【平均年収486万円】イーディーピー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収486万円】イーディーピー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

イーディーピーは、ダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発を手がけ、幅広い分野に製品を提供しています。海外子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。直近の業績は売上高が減少し、損失が拡大しました。


目次

※本記事は、株式会社イーディーピー の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


イーディーピーは、ダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発を主たる事業としています。同社グループは、人工宝石の種結晶や半導体材料としての基板、ヒートシンク、精密加工切削工具など、幅広い分野に製品を提供しています。

単体従業員数は67名、連結従業員数は70名です。同社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントです。

国内においてはイーディーピーが生産・販売を一手に担い、海外2社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。

2026年3月31日付でエス・エフ・ディー株式会社を吸収合併し、業務効率の向上と意思決定の迅速化を図りました。また、SFD Antwerp BVの事業運営方針も見直しを進めています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


イーディーピーは、ダイヤモンド単結晶の製造・販売・開発を通じて、地球規模の環境維持や社会課題解決に貢献することを目指しています。同社グループは、事業を支える人材を重要な経営資源と位置づけ、従業員一人ひとりの専門性と能力を最大限に発揮できる環境づくりに注力しています。

中途採用者が多く、経験やスキルを活かして活躍できる職場環境が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


イーディーピーでは、従業員の平均年齢が比較的高く、経験豊富な人材が中心となって業務を遂行している傾向が見られます。平均勤続年数も一定の水準を保っており、従業員が長期的にキャリアを築いている様子がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 4,865,000円
平均勤続年数 5.0年
平均年齢 48.4歳
単体従業員数 67人
連結従業員数 70人
単体のグループ内比率 95.7%


イーディーピーでは、退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。この制度は同社および一部の連結子会社に適用されています。退職一時金制度も設けられていますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


イーディーピーは、ダイヤモンドの幅広い応用を通じてイノベーションを創出し、地球規模の環境維持や社会課題解決に貢献するため、人材を重要な経営資源と位置づけています。従業員一人ひとりの経験、専門性、適性を把握し、適材適所の配置を徹底することを基本方針としています。

給与は、経験、能力、職責、業務遂行状況、貢献度を適切に評価して決定され、基本給と役職手当で構成されます。賞与は年2回、業績状況と個人の貢献度を踏まえて支給され、昇給は年1回、業務遂行状況や能力発揮状況を勘案して行われます。従業員のモチベーション向上と企業価値向上への意識を高めるため、ストック・オプションの付与も行われており、今後は譲渡制限付株式報酬制度の活用も検討されています。

人材育成においては、事業環境の変化に対応するため、リスキリングのための社内外講習受講を推進し、最新知識の習得と業務への活用を図っています。また、従業員が心身ともに健康で安心して働けるよう「健康経営」を推進しており、生産現場での無事故継続や、女性管理職の登用促進を通じてジェンダー平等にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


イーディーピーは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。

任意開示


イーディーピーが独自に開示している人的資本に関する指標と実績は以下の通りです。

指標 2026年3月期実績
無事故労働時間の積分値(時間) 約600,000
講習受講回数(回/人・年) 0.9
女性管理職比率(ポイント) 2.0

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社イーディーピー(以下、同社グループ)は、ダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発を主たる事業としています。ダイヤモンドの優れた特性を活かし、宝石用途だけでなく、半導体材料や光学部品といった工業材料としての応用開拓を目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、ダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントで事業を展開しています。人工ダイヤモンドの製造手法である気相合成法において、宝石を成長させる元となる「種結晶」を主要製品として販売してきました。この種結晶は、ラボグローンダイヤモンド市場のサプライチェーンにおいて最上流に位置しています。

また、同社グループは、ダイヤモンド単結晶を電子材料や光学部品などの工業材料としても販売しています。特に、板状の単結晶ダイヤモンドを直接製造できる技術が特徴であり、大型で良質な単結晶の製造に優位性を持っています。製品は、人工宝石製造用の種結晶のほか、半導体材料としての基板、高発熱デバイス用のヒートシンク、精密加工切削工具などに利用されています。

同社グループの製造技術は、産総研が開発した技術を基盤としており、イオン注入法を用いた親結晶からの分離技術や、複数の単結晶を接続して大面積の疑似単結晶を製作するモザイク結晶の製造法といった特徴があります。これにより、大型の単結晶を量産することが可能となっています。

