※本記事は、株式会社アズパートナーズ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アズパートナーズは、『世代を超えた暮らし提案型企業』として、シニア事業と不動産事業を展開しています。シニア事業では介護付きホームの運営を主軸に、IoT/ICTプラットフォーム「EGAO link」を活用したサービスを提供しています。
単体従業員数は985名です。事業セグメントはシニア事業と不動産事業の2つです。
同社は、シニア事業として介護付きホーム、デイサービス、ショートステイの運営を行い、不動産事業ではシニア不動産開発や老朽化不動産の再生などを自社で展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アズパートナーズは、介護と不動産という社会貢献性の高い事業を展開しており、従業員の働きがいと成長を重視する企業文化が特徴です。多様な人材が活躍できる環境づくりに注力し、個人の成長が組織全体のレジリエンスにつながるという考え方のもと、人材育成やウェルビーイングの向上に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若い年齢層の従業員が中心となって活躍しており、平均勤続年数から見ても、新しい人材が継続的に加わりながら組織が成長している傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,556,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.2年 |
| 平均年齢 | 33.7歳 |
| 単体従業員数 | 985人 |
同社は確定拠出型の退職給付制度を採用しており、国内の従業員を対象としています。これは会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
アズパートナーズは、人的資本経営において「提案人材」の育成を最重要課題と位置付けています。変化を楽しみ、自らの役割を超えて積極的に経営に参加し、組織の成長と発展に貢献する人材を「提案人材」と定義しています。社員一人ひとりのチャレンジを組織全体で支えることで、個人の成長と組織のレジリエンス(強靱性)向上を両立させ、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。
従業員の給与や賞与の決定にあたっては、役割、業務遂行能力、および成果を総合的に評価する方針です。評価制度では、目標設定面談とフィードバック面談を通じて、従業員の育成と能力開発を推進しています。この評価結果は、半年に一度の賞与と年に一度の昇給額に反映され、短期的な成果と中長期的な成長の双方を処遇に反映することで、従業員のモチベーション向上とサービス品質の継続的な向上を図っています。
同社の人的資本経営戦略は、「採用戦略の強化」「従業員育成とキャリアパス」「心身の健康管理の充実」「ダイバーシティの推進」「ウェルビーイングの向上」の5つの構成要素を通じて「提案人材」を育成するものです。採用戦略では新卒採用を重視し、非福祉系専攻の学生を多く受け入れているほか、特定技能の外国人材の採用も開始しています。従業員育成では、専門スキルや管理者育成のための研修プログラムに加え、介護DX人材育成制度や新卒者向けのフォローアップ研修、キャリアチャレンジ制度、キャリア相談窓口などを設けています。心身の健康管理にも注力し、定期的な健康チェックやチャット型医療相談、腰痛予防体操、ノーリフトケア研修などを実施しており、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」にも認定されています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。対象年度は第22期事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)で、正社員および正規雇用労働者(社外への出向者を除く)を対象としています。賃金は通勤手当を除く課税総額で算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位に占める女性労働者の割合 | 35.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 92.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 79.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 91.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 92.7% |
ダイバーシティの推進
同社は社会的な不平等を解消し、機会均等を実現すべくダイバーシティを推進しています。性別に関係なく個人の能力とポテンシャルを評価し、適正な報酬とキャリアパスを提供することを大切にしています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率※1 | 35.6% |
| 男女間賃金格差 | 79.0% |
| 男性育児休業取得 | 92.3% |
| 女性育休復帰率 | 95.5% |
| 女性育休復帰後定着率※2 | 66.7% |
※1 ケアチーフ以上
※2 育休復帰後1年間以上勤務している社員
