【平均年収531万円】イシン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収531万円】イシン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

イシンは、HR事業や公民共創事業、メディアPR事業、グローバルイノベーション事業を柱に、グループ各社とともに多角的な事業を展開しています。直近の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、イシン株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


イシンは、企業の採用課題解決を支援するHR事業、官公庁と民間企業の共創を支援する公民共創事業、成長企業のブランディング・M&A仲介支援、イノベーション領域における企業変革支援を展開しています。同社グループは、これら4つの事業を柱としています。

単体従業員数は88名、連結従業員数は90名です。セグメントはHR事業、公民共創事業、メディアPR事業、グローバルイノベーション事業の4つです。

主な国内グループ会社は、レプセル(人材コンサルティング)、OK Junction(その他事業)などです。

イシンは、HR領域サービス拡充のため株式会社レプセルを、自治体向けイベント強化のため株式会社OK Junctionを子会社化しました。また、HR事業を新設し、M&A仲介事業も立ち上げています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


イシンは、事業家精神を重視し、実務経験を通じた能力開発を基本とする組織文化を持つ企業です。中長期的な事業成長を支える人材の育成に力を入れており、個人の成長が会社の成長に直結する環境が期待できます。給与水準や働き方の詳細は、以下の各項目で詳しくご紹介します。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


平均年齢34.8歳、平均勤続年数3.9年というデータから、比較的若手が多く、新しい人材が継続的に加わっている組織であることがうかがえます。実務経験を通じた能力開発を重視する同社グループの方針とも合致し、若手社員が早期に活躍できる機会が多い環境であると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 5,310,000円
平均勤続年数 3.9年
平均年齢 34.8歳
単体従業員数 88人
連結従業員数 90人
単体のグループ内比率 97.8%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


イシンは、「世界的視野をもった事業家を創発する組織文化」を人材戦略の基本方針として掲げています。中長期的な事業成長を支える人材の採用・育成・配置・評価を通じて、持続的な企業価値向上を目指しています。

人材育成においては、実務経験を通じた能力開発を重視し、各人の役割や成長段階に応じた業務機会を提供しています。組織マネジメントや事業推進を担う人材の育成を重要課題と位置づけ、必要な知識・経験の蓄積を支援しています。

採用では、業務遂行能力に加え、同社の価値観や行動指針への共感を重視しています。従業員の報酬は、各人の役割、責任、成果、能力を総合的に勘案し、人事制度に基づいて決定される方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目ではないため、公表されていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 8.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%

多様性・登用


これらの目標及び実績は提出会社単独のものであり、連結子会社は公表義務の対象ではないため記載を省略しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 8.3%

人材育成・エンゲージメント


これらの目標及び実績は提出会社単独のものであり、連結子会社は公表義務の対象ではないため記載を省略しています。

指標 数値
平均勤続年数 3.9年

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


イシンは、企業の採用課題解決から官公庁と民間企業の共創支援、成長企業のブランディング・マーケティング、さらにはイノベーション領域における企業変革支援まで、多岐にわたる事業を展開しています。社会の進化に貢献するという理念のもと、差別化された事業を通じて収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、企業の採用課題解決を支援するHR事業、官公庁と民間企業の共創を支援する公民共創事業、成長企業のブランディング・マーケティング及びM&A仲介支援を行うメディアPR事業、イノベーション領域における企業変革支援を行うグローバルイノベーション事業の4つのセグメントを展開しています。各事業は、顧客の課題解決に貢献することで収益を得ています。

HR事業

企業の採用課題解決を目的として、人材紹介や採用業務のアウトソーシングサービスなどを展開しています。ベンチャー企業から大手企業までを対象に、採用戦略の策定から採用業務の代行、採用マーケティング支援までを一貫して支援しています。
収益は、求職者の転職成立時に紹介先企業から受領する人材紹介手数料や、採用業務アウトソーシングサービスの月額業務委託費用、採用ページ制作CMSの月額利用料などから得ています。運営は、イシン及びレプセルが行っています。