製品種類別の売上高を見ると、当連結会計年度では基板及びウエハが最も大きく、次いで種結晶、宝石が続いています。前期と比較すると、種結晶と工具素材の売上高は減少しましたが、基板及びウエハ、光学部品及びヒートシンク、宝石の売上高は増加しました。特に宝石は大幅な増加となっています。

同社グループの事業はグローバルに展開しており、インドや米国など海外での売上高も存在します。当連結会計年度では、日本が最大の販売地域であり、インド、米国がこれに続いています。主要な顧客としては、本田技研工業やFUTURE DIAMONDS(Greenlab)が挙げられます。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
基板及びウエハ 3,297億円 3,495億円
種結晶 5,318億円 1,172億円
宝石 3.5億円 221億円
光学部品及びヒートシンク 147億円 173億円
工具素材 262億円 101億円
原石 - 3.7億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近2連結会計年度の業績を見ると、売上高は前期から減少傾向にあります。経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失は、前期に引き続き損失を計上しており、当期は損失額が拡大する結果となりました。

当連結会計年度においては、同社グループが保有する固定資産について将来の回収可能性を検討した結果、多額の減損損失を計上しました。この会計上の損失計上が、当連結会計年度の連結損益計算書における多額の損失に大きく影響しています。営業活動によるキャッシュ・フローは前期に引き続き資金を使用する状況となっていますが、新株予約権の行使による資金調達が進展し、手元流動性は改善しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 - - - 9.0億円 5.2億円
経常利益 - - - △9.9億円 △13.4億円
経常利益率 - - - △109.6% △259.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 - - - △23.1億円 △24.2億円
1株当たり当期純利益(円) - - - △171.38 △164.94

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたり営業利益は、前期に引き続き損失を計上しており、損失額が拡大する結果となりました。これらの指標は、当連結会計年度における売上高の減少や、減損損失の計上を含む多額の損失計上が影響していると考えられます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 13.1百万円 7.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △14.1百万円 △19.4百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、売上高の減少と営業活動によるキャッシュ・フローの継続的なマイナスを計上しており、財務基盤の強化と事業構造の転換を進めている段階です。財務の安定性の観点から、同社グループの現在の状況を把握することが重要です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は当期で68.1%となっており、前期の78.0%から減少しています。これはプライム市場上場企業の製造業平均である46.8%と比較すると高い水準を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)は当期で△94.3%と、前期の△67.5%からさらに悪化しており、プライム市場平均の9.4%を大きく下回る状況です。現金及び預金は当期で8.3億円となり、前期の14.4億円から減少しています。自己資本比率は高いものの、収益性の改善と手元資金の確保が、今後の雇用や給与の安定性にとって重要な要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 34.2億円 17.1億円
自己資本比率 78.0% 68.1%
ROE(自己資本利益率) △67.5% △94.3%
現金及び預金 14.4億円 8.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローは、営業活動、投資活動ともに資金を使用する状況が続いています。営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純損失が主な要因となり、前期に比べて資金の使用額が増加しました。これは本業で資金を創出できていない状況を示しています。

投資活動によるキャッシュフローも、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が増加し、資金の使用額が前期から拡大しています。これは事業に必要な設備投資や開発投資を行っていることを示していますが、営業活動で生み出される資金を上回る支出となっています。

財務活動によるキャッシュフローは、新株予約権の行使による株式発行で資金を獲得したものの、長期借入金の返済による支出もあり、前期に比べて資金獲得額は減少しました。結果として、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは、前期に引き続きマイナス幅が拡大しています。この状況は、同社グループが収益性の改善と資金創出能力の向上が喫緊の課題であることを示しており、今後の事業展開や資金繰りの動向が、雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △5.2億円 △9.7億円
投資CF △0.8億円 △2.3億円
財務CF 12.5億円 5.4億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △5.9億円 △11.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

