※本記事は、ドリームベッド株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ドリームベッドは、マットレス、ベッドフレーム、ソファ、寝装品などのデザイン開発、製造、販売を主たる事業としています。自社ブランド製品と海外提携ブランド製品を自社工場および協力工場で製造し、家具販売店向けと商業施設向けを主要な販売チャネルとして展開しています。
単体従業員数は376名です。同社はホームファニシング事業の単一セグメントで事業を展開しています。
ドリームベッドは、自社工場および協力工場でマットレス、ベッドフレーム、ソファ、寝装品などのデザイン開発、製造、販売を行っています。海外提携ブランド製品についても、ライセンス生産により日本の生活様式に適した製品を提供しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ドリームベッドは、家具製造業として、従業員の長期的なキャリア形成と働きがいを重視している企業です。安定した環境で専門性を高めながら、お客様の快適な暮らしを支える仕事に携わりたい方にとって、同社の働き方は魅力的な選択肢となるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的落ち着いた年齢構成と、長期的に勤務する従業員が多い傾向が見られます。これは、従業員が安心して働き続けられる環境が整っていることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,766,372円 |
| 平均勤続年数 | 12.0年 |
| 平均年齢 | 40.1歳 |
| 単体従業員数 | 376人 |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型の確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)及び確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は5.0億円、年金資産は7.9億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ドリームベッドは、「夢をはぐくむひとりひとりに、快適で美しいくらしを提供します」というミッションのもと、「人材価値の最大化 DE&I・健康経営施策・働きがい」をサステナビリティ経営方針の重要なマテリアリティとして掲げています。安全・安心で健康に働くことのできる職場環境を整備し、積極的な人材育成と働き方改革の実践を通じて、誰もが働きやすくやりがいを持てる組織を目指しています。
同社は、Employee Satisfaction(ES:従業員満足度)とEngagement(EG:エンゲージメント)が相互に高まることで、社員目標と会社目標のベクトルが合い、一体感を持った取り組みにつながり、会社業績を押し上げる原動力になると考えています。中期経営計画「Creating Value for Dreams」のもと、ESとEGの両輪を回し、新規事業に主体的に取り組む気運を社内に醸成するよう人材育成を図っています。
具体的には、女性管理職比率の向上、男性育児休業取得率の向上、男女間給与格差是正、処遇改善、人事評価制度の効果測定、人材育成研修の充実、ES及びEGの独自指標設定などに取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 1.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 65.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 70.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 64.2% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ドリームベッドは、マットレス、ベッドフレーム、ソファ、寝装品などのホームファニシング製品のデザイン開発、製造、販売を主たる事業としています。快適で美しい暮らしを提供することを通じて、企業価値の向上を図っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、ホームファニシング事業の単一セグメントで事業を展開しています。自社ブランド製品と海外提携ブランド製品を自社工場および協力工場で製造し、主要な販売チャネルを通じて営業展開しています。
主な販売チャネルは「家具販売店向け」と「商業施設向け」です。家具販売店向けでは、全国の家具販売店を通じて一般消費者に製品を販売しており、売り場のプロデュースを含めた支援も行っています。商業施設向けでは、全国のホテル等の宿泊施設に対し直接販売し、企画段階から参加してプロジェクト全体をプロデュースしています。
また、「ショップ/ショールーム」では、「リーン・ロゼショップ」やショールームを通じて一般消費者への直接販売や、家具販売店、百貨店、ハウスメーカー、専門業者を通じた販売も行っています。その他には、ベッド製造メーカー向けのOEM商品の販売や、ウォーターベッドの設置料、アフターメンテナンス等があります。
同社は「dream bed」や「WATER WORLD」といった自社ブランドに加え、「Serta(サータ)」、「KING KOIL(キングコイル)」、「ligne roset(リーン・ロゼ)」、「ruf(ルフ)」などの海外有力インテリアブランドとライセンス契約を結び、複数ブランド展開を推進しています。特に「Serta(サータ)」ブランドの日本国内における独占的な製造販売権および商標使用権を取得している点が事業上の大きな特徴です。
製品の特長としては、全日本ベッド工業会認定の衛生マーク表示資格を取得し、ISO9001認証工場で製造されているマットレスがあります。ポケットコイルマットレスでは、異なる太さの鋼線や形状、配列方法を組み合わせて最適な寝心地を追求しており、独自の機械開発により多様なコイル配列を実現しています。
生産体制においては、独自の生産拠点を持ち、自社製造で培った技術を活かして製品を開発しています。海外提携ブランド製品もライセンス生産することで、日本の生活様式や環境に適した製品へと微調整し、輸入コストを抑えています。また、国内協力工場との連携により、継続的な技術指導と迅速な納品を可能にし、受注から概ね1週間以内に出荷を完了させる受注生産体制を構築しています。
開発体制では、取り扱う全商品カテゴリにおいて自社デザインの新作を毎年発表しており、販促ツールの開発も専門部署で行っています。海外の家具見本市を視察し、その成果を製品デザインに反映させるほか、販売先や消費者からの意見や要望を新たな企画・開発に反映させることを重視しています。
2026年3月期における売上高構成比は、「家具販売店向け」が69.8%と最も大きな割合を占めています。次いで「商業施設向け」が14.8%、「ショップ/ショールーム」が14.0%、「その他」が1.4%となっています。本邦以外の外部顧客への売上高はないため、海外売上高はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が前年同期と比較して増加しました。これに伴い、営業利益、経常利益、当期純利益もそれぞれ増加しています。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。財務基盤は堅実さを維持しており、事業リスクへの対応も進められています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社は、自己資本比率が前期から増加し、プライム市場の製造業平均に近い水準にあります。ROEもプライム市場平均を上回っており、収益性を確保しています。手元資金は減少傾向にありますが、堅実な財務基盤を維持していると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 4,508百万円 | 4,844百万円 |
