※本記事は、株式会社ナルネットコミュニケーションズ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ナルネットコミュニケーションズは、モビリティ業界の課題解決を担うBPOプレイヤーとして、自動車関連BPO事業を展開しています。世の中のあらゆる移動を支えることを目指し、事業領域の拡大を図っています。
単体従業員数は108名です。同社は自動車関連BPO事業の単一セグメントとなっています。
ナルネットコミュニケーションズは、法人向けリースサービス提供者や一般法人からのメンテナンス受託事業、個人向けリース車両のメンテナンス管理を行うMLS事業、データ管理やタイヤ保管などのBPO事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ナルネットコミュニケーションズは、自動車アフターマーケットにおいて、モビリティ・インフラカンパニーへの変革を目指しています。同社では、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、働きがいを感じられる環境づくりに注力しています。多様な人財が活躍できる職場環境の整備と、ワークライフバランスの充実を重視した働き方を推進していることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ナルネットコミュニケーションズでは、平均年齢が41.0歳、平均勤続年数が9.1年となっており、比較的落ち着いた年齢構成と安定した在籍傾向が見られます。従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境が整っていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,973,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.1年 |
| 平均年齢 | 41.0歳 |
| 単体従業員数 | 108人 |
同社は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型の退職給付制度を採用しています。この制度は国内の従業員に適用されます。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は1.6億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ナルネットコミュニケーションズは、「移動を止めない 安心を創造する モビリティ・インフラ カンパニー」への変革と成長を実現するため、人財を最も大切な資本と位置付けています。従来の労働集約型モデルから「価値創造・企画型モデル」への変革を目指し、AIと人間の役割分担を再定義することで、非定型・創造的な業務に人財のリソースを集中させています。具体的には、「営業企画型」と「運営企画型」の2つの「企画創造型人財」の育成・創出に注力し、個人の成長と事業の成長をリンクさせる方針です。
従業員の給与は、勤務成績と能力を公正かつ適正に考課し、組織の活性化を図ることを基本方針としています。役割や総合能力に応じた基本給をベースに、等級や役職・役割に応じた各種手当から構成される報酬制度を採用しています。昇給や賞与は、業績考課に加え、業務遂行に必要なスキルや日々の基本姿勢、チームワーク等を総合的に評価する人事考課に基づいて決定されます。評価結果は本人に公開され、説明が行われることで、従業員の貢献が給与に公正に反映される仕組みです。
また、同社は多様性を最大限に活かし、「多様な個の活性化」を実現するために、人種、性別、年齢、経歴や価値観などにかかわらず、働き方を尊重する経営を推進しています。社員一人ひとりが自らのキャリアオーナーシップを持ち、能力を存分に発揮できるよう、人事・評価制度の見直しや適材適所のジョブローテーション等を通じて自律した働き方を支援しています。従業員の健康促進にも配慮し、「働きやすさ」と「やりがい」を両立できる環境を整備することで、「内側から輝ける健全な組織風土」の創造に取り組んでいます。2025年11月には、子育てサポート企業として厚生労働大臣が認定する「くるみん認定」を取得しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。属性(勤続年数、役職等)が同じ男女労働者間での賃金の差異はありません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 18.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 41.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 70.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 55.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ナルネットコミュニケーションズは、モビリティ業界全体の課題解決を目指すBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)プレイヤーとして、世の中のあらゆる移動を支える事業を展開しています。同社は「Mobility’s Transformer」を経営理念に掲げ、自動車関連BPO事業を単一セグメントとしています。
この事業は、メンテナンス受託事業、MLS(マイカーリースサポート)事業、BPO事業、その他事業の4つに区分して管理されています。メンテナンス受託事業では、法人向けリースサービス提供者や一般法人から車両管理における点検・車検・修理などのメンテナンス管理を一括で受託しており、全国の整備工場と連携して安定した事業基盤を築いています。
MLS(マイカーリースサポート)事業は、個人向けリースサービス提供者に対してリース車両のメンテナンス管理業務を提供しています。こちらは決められたサイクルによる点検基本工賃と限定的な作業・消耗品交換のみの契約内容が特徴です。
BPO事業では、メンテナンス関連業務を除く部分的なBPOビジネスとして、データ管理サービス、タイヤ保管サービス、納税管理サービス、中古車販売の納車前整備など、車両に係る多種多様な業務を受託しています。特にデータ管理サービスでは、同社のシステムとコールセンターを活用して自動車関連企業の整備・管理をトータルでサポートしています。
