※本記事は、株式会社メディックス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
メディックスは、デジタルマーケティング支援事業を展開しています。同社グループは、インターネット広告販売、マーケティングDX/アクセス解析、Webサイト制作、営業支援、海外進出支援など、顧客企業の事業成長を多角的にサポートしています。デジタルマーケティング全体を一貫してプランニングするワンストップ体制が特徴です。
単体従業員数は268名、連結従業員数は343名です。同社グループの事業セグメントはデジタルマーケティング支援事業の単一です。
主な国内グループ会社は、Sales Lab(デジタルマーケティング支援事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
メディックスは、デジタルマーケティングのプロフェッショナル集団として、顧客の事業成長を支援しています。従業員の平均年齢や勤続年数から、比較的若く、活気のある組織であることがうかがえます。
同社グループは、人的資本を企業価値創造の源泉と捉え、人材の確保と育成を重要課題としています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数と平均年齢から、比較的若い人材が長く活躍している傾向が見られます。デジタルマーケティング支援事業という専門性の高い分野において、従業員がキャリアを築いている状況がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,831,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.1年 |
| 平均年齢 | 34.6歳 |
| 単体従業員数 | 268人 |
| 連結従業員数 | 343人 |
| 単体のグループ内比率 | 78.1% |
同社は、退職一時金制度(非積立型制度)と確定拠出年金を組み合わせた退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
この制度は国内および海外のグループ会社に適用されています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、確定給付制度に係る退職給付債務は3.8億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
メディックスグループは「デジタルマーケティングのプロフェッショナル集団」として、顧客の事業成長を支援することをミッションとしています。テクノロジーの進化が激しい市場環境において、競争優位性は「人材の質」そのものにあると定義しています。
そのため、人材戦略を経営戦略の最優先事項と位置づけ、「人材開発」と「社内環境整備」の両輪で持続的な企業価値向上を図っています。人材開発では、変化の激しいインターネット業界で常に最先端の専門性を維持・向上させるため、自律的な成長を促す仕組みを構築しています。具体的には、従来の年次や職位に縛られない「役割期待グレード制度」を運用し、若手でも高い専門性を持つ人材を戦略的に重要なプロジェクトへ登用できる体制を整えています。
また、社員一人ひとりの「現在のスキル」「将来の志向」「果たすべき役割」を可視化する独自ツール「イマコレシート」を運用し、個人の成長意欲と事業戦略上のリソース配分を一致させています。さらに、全社員を対象とした生成AI等の先端技術活用スキルの習得を支援し、生産性の高い組織への変革を推進しています。社内環境整備では、「自律性」と「高生産性」を両立する職場環境を追求しており、各部門を「ユニット」という小組織に分け、自律的な意思決定と採算管理を徹底することで、社員一人ひとりが経営感覚を持つ文化を醸成しています。
給与・賞与その他の給付の決定にあたっては、経営計画・事業戦略に基づく役割期待を職制・職級ごとに明確化し、その達成度を客観的に評価した上で処遇に反映する仕組みを基本方針としています。給与は基本給及び各種手当により構成され、職制及び職級に応じた標準給与表に基づき決定されます。賞与は年2回支給され、総原資は当該年度の営業利益に応じて取締役会で決定し、個人別の支給額はユニットごとの業績達成率と個人のパフォーマンス評価により決定されます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。管理職に占める女性労働者の割合および男性労働者の育児休業取得率は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 88.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 78.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 113.6% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社メディックスは、デジタルマーケティング支援を主軸とする企業です。顧客企業の事業成長を多角的に支援するサービスをワンストップで提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、デジタルマーケティング支援事業の単一セグメントで事業を展開しています。インターネット広告販売(運用型広告)を主力サービスとし、マーケティングDX/アクセス解析、Webサイト制作、インサイドセールスによる営業支援、さらには台湾・アジア市場への進出支援など、幅広いサービスを提供しています。
特に運用型広告に注力しており、広告枠の販売・運用を通じて手数料を得る収益モデルが特徴です。デジタルマーケティング全体を一貫してプランニングし、徹底したヒアリングから提案、制作、出稿、運用、結果解析までをワンストップ体制で提供することで、顧客から高い評価を得ています。
販売方針としては、「BtoC領域」「BtoB領域」「データマネジメント・その他領域」の3つの領域に分けています。BtoB領域を注力分野と位置づけ、顧客企業の事業成長に貢献する取り組みを継続しています。収益は、主に一時点で移転される財またはサービスから得られています。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が中心となっています。特定の主要な顧客に売上が集中している状況は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは、第43期より連結財務諸表を作成しているため、それ以前の連結業績推移は開示されていません。第43期(2026年3月期)の連結業績が初めての開示となります。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 42.6億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 6.6億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 15.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 4.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 56.16 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループは第43期より連結財務諸表を作成しているため、前期との比較はできません。当連結会計年度における従業員1人あたりの売上高は12.4百万円、従業員1人あたりの営業利益は1.9百万円となっています。これらの数値は、同社グループの事業規模と従業員数に対する収益創出能力を示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 12.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 1.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を将来への投資に充てている段階を示しています。これは、事業の成長に向けた積極的な姿勢がうかがえる状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が44.4%となっており、プライム市場の製造業平均(46.8%)に近い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は12.7%で、プライム市場平均(9.4%)を上回っています。手元資金である現金及び預金は40.6億円あり、安定した事業運営を支える資金を確保している状況です。これらの財務指標は、同社グループの事業活動を継続的に支える基盤があることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 32.7億円 | 35.6億円 |
