※本記事は、株式会社フーディソン の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フーディソンは、「世界の食をもっと楽しく」をミッションに掲げ、食産業において生鮮流通プラットフォーム事業を展開しています。同社グループは、BtoBコマースサービス、BtoCコマースサービス、HRサービスの3つのサービスを通じて、生鮮流通のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。
単体従業員数は103名、連結従業員数は103名です。セグメントは生鮮流通プラットフォーム事業の1つです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社フーディソンは、食産業のサステナビリティを推進する生鮮流通プラットフォーム事業を展開しています。同社グループでは、多様な人材が中長期にわたって活躍できる組織基盤の構築を重視しており、事業と組織の成長が相乗効果を生む循環を目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が中長期にわたって心身ともに健康に働き続けられる職場環境の構築を重要な人材戦略と位置付けています。平均勤続年数や平均年齢からは、一定の経験を持つ人材が在籍し、安定的にキャリアを築いている傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,033,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.7年 |
| 平均年齢 | 37.7歳 |
| 単体従業員数 | 103人 |
| 連結従業員数 | 103人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
フーディソンは、「世界の食をもっと楽しく」というミッションと「生鮮流通に新しい循環を」というビジョンの実現のため、人材の質と量の確保を中長期的な競争優位の源泉と認識しています。全従業員共通の価値観として「フーディソンバリュー」を定め、これを軸に人材の採用、育成、評価制度を設計しています。
中期的には「組織の成功モデル」を定義し、「事業と組織の成長が相乗効果を生む循環をつくりだす」ことを組織に関する基本戦略としています。この組織戦略に基づき、中長期で持続的に働ける環境の構築、多様な人材の活躍と組織シナジーの醸成、事業成長を担う人材の採用・育成の3つの軸で人材戦略を構成しています。
従業員給与は、中長期的な企業価値向上への貢献度、個々の役割・能力・成果の発揮度合い、社外の労働市場における採用競争力を基本的な考え方として決定されます。報酬は基本給、諸手当、超過勤務手当、賞与で構成され、中長期的なインセンティブとして株式報酬も導入されています。人事考課は年2回実施され、能力評価、行動評価、業績評価の3つの評価軸により、多面的かつ客観的に従業員の能力・行動・成果を把握しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の額の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 14.3% |
多様性・登用
同社グループは、多様な人材が中長期にわたって持続的に活躍できる組織基盤の構築をサステナビリティ経営の重要な柱と認識しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率(2030年3月期目標) | 20.0% |
| 女性管理職比率(2026年3月末現在実績) | 14.3% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フーディソンは、「世界の食をもっと楽しく」というミッションのもと、生鮮流通プラットフォーム事業を展開しています。テクノロジーを活用し、食産業における様々な課題解決を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、食産業において生鮮流通プラットフォーム事業を推進しています。BtoBコマースサービス、BtoCコマースサービス、HRサービスの3つのサービスを軸に事業を展開しています。
同社グループは、少子高齢化や労働力不足、物流コストの上昇といった食産業が抱える課題に対し、「フード × テクノロジー」をテーマにDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現しようとしています。取引・物流・販売の構造化データと現場の知見を組み合わせ、AIなどの先端技術を活用しています。
同社グループの事業は、BtoBコマースサービスが中心であり、次いでBtoCコマースサービス、HRサービスが続きます。BtoBコマースサービスとBtoCコマースサービスは前連結会計年度と比較して売上高が増加しました。一方で、HRサービスは売上高が減少しています。
海外への売上高はなく、事業は国内に集中しています。特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先もありません。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| BtoBコマースサービス | 5兆4,711億円 | 6兆3,481億円 |
| BtoCコマースサービス | 1兆49億円 | 1兆1,355億円 |
| HRサービス | 3,904億円 | 3,364億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期間にわたり増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、直近4期間は黒字を維持し、安定した推移を示しています。
特に当連結会計年度では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前連結会計年度と比較して増加しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 35.9億円 | 52.8億円 | 63.5億円 | 68.7億円 | 78.2億円 |
| 経常利益 | △8百万円 | 1.4億円 | 2.0億円 | 1.7億円 | 1.9億円 |
| 経常利益率 | △0.2% | 2.6% | 3.1% | 2.5% | 2.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △13百万円 | 1.0億円 | 1.9億円 | 1.4億円 | 1.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △3.48 | 25.97 | 43.10 | 31.62 | 32.68 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して増加しています。これは、従業員一人あたりの収益貢献度が高まっていることを示しています。
また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加しており、組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、事業運営の効率化が進んでいることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 62.4百万円 | 75.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.5百万円 | 1.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動による資金創出と手元資金の厚みから、安定した財務基盤を築いていることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は高い水準を維持しており、強固な財務体質を示しています。これは、外部環境の変化に対する耐性があることを意味します。
ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、自己資本の厚みがある中で、着実な利益創出を行っています。手元資金である現金及び預金も潤沢に確保されており、事業運営における安定性がうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 22.9億円 | 23.6億円 |
| 自己資本比率 | 71.2% | 71.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.4% | 6.3% |