公民共創事業

自治体と民間企業をつなぐ事業として、主に大手・中堅企業の自治体向けマーケティング及び営業支援などを一貫して支援しています。自治体職員向けのWebメディア運営や情報誌の発刊、営業BPO、テレマーケティング、ウェビナー及びイベントの企画・開催などを行っています。
収益は、BtoGプラットフォームの月額利用料や、情報誌への記事広告掲載料、業務委託費用、イベント協賛金などから得ています。運営は、イシンが行っています。

メディアPR事業

主に成長ベンチャー企業向けにブランディング及びM&A仲介支援を行っています。ベンチャー業界メディアの運営、成長ベンチャー企業向けの有料会員制サービス、大型カンファレンスの開催、M&A仲介サービスなどを展開しています。
収益は、雑誌及びオンラインメディアへの記事広告掲載料、有料会員からの月額会員費用、イベント協賛金、M&A成約時の報酬などから得ています。運営は、イシンが行っています。

グローバルイノベーション事業

日系大手企業と国内外のスタートアップをつなぐサービスとして、成長産業に特化した情報提供サービスや各種ソリューションを通じて、大手企業のオープンイノベーション及び企業変革を支援しています。情報ポータルSaaSの提供、イノベーション人材研修、メディア運営などを行っています。
収益は、情報ポータルSaaSの月額利用料や、研修提供に係る収益、イベント協賛金などから得ています。運営は、イシン及びIshin USA, Inc.が行っています。

同社グループの売上高は、国内の外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えており、国内市場が主要な収益源となっています。また、特定の主要顧客に売上が集中している状況は見られません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
公民共創事業 5.5億円 5.5億円
グローバルイノベーション事業 4.1億円 3.8億円
メディアPR事業 3.7億円 3.7億円
HR事業 60百万円 1.3億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5期にわたり着実に増加傾向を示しています。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期において大幅な減少となりました。これは、HR事業への先行投資としての採用人件費や業務委託費の増加、本社移転に係る費用計上、および過年度決算訂正に係る特別損失の計上が主な要因となっています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 10.2億円 11.5億円 12.8億円 13.9億円 14.3億円
経常利益 1.2億円 95百万円 1.9億円 2.1億円 26百万円
経常利益率 11.4% 8.3% 14.9% 15.2% 1.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 97百万円 83百万円 1.3億円 1.8億円 5百万円
1株当たり当期純利益(円) 60.79 52.16 78.63 92.67 2.41

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から大きく減少しており、直近の期では収益性の低下が見られます。これは、中長期的な成長に向けた戦略的投資や新規事業開発に伴う先行費用が影響しているものと考えられます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 16.6百万円 15.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.9百万円 0.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


イシンは、事業成長に向けた投資を積極的に行っている段階にあります。財務基盤や資金の流れから、同社グループの経営状況を確認します。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


イシンは、自己資本比率がプライム市場平均を上回る水準で推移しており、強固な財務基盤を維持しています。手元資金も潤沢に確保されており、事業運営の安定性を示しています。ROEは前期から低下していますが、これは当期純利益の減少によるものです。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性につながる要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 16.6億円 16.8億円
自己資本比率 55.2% 57.7%
ROE(自己資本利益率) 16.5% 0.4%
現金及び預金 14.0億円 12.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


イシンは、当期において営業活動によるキャッシュフローが支出となりました。これは主に法人税等の支払額があったことによるものです。投資活動によるキャッシュフローは、子会社株式の取得や有形固定資産の取得、敷金の差入などにより支出となっています。これは事業拡大に向けた積極的な投資が行われていることを示しています。

財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済により支出となりました。その結果、フリーキャッシュフローは当期にマイナスとなっています。本業の稼ぎが投資を上回る状態から、成長投資が先行するフェーズへと変化していることがうかがえます。これは、同社グループが将来の成長に向けた基盤を構築している状況であり、中長期的な視点での成長性と雇用安定性につながる可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 1.0億円 △0.8億円
投資CF △0.9億円 △0.5億円
財務CF 0.6億円 △0.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 0.1億円 △1.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループが提供するHR事業、公民共創事業、グローバルイノベーション事業、メディアPR事業の各領域において、競合他社が複数存在しています。競合他社のサービス力向上や新規参入企業の増加により価格競争が激化した場合、競争力の低下や収益性の低下を招く可能性があります。