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アズパートナーズは、超高齢社会のニーズに応えるシニア事業と、不動産の開発・再生を行う不動産事業を両輪として展開している企業です。あらゆる世代の暮らしの課題解決と幸せの追求を使命としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「世代を超えた暮らし提案型企業」として、高齢化社会の課題解決に貢献するシニア事業と、不動産の専門知識を活かした不動産事業を核に事業を展開しています。シニア事業では介護付きホームの運営を主軸に、デイサービスやショートステイも提供しており、IoT/ICTプラットフォーム「EGAO link」を活用した業務効率化と個別ケアを強みとしています。不動産事業では、シニア事業で培った運営ノウハウを活かしたシニア開発事業、老朽化不動産の再生を行うソリューション事業、賃貸マンションや事務所等の収益不動産事業を展開しています。
収益モデルは、シニア事業における介護サービスの利用料や介護保険からの介護報酬、不動産事業における土地建物販売や賃貸収入が中心となっています。当事業年度の販売実績では、東京都国民健康保険団体連合会とニンジャ特定目的会社への売上がそれぞれ全体の10%以上を占めています。
シニア事業
シニア事業は、介護付きホーム、デイサービス、ショートステイの運営を通じて、要介護・要支援認定を受けている高齢者の方々に介護サービスを提供しています。収益は、介護サービスの利用料と、国が一律で定める介護保険からの介護報酬から得ています。当事業年度の売上高は前期から増加していますが、セグメント利益は前期から減少しています。
不動産事業
不動産事業は、介護付きホーム等のシニア不動産を開発するシニア開発事業、老朽化した集合住宅等の不動産の再生を行うソリューション事業、賃貸マンションや事務所等の賃貸を行う収益不動産事業を展開しています。収益は、土地建物販売や賃貸収入から得ています。当事業年度の売上高およびセグメント利益は、ともに前期から大きく増加しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| シニア事業 | 137億円 | 155億円 |
| 不動産事業 | 41.7億円 | 82.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度の売上高、営業利益、経常利益、当期純利益は、いずれも前期から増加しています。特に売上高は前期比で大きく伸びており、利益もそれに伴い堅調に増加している状況です。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の単体従業員数は985人であり、平均年間給与は4,556千円となっています。平均勤続年数は4.2年、平均年齢は33.7歳です。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。これにより、事業の成長を追求する姿勢が示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から増加傾向にあります。これは、事業活動を通じて純資産が増加したことによるものです。プライム市場の非製造業平均と比較すると、同社の自己資本比率はやや低い水準にあります。自己資本比率の改善は、事業の安定性を示す一つの要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 19.4% | 21.2% |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に44.5億円の収入となり、前期から増加しました。これは主に、契約負債の増加や棚卸資産の販売に伴う減少、税引前当期純利益の増加によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは54.0億円の支出となり、前期から支出が増加しています。これは主に、シニア開発事業における有形固定資産や無形固定資産の取得によるものです。
その結果、フリーキャッシュフローは当期に9.5億円のマイナスとなりましたが、前期のマイナス幅からは改善しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入があったものの、長期借入金の返済による支出も大きく、収入は前期から減少しました。同社は本業で資金を生み出しつつ、シニア開発事業への積極的な投資を継続している成長投資の段階にあると言えます。この投資は将来の事業拡大に向けたものであり、長期的な視点での成長性と雇用機会の創出につながる可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 7.8億円 | 44.5億円 |
| 投資CF | △46.5億円 | △54.0億円 |
| 財務CF | 44.6億円 | 6.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △38.7億円 | △9.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社のシニア事業は、介護保険法に基づく介護報酬が売上高の大部分を占めています。そのため、介護保険制度の改正や介護報酬改定が財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、介護サービスへのニーズの高まりに伴い、同業他社の事業拡大や異業種からの新規参入による競合激化が懸念されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、少子高齢化の進展による生産年齢人口の減少に伴い、労働力不足が懸念される中で従業員の確保が課題となっています。事業規模の拡大に伴い、人材の確保・育成に向けた取り組みを行っていますが、施策の効果が十分に得られない場合、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アズパートナーズは、「世代を超えた暮らし提案型企業」として、あらゆる世代の幸せを追求する企業です。超高齢社会や介護人材不足といった社会課題に対し、持続可能な社会づくりへの貢献を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社の企業理念は「私たちアズパートナーズは、『世代を超えた暮らし提案型企業』として、あらゆる世代の方々の幸せを追求し、私たちに関わる全ての人々が幸せになることを目指します。」です。同社は超高齢社会や著しい介護人材不足等の社会課題に挑み、あらゆる世代が希望と幸せに溢れる持続可能な社会づくりに貢献することを掲げています。
