※本記事は、株式会社フレクト の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フレクトは、クラウドとAIの先端テクノロジーを活用し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するマルチクラウド・インテグレーターです。国内大手企業を中心に、データ連携やID統合、データ統合プラットフォームの構築にAIを加えたトータルサービスを提供しています。
単体従業員数は445名です。同社の事業はクラウドソリューション事業の単一セグメントとなっています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社フレクトは、クラウドとAIの先端テクノロジーを活用し、企業のDX支援を手掛ける企業です。同社は、従業員の成長と働きがいを重視し、技術力ある人材の育成を経営戦略の重要な柱としています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社の働く環境の傾向を把握することができます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数は比較的短めとなっています。これは、成長フェーズにある企業や、専門性の高い分野でキャリアを築く人材が多く集まる企業に共通して見られる傾向です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,654,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.2年 |
| 平均年齢 | 36.5歳 |
| 単体従業員数 | 445人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は「インターネットを通じてみんなの人生満足を追求する」という企業理念のもと、「あるべき未来をクラウドでカタチにする」というビジョンを掲げ、企業のDX支援を行っています。人的資本を事業上の重要テーマと位置づけ、「働きがい・就業機会」を重点分野として注力しています。
人材戦略においては、技術力ある人材育成と、クラウド・AIの先端テクノロジーを活用した成長戦略を推進しています。従業員の給与その他の給付の額及び内容については、会社業績、景況感、競合他社の状況、期待値、ケイパビリティを総合的に勘案し決定する方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。パート・有期労働者の男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 2.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 156.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 77.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 77.6% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| クラウドエンジニア等の専門職従業員数(2026年3月末) | 415人 |
| クラウドエンジニア等の専門職従業員数(2027年3月末目標) | 474人 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フレクトは、クラウドとAIの先端テクノロジーを活用し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するマルチクラウド・インテグレーターです。顧客中心型のビジネス変革を支援することで、あるべき未来をクラウドでカタチにすることを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「クラウドインテグレーションサービス」を主力事業として展開しています。クラウドとAIの先端テクノロジーを駆使し、新しい顧客体験を創出する「攻めのDX」を支援しています。
国内大手企業を中心に、データ連携、ID統合、データ統合プラットフォームの構築にAIを加えたトータルサービスを提供しています。また、Salesforceプラットフォームを活用したコンタクトセンターサービス、コミュニティサービス、ECサービス、IoTサービス等のアプリケーション開発も手掛けています。
これらのプロフェッショナルサービス提供を通じて収益を得ています。同社の事業は「クラウドソリューション事業」の単一セグメントとなっています。
なお、当事業年度の販売実績において、ANAシステムズ株式会社への販売実績が総販売実績の13.0%を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の業績を見ると、同社の売上高は増加傾向にあります。売上総利益、営業利益、経常利益も同様に増加しています。
一方で、当期純利益は前期から減少しています。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務基盤は安定しており、事業活動を通じて着実に資金を創出しています。将来に向けた投資も継続しており、安定性と成長性の両面を兼ね備えた財務状況であると言えます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率はプライム市場平均と比較して高い水準にあり、財務基盤の安定性を示しています。また、ROE(自己資本利益率)も高い水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金も確保されており、事業の継続性や雇用・給与の安定性につながる状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 27.2億円 | 22.4億円 |
| 自己資本比率 | 64.8% | 60.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 26.5% | 30.6% |
| 現金及び現金同等物 | 21.3億円 | 11.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
営業活動によるキャッシュフローは、当期は3.3億円のプラス、前期は9.0億円のプラスとなっています。これは、同社が本業で安定的に資金を獲得していることを示しています。
投資活動によるキャッシュフローは、当期は0.7億円のマイナス、前期は2.9億円のマイナスとなっています。これは、有形固定資産の取得による支出など、事業に必要な投資を行っていることを示しています。
財務活動によるキャッシュフローは、当期は12.5億円のマイナス、前期は0.5億円のマイナスとなっています。これは、主に自己株式の取得による支出や長期借入金の返済による支出があったためです。
フリーキャッシュフローは、当期は2.6億円のプラス、前期は6.1億円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回っています。これらのキャッシュフローの状況は、同社が安定した事業運営を行いながら、将来に向けた投資も継続していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる財務状況であると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 9.0億円 | 3.3億円 |
| 投資CF | △2.9億円 | △0.7億円 |
