Rebase 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

Rebase 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証グロース上場のRebaseは、レンタルスペースのマッチングプラットフォーム「インスタベース」を運営しています。第11期の業績は、売上高19.3億円(前期比29.3%増)、当期純利益3.6億円(同58.6%増)と大幅な増収増益を達成しました。


※本記事は、株式会社Rebase の有価証券報告書(第11期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月23日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. Rebaseってどんな会社?


レンタルスペースのマッチングプラットフォームを展開し、場所の制約を解消して人々の「きっかけ」を創出する企業です。

(1) 会社概要


同社は2014年4月に設立され、翌5月に主軸サービスである「インスタベース」をリリースしました。2022年12月には東京証券取引所グロース市場へ上場を果たしています。2023年11月にはコミュニティイベントサービス「TOIRO」をリリースし、2025年2月には「インスタベース」の掲載スペース数が40,000件を突破するなど、順調に事業規模を拡大しています。

従業員数は単体で45名(連結なし)の組織体制です。筆頭株主は代表取締役である佐藤海氏の資産管理会社であるelpido(31.34%)で、第2位は佐藤海氏個人(16.59%)、第3位は取締役の髙畠裕二氏の資産管理会社であるEl Monte Garage(8.06%)となっており、創業者と経営陣が主要株主を占めています。

氏名 持株比率
elpido 31.34%
佐藤 海 16.59%
El Monte Garage 8.06%

(2) 経営陣


同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役には佐藤海氏が就任しています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
佐藤 海 代表取締役 2014年elpido設立代表取締役。同年Rebase設立取締役、2016年より現職。
髙畠 裕二 取締役 ミログ取締役CTO、UGM Partners取締役CTO等を経て2014年Rebase設立取締役。2025年より現職。
石田 貴心アレキサンダー 取締役 Ernst & Young、FlyData Inc.、Uber Japanを経て2017年Rebase取締役就任。2024年より現職。
大辻 琢磨 取締役 ヤフー、サイジニアを経て2017年Rebase入社。2021年取締役就任。2024年より現職。


社外取締役は、平垣内久隆(元国土交通省航空局次長・日本海事センター理事長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「マッチングプラットフォーム事業」を展開しています。

(1) マッチングプラットフォーム事業


レンタルスペースのマッチングプラットフォーム「インスタベース」を中心に、コミュニティイベントサービス「TOIRO」などを提供しています。「インスタベース」は、空きスペースを貸したい掲載者と、会議・ヨガ・撮影・パーティなどで場所を利用したい人を繋ぐサービスです。ビジネスから趣味まで多種多様な用途に対応し、全国のスペースを検索・予約できます。

収益源は、スペース掲載者から受け取る「スペース利用料に対する手数料(最大35%)」です。完全成果報酬型であり、スペース利用者からは手数料を受け取っていません。また、スペース運営に必要なIoT機器との連携や補償サービスも提供し、掲載者の運営を支援しています。運営は主にRebaseが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は右肩上がりで成長を続けており、第7期の4.8億円から第11期には19.3億円へと約4倍に拡大しています。利益面でも、経常利益率は20%を超える高い水準を維持しており、第11期には過去最高の経常利益4.9億円を達成するなど、増収増益の堅調な成長トレンドにあります。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 4.8億円 8.9億円 11.6億円 14.9億円 19.3億円
経常利益 1.1億円 2.1億円 2.5億円 3.4億円 4.9億円
利益率(%) 23.9% 23.7% 21.4% 22.6% 25.5%
当期利益(親会社所有者帰属) 0.9億円 1.4億円 1.6億円 2.3億円 3.6億円

(2) 損益計算書


売上高の大幅な増加に伴い、売上総利益、営業利益ともに順調に拡大しています。売上総利益率は96%台と極めて高く、プラットフォームビジネス特有の高収益体質を示しています。営業利益率も前期の22.5%から25.3%へと上昇しており、事業拡大と利益率の向上を両立させています。

項目 2024年3月期 2025年3月期
売上高 14.9億円 19.3億円
売上総利益 14.3億円 18.6億円
売上総利益率(%) 96.1% 96.7%
営業利益 3.4億円 4.9億円
営業利益率(%) 22.5% 25.3%


