※本記事は、フルハシEPO株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月16日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フルハシEPOグループは、木質廃棄物の再資源化処理や建設副産物の再資源化、物流機器の製造・販売などを通じて、各種環境ソリューションを展開しています。持続可能な社会の実現を経営理念としています。
単体従業員数は339名、連結従業員数は487名です。セグメントはバイオマテリアル事業、資源循環事業、その他の3つです。
主な国内グループ会社は、フィニティ(廃棄物収集運搬・木材チップ輸送)、フルハシ環境総合研究所(環境コンサルティング)、ASAPSECURITY(警備請負・人材派遣)などです。
2025年4月1日には、連結子会社であるフィニティの木質廃棄物の再資源化および木材チップ販売事業をフルハシEPOが吸収分割しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
フルハシEPOは、持続可能な社会の実現を目指し、資源循環や再生可能エネルギーといった事業を通じて成長を続ける企業です。従業員の定着を重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れていることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着が比較的長く、平均年齢も安定している傾向が見られます。これは、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていることを示唆していると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,588,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.4年 |
| 平均年齢 | 41.0歳 |
| 単体従業員数 | 339人 |
| 連結従業員数 | 487人 |
| 単体のグループ内比率 | 69.6% |
同社および一部の連結子会社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。退職給付債務は4.4億円となっています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
フルハシEPOグループは、企業価値創造の源泉である人的資本への取り組みを最優先課題の一つと位置づけ、人材投資戦略を推進しています。中期経営計画の継続的な達成のため、人員増強と生産性向上が重要であると認識しており、人材の確保と多様性の推進、収益基盤を創出できる人材の育成を重点課題としています。
報酬面では、直近4か年平均でベースアップを含む5%強の給与増額や、業績連動性を高めた人事制度の導入を実施しています。また、2026年4月には新卒初任給を月額25万5千円に引き上げ、採用競争力の強化を図っています。
人材育成においては、「自ら未来を創造する人材」の育成を基本方針とし、従業員の意欲向上と能力開発を目的とした教育研修(ブラッシュアップ研修、階層別研修、職種別研修、eラーニング研修等)の拡充に取り組んでいます。社内環境整備としては、従業員一人ひとりが創造力をもって「高い安全性、高い生産性、高度な環境技術」を追求できる環境づくりを目指し、安全衛生、従業員の健康確保、技能取得、人事評価、人材多様性の確保(女性活躍推進、仕事と育児の両立支援等)を推進しています。ワークライフバランスの推進として、毎週水曜日をノー残業デーと定め、定時退社を促しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。男女の賃金の額の差異は、主に男女間の管理職比率及び雇用形態の差異によるものです。連結会社は公表義務の対象ではないため記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 65.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 66.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 56.7% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性社員の育児休業取得率 | 100.0% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有給休暇取得率 | 81.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フルハシEPOグループは、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」を経営理念に掲げ、木質廃棄物の再資源化処理を軸とした環境ソリューションを提供しています。再資源化した木材チップを燃料や原料として販売するほか、建設現場から生じる建設副産物の再資源化、物流機器の製造・販売などを通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、木質資源の循環利用と環境負荷低減に貢献する事業を展開しています。木質廃棄物の再資源化処理を受託し、そこから得られる木材チップを販売することで収益を上げています。また、建設副産物の再資源化や環境物流、環境コンサルティングサービスも提供し、多角的な環境ソリューションを提供しています。
バイオマテリアル事業
この事業では、建物の解体時に発生する廃材や使用済み木質パレット、梱包材などの木質廃棄物の処理を受託し、紙パルプや木質繊維板用の原料チップ、木質バイオマス発電用の燃料チップとして再資源化しています。収益は、排出事業者からの処理料と、再資源化された木材チップの販売による収入から得ています。運営は、主にフルハシEPOが木質廃棄物の再資源化処理受託を、子会社であるフィニティが収集運搬と木材チップ輸送を各々展開しています。
資源循環事業
この事業では、住宅建設時に発生する木くず、廃プラスチック類、金属くずなどの建設副産物を再資源化しています。収益は、建設副産物の再資源化処理の受託と、再資源化製品の製造販売から得ています。
その他事業