また、企業の広告宣伝及び人材採用関連予算は景気変動の影響を受けやすい傾向にあります。HR事業、メディアPR事業、公民共創事業は顧客の広告宣伝及び人材採用に係る予算を元にサービスを提供しており、景況感が著しく悪化した場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループが安定的な成長を確保していくためには、優秀な人材の確保が必要であると認識しています。経営理念を理解し、賛同できる人材の確保及び教育が想定どおり行えない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


イシンは、「事業家創発」を社是とし、世界的視野を持った事業家たちが社会課題の解決に貢献することを目指しています。HR、公民共創、メディアPR、グローバルイノベーションの4つの事業を展開し、企業や自治体の課題解決を支援しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


イシンは、社是に「事業家創発」を掲げ、理念として「世界的視野を持った事業家たちが差別化された事業を通じて社会の進化に貢献する」ことを目指しています。事業を通じて様々な社会課題を解決し、企業価値の最大化を追求する経営方針です。

各事業のサービス拡充や相互連携、新たな領域開発、既存事業の深耕、M&Aを活用した成長投資を推進しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


イシンは、「世界的視野をもった事業家を創発する組織文化」を人材戦略の基本的な考え方としています。同社グループの理念を体現する「世界的視野を持った事業家たち」が強みであると認識しています。

採用においては、業務遂行能力に加え、同社グループの価値観や行動指針への共感を重視しています。組織責任者による日常的な対話や育成を重視し、事業運営に必要な役割や責任に応じた配置・育成を行っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


イシンは、優秀な人材の確保と育成を最も重要な経営課題の一つとしています。事業拡大に伴い、多様な採用チャネルの活用や教育制度、評価・報酬体系の整備を通じて、組織全体の生産性向上を図っています。

また、個人情報の保護とセキュリティ対応も重要な課題です。情報セキュリティシステムの強化と個人情報保護の社内体制整備を進めています。HR事業やM&Aを含む新規事業開発による高成長の実現も重点テーマです。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


イシンは、取締役会と監査等委員会を設置する企業統治体制を採用しています。取締役会は、社外取締役を含む複数の取締役で構成されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


イシンの株主構成を見ると、筆頭株主は株式会社Bright Stoneであり、代表取締役会長である明石智義氏の資産管理会社です。明石智義氏個人も上位株主として名を連ねており、創業家が関連会社を通じて上位に並ぶ資本構成となっています。これにより、創業家が同社の経営に一定の影響力を持つことがうかがえます。

株主名 持株比率
Bright Stone 39.32%
明石 智義 22.36%
Enjin 3.10%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.0%です。代表取締役社長は西中大史氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
西中 大史 代表取締役社長 2011年4月株式会社三井住友銀行入行。2015年9月Ishin USA, Inc.入社。2017年1月同社転籍入社。2025年4月同社代表取締役社長就任より現職。
明石 智義 代表取締役会長 2004年3月特定非営利活動法人ベンチャー通信代表理事就任。2005年4月株式会社幕末(現同社)設立代表取締役社長就任。2011年5月同社代表取締役会長就任より現職。
吉川 慶 取締役 2005年4月日本オラクル株式会社入社。2007年3月株式会社リクルート入社。2018年3月同社入社。2025年6月同社取締役就任より現職。


社外取締役は、田中真衣氏(公認会計士田中真衣事務所 代表・監査等委員)、郭翔愛氏(合同会社Tasuki 代表社員・監査等委員)、岩城英史氏(Blue Partners 代表取締役・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である社外取締役が取締役の職務執行を監査・監督する体制をとっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


イシンの役員報酬は、月額報酬と役員賞与で構成されています。常勤取締役の報酬は、会社の業績や個人の成果・責任を考慮した基本報酬を毎月支給する方針です。業績連動報酬制度は採用しておらず、社外取締役および監査等委員の報酬は業績要素を加味しない固定報酬額となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 57百万円 11.4百万円
監査役(社外除く) 1名 2百万円 2.0百万円
社外取締役(監査等委員を除く) 2名 2百万円 1.2百万円
社外監査役 2名 2百万円 1.2百万円


当事業年度における役員報酬等の総額は63百万円で、対象となる役員の総数は10名です。
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、監査役に対する報酬等は監査等委員会設置会社移行前の期間に係るものです。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。