| 現金及び預金 | 20.6億円 | 20.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を創出している状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローはプラスとなっており、主に税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加が要因となっています。
投資活動によるキャッシュフローはマイナスであり、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が主な要因です。これは、事業の成長に向けた投資を継続していることを示しています。
その結果、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を賄えている状態です。財務活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、自己株式の取得や長期借入金の返済が進められています。これらの資金の流れから、同社グループは事業の成長に必要な投資を行いながらも、自己資金で賄える範囲で堅実な財務運営を行っていることがうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 0.7億円 | 1.0億円 |
| 投資CF | △2百万円 | △16百万円 |
| 財務CF | △3.4億円 | △1.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 0.7億円 | 0.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、主力サービスであるBtoBコマースサービスにおいて、主要顧客である飲食店の業績が国内景気動向に影響を受けやすい外食市場に依存しているリスクを認識しています。
また、国内食品Eコマース市場が予測通りに拡大しなかった場合、同社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後の業容拡大に伴い、優秀な人材を継続的に採用・育成し、強固な組織を構築していくことが重要であると考えています。求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
フーディソンは、「世界の食をもっと楽しく」というミッションを掲げ、食産業の発展に貢献することを目指しています。生鮮流通のDX推進を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する企業風土を醸成しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
フーディソンは、「世界の食をもっと楽しく」をミッションに掲げ、生鮮食品の流通プラットフォーム構築とDX推進を通じて食産業の発展に貢献しています。創業以来蓄積してきた生鮮流通のデータと現場の知見に、AIをはじめとする先端技術を掛け合わせることで、模倣困難な競争優位性を確立し、持続的な企業価値の向上を目指しています。
また、同社グループは「生鮮流通に新しい循環を」というビジョンを掲げ、食産業のサステナビリティを推進しています。生産者から消費者までを一気通貫でつなぐ生鮮流通プラットフォームを構築することで、社会課題の解決を図っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、サステナビリティ経営を企業理念そのものの追求と位置づけ、経営の最重要課題の一つとして認識しています。多様な人材が中長期にわたって持続的に活躍できる組織基盤の構築を、サステナビリティ経営の重要な柱としています。
具体的には、「サステナブルな食の流通」「地域社会の活性化」「魚食の楽しみと健康の促進」の3つを重要課題(マテリアリティ)として特定し、これらへの対応を推進しています。テクノロジーを活用した効率的な流通や未利用資源の活用、地域コミュニティとの連携による活性化、消費者のニーズに応える商品開発を通じて、食の未来を創造する価値観を大切にしています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループが優先的に対処すべき課題として、サービス機能の拡充を挙げています。顧客視点に立ったUI/UXの継続的な改善やデータ利活用、生成AIをはじめとする最新デジタル技術への投資を加速させ、既存サービスの高度化と新たな価値創出に取り組んでいます。
また、優秀な人材の採用と組織体制の強化も重要な課題です。同社グループの理念に共感し、高い意欲を持った人材の採用活動を積極的に行い、中長期で働きやすい環境整備や社員の能力向上を目的とした育成の仕組化を強化しています。
さらに、コーポレート・ガバナンス体制の強化も進めています。業務運営の効率化やリスク管理のため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公平性・透明性を確保する強固な内部管理体制の構築に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
フーディソンは、取締役会による業務執行の監督と、監査役による適法性監査の二重のチェック機能を持つ監査役会設置会社体制を採用しています。取締役会は経営に関する重要事項を決定し、業務執行状況を監督する役割を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
フーディソンの株主構成を見ると、代表取締役CEOである山本徹氏が筆頭株主となっています。これは、創業者が経営に深く関与し、強い影響力を持っていることを示しています。また、事業会社や信託銀行も上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 山本 徹 | 43.58% |
| リープラジャパン | 14.36% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 8.51% |
| SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合 | 2.69% |
| ミロク情報サービス | 1.53% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役CEOは山本徹氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山本 徹 | 代表取締役CEO | 2001年4月株式会社ゴールドクレスト入社、2003年4月株式会社エス・エム・エス取締役就任、2013年4月同社設立 代表取締役CEO就任より現職。 |
| 内藤 直樹 | 取締役CFO | 2006年4月株式会社みずほコーポレート銀行(現株式会社みずほ銀行)入行、2016年10月同社入社、2018年10月同社取締役CFOより現職。 |
社外取締役は、福武英明氏(公益財団法人福武財団代表理事)、野地春菜氏(Wolt Japan株式会社代表取締役)、大倉忠司氏(株式会社エターナルホスピタリティグループ代表取締役社長CEO)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による監督と監査役による適法性監査の体制を採用しています。社外取締役は取締役会の一員として審議に参加し、監督機能の向上に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして機能するよう設計されています。基本報酬(金銭報酬)と非金銭報酬により構成されており、監査役の報酬は基本報酬のみです。また、株式報酬制度として譲渡制限付株式およびストック・オプションを導入しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 30百万円 | 14.9百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 2百万円 | 1.2百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 10百万円 | 3.4百万円 |
上記の支給人員には、無報酬の取締役1名を含めておりません。非金銭報酬等は、同社の取締役を対象に、同社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを付与するとともに、取締役と株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的に、ストック・オプションとしての新株予約権を割り当てるものとしています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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