| 自己資本比率 | - | 44.4% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 12.7% |
| 現金及び預金 | 37.7億円 | 40.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが2.5億円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少によるものです。投資活動によるキャッシュフローは3.2億円の減少となり、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得や投資有価証券の取得に資金を充てています。その結果、フリーキャッシュフローはマイナス69百万円となり、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に積極的に回している状況を示しています。財務活動によるキャッシュフローは3.6億円の増加となっており、長期借入れによる収入が自己株式の取得や長期借入金の返済、配当金の支払いを上回っています。これらの資金の流れは、同社グループが事業成長のための投資を継続しており、将来の事業拡大に向けた基盤を強化していることを示唆しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 2.5億円 |
| 投資CF | - | △3.2億円 |
| 財務CF | - | 3.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △69百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、インターネット広告業界の景気変動や技術革新、メガプラットフォーマーの事業戦略転換による影響を受ける可能性があります。また、デジタルマーケティング支援事業において、Google、LINEヤフー、Metaといった特定のメディア運営会社への依存度が高い状況です。これらのリスクは、同社グループの事業活動や収益性に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、優秀な人材の確保、定着、育成を重要な課題として認識しています。退職者の増加や採用活動の不振、教育活動が功を奏さない場合には、事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
メディックスは、「自由と責任」と「信頼」を経営理念に掲げ、当事者意識とステークホルダーとの信頼関係構築を重視する企業です。デジタル領域のNo.1マーケティングパートナーを目指し、クライアントの中長期的な課題解決に貢献することを大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「自由と責任」及び「信頼」を経営理念に掲げ、当事者意識をもって事にあたり、全てのステークホルダーとの信頼関係構築を重視しています。変化の激しいインターネット広告代理店業界において、自らが率先して複雑さと変化をキャッチアップし、成長・進化し続けてきました。
ビジョンとして「デジタル領域のNo.1マーケティングパートナー」を目指し、短期的なプロモーション課題解決だけでなく、本質的にクライアントのビジネスに貢献する中長期的な課題解決を大切にしています。今後も既存事業の拡大や新規事業への投資を行いながら、企業価値の継続的な向上を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念である「自由と責任」と「信頼」に基づき、当事者意識をもって行動し、正しいと信じることを提案・発言する文化を重視しています。広告クリエイティブ専門組織は、広告効果を最大限に高めるスペシャリスト集団であり、専門知識を持つ多様な人材がチームを構成しています。
アカウントプランナーはデジタルマーケティングの総合的知識を持つプロフェッショナルとして、顧客の成果にこだわる専任制を特徴としています。BtoB領域では「顧客視点」と「ソリューションニュートラル」な姿勢を重視しています。同社グループは人的資本を企業の価値創造の源泉と捉え、年齢や性別にとらわれず能力や成果に応じた人事評価を基本方針としています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、人材の採用と育成のさらなる強化を重要な課題と認識しています。企業規模の拡大と成長のため、採用活動を積極的に推進し、社員への教育体制の整備・改善、活躍できる職場環境づくりを強化しています。具体的には「役割期待グレード制度」への変更や「イマコレシート」(社員のスキルや希望、役割を見える化し適材適所を促進するシート)の導入を進めています。
また、持続的な成長を維持するため、コーポレート・ガバナンス体制の強化にも取り組んでいます。内部管理体制の強化を通じた業務の標準化・効率化、リスク管理の徹底、コンプライアンス体制の強化、迅速かつ正確な情報開示の充実に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
メディックスは、監査等委員会設置会社として、取締役会の監督機能強化と経営の効率化を通じて企業価値向上を目指しています。取締役会は、業務執行取締役と監査等委員である取締役で構成され、経営方針の立案と職務執行の監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
メディックスの株主構成を見ると、筆頭株主は個人である小谷中茂樹氏です。また、上位株主には水野昌広氏やメディックス従業員持株会が名を連ねています。特定の個人や従業員による持株会が上位を占めており、安定した資本基盤を形成していることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 小谷中 茂樹 | 19.97% |
| 水野 昌広 | 15.85% |
| メディックス従業員持株会 | 9.37% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長は田中正則氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 田中 正則 | 代表取締役社長 | 1980年に日本リクルートセンター(現リクルートホールディングス)に入社後、ランドネットDDやリクルートスタッフィング情報サービスなどで代表取締役を歴任。2014年よりフォローワンズハート代表取締役、2018年よりAI CROSS社外取締役も務め、2021年に同社入社、2022年4月より同社代表取締役より現職。 |
| 馬場 昭彦 | 管理担当取締役 | 1996年にリクルートに入社し、ブライダルカンパニーなどで要職を経験。リクルートホールディングスやリクルートスタッフィングの取締役も務め、リクルートマーケティングパートナーズ取締役執行役員企画統括本部長、リクルートゼクシィなび代表取締役社長を歴任。2023年6月より同社管理担当取締役より現職。 |
社外取締役は、大久保修一氏(元NTTデータバリュー・エンジニア取締役・監査等委員)、鈴木さなえ氏(AI CROSS取締役・監査等委員)、都賢治氏(税理士法人アルタス代表社員・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、独立した社外取締役が経営の健全性と透明性の向上に貢献しています。社外取締役は、経営への助言と取締役の業務執行に対する監督を通じて、ガバナンス機能の強化を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
メディックスの役員報酬は、取締役(監査等委員である取締役を除く)に対して、職務遂行の対価としての定額の基準報酬と、業績に連動する金銭による業績連動報酬で構成されています。業績連動報酬は、原則として定時株主総会後に決算賞与として支給される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 60百万円 | 20.1百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 15百万円 | 15.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 11百万円 | 3.6百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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