※本記事は、株式会社TalentX の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
TalentXは、AI・テクノロジーを活用した統合型タレントアクイジションプラットフォーム「MyTalent Platform」を提供しています。大企業や成長企業を中心に、自社の人材獲得力強化と競争優位の創出を支援しています。
TalentXの単体従業員数は137名、連結従業員数は140名です。同社グループは「AI採用プラットフォーム事業」の単一セグメントで事業を展開しています。
同社グループの主な国内連結子会社は、以下のとおりです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)Crepeなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
TalentXは、採用マーケティングプラットフォーム事業と採用DXコンサルティング事業を展開し、「人と組織のポテンシャルを解放する社会の創造」をパーパスに掲げています。同社グループは人材と文化を成長の源泉と捉え、多様な採用手法と個人のキャリアビジョンに基づく人材開発に注力しています。このような環境で、どのような給与水準や働き方が実現されているのかを見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若い年齢層の従業員が活躍しており、平均勤続年数から見ると、新しい人材が継続的に加わり、組織が成長している傾向がうかがえます。活気ある環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、同社の働き方は魅力的な選択肢となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,781,000円 |
| 平均勤続年数 | 2年1ヶ月 |
| 平均年齢 | 32.6歳 |
| 単体従業員数 | 137人 |
| 連結従業員数 | 140人 |
| 単体のグループ内比率 | 97.9% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、採用マーケティングプラットフォーム事業を支える人的資本を、持続的成長と企業価値向上の源泉と位置づけています。事業戦略と組織戦略を一体で推進し、特にエンジニアやコンサルタント、カスタマーサクセスといった専門人材の採用と育成を重要な経営課題としています。
人材獲得においては、キャリア採用だけでなく新卒採用にも注力し、リファラル採用やアルムナイ採用、タレントプール採用といった多様な採用マーケティング手法を積極的に活用しています。人材育成では、事業戦略と連動した人材戦略に加え、個人のキャリアビジョンに基づく人材開発を重視し、従業員が主体的にキャリアを形成できる成長機会と安心できる環境の整備を進めています。
また、「User First」「Bold mistake」「Be Columbus」など10項目の行動指針・バリュー(Leadership Principles)を徹底しており、これらは採用基準や個人の目標設定、日々のコミュニケーション、表彰制度にも浸透しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率および男性育児休業取得率は、本記事では数値を取得できていません。男女賃金差異の主な要因は、管理職および専門性の高い職種における男女構成比の違いによるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男女賃金差異(全労働者) | 73.6% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 73.6% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 全従業員に占める新卒採用者の割合 | 22.1% |
| 年次有給休暇の取得率 | 74.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
TalentXは、「未来のインフラを創出し、HRの歴史を塗り替える」ことをビジョンに掲げ、AI・テクノロジーを活用した統合型タレントアクイジションプラットフォーム「MyTalent Platform」を提供しています。大企業や成長企業を中心に、企業の自社人材獲得力強化を支援しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、企業固有の人材データを継続的に蓄積・活用する統合型タレントアクイジションプラットフォーム「MyTalent Platform」を提供しています。このプラットフォームは、採用活動を通じて得られる人材データをAIで活用し、企業が人材獲得競争への依存を低減できる「AIネイティブ採用」の実現を支援しています。
サービスは、採用メディア作成支援ツールの「MyTalent Brand」、AI採用MAツールの「MyTalent CRM」、AIネイティブな採用管理システム(ATS)の「MyTalent Hire」、リファラル採用サービスの「MyTalent Refer」で構成されています。これらのプロダクトは「AI Core基盤」によって横断的にAI活用が可能となっており、採用プロセス全体を一元的に管理しています。
同社グループの顧客基盤は大手企業が中心であり、利用企業の多くが従業員数1,000名以上の大手企業となっています。利用を重ねるほどプラットフォームの価値が高まり、解約率が低下するサービスモデルが特徴です。採用データを一元化し、AIネイティブを可能にする統合基盤と、データネットワーク効果による成長と安定を強みとしています。
収益は主に「MyTalent Platform」の提供によるもので、サービスを継続的に提供するストック売上と、成果報酬によるフロー売上から得ています。同社グループは「採用マーケティング事業」の単一セグメントであり、本邦の外部顧客への売上高が大部分を占めています。特定の主要な顧客への売上集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは第8期連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、直近の業績推移は当連結会計年度のみの開示となっています。当連結会計年度においては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を計上しています。
「MyTalent Platform」各プロダクトの収益が順調に推移し、AIを活用した生産性向上やプロダクト間のシナジー強化を推進した結果、これらの利益を確保しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 17.5億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 3.4億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 19.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 2.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 44.25 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの連結従業員1人あたりの売上高および営業利益は、当期において一定の水準を示しています。これらの指標は、同社グループが提供する「MyTalent Platform」の事業が、従業員一人ひとりの貢献によって収益と利益を生み出している状況を表しています。連結財務諸表の作成が当期からであるため、前期との比較はできません。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 12.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 2.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