同社グループは、当連結会計年度において売上高が前期を下回り、営業活動によるキャッシュ・フローが継続して多額のマイナスとなるなど、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在していました。しかし、その後の受注状況の改善や資金調達の実施により、今後の資金繰りは安定して推移することが見込まれており、重要な懸念はないものと判断されています。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、種結晶の販売先市場であるラボグローンダイヤモンド市場の拡大が進む一方で、生産量の拡大による価格低下が進行しており、市場の成長が鈍化する可能性があります。また、売上高に占める特定ユーザーへの依存度が高い状況が続いています。種結晶の最大のユーザーの売上比率は10.9%であり、基板・ウエハ関係の第1位の大口ユーザーの売上比率は27.3%となっています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは小規模な組織であり、事業拡大を目指す中で、管理部門、生産部門、開発部門で幅広く人材確保を進めています。計画通りに人材の採用が実現できなかったり、必要な能力を有する人材の応募がなかったりした場合には、適切な人材配置が困難となり、事業拡大に制約が発生する可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


イーディーピーは、優れた特性を持つダイヤモンドの幅広い応用を通じて、地球規模の環境維持や社会問題の解決、イノベーション創出を目指す企業です。従業員の健康と充実を重視し、あらゆるステークホルダーへの責任を果たすことを経営方針としています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、優れた特性を持つダイヤモンドの広い応用によって、様々な分野でのイノベーション創出を進めています。地球規模での環境維持や各種の社会問題の解決を通じ、世界への貢献を目指すことを経営方針としています。

また、同社グループで活動する従業員が健康で充実した日々を送れるよう、様々な施策を講じています。株主や顧客、取引先などのあらゆるステークホルダーへの責任を果たすことも、経営方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、企業行動規範の1つとして、地球環境の保全に貢献する活動に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献することを定めています。従業員及び派遣社員が健康で充実した日々を送り、活発に業務を遂行することを支援する「健康経営」を推進しています。

ジェンダー平等を重要視する観点から、女性従業員の登用を進めています。女性管理職を登用することを目標として取り組んでおり、部長職を2ポイント、課長職を1ポイントとして点数化し、目標値を決定しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、他社や大学、公立研究機関との連携を通じてダイヤモンドデバイスに関する技術開発を進め、実用的な製品として市場に出すことを考えています。連携当事者間の機密情報漏洩を防ぐため、情報管理体制の徹底に最大限注力しています。

技術開発においては、大型単結晶技術の世界的な優位性を維持することが重要であると認識しています。製品だけでなく、製造技術や評価技術等の幅広い分野での研究開発活動が必要です。また、多様な技術開発人材や販売専門性を持った人材の確保が喫緊の課題であり、新卒採用による人材育成にも注力する方針です。

経営陣の高齢化と後継者の育成も課題であり、若手人材の中間管理職への登用やリーダー層の育成機会提供を継続しています。経済安全保障の観点から、ダイヤモンド基板等の輸出管理についても法令遵守を最優先に、厳格な体制を維持していく方針です。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は監査役会設置会社であり、業務執行と監査機能を分離することで経営の透明性を確保しています。取締役会は常勤取締役3名と社外取締役2名の計5名で構成され、監査役会は常勤監査役1名と非常勤監査役2名の計3名で構成されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主は代表取締役社長の藤森直治氏です。上位株主には、竹内工業や加茂睦和氏といった事業会社や個人が名を連ねています。創業者が筆頭株主として経営を支える資本構成となっています。

株主名 持株比率
藤森直治 6.87%
竹内工業 5.89%
加茂睦和 1.94%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は藤森直治氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
藤森 直治 代表取締役 社長 1975年4月に住友電気工業株式会社に入社。2009年9月に同社を設立し取締役に就任し、2010年5月より代表取締役社長を務めています。
髙岸 秀滋 代表取締役副社長兼 総務部長 1974年4月に東レ株式会社に入社。2011年5月に同社に入社し総務部長を務め、2023年6月より代表取締役副社長兼総務部長より現職。
林 雅志 常務取締役兼生産部長 1985年4月に日本ペイント株式会社に入社。2019年10月に同社に入社し、2022年6月より常務取締役兼生産部長より現職。


社外取締役は、光田好孝氏(東京大学名誉教授)、槇徳子氏(エムシーストラテジー代表取締役)です。

同社は監査役会設置会社です。社外取締役は、それぞれの専門的見地から意見を述べ、監査役と情報交換を行い、取締役の業務執行を監督しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬、譲渡制限付株式報酬、役員賞与で構成されています。業績連動報酬は導入されていません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 62百万円 20.6百万円
社外取締役 3名 10百万円 3.4百万円
社外監査役 4名 21百万円 5.2百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。