介護サービス事業においては、「最期まで自分らしく、自分の力で・・・」というお客様の思いと「お客様(高齢者)第一主義の精神」を軸として、豊かな暮らしの実現を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「思いやり」「謙虚かつ誠実」「人の笑顔をつくる」「自ら考え行動する」「成長を楽しむ」「信頼される」「人を幸せにする」という従業員行動規範を掲げています。これらの実践を通して、従業員がやりがいを持ち、成長を実感しながら「お客様が望む暮らしを一緒に共創」することを目指しています。
人的資本経営戦略においては、人材育成を最重要課題と位置付け、「チャレンジや変化を楽しみ、自らの役割を超えて積極的に経営に参加し、組織の成長と発展に貢献する人材」を「提案人材」と定義し、その育成に力を入れています。
また、社員一人ひとりが自己の状態に向き合い、安心・活力・挑戦のバランスを保ちながら行動できる力である「ウェルビーイングの向上」を育成基盤として重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、自立支援に向けた科学的介護の実践によるご入居者の「望む暮らし」の実現に取り組んでいます。IoT/ICTプラットフォーム「EGAO link®」等による生産性向上を推進し、介護業界全体の人材不足課題に対応しています。
また、働きやすさと働きがいの実現・アピールと運営方針に共感する新卒採用の好循環を重視しています。介護DXコンサルティングの事業化をさらなる成長戦略の柱として描き、介護事業者のDX化を支援することにより、要介護高齢者の増加と担い手不足の介護業界の課題解決を担っていくことを目指しています。
さらに、特定技能外国人材の受け入れおよびオンボーディングを推進し、多様な人材が安心して能力を発揮できる環境整備を進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社制度を採用しており、社外取締役を含む取締役会が経営上の重要事項を決定し、監査役会が監査機能を担う体制となっています。これにより、意思決定の透明性と健全性を確保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は代表取締役社長の資産管理会社であるブレスです。上位株主には、代表取締役社長の植村健志氏個人や、MIRARTHホールディングスが名を連ねています。創業家や関連会社が上位に位置する資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ブレス | 34.84% |
| MIRARTHホールディングス | 9.53% |
| 植村 健志 | 4.53% |
なお、前事業年度末に主要株主であったMIRARTHホールディングスは、当事業年度末現在では主要株主ではなくなっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性6名・女性3名)で構成され、女性役員比率は33.0%です。代表取締役社長兼CEOは植村健志氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 植村 健志 | 代表取締役社長兼 CEO | 1989年リクルートコスモス入社後、宝工務店を経て、2004年11月に同社を設立し代表取締役に就任。2017年6月より代表取締役社長兼CEOを務めています。 |
| 伊藤 啓敏 | 取締役 兼 専務執行役員 (事業本部 本部長) | 1989年リクルートコスモス入社。2008年4月に同社に入社し不動産事業部部長、同年6月より取締役に就任。2017年6月より取締役兼専務執行役員を務めています。 |
| 松尾 篤人 | 取締役 兼 常務執行役員 (管理本部 本部長) | 2003年モック、2007年ロックストーンを経て、2010年3月に同社に入社。経営企画部部長、執行役員を歴任し、2025年4月より取締役兼常務執行役員を務めています。 |
| 山本 皇自 | 取締役 兼 上席執行役員 (事業推進部 部長) | 1991年リクルートコスモス入社後、宝工務店を経て、2006年9月に同社に入社し取締役に就任。2025年4月より取締役兼上席執行役員を務めています。 |
社外取締役は、緒方克吉氏(元コスモスモア代表取締役社長)、伊藤華代氏(TRAY代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役2名を選任しています。これにより、客観的かつ中立的な立場からの経営監視機能が確保され、経営の意思決定の透明性・健全性の向上に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬(金銭報酬)と非金銭報酬としての譲渡制限付株式報酬等で構成されています。業績連動報酬制度は採用していません。監査役の報酬は、株主総会で決定された総額の限度内で監査役会の協議により決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 78百万円 | 19.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 14百万円 | 3.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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