【平均年収426万円】TORICO 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収426万円】TORICO 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

TORICOは、マンガを軸としたECサービスやイベントサービスを展開し、グループ各社とともに暗号資産事業も手掛けています。直近期の業績は売上高が減少しましたが、損失は縮小しました。


目次

※本記事は、株式会社TORICO の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


TORICOは、「世界を虜にする」をビジョンに掲げ、マンガを軸とした多角的な事業を展開しています。ECサービスやイベントサービスを通じて、国内外のマンガファンに新たな楽しみを提供しています。

単体従業員数は60名、連結従業員数は60名です。セグメントはマンガ事業、暗号資産事業の2つです。

主な国内グループ会社は、ROLL(マンガ事業)、TORICO Ethereum(暗号資産事業)などです。

同社グループは、当連結会計年度より暗号資産事業を開始し、従来のマンガ関連事業の単一セグメントから「マンガ事業」と「暗号資産事業」の2つのセグメントに区分を変更しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社TORICOは、マンガビジネスを通じて「世界に“楽しみ”を増やす」ことを目指す企業です。同社グループでは、従業員一人ひとりの成長を支援し、多様な人材が活躍できる職場環境の整備に力を入れています。ここでは、同社グループで働く上での給与水準や働き方の特徴について詳しく見ていきます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、比較的若い年齢層の従業員が中心となっており、平均勤続年数も短めであることから、活発な組織であることがうかがえます。従業員の成長を支援し、貢献度を適切に処遇へ連動させる方針が示されています。

項目 数値
平均年間給与 4,262,000円
平均勤続年数 4.4年
平均年齢 35.0歳
単体従業員数 60人
連結従業員数 60人
単体のグループ内比率 100.0%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「世界を虜にする」というビジョンと「世界に“楽しみ”を増やす」というミッションの実現に向け、持続可能な社会の創造を前提としたサステナビリティ経営を推進しています。人材戦略においては、従業員一人ひとりの成長を支援し、その貢献度を適切に処遇へ連動させることを基本方針としています。

具体的には、客観的かつ透明性の高い人事評価制度を導入しており、同社のビジョン・ミッション・バリューの実践に紐づく定性目標と、各種KPIに紐づく定量目標の二軸で評価を実施しています。目標達成に向けた月1回の進捗面談を通じて継続的なフィードバックを行い、従業員の成長を支援するとともに、評価結果を給与改定に反映させる仕組みです。

また、ダイバーシティ経営を推進しており、女性の活躍推進、ジェンダー・ペイ・ギャップの解消、公平な成長機会の提供、外国人社員の推進を重点テーマとしています。女性社員のキャリア形成支援を強化し、女性管理職の育成・登用を進めるほか、年齢・性別・国籍に関わらない公平な賃金支払いや、非正規雇用から正社員への移行支援など、多様な人材が能力を十分に発揮できる環境整備に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 66.5%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 78.4%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 96.2%

ダイバーシティ経営の推進

指標 目標値(2026年度) 実績(当連結会計年度)
女性社員比率 50%(維持継続) 54.2%
女性管理職比率 50%(維持継続) 0.0%
外国人社員比率 5%以上 1.4%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社TORICOは、「世界を虜にする」というビジョンを掲げ、日本が世界に誇るマンガを軸に多角的な事業を展開しています。休日にマンガを一気読みする楽しさや、スキマ時間にデジタルコミックを読む楽しさなど、あらゆる生活シーンに楽しみを増やすことをミッションとしています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、マンガを核としたECサービスとイベントサービスを主軸に事業を展開しています。当連結会計年度からは暗号資産事業も開始し、現在は二つのセグメントで構成されています。これらのサービスを並行して提供することで、サービス間の垣根を越えたシナジーを生み出しています。

マンガ事業

コミック全巻セットに特化したネット書店「漫画全巻ドットコム」をはじめ、「ホーリンラブブックス」「まんが王」といった異なるコンセプトのECサービスを運営しています。また、自社運営店舗やECサイトで企画開催される「マンガ展」を通じて、マンガ・アニメ・ドラマ等のグッズ販売、原画展示、フード・ドリンク提供、サイン会やトークイベントなどを複合的に展開しています。
収益は、ECサービスでのコミックや関連グッズの販売、イベントサービスでのグッズ販売や催事開催から得ています。運営は、TORICOが行っています。

