【平均年収913万円】ダイナミックマッププラットフォーム 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収913万円】ダイナミックマッププラットフォーム 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ダイナミックマッププラットフォームは、自動運転や先進運転支援システムに不可欠な高精度3次元地図データの研究開発、生成、販売を手がけています。連結従業員数は210名で、国内外に事業を展開しています。直近の売上高は減少しましたが、損失は縮小傾向です。


目次

※本記事は、ダイナミックマッププラットフォーム株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ダイナミックマッププラットフォームは、自動運転や先進運転支援システムに不可欠な高精度3次元地図データの研究開発、生成、販売を行う企業です。同社グループは、自動車メーカーへのライセンス供与に加え、AI学習やシミュレーション用途、インフラ維持管理など多岐にわたる分野で高精度位置情報を提供し、あらゆる産業の共通基盤を目指しています。

単体従業員数は72名、連結従業員数は210名です。セグメントは国内、海外の2つです。

日本海測量設計を2025年10月1日付で、ダイナミックマッププラットフォームコンサルタンツを2025年10月27日付で連結子会社化しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ダイナミックマッププラットフォームは、高精度3次元データプラットフォーム事業を展開しており、専門性の高い人材が活躍する環境です。同社グループでは、社員一人ひとりの能力を最大限に引き出すための多様な働き方や育成制度を導入しています。グローバルな視点とイノベーションを重視する企業文化の中で、自身のキャリアを築きたいと考える方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均年齢が40代前半であり、比較的経験豊富な人材が中心となって事業を推進している傾向が見られます。平均勤続年数は3年未満と、比較的新しい組織であることや、専門性の高い分野での人材流動性を示唆している可能性があります。

項目 数値
平均年間給与 9,128,000円
平均勤続年数 2.9年
平均年齢 42.3歳
単体従業員数 72人
連結従業員数 210人
単体のグループ内比率 34.3%


同社グループでは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。これらの制度は主に国内グループ会社に適用されています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、確定拠出制度への当連結会計年度の要拠出額は91百万円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、フィジカルAI時代の「データプラットフォーム」企業への躍進を目指す中で、人材を競争優位の源泉と位置付け、経営戦略と一体となった人材戦略を推進しています。特に、高度な専門性及びデジタルスキルを有するエンジニアや事業開発要員の確保と育成を重要な経営課題と認識しています。

給与・賞与の決定においては、必要な人材の確保と従業員が安心して能力を発揮できる環境を提供するため、適切なレベルの賃金を支給する方針です。2025年3月期には春季・秋季の賞与を新設し、全体の年収水準の底上げを図る取り組みも実施しています。また、OKR評価やコンピテンシー評価を通じて、従業員の能力や成果を正当に評価し、モチベーション向上と自律的な成長を促進しています。

人材育成の高度化に向けては、従業員のスキル転換やスキル高度化を目的とした教育投資を継続的に実施しており、約2,000本以上の研修動画を自由に受講できるオンデマンド動画配信サービスを導入しています。多様な人材の活躍推進にも力を入れ、女性や外国人などの専門職人材の活躍を促進し、グループ内のコミュニケーション向上を目指して語学学習への補助制度も導入しています。

働きがいのある環境づくりとしては、社員が大切にすべきバリュー「GIFT!」を掲げ、全社員での浸透と体現に取り組んでいます。また、フレックスタイム制やフル在宅勤務制度、時間単位有給休暇、ノー残業デーの導入など、柔軟な働き方を促進する施策を通じて、多様な人材の活躍と優秀な人材の定着を図っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ダイナミックマッププラットフォームは、自動運転や先進運転支援システムに不可欠な高精度3次元地図データの研究開発、生成、販売を主力事業としています。中長期的には、高精度位置情報の提供を通じて、あらゆる産業における共通基盤を目指すことをビジョンに掲げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、自動運転や先進運転支援システムを開発・提供する自動車メーカー等に対し、高精度3次元地図データをライセンス供与することで収益を得ています。車両に搭載された地図データの更新に関する対価も収受しており、近年ではAI学習やシミュレーション用途(Data for AI)の需要も業容拡大に寄与しています。収益モデルは、主に高精度3次元地図データの整備や官公庁・民間企業向けプロジェクトを通じた「プロジェクト型」と、量産車への搭載に応じたライセンスフィーやメンテナンスフィー、法人向けライセンス等による「ライセンス型」に大別されます。

