ミアヘルサホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ミアヘルサホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東京証券取引所スタンダード市場および名古屋証券取引所メイン市場に上場しています。調剤薬局運営の医薬事業、保育園運営の子育て支援事業、および介護事業を中核事業としています。直近決算では、新規出店効果や公定価格改定等が寄与し、売上高は238億円、経常利益は6億円となり、増収増益を達成しました。


#ミアヘルサホールディングス転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

※本記事は、ミアヘルサホールディングス株式会社 の有価証券報告書(第4期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ミアヘルサホールディングスってどんな会社?


首都圏を中心に調剤薬局、保育園、介護施設を展開し、医療・介護・保育の連携による地域包括ケアシステムを推進する企業グループです。

(1) 会社概要


1984年に薬局経営を目的とした日本生科学研究所(現ミアヘルサ)が設立されました。その後、介護事業や保育事業へ参入し、2021年に単独株式移転によりミアヘルサホールディングスを設立、東証JASDAQ(現スタンダード)へ上場しました。2024年には子会社間で吸収合併を行い、経営効率化を進めています。同年、名古屋証券取引所メイン市場へも上場を果たしました。

連結従業員数は1,847名、単体従業員数は持株会社のため記載がありません。筆頭株主は取締役会長の資産管理会社で、第2位は取締役会長本人です。第3位は医療関連サービスを行う事業会社となっています。

氏名 持株比率
スリーユ 28.12%
青木 勇 19.56%
グリーンホスピタルサプライ 3.57%

(2) 経営陣


同社の役員は男性6名、女性1名の計7名で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は青木文恵氏です。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
青木 文恵 代表取締役社長 1975年給食普及会(現ミアヘルサ)入社。同社取締役副社長、ライフサポート(現ミアヘルサ)代表取締役社長などを経て、2022年より現職。
青木 勇 取締役会長 1968年給食普及会(現ミアヘルサ)設立。日本生科学研究所(現ミアヘルサ)代表取締役社長、同社会長等を経て、2023年より現職。
高橋 雅彦 取締役(財務担当) 1980年松下電器産業(現パナソニック)入社。日本生科学研究所(現ミアヘルサ)管理本部本部長等を経て、2021年より現職。
足立 正弘 取締役(常勤監査等委員) 1979年給食普及会(現ミアヘルサ)入社。同社常務取締役、日本生科学研究所(現ミアヘルサ)常勤監査役等を経て、2021年より現職。


社外取締役は、皆川尚史(元厚生労働省大臣官房審議官)、遠山典夫(遠山典夫税理士事務所代表)、原正雄(中島経営法律事務所パートナー)です。

2. 事業内容


同社グループは、「医薬事業」、「子育て支援事業」、「介護事業」および「その他」事業を展開しています。

(1) 医薬事業


「日生薬局」「ミアヘルサ薬局」の屋号で、東京都を中心とした首都圏に調剤薬局を出店しています。大型総合病院前の門前型や医療モール型を中心に、地域密着型の薬局運営を行っています。また、在宅服薬指導や24時間の相談対応など、かかりつけ薬局としての機能も強化しています。

収益は、患者からの負担金および国民健康保険団体連合会等への調剤報酬請求によって得ています。運営は主にミアヘルサが行っています。

(2) 子育て支援事業


認可保育所、認証保育所、公立保育園の指定管理、学童クラブ等を運営しています。国の基準を満たした認可保育所を中心に、大都市特有のニーズに対応した認証保育所など、多様な子育て支援サービスを提供しています。

収益は、自治体からの施設型給付(補助金)および保護者からの保育料等によって構成されています。運営は主にミアヘルサが行っています。

(3) 介護事業


サービス付き高齢者向け住宅、通所介護(デイサービス)、訪問介護、訪問看護、グループホームなど、多様な介護サービスを提供しています。高齢者の住まいに各種介護サービスを併設し、包括的にケアを提供するモデルを展開しています。

収益は、利用者からの自己負担金および国民健康保険団体連合会への介護報酬請求によって得ています。また、サービス付き高齢者向け住宅の賃料や食事代等は利用者へ直接請求しています。運営は主にミアヘルサが行っています。

(4) その他(食品事業)


公立小中学校や保育園・介護施設等に対する食材の卸売業を行っています。また、宅配寿司チェーン「銀のさら」のフランチャイジーとして店舗展開も行っています。

収益は、学校や施設への食材販売代金、および一般消費者からの飲食代金等から得ています。運営は主にミアヘルサが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は着実な増加傾向にあり、事業規模が拡大しています。経常利益は変動が見られますが、直近では大きく伸長し、利益率も改善傾向にあります。当期純利益もV字回復を果たしています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 195億円 222億円 227億円 238億円
経常利益 1.9億円 1.7億円 3.7億円 6.4億円
利益率(%) 1.0% 0.8% 1.6% 2.7%
当期利益(親会社所有者帰属) 2.9億円 2.1億円 0.1億円 3.0億円

(2) 損益計算書


売上高の増加に伴い売上総利益も増加していますが、営業利益率は改善しており、本業の収益性が高まっています。販管費のコントロールが進んでいることがうかがえます。

項目 2024年3月期 2025年3月期
売上高 227億円 238億円
売上総利益 22億円 24億円
売上総利益率(%) 9.5% 10.0%
営業利益 4.0億円 6.4億円
営業利益率(%) 1.7% 2.7%