暗号資産事業

暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン技術、金融リテラシーに関する調査、研究、コンサルティング、市場調査、宣伝、広告に関する業務を行っています。強固な資金基盤のもと、イーサリアム(ETH)の戦略的な取得・運用を推進し、ステーキングやレンディング等の機動的な運用手法を組み合わせることで、継続的かつ安定的な運用益の創出を目指しています。
収益は、主にイーサリアムの運用益から得ています。運営は、TORICO Ethereumが行っています。

同社グループの売上高は、主にマンガ事業が大部分を占めており、暗号資産事業は当連結会計年度に開始されたばかりです。また、楽天グループ株式会社やアマゾンジャパン合同会社といった主要なECモールを介した販売が、マンガ事業の収益に大きく貢献しています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
マンガ事業 - 31.9億円
暗号資産事業 - 2百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は減少傾向にあります。直近3期間は経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失が続いています。しかし、当連結会計年度においては、営業損失および親会社株主に帰属する当期純損失は前期に比べて縮小しています。

これは、収益構造の見直しによるオンラインショップ運営費や荷造運賃の大幅な削減、イベント事業の好調な推移が影響しています。一方で、暗号資産事業における暗号資産評価損の計上が営業外費用として発生しています。営業活動によるキャッシュ・フローは改善傾向にあります。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 53.9億円 50.0億円 39.0億円 36.8億円 31.9億円
経常利益 2.1億円 1.3億円 △2.2億円 △2.6億円 △3.4億円
経常利益率 3.9% 2.6% △5.7% △7.2% △10.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 1.5億円 74百万円 △2.7億円 △4.5億円 △3.6億円
1株当たり当期純利益(円) 48.24 12.07 △44.73 △58.86 △33.64

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて減少しています。これは、売上高の減少と従業員数の減少が影響していると考えられます。一方で、従業員1人あたり営業利益は、前期の損失から当期にかけて損失幅が縮小しており、収益構造の見直しによる改善の傾向が見られます。これらの指標は、同社グループが事業環境の変化に対応し、効率化を進めている状況を示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 57.5百万円 53.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △4.1百万円 △1.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


TORICOは、収益構造の抜本的な見直しを進め、新たな収益基盤の確立を目指している段階にあります。財務基盤やキャッシュフローの状況から、同社グループの現在の経営状態を把握することができます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


TORICOの自己資本比率は前期から大きく上昇し、プライム市場平均と比較しても高い水準にあります。これは財務の安定性を示す指標の一つです。一方で、ROE(自己資本利益率)はマイナスとなっており、収益性の改善が課題となっています。手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 8.1億円 16.3億円
自己資本比率 54.6% 72.3%
ROE(自己資本利益率) - -29.9%
現金及び預金 6.3億円 6.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


当期は営業活動によるキャッシュフローがプラスに転じ、前期のマイナスから改善しています。これは暗号資産評価損の計上や棚卸資産の減少などによるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは暗号資産の取得や無形固定資産への支出により、前期よりも大幅なマイナスとなっています。フリーキャッシュフローはマイナスであり、本業で得た資金だけでは投資を賄いきれていない状況を示しています。

このため、TORICOは財務活動によるキャッシュフローで資金を調達しており、第三者割当増資や新株予約権の発行などにより資金を確保しています。同社グループは営業損失が継続していることから、安定的な資金確保を重要な経営課題と認識し、資金繰りに留意しつつ、資金需要に応じた柔軟な調達手段を講じていく方針です。これは、今後の事業拡大と収益性改善に向けた取り組みが、雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △140百万円 50百万円
投資CF △27百万円 △10.9億円
財務CF 1.9億円 10.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △167百万円 △10.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

TORICOでは、2024年3月期から3期連続で営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在すると認識しています。しかし、当面の事業活動の継続性に懸念はなく、重要な不確実性は認められないと判断しています。