国内

国内では、自動車専用道路、高速道路、一般道の計測・図化を行い、自動運転や先進運転支援システムに有用な高精度3次元地図データを生成・販売するオートモーティブビジネスを展開しています。また、計測業務で収集される高精度3次元点群データを活用した3Dデータビジネスや測量事業も行っています。収益は、法人ライセンス契約の拡大によりライセンス型売上が増加した一方で、国家プロジェクトの受注規模縮小によりプロジェクト型売上が減少したことから、前期を下回る結果となりました。運営は、ダイナミックマッププラットフォーム、ダイナミックマッププラットフォームAxyz、日本海測量設計、ダイナミックマッププラットフォームコンサルタンツが行っています。

海外

海外では、北米、欧州、中東、韓国において高速道路や一般道の計測・図化を行い、国内と同様に自動運転や先進運転支援システム用高精度3次元地図データを生成・販売しています。3Dデータビジネスの顧客開拓に向けたマーケティング活動やアライアンス構築も進めています。収益は、先進国における新規道路整備の完了や中東地域でのプロジェクト実施時期の後ろ倒しによりプロジェクト型売上が減少したものの、量産車への高精度3次元地図データ搭載台数の増加やAI用途向け法人ライセンス契約の拡大によりライセンス型売上が増加しました。運営は、Dynamic Map Platform North America, Inc.、Dynamic Map Platform Europe, GmbH、Dynamic Map Platform Korea, LLC、Dynamic Map Platform Arabia Limited、DYNAMIC MAP PLATFORM DATA-L.L.Cが行っています。

同社グループの売上高は海外セグメントが国内セグメントを上回っており、海外事業が収益の大きな部分を占めています。特定の顧客への売上集中も見られ、当期はGeneral Motors Companyと三菱電機モビリティ株式会社が主要な取引先となっています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
海外 47.7億円 42.3億円
国内 26.9億円 14.6億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は変動があるものの、直近の当期は前期から減少しています。経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失は継続して計上されていますが、前期に比べて損失額は縮小傾向にあります。これは、地図データ整備等の先行投資や過去の減損損失が影響していると説明されています。

営業活動によるキャッシュ・フローは、過去4期にわたり支出が続いていましたが、当期は支出額が大幅に縮小し、改善の傾向が見られます。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 - 36.8億円 55.7億円 74.7億円 56.9億円
経常利益 - △34.5億円 △24.9億円 △14.1億円 △16.5億円
経常利益率 - △93.8% △44.7% △18.9% △29.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 - △41.2億円 △40.5億円 △15.4億円 △17.1億円
1株当たり当期純利益(円) - △236.25 △215.24 △81.80 △72.30

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から減少しています。これは、売上高の減少と連結従業員数の減少が影響していると考えられます。

また、従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期に引き続き損失を計上しており、損失額は前期から拡大しています。これらの数値は、同社グループが事業の成長フェーズにおいて先行投資を継続している状況を示していると考えられます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 33.3百万円 27.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △5.4百万円 △8.9百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ダイナミックマッププラットフォームは、高精度3次元地図データの整備・更新に先行投資を続けている成長フェーズにあります。そのため、財務状況は投資が先行する状況を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は当期で66.2%となっており、前期の55.9%から上昇しています。これはプライム市場の平均と比較しても高い水準を示しています。手元資金である現金及び預金は当期末で36.6億円であり、前期の83.8億円から減少しました。ROE(自己資本利益率)は当期で△21.1%となっており、収益性の改善が課題となっています。

自己資本比率が高いことは財務の健全性を示しますが、現預金の減少とROEのマイナスは、今後の事業展開における資金繰りや収益改善の動向が雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 89.6億円 72.3億円
自己資本比率 55.9% 66.2%
ROE(自己資本利益率) - △21.1%
現金及び預金 83.8億円 36.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが△0.6億円の支出となりました。これは主に税金等調整前当期純損失の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△19.1億円の支出となっており、無形固定資産の取得による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローは△28.0億円の支出となり、長期借入金の返済による支出が影響しています。

フリーキャッシュフローは当期で△19.7億円のマイナスとなっています。同社グループは高精度3次元地図データの整備・更新に先行投資を続けており、営業活動によるキャッシュフローは設立以来マイナスが継続しています。今後も投資需要が継続する想定であり、資金繰りの動向は雇用や給与の安定性、そして今後の成長性に影響を与える可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △22.7億円 △0.6億円
投資CF △24.7億円 △19.1億円
財務CF 28.3億円 △28.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △47.4億円 △19.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

