正氏(慶應義塾大学病院臨床研究推進センター訪問教授)、大野貴史氏(大野公認会計士事務所代表)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会での議決権を通じて経営陣の監督機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ペルセウスプロテオミクスの役員報酬は、監査等委員を除く取締役については報酬委員会の提言を踏まえ取締役会で決定され、監査等委員である取締役については株主総会で承認された範囲内で協議により決定されます。報酬は月額固定の基本報酬が中心であり、業績連動報酬は当面見送られています。ただし、業績向上へのインセンティブとして非金銭報酬(新株予約権)の付与も可能としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 54百万円 | 17.9百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 19百万円 | 3.8百万円 |
なお、記載金額は千円未満を切り捨てて表示されています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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