② 事業構造・収益性に関するリスク

TORICOの主力ビジネスである紙コミック市場は縮小傾向にあり、電子コミック市場も競争が激化しています。このような市場環境は、同社グループのマンガ全巻売りビジネスに影響を及ぼす可能性があります。また、主力であるコミック全巻売りを中心としたECサービスへの売上依存度が高いことも、事業環境の変化による業績への影響リスクとして挙げられています。

③ 人材・組織に関するリスク

TORICOは、事業展開や企業規模の拡大に伴い、優秀な人材の継続的な採用と既存人材の育成・維持に努める必要性を認識しています。採用基準を満たす人材の確保や育成が計画通りに進まなかった場合、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


TORICOは、「世界を虜にする」というビジョンを掲げ、「世界に“楽しみ”を増やす」ことをミッションとする企業です。マンガビジネスを中心に、独自の価値観に基づいた経営を行っています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


TORICOグループは、「世界を虜にする」というビジョンを掲げています。このビジョンを実現するために、「世界に“楽しみ”を増やす」ことをミッションとしています。同社グループは、「漫画全巻ドットコム」などのマンガビジネスを中心に事業を展開しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


TORICOグループでは、役員および従業員全員の共通価値観として5つの行動指針を定めています。具体的には、「遊び」にマジメに、とにかく速い、自分ゴト化する、日々挑戦、日々進化、隣人を饗す、という価値観です。

また、同社は持続的な成長と企業価値向上のため、経営の透明性向上とコンプライアンス遵守を徹底し、コーポレート・ガバナンス体制の強化を図っています。サステナビリティ関連のリスク管理体制も構築しています。

さらに、ダイバーシティ経営を推進しており、女性の活躍推進、ジェンダー・ペイ・ギャップの解消、公平な成長機会の提供、外国人社員の推進に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


TORICOは、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる状況が続いていることを認識しています。同社は、この疑義を早期に解消することが最重要課題であると位置づけています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


TORICOは監査役会制度を採用しており、株主総会、取締役会、監査役会を設置しています。これにより、透明度の高い意思決定と機動的な業務執行、適正な監査に対応できる体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


TORICOの筆頭株主はShootingStar1号投資事業有限責任組合です。代表取締役社長である安藤拓郎氏も上位株主として名を連ねており、経営陣が会社の資本構成において重要な位置を占めていることがうかがえます。

株主名 持株比率
ShootingStar1号投資事業有限責任組合 22.06%
安藤 拓郎 12.18%
石井 昭 6.52%
テイツー 4.49%
SBI証券 3.49%


なお、前事業年度末現在主要株主であったテイツー、石井 昭氏は、当事業年度末では主要株主ではなくなり、ShootingStar1号投資事業有限責任組合が新たに主要株主となりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は安藤拓郎氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。

氏名 役職 主な経歴
安藤 拓郎 代表取締役社長 1998年日本オラクル入社、2003年三井物産入社。2005年同社創業、代表取締役社長より現職。漫画全巻ドットコム、スキマ、ROLLの代表取締役社長も務めています。
鯉沼 充 専務取締役管理本部長 1998年第一興商入社。2007年同社入社、2018年専務取締役管理本部長より現職。
濱田 潤 取締役メディア本部長 2007年フルスピード入社。2010年同社入社、2021年取締役メディア本部長より現職。
尾下 順治 取締役 1998年第二電電(現KDDI)入社。アクセルマーク代表取締役社長を経て、2025年MONSTER DIVE取締役、2026年TORICO Ethereum代表取締役、2026年同社取締役より現職。


社外取締役は、國光宏尚氏(Mint Town代表取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役は経営者としての経験や専門的知見に基づき、客観的かつ中立的な助言や取締役の職務執行の監督を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


TORICOの役員報酬は、職責に応じた固定報酬、業績に連動する賞与、株主との価値共有を図る株式報酬で構成されています。賞与は取締役のみが対象であり、監査役は含まれません。株式報酬は取締役を対象に新株予約権として割り当てられています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 34百万円 11.3百万円
社外取締役 4名 2百万円 0.6百万円
社外監査役 4名 8百万円 2.1百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。