販売費及び一般管理費のうち、広告宣伝費が3.6億円(構成比26%)、支払手数料が2.6億円(同19%)、給料及び手当が2.4億円(同18%)を占めています。売上原価は0.6億円と少なく、主に地代家賃やシステム償却費などで構成されています。

(3) セグメント収益


同社はマッチングプラットフォーム事業の単一セグメントですが、積極的なマーケティング施策やUI/UX改善により、利用総額、利用数ともに年々増加しています。特に2025年3月期は利用総額が前期比30.7%増、利用数が32.6%増となり、これらが売上高の大幅な増加を牽引しました。

区分 売上(2024年3月期) 売上(2025年3月期)
マッチングプラットフォーム事業 14.9億円 19.3億円
連結(合計) 14.9億円 19.3億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


パターン:積極型
営業活動によるキャッシュ・フローがプラスで、本業でしっかり現金を稼いでいます。投資活動によるキャッシュ・フローはマイナスで、成長のための投資を行っています。財務活動によるキャッシュ・フローはプラスですが、これは主に新株予約権の行使によるものです。

項目 2024年3月期 2025年3月期
営業CF 3.7億円 4.6億円
投資CF -0.4億円 -0.9億円
財務CF 0.0億円 0.5億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は30.9%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は70.3%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は「Where It Starts / ことのはじまり」というビジョンのもと、「Get Together / 和をひろげる」をミッションとしています。人と人のつながりや一人ひとりの可能性を広げる機会を提供することで、多様な「はじまり」に満ち溢れた世界の実現を目指しています。

(2) 企業文化


同社はビジョン・ミッションを実現するための行動指針として「Rebaseバリュー」を定めています。「We Are Mission Driven.(私たちはミッションドリブンです)」「We Are Passionate.(私たちは情熱的です)」「We Exceed Expectations.(私たちは期待を超えます)」「We Scale.(私たちはスケールします)」の4つを掲げ、主語を「We」で統一することでチームワークを重視しています。

(3) 経営計画・目標


同社は、売上高の拡大に直結する「利用総額」を重要指標(KPI)としています。利用総額を最大化するために、「利用数」と「掲載スペース数」の最大化を中心とした取り組みを行っています。また、中長期的には新たな収益の柱となるサービスを確立し、最適な事業ポートフォリオの構築を目指しています。

(4) 成長戦略と重点施策


主力事業である「インスタベース」のさらなる成長に向け、Webマーケティング強化による集客最大化や、AI画像判定などの新技術活用によるマッチング精度向上に取り組みます。また、周辺領域である住宅リフォーム市場やフリーランス市場をターゲットとした新サービスの展開も検討しており、コミュニティイベントサービス「TOIRO」などを通じて新たな価値提供を目指します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


持続的な成長のため、開発・営業・管理の各部門で優秀な人材を確保・育成することを重視しています。特に顧客ニーズを把握し、潜在的なニーズに対応できる人材の強化を目指しています。また、社員紹介(リファラル)やダイレクトスカウトを活用し、ミッションに共感する即戦力人材の採用に注力しており、個々の強みを活かしてモチベーション高く働ける環境づくりを推進しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均をやや上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年3月期 34.7歳 2.8年 6,909,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定による公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、第11期採用実績(16名)、第11期退職率(7.9%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) サービスの健全性・適切性について


同社サービスでは掲載者の本人確認や反社チェック、利用用途の確認などを行い健全性維持に努めています。しかし、悪質な行為等によりサービスへの信頼性が低下した場合、事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。

(2) 競争環境について


類似サービスとの競争において、差別化を図っていますが、競合他社の方針転換や新規参入、技術革新等により優位性が保てなくなった場合、業績に影響が出る可能性があります。

(3) システム障害及び情報セキュリティについて


通信ネットワークの切断やシステム障害、サイバー攻撃等によりサービスが停止した場合、損害賠償や信用の失墜により、業績に影響が及ぶ可能性があります。

(4) 当社サービスへの集客における外部検索エンジンへの依存について


集客の多くを外部検索エンジン経由に依存しています。検索エンジンのロジック変更等により集客力が低下した場合、業績に影響が及ぶ可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。