この区分には、環境物流事業と環境コンサルティングサービス事業が含まれます。環境物流事業では、木質パレットなどの物流機器の製造、仕入れ、販売を展開しています。環境コンサルティングサービス事業では、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに関するコンサルティング、人材育成、統合報告書作成支援などを提供しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| バイオマテリアル事業 | 67.8億円 | 72.8億円 |
| 資源循環事業 | 15.9億円 | 17.0億円 |
| その他の事業セグメント | 10.1億円 | 10.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあり、当期も前期から増加しています。経常利益は前期から減少しましたが、営業利益は増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は前期から減少しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 77.2億円 | 80.8億円 | 87.5億円 | 93.8億円 | 100億円 |
| 経常利益 | 8.4億円 | 10.5億円 | 12.5億円 | 14.3億円 | 11.7億円 |
| 経常利益率 | 10.9% | 13.0% | 14.2% | 15.3% | 11.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.7億円 | 7.4億円 | 2.6億円 | 10.3億円 | 8.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 63.80 | 74.96 | 22.41 | 87.88 | 76.87 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少しており、従業員1人あたり営業利益も前期から減少しています。これは、同社グループの生産性が前期と比較して低下している可能性を示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 21.2百万円 | 20.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.6百万円 | 2.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
フルハシEPOは、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。財務基盤を強化しながら、事業拡大を目指している段階にあると言えます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較してやや下回る水準ですが、ROE(自己資本利益率)は平均を上回っています。手元資金は増加傾向にあり、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 55.9億円 | 62.1億円 |
| 自己資本比率 | 45.9% | 44.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 19.5% | 15.1% |
| 現金及び預金 | 11.1億円 | 11.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、資金の減少を示しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の借入による収入があった一方で、長期借入金の返済や配当金の支払いによる資金減少があり、全体としては増加となりました。本業で得た資金を将来の成長投資に充てている状況であり、事業拡大に向けた積極的な姿勢がうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 13.2億円 | 15.0億円 |
| 投資CF | △22.9億円 | △19.4億円 |
| 財務CF | △3.5億円 | 4.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △9.8億円 | △4.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループのバイオマテリアル事業及び資源循環事業は、住宅着工動向に影響を受ける可能性があります。経済活動や不動産市況等により工事量が減少した場合、廃棄物リサイクル処理量の減少や製品供給の減少につながる可能性があります。
また、主力事業であるバイオマテリアル事業は、廃棄物リサイクル処理受託と木材チップ販売の双方で収入を得る事業モデルです。両者の需給バランスが著しく悪化する状況が生じた場合、事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、継続的な事業成長のため、優秀な人材確保が重要であると認識しています。人材雇用・採用環境の変化等により人材確保が困難となる場合や、社内人材の流出が継続する場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
フルハシEPOは、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」という経営理念を掲げ、地球環境の視点から社会に貢献する製品やサービスを提供しています。資源の循環経済への移行と加速、そして炭素中立型経済の実現を目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」を経営理念としています。地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しています。
持続的に調達可能な木質資源を軸に再資源化した木材チップを、紙やパルプ原料、建材原料、木質バイオマス発電等への石油代替燃料として供給しています。さらに、建設現場から生じる木質系以外の建設副産物の再資源化や、物流機器の製造・販売・修理、中古物流機器の買取販売といった環境ソリューションにも取り組んでいます。これらの活動を通じて、資源の循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行と加速、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現を目指す方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念に基づき「自ら未来を創造する人材」の育成を基本方針としています。この方針のもと、行動指針「FULUHASHI Spirits」を掲げています。