販売費及び一般管理費のうち、給料手当が6.0億円(構成比34.2%)、役員報酬が1.6億円(同9.0%)を占めています。売上原価は214億円で、売上高に対する構成比は90.0%です。

(3) セグメント収益


医薬事業と子育て支援事業が増収を牽引しています。特に子育て支援事業は利益面でも大きく貢献しています。介護事業は微増収ながら黒字転換を果たしました。その他事業は安定的に推移しています。

区分 売上(2024年3月期) 売上(2025年3月期) 利益(2024年3月期) 利益(2025年3月期) 利益率
医薬事業 93億円 96億円 5.5億円 5.2億円 5.4%
子育て支援事業 92億円 97億円 8.8億円 10.7億円 11.0%
介護事業 33億円 35億円 -1.3億円 0.1億円 0.3%
その他 9億円 10億円 0.3億円 0.2億円 1.6%
調整額 -0.4億円 -0.5億円 -9.2億円 -9.7億円 -
連結(合計) 227億円 238億円 4.0億円 6.4億円 2.7%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

ミアヘルサホールディングスは、医薬、子育て支援、介護事業などを展開しており、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は増加しました。

営業活動では、本業で得られた資金は前連結会計年度から減少しましたが、利益や減損損失などが主な増加要因となりました。投資活動では、固定資産の取得を中心に資金を使用しました。財務活動では、借入や株式発行による収入があったものの、借入金の返済や短期借入金の減少、配当金の支払いにより資金が使用されました。

項目 2024年3月期 2025年3月期
営業CF 16億円 10億円
投資CF -3.4億円 -4.6億円
財務CF -6.1億円 -8.5億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同グループは、「子どもから高齢者まで全世代が繋がり、お互いを支え合う地域づくりに貢献する」をパーパスとし、「少子高齢化社会の課題に挑戦し、地域社会を明るく元気にする」をミッションとして掲げています。0歳から高齢者までの健康と生活を守る企業として社会に貢献することを目指しています。

(2) 企業文化


医薬、子育て支援、介護事業の連携により「地域包括ケアシステム」を推進し、「健康・安心・絆のライフライン」を構築することをコア・コンピタンスとしています。その実現を通じて、利用者や地域社会からの信頼確立を重視する文化を持っています。

(3) 経営計画・目標


事業計画の達成状況を月次で確認し、各事業セグメントにおいて計画達成のキーとなるKPIを設定しています。

* 医薬事業:処方箋枚数、処方単価、後発品調剤率、かかりつけ薬剤師指導料(件数)、在宅処方件数
* 子育て支援事業:受入児童数、保育士採用関連数値(エントリー数など)
* 介護事業:サービス付き高齢者向け住宅の入居率、平均要介護度、デイサービス利用者数

(4) 成長戦略と重点施策


「地域包括ケアシステム」の担い手として、3事業の連携によるまちづくりを推進し、事業成長を目指しています。具体的には、行政やデベロッパーと協力した開発、ドミナント出店によるブランド力強化、IT化による業務効率化、および財務面での自己資本比率向上を課題として挙げています。また、こども家庭庁創設に伴う保育ニーズへの対応や、調剤・介護報酬改定への早期対応も進めています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


薬剤師、介護福祉士、保育士といった有資格者の確保を不可欠とし、新卒・中途を問わず採用を強化しています。各資格者の専門性を活かした事業本部別の就業体系や人事給与制度を構築し、柔軟な勤務環境を整備することで、人材の育成と強化を図る方針です。また、多様な人材を管理者として登用するための教育も積極的に進めています。

(2) 給与水準・報酬設計


※該当データなし(純粋持株会社であり、提出会社の従業員数が記載されていないため省略します。)

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 30.2%
男性育児休業取得率 33.3%
男女賃金差異(全労働者) 83.2%
男女賃金差異(正規雇用) 81.7%
男女賃金差異(非正規雇用) 88.4%


※数値は連結子会社であるミアヘルサの実績です。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 有資格者の採用について


医薬、子育て支援、介護の各事業において、法令等により有資格者の配置が義務付けられています。薬剤師、介護福祉士、保育士等の確保が困難になった場合、新規事業所の開設遅延や既存事業所の運営計画に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 個人情報管理について


利用者情報(病歴・薬歴含む)などの個人情報を多数取り扱っています。個人情報保護規程の整備や教育を行っていますが、万一個人情報の漏洩が発生した場合、損害賠償や行政処分、社会的信用の低下により、業績に影響を与える可能性があります。

(3) 食品の衛生管理について


保育園や介護施設での食事提供、および食品事業における食材販売を行っています。厳格な衛生管理を実施していますが、万一食中毒や異物混入等の事故が発生した場合、利用者への損害賠償や社会的信用の低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 事業所開設について


各事業において事業所の立地は重要であり、綿密な調査の上で開設を決定しています。しかし、基準を満たす立地が確保できない場合や、待機児童減少等により自治体からの公募が減少した場合、開設計画の未達により業績に影響が出る可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。