TalentXグループは、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資も積極的に行っている状況です。財務基盤は堅実であり、事業活動に必要な資金を確保していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を大きく上回る水準にあり、手元資金も潤沢に確保されています。これは、事業運営の安定性を示す指標の一つとなっています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 4.6億円 | 8.9億円 |
| 自己資本比率 | - | 52.7% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 28.5% |
| 現金及び預金 | 9.0億円 | 12.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を獲得し、その資金を成長投資に充てている状況です。営業活動によるキャッシュフローはプラスであり、事業が順調に資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュフローは、子会社株式の取得や無形固定資産の取得など、将来の成長に向けた積極的な投資が行われているためマイナスとなっています。
フリーキャッシュフローもプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態です。これは、同社グループが安定した財務基盤を持ちながら、成長戦略を着実に実行していることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素であると考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 3.5億円 |
| 投資CF | - | △2.5億円 |
| 財務CF | - | 1.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 1.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、経済情勢や景気動向の変化、顧客企業の投資マインド減退が事業及び業績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、人材関連市場における競合事業者との競争激化もリスクとして挙げています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、優秀な人材の確保と育成・定着が重要な課題であると考えています。求める人材を十分に確保できない場合や、社内での人材育成が計画通りに進まない場合、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
TalentXは、AI・テクノロジーを活用し、企業の人材獲得力向上を目指すAI HRTechカンパニーです。人と組織のポテンシャルを最大限に引き出す社会の創造を追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「未来のインフラを創出し、HRの歴史を塗り替える」をビジョンに掲げています。また、パーパス(PURPOSE)として「人と組織のポテンシャルを解放する社会の創造」を目指しています。
社名「TalentX」には、AIネイティブ採用により日本企業の採用を変革し、自社採用力を強化するオールインワンプラットフォーム「MyTalent Platform」を通じて、日本の採用に変革(X)を起こす集団でありたいという決意が込められています。タレントを通じて人と組織のポテンシャルを最大化することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、パーパス実現のため、事業戦略と連動した人材戦略に加え、個人のキャリアビジョンに基づく人材開発の双方に注力しています。個人が主体的かつ自律的にキャリアを形成できるよう、成長の機会と安心できる環境の整備を進めています。
行動指針・バリューとして「Leadership Principles」を掲げており、採用基準や個人の目標設定、日々のコミュニケーション、表彰制度に浸透させています。具体的なバリューは「User First(顧客価値の創造)」「Bold mistake(果敢な失敗をしよう)」「Be Columbus(コロンブスの卵であろう)」「Ownership(オーナーシップを持とう)」「Gale(疾さで勝とう)」「Professionalism(プロフェッショナルであれ)」「Respect everyone(誰にもリスペクトを)」「Essential thinking(物事の本質を追求しよう)」「Teamplay(仲間を信じその力を活かそう)」「Enjoy Working(はたらくを楽しもう)」の10項目です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループが優先的に対処すべき事業上の課題として、AIネイティブな統合型タレントアクイジションプラットフォームの推進を挙げています。優秀な人材の確保・育成も重要な課題と認識しており、人員拡大とともに組織化を進め、教育制度の拡充により従業員の成長をサポートしています。
また、顧客情報や個人情報を取り扱う事業において、情報管理体制の継続的な強化を図っています。具体的には、個人情報に関する社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの構築、プライバシーマーク制度の認証取得を進めています。
さらに、継続的な成長を支える強固な組織基盤の確立に向け、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の更なる強化に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
TalentXは監査役会設置会社として、取締役会が経営の重要事項を決定し業務執行を監督する体制をとっています。独立した監査役会が取締役の職務執行を監査することで、経営の効率性と健全性を確保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
TalentXの筆頭株主は代表取締役社長CEOの鈴木貴史氏です。同氏の資産管理会社が保有する株式を含め、同氏が多くの株式を保有しています。この資本構成は、創業者が経営に強い影響力を持つ体制を示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 鈴木 貴史 | 43.37% |
| 細田 亮佑 | 4.33% |
| 大瀧 大悟郎 | 2.77% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEOは鈴木貴史氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 鈴木 貴史 | 代表取締役社長CEO | 2012年4月にパーソルキャリアに入社し、2018年5月に同社を設立し代表取締役社長に就任より現職。 |
| 細田 亮佑 | 取締役 上席執行役員 | 2012年4月にパーソルキャリアに入社し、2018年5月に同社設立時に取締役に就任。2025年4月より取締役上席執行役員。 |
社外取締役は、北川貞光氏(U-NEXT HOLDINGS 執行役員)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役が経営から独立した客観的・中立的な立場から経営の監督機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
TalentXの役員報酬は、株主総会で決議された限度額に基づき、取締役会または監査役会で個別に決定されます。取締役の報酬は、代表取締役社長CEOが担当職務や業績、貢献度などを総合的に考慮して決定しており、固定報酬とストック・オプションを組み合わせた体系となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 32百万円 | 16.1百万円 |
| 社外取締役 | 1名 | 4百万円 | 4.3百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 14百万円 | 4.6百万円 |
同社グループの役員報酬総額は50百万円であり、対象となる役員は6名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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