具体的には、「新しい可能性にチャレンジし、持続可能な社会を実現する」「お客様の立場に立って考え、ニーズに応える」「プラス発想と行動力で付加価値を高める」「知性・技術・感性を育て、使命感を持って仕事に取り組む」「豊かなこころでユーモアを忘れず仕事を楽しむ」という五つの指針があります。従業員一人ひとりが創造力をもって「高い安全性、高い生産性、高度な環境技術」を追求できる社内環境の整備を基本方針としています。安全衛生、従業員の健康確保、技能取得、人事評価、人材多様性の確保を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、環境関連法規制の遵守を経営上最も重要な課題と位置付けています。法令遵守に対する一層の意識向上と体制強化を図るため、継続的な社内教育と啓蒙を行い、社会的な信頼をより得る努力を行っています。
今後の事業展開に合わせた人材の確保と、収益基盤を創出できる人材の育成も重要な経営課題です。これに対応するため、「多様性」「公平性」「包括性」の確保を図るとともに、従業員が創造力を発揮できるよう、安全衛生、健康確保、技能取得、組織・人事評価等の社内環境整備を推進しています。また、業務のAI化や工場の自動化を推進し、事業の効率化、安全性及び生産性の一層の向上を図っています。
持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指すために、サステナビリティ経営を重視しています。法令遵守と経営の透明性確保、実効性の高い監督機能の確立、木質バイオマス発電・熱利用事業の推進による脱炭素社会の実現、資源循環を目的とした拠点の拡大によるサーキュラーエコノミーの実現、自治体との災害廃棄物処理の支援等に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
フルハシEPOは、監査等委員会設置会社として、取締役会の監督機能強化と業務執行の適法性・妥当性の監査・監督機能の充実を図っています。独立社外取締役が取締役会の構成員として経営を監督する体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
フルハシEPOの株主構成を見ると、筆頭株主はヤマグチであり、同社の創業家またはその関連会社と見られます。上位株主には、同社の従業員持株会や信託銀行のほか、複数の個人株主が名を連ねています。特に山口姓の個人株主が複数存在することから、創業家が同社の資本構成において一定の影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ヤマグチ | 39.33% |
| フルハシEPO従業員持株会 | 5.24% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 4.06% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
フルハシEPOの役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は山口直彦氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山口 直彦 | 代表取締役社長 経営戦略本部長 | 1978年4月同社入社、1983年1月取締役、1997年10月代表取締役社長に就任。2024年4月より現職。 |
| 山口 昭彦 | 代表取締役副社長 生産本部長 | 1984年8月同社入社、1990年11月取締役、2009年1月代表取締役副社長に就任。2024年4月より現職。 |
| 熊澤 修次 | 常務取締役 営業本部長 | 2004年2月同社入社、2012年6月取締役、2021年5月常務取締役営業本部長に就任。2026年4月より現職。 |
| 天野 幹也 | 取締役 生産本部副本部長 兼東日本生産部長 | 2000年3月同社入社、2016年6月取締役、2026年4月より現職。 |
| 上野 徹 | 取締役 管理本部長 兼総務部長 | 2016年4月同社入社、2020年6月取締役、2021年2月より現職。 |
社外取締役は、水野信勝氏(水野信勝公認会計士事務所所長・監査等委員)、織田直子氏(アクエリアス・ハート・ヴォイス代表取締役・監査等委員)、苅谷公平氏(苅谷公認会計士・税理士事務所開設・監査等委員)、井上理津子氏(りそなビジネスサービス執行役員・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、すべての監査等委員を社外取締役とすることで、独立した立場からの監査を確保し、経営に対する監視機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
フルハシEPOの役員報酬は、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対しては固定報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬を組み合わせた体系です。一方、監査等委員である取締役の報酬は、その職務の独立性を確保するため固定報酬のみで構成されています。報酬決定の客観性と透明性を確保するため、独立社外取締役が過半数を占める指名報酬委員会が設置されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 2.6億円 | 51.6百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 3百万円 | 3.3百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 23百万円 | 4.5百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
個人別報酬が開示されている役員は、山口直彦氏(1.02億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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