| 財務CF | △0.5億円 | △12.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 6.1億円 | 2.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、株式会社セールスフォース・ジャパンが提供するSalesforceプロダクトを活用した開発に一定程度依存しています。同社の経営戦略の変更やアプリケーションの機能障害などが、同社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、クラウドインテグレーションサービスにおいては、競合他社の技術力の急激な向上や予期しないサービスの提供、類似サービスによる価格競争が激化するリスクがあります。これにより、営業案件の失注等が生じ、同社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社の事業はエンジニアの技術力に立脚しており、事業の継続的な成長のためには優秀なエンジニアの安定的な確保と育成が極めて重要です。労働市場の競争激化などにより、採用・育成が計画通りに進まない場合や、既存従業員の社外流出が加速する場合には、サービス提供体制の維持や事業拡大が制約される可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
フレクトは、クラウドとAIの先端テクノロジーを駆使し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するマルチクラウド・インテグレーターです。顧客中心のビジネス変革を通じて、社会のあるべき未来を創造することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「あるべき未来をクラウドでカタチにする」というコーポレートビジョンを掲げています。クラウドとAIの先端テクノロジーを活用し、企業のDXを支援するマルチクラウド・インテグレーターとしての役割を担っています。
あらゆるヒト、モノがデジタルでつながる社会において、企業やその先にいるユーザーのあるべき姿を同社自身で考え、そのモノ作りまで行っています。デジタルに最適化された新しい顧客体験をカタチにすることで、顧客中心型のビジネス変革を支援していくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「インターネットを通じてみんなの人生満足を追求する」という企業理念のもと、持続可能な社会と中長期的な企業価値の向上を目指しています。ESGの観点から国連が提唱するSDGsの達成にも貢献していく方針です。
技術力ある人材育成とクラウド・AIの先端テクノロジーを活用した成長戦略を重視しており、マルチな専門性を育む仕組みと人づくりを推進しています。従業員のエンゲージメント向上にも注力し、スキルアップ・キャリアアップによる給与水準の引き上げや、定期的なエンゲージメントスコアの測定、1on1面談によるフォローなどを実施しています。
また、研究開発を起点としたクラウド先端テクノロジーによる高付加価値を創出する事業サイクルを確立しています。コンプライアンス委員会や情報セキュリティ委員会などを設置し、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視・管理する統治体制を構築しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けて、人材の確保及び育成を重要な課題と認識しています。クラウド市場におけるエンジニアの人材不足が深刻化する中で、専門性を獲得できるエンジニアを安定的に確保し続けることに注力しています。
経験者採用では、クラウド開発未経験者であってもコンピューターを用いた情報処理を学んだエンジニアを積極的に採用しています。入社後のオンボーディングや技術研修、社内外研修への参加、資格取得の推奨、自社独自のEラーニングシステム運用を通じて、マルチな専門性を持つエンジニアの育成に取り組んでいます。
また、顧客の機密情報や個人情報を多く預かるため、情報管理体制の強化も重要な課題です。個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底するとともに、今後も社内教育・研修の実施やシステムの整備を継続して行っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
フレクトは監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化と経営の透明性確保を重視した経営体制を構築しています。独立性の高い社外取締役が監査等委員を務め、経営の健全性・効率性及び透明性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
フレクトの筆頭株主は合同会社クロであり、代表取締役CEOの資産管理会社です。これにより、創業家が経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。また、Salesforce, Inc.も主要株主の一角を占めており、事業連携の深さも示唆されます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 合同会社クロ | 53.34% |
| Salesforce, Inc. | 5.09% |
| CACEIS BANK/QUINTET LUXEMBOURG SUB AC / UCITS CUSTOMERS ACCOUNT | 3.80% |
| NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN (CASHPB) | 2.34% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 1.95% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役CEOは黒川幸治氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 黒川 幸治 | 代表取締役CEO クラウドインテグレーション事業部 事業部長 | 2000年5月 株式会社フィアコミュニケーションズ設立、同社代表取締役。2005年8月 同社設立、同社代表取締役CEO。2017年3月 合同会社クロ設立、同社代表社員就任。2025年4月 同社クラウドインテグレーション事業部 事業部長より現職。 |
| 大橋 正興 | 取締役 Identity&AI事業部 事業部長 | 2004年4月 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社入社。2007年3月 同社入社。2009年6月 同社取締役COO。2026年4月 取締役Identity&AI事業部 事業部長より現職。 |
社外取締役は、銕川陽介氏(税理士法人インプルーブ代表社員・監査等委員)、藤原章一氏(元リクルートホールディングス常勤監査役・監査等委員)、小川周哉氏(TMI総合法律事務所パートナー・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役3名全員が社外取締役です。これにより、社外役員による経営への牽制機能を強化し、経営の健全性・効率性及び透明性の確保を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
フレクトの役員報酬は、監査等委員でない取締役に対しては基本報酬、単年の業績に連動する賞与、および株式報酬で構成されています。監査等委員である取締役には基本報酬と株式報酬が支給されます。業績連動賞与は売上高と当期純利益の達成率を指標とし、株式報酬は中長期的な企業価値向上への貢献意識を高めることを目的とした「役員報酬BIP信託」を導入しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 31百万円 | 15.7百万円 |
当事業年度において報酬の支給対象となった役員の総数は2名であり、報酬等の総額は31.5百万円です。
個人別報酬が開示されている役員はいません。
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