その他事業では、中古車売却、ワランティ(故障修理保険)、メンテナンスパック、オートリースなど、上記のいずれにも該当しない事業を展開しています。同社は、長年培ってきた現場対応力や外部パートナーとの連携、再現性の高いメンテナンス管理サービスを強みとして、変化し続けるモビリティ業界の新たな課題解決に取り組んでいます。
直近では、車検プラットフォームのサービス提供を開始し、整備データを活用した透明性の高い車検サービスを提供しています。また、株式会社インバウンドテックとの協業により、AI音声ボットを活用した提携整備工場との電話対応の効率化を進めるなど、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させています。これにより、「IT活用企業」から「AI活用企業」への進化を目指し、モビリティ業界全体の生産性向上に貢献する方針です。
同社の販売実績を見ると、メンテナンス受託事業が最大の収益源となっています。BPO事業は前期と比較して大きく伸びており、MLS事業も堅調な成長を示しています。一方で、その他事業はわずかに減少しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
ナルネットコミュニケーションズの業績は、直近の事業年度において売上高および各利益が前期と比較して大きく伸びています。事業活動が好調に推移していることがうかがえます。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 64.2億円 | - | - | - | - |
| 経常利益 | 3.9億円 | - | - | - | - |
| 経常利益率 | 6.1% | - | - | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.0億円 | - | - | - | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | 37.76 | - | - | - | - |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性の観点から、同社の現在地を端的に示します。
同社は、事業活動を通じて資金を創出し、将来に向けた投資を行っています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率やROE(自己資本利益率)といった指標からその健全性を確認できます。
これらの指標は、同社が事業を継続していく上での安定性や、株主への利益還元能力を示しています。
手元資金の厚みは、予期せぬ経済変動や事業環境の変化に対する耐性を示すものです。
これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にも関わる重要な要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動の3つの側面から資金の流れを示しています。
事業活動によるキャッシュフローは、本業でどれだけの資金を生み出しているかを表します。
投資活動によるキャッシュフローは、将来の成長に向けた設備投資やM&Aなどの資金使途を示しています。
財務活動によるキャッシュフローは、借入や返済、配当などによる資金の調達と返済の状況を表します。
これらの資金の流れから、同社が安定して資金を創出できているか、また将来の成長に向けて適切に投資を行っているかを確認できます。
同社の資金繰りの動きは、入社後の雇用安定性や給与水準、そして会社の成長性を見極める上で重要な情報となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
インフレ等の経済動向や気候等の外部要因により、メンテナンス受託サービスの売上原価を構成する自動車整備の工賃や交換部品の価格が高騰する可能性があります。同社のビジネスモデルでは、リース契約時に決めたメンテナンス料金をリース契約満了まで変更できない構造的課題があり、外注費の変動がマイナスに働く可能性があります。
また、同社のメンテナンス受託事業は、主力得意先であるリース会社の方針に一定程度の影響を受けます。リース会社が自社物件の維持管理についてアウトソーシングする割合を減少させる方針を採用した場合、同社の受注に大きく影響する可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、メンテナンス受託事業のサービス品質向上や情報システム基盤の開発、新規サービス領域におけるオペレーションを支えるために、人財の確保が必要不可欠と考えています。しかし、人財確保の競争が激しく、必要な人財が確保できなかった場合、同社の業務遂行及び経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ナルネットコミュニケーションズは、「Mobility’s Transformer」を経営理念に掲げ、変化するモビリティ業界の課題解決を通じて、社会に貢献することを目指しています。安心・安全で快適な移動を支える「モビリティ・インフラ カンパニー」として、独自の価値創造に取り組んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ナルネットコミュニケーションズは、「Mobility’s Transformer」を経営理念に掲げています。変化するモビリティ業界の課題解決のため、「世の中のあらゆる移動を支える、BPOプレイヤーへの新化」というビジョンの実現を目指しています。
同社は、新たなステートメントとして『移動を止めない 安心を創造する モビリティ・インフラ カンパニー』を掲げています。これは、モビリティとそのマーケットが抱える課題を創造的に解決し、安心・安全で快適な移動を支えることで社会に貢献するという意欲が込められています。