| 自己資本比率 | 40.0% | 42.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.5% | 10.3% |
| 現金及び預金 | 746百万円 | 599百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローがプラスとなっています。しかし、前期と比較すると減少しています。これは主に仕入債務の減少や売上債権の増加、法人税等の支払いによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が増加しており、事業拡大に向けた積極的な投資を行っていることが示されています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金や長期借入れによる収入が増加し、資金調達を進めている状況です。結果としてフリーキャッシュフローはマイナスに転じており、本業で得た資金を上回る投資を行っている成長投資フェーズにあると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 481百万円 | 108百万円 |
| 投資CF | △336百万円 | △586百万円 |
| 財務CF | △55百万円 | 328百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 145百万円 | △478百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、家具・インテリア業界やホテル業界を主たる販売先としており、国内景気や個人消費、旅行需要、訪日外国人の動向等の影響を受ける可能性があります。また、原材料の調達価格高騰や急激な為替相場の変動も、業績及び財政状態に影響を与えるリスクとして挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、少子高齢化による若年層の人材確保の困難さや、人件費の上昇、人材の社外流出が業績及び財政状態に影響を与えるリスクとして認識しています。優秀な人材の確保と定着、育成が課題となっています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ドリームベッドは、お客様の快適な暮らしを追求し、社会貢献を目指す企業です。持続的な成長と企業価値向上に向けた取り組みを推進しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ドリームベッドは、「空環創造宣言『夢をはぐくむひとりひとりに、快適で美しいくらしを提供します』」をミッションとしています。これは、世の中に生きる人々、ひとりひとりの「空環(空間と環境)」創りを支援することを目指すものです。
また、ビジョンとして「世界のブランドを、日本の技術で、すべてのお客様に届ける、空環創造マルチブランドカンパニー」を掲げています。世界的に高品質なマットレスやベッドフレーム、リビングソファ、インテリア用品を提供することで、日常生活を支え、社会に貢献することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ドリームベッドは、中期経営計画「Creating Value for Dreams」のもと、価値創造と持続的成長のための深化と探索を追求する企業風土です。顧客、株主、従業員、パートナー、社会の夢を実現することを重視しています。
また、「サステナビリティ経営方針」を制定し、「脱炭素社会の実現」や「人材価値の最大化 DE&I・健康経営施策・働きがい」など6つのマテリアリティに取り組んでいます。安全・安心で健康に働ける職場環境を整備し、ES(従業員満足度)とEG(エンゲージメント)の向上を通じて、社員が一体感を持って目標達成に取り組むことを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ドリームベッドは、サステナビリティ経営の深化と持続可能な成長基盤の構築を重点テーマとしています。環境面では、廃棄マットレスのリサイクル率100%維持や端材活用による資源循環を推進しています。
人的資本経営においては、女性管理職比率の向上、男性育児休暇取得率85%、有給休暇取得率70%の達成を目指し、多様な人材が活躍できる職場環境の整備に取り組んでいます。エンゲージメントの向上や健康経営銘柄の取得等、非財務活動を通じた企業価値向上にも注力しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が連携して経営を監督する体制をとっています。取締役会には社外取締役が参加し、多様な視点を取り入れています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はドリームベッド従業員持株会であり、従業員による安定的な株式保有が進められています。その他、投資事業有限責任組合や複数の個人株主、金融機関が上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ドリームベッド従業員持株会 | 11.97% |
| ブルーインベストメント投資事業有限責任組合 | 7.06% |
| 渡辺 靖子 | 6.53% |
| 三宅 尚子 | 6.53% |
| 広島銀行 | 4.99% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は三宅弘人氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 三宅 弘人 | 代表取締役社長 | 1989年4月 三井不動産入社。2021年9月 同社入社 経営企画部 顧問。2024年6月 同社代表取締役社長より現職。 |
| 髙橋 浩幸 | 常務取締役 生産統括本部長 | 1984年4月 同社入社。2017年4月 同社取締役生産本部長。2025年6月 同社常務取締役生産統括本部長より現職。 |
| 小尻 泰史 | 取締役 管理本部長 | 1984年4月 広島銀行入行。2020年6月 ひろぎんビジネスサービス代表取締役社長。2024年6月 同社取締役管理本部長より現職。 |
| 武田 浩伸 | 取締役 営業統括本部長 | 1989年4月 同社入社。2022年4月 同社執行役員営業統括本部ベッド事業部長。2025年6月 同社取締役営業統括本部長兼ベッド事業部長・東京支社長より現職。 |
社外取締役は、三島豊氏(三島食品代表取締役会長)、濱田芳弘氏(濱田芳弘税理士事務所開設)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会には2名の社外取締役が参加しています。社外取締役は、企業経営や財務・会計に関する豊富な経験と専門知識に基づき、経営の監視・監督機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬である基本報酬と、中長期的な企業価値向上を目的とした非金銭報酬等(株式報酬)で構成されています。社外取締役および監査役の報酬は、業績に連動しない固定報酬となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 90百万円 | 18.1百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 7百万円 | 3.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 11百万円 | 10.8百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 6百万円 | 3.0百万円 |
なお、非金銭報酬の総額には、取締役(社外取締役を除く。)4名に付与した譲渡制限付株式の割当にかかる自己株式の処分総額10,638千円が含まれています。
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