同社グループは、設立以来赤字が継続しており、営業活動によるキャッシュフローもマイナスの状況です。また、主要な借入金に係る金融機関との契約において、財務制限条項の一部に抵触している状況にあります。ただし、借入先金融機関との協議の結果、期限の利益の喪失に関する請求は行われておらず、取引関係は維持されています。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、高精度3次元地図データの整備・更新に係る先行投資により、設立以来赤字を継続しています。自動運転市場の本格的な立ち上がりが想定より遅れていることや、AI用途における顧客投資の不確実性が、収益性の改善を遅らせる可能性があります。また、高精度3次元地図データに係る代替技術・ソリューションの出現や競合の激化も、事業構造や収益性に影響を及ぼすリスクとして認識されています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、将来の持続的成長に向けて優秀な人材の採用と育成を重要視しています。しかし、求める専門性の高い人材が十分に確保されなかった場合や人材の流出が進んだ場合、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ダイナミックマッププラットフォームは、高精度な位置情報技術を基盤に、未来の社会インフラを築き上げることを目指しています。グローバルな視点と革新的な精神を大切にし、多様な人材が活躍できる企業文化を育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ダイナミックマッププラットフォームグループは、「デジタル社会のインフラとして高精度位置情報基盤をグローバルに構築し、自動運転をはじめとする新しい未来を拓く」ことをパーパスとして掲げています。

自動車関連やスマートシティなど、多様な用途に向けた高精度3次元データの構築と提供を通じて、安心・安全で快適な社会の実現に貢献することを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は、社員が大切にすべきバリューとして「GIFT!」を掲げています。これは「Global Mindset」「Innovate」「Fast Move」「Trust and Respect」「!be youthful!」の頭文字を取ったものです。

多様な国籍の社員が働く同社グループでは、グローバルな視点と互いを尊重しあう風土が重視されています。これらのバリューを全社員が共有し、体現することで社会貢献を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、持続的な成長のために複数の経営課題に取り組んでいます。特に、フィジカルAIの進展に伴う「Data for AI」需要への対応として、研究開発体制の拡充や外部パートナーとの連携を進めています。

また、優秀な人材の採用と育成を不可欠な要素と捉え、積極的な採用活動や社内トレーニング体制の強化、多様な人材が活躍できる企業文化の醸成に努めています。

さらに、内部統制の強化、M&A拡大を踏まえたグループガバナンス体制の構築、コンプライアンス及びリスク管理体制の強化を通じて、経営の透明性と健全性を高めることに注力しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ダイナミックマッププラットフォームは、取締役会と監査役会を設置し、経営の透明性と監督機能の強化を図っています。業務執行と監督の分離を明確にし、迅速な意思決定と機動的な経営体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ダイナミックマッププラットフォームは、公的な性格を持つ機関投資家や事業会社によって支えられている資本構成となっています。筆頭株主は産業革新投資機構であり、安定的な経営基盤を形成しています。複数の機関が上位株主として名を連ね、同社の事業を多角的に支援している状況です。

株主名 持株比率
産業革新投資機構 31.32%
海外交通・都市開発事業支援機構 14.72%
日本カストディ銀行(信託口) 4.81%
野村信託銀行(投信口) 3.93%
三井物産 2.37%


なお、前事業年度末に主要株主であったINCJは当事業年度末では主要株主ではなくなり、産業革新投資機構が新たに主要株主となりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.2%です。代表取締役社長は吉村修一氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
吉村 修一 代表取締役社長 2005年三井物産入社後、産業革新機構を経て、2017年に同社社外取締役に就任。2022年1月より同社代表取締役社長CEOを務めています。
麻生 紀子 取締役グループ技術・生産担当 1982年三菱電機入社後、2019年に同社技術企画部長として出向。2023年6月より同社取締役に就任し、2024年6月より取締役グループ技術・生産担当を務めています。


社外取締役は、鈴木秀和氏(アトラエ取締役CFO)、志賀俊之氏(元日産自動車代表取締役副会長・INCJ代表取締役会長CEO)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役が経営の監督機能を果たし、社外監査役が独立した立場から監査を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ダイナミックマッププラットフォームの役員報酬は、固定報酬、業績連動報酬、非金銭報酬としての事後交付型株式報酬の3種類を組み合わせています。業績連動報酬は、連結売上高や連結営業利益(連結調整後EBITDA)の達成度合い、および個人のOKR評価に基づいて決定されます。監査役の報酬には業績連動報酬は含まれていません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 52百万円 26.0百万円
社外役員 5名 29百万円 5.8百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。