自動車メンテナンス受託事業を基盤に培った対応力やメンテナンス管理サービスを強みとし、業界全体の課題解決の受け皿として事業領域の拡大を図っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ナルネットコミュニケーションズは、「Mobility’s Transformer」という経営理念のもと、お客様の「複雑で煩わしい業務」を「より心地よく、よりシンプルに、より高品質のサービス」に変えることを重視しています。
同社は、サステナビリティを重要な課題と認識し、「環境」「社会」「ガバナンス」を軸とした事業活動を通じて、持続可能な社会の実現と企業価値向上を推進しています。従業員全員がその重要性を理解できるよう、人事総務部が活動を支援しています。
人財を最も大切な「資本」と位置づけ、従来の労働集約型から「価値創造・企画型モデル」への変革を目指しています。AIと人間の役割分担を再定義し、「企画創造型人財」の育成・創出を図っています。
多様な個の活性化を重視し、人種、性別、年齢、経歴、価値観にかかわらず働き方を尊重する経営を推進しています。社員一人ひとりが自らのキャリアオーナーシップを持ち、能力を最大限に発揮できるよう、自律した働き方を支援しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ナルネットコミュニケーションズは、今後の事業成長を支えるための重要な課題として、人財の確保と育成を挙げています。専門性や資質を兼ね備えた人財の採用を進めるとともに、各種社内研修の実施等により、継続的な成長促進に注力しています。
また、リモートワークの活用や福利厚生の充実など、働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。ITシステムの高度化とAI活用の推進も重点テーマであり、業務プロセスへのAI実装を本格化し、「IT活用企業」から「AI活用企業」への進化を目指しています。
提携整備工場ネットワークの拡充も継続しており、AIが電話対応業務等を代行するシステムの開発を進めることで、同社および提携工場双方の生産性向上を加速させています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ナルネットコミュニケーションズは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の監督機能を担っています。社外取締役や社外監査役の選任を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ナルネットコミュニケーションズの株主構成を見ると、筆頭株主はMobility&Maintenance Japanであり、次いでイエローハットが上位株主となっています。複数の事業会社が主要な株主として名を連ねており、同社の事業基盤を支える資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| Mobility&Maintenance Japan | 35.62% |
| イエローハット | 20.01% |
| 大和証券 | 2.03% |
| 上田八木短資 | 1.85% |
| 谷口 孝雄 | 1.20% |
なお、イエローハットは当事業年度中に主要株主となっています。また、ジャフコSV6投資事業有限責任組合は当事業年度中に主要株主ではなくなっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は鈴木隆志氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 鈴木 隆志 | 代表取締役社長 | 1988年日本オートリース株式会社(旧ナルネットコミュニケーションズ)に入社。2008年同社常務取締役、2014年同社代表取締役社長に就任。2022年より同社代表取締役社長を務めています。 |
| 東村 大介 | 常務取締役 | 2010年グローバルワイズ常務取締役、2012年同社代表取締役に就任。2022年同社に入社し取締役、2024年より同社常務取締役を務めています。 |
| 服部 正次 | 取締役 | 1986年丸万証券に入社後、1990年日本オートリース株式会社(旧ナルネットコミュニケーションズ)に入社。2022年同社執行役員、同年12月取締役。2024年より同社営業戦略管掌取締役を務めています。 |
| 永冶 健 | 取締役 | 2004年愛知中央三菱自動車販売に入社後、2005年ナルネットコミュニケーションズ(旧ナルネットコミュニケーションズ)に入社。2022年同社執行役員、2023年取締役。2025年より同社取締役業務本部長を務めています。 |
| 加藤 明弘 | 取締役 | 2000年伊藤忠商事に入社。European Tyre Enterprise Limitedなどへの出向を経て、2024年同社取締役に就任。2025年より同社取締役管理本部長を務めています。 |
社外取締役は、花井浩氏(ムロオ社外監査役)、横山純一氏(元日興ビジネスシステムズ取締役)です。
社外監査役は、大倉康裕氏(元ポッカサッポロフード&ビバレッジ監査役)、野村朋加氏(弁護士法人あゆの風法律事務所社員弁護士)、山田梨津子氏(ミライズ税理士法人パートナー)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役3名を選任することで、取締役の監督および監視機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、金銭による基本報酬とストックオプションを含む株式報酬で構成されています。基本報酬は固定報酬と業績連動報酬からなり、業績連動報酬の算定には経常利益が指標として用いられています。社外取締役および監査役の報酬は固定報酬となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役 | 8名 | 1.5億円 | 18.4百万円 |
| うち社外取締役 | 2名 | 8百万円 | 4.0百万円 |
| 監査役 | 3名 | 16百万円 | 5.3百万円 |
| うち社外監査役 | 3名 | 16百万円 | 5.3百万円 |
当事業年度における報酬等の総額は1億63百万円であり、対象となる役員の合計人数は11名です。報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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