【平均年収425万円】マツモト 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年4月期)

【平均年収425万円】マツモト 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年4月期)

マツモトは、印刷物の製造販売を主軸に、学校向けアルバムや一般商業印刷、インターネット関連事業を手掛けています。売上高は減少しましたが、営業損失・経常損失は縮小し、当期純利益は黒字転換となりました。


目次

※本記事は、株式会社マツモト の有価証券報告書(2026年4月期、2025年5月1日 ~ 2026年4月30日、2026年7月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


マツモトは、印刷物の製造販売を主たる事業としています。学校向けの卒業記念アルバムを主要製品とし、ポスターやカタログなどの一般商業印刷物も手掛けています。インターネット関連事業も展開しています。

単体従業員数は164名です。

マツモトは、印刷物の製造販売を主たる事業としており、企画から製本まで一貫した生産設備を有しています。学校向け卒業記念アルバムや一般商業印刷物のほか、デジタル写真アルバムなどのインターネット関連事業も手掛けています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


マツモトは、印刷業界の市場環境や顧客ニーズの変化に対応しながら、AI活用による業務改革や高付加価値サービスの創出を目指しています。このような事業戦略を支える基盤として、人的資本を重要な経営資源と位置づけ、人材の採用から育成、定着、処遇に至るまで総合的な施策を推進している会社です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、安定した環境でキャリアを築いている人材が多い傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 4,250,000円
平均勤続年数 16年5ヶ月
平均年齢 45歳5ヶ月
単体従業員数 164人


同社は、確定給付型の制度として退職一時金制度を、確定拠出型の制度として特定退職金共済制度及び確定拠出年金制度を採用しています。

なお、退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


マツモトは、印刷業界の市場環境変化に対応するため、AIを活用した業務改革や高付加価値サービスの創出、生産体制の最適化と持続可能なものづくりを重要な戦略課題としています。これらの推進を支える基盤として人的資本を重視し、採用・育成・定着・処遇に関する施策を総合的に推進しています。

具体的には、AI・デジタル時代を支える多様な人材の確保と育成として、デジタルクリエイティブ人材や営業・生産技術人材の採用強化、生成AI・デジタルツール活用教育の推進に取り組んでいます。また、AIを活用した企画・デザイン・営業・製造業務の高度化を担う専門人材の育成にも力を入れています。

報酬については、市場水準や職責、役割に加え、業務成果、技能・技術力、品質への貢献度を総合的に勘案し、適正な報酬水準の確保に努めています。公正で納得性のある評価制度の運用を通じて、従業員の能力や貢献に応じた処遇を行っており、賞与は会社全体の業績および個人の実績等を総合的に勘案して決定されます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載されていません。

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


マツモトは、印刷物の製造販売を主軸とし、特に学校向けの卒業記念アルバムに強みを持つ会社です。近年はインターネット関連事業にも注力し、事業構造の変革を進めています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


マツモトは、印刷物の製造販売を主たる事業としています。主要製品は学校向けの卒業記念アルバムであり、ポスター、カタログ、パンフレット等の一般商業印刷物も製造しています。

さらに、デジタル写真アルバムや自費出版、印刷通信販売、写真プリント販売等のインターネット関連事業も手掛けています。同社は、企画、製版、印刷、製本の一貫した生産設備を有し、最新のコンピュータシステムを駆使して効率的かつ高品質な製品を生産しています。

収益は、学校アルバム部門と一般商業印刷部門の二つの柱から得られています。学校アルバム部門は少子化の進行と価格競争激化により厳しい事業環境にあり、一般商業印刷部門もペーパーメディア需要の変化の影響を受けています。

このような状況下で、同社は既存事業の収益力強化と構造改革を進め、教育分野での新たな価値創出を目指す「DAT(Digital Asset Treasury)構想」を掲げています。学校ネットワークを活用し、人材能力の測定・可視化と金融を融合させる新しいサービスの展開を検討しています。同社の事業は単一セグメントであり、関係会社もありません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


直近の事業年度において、マツモトの売上高は減少傾向にあります。しかし、採用抑制による労務費の減少や減価償却費の減少により製造原価が低減し、営業損失および経常損失は前期に比べて縮小しました。

また、保険解約に係る営業外収益や土地・投資有価証券の売却、役員退職慰労引当金の戻入、賃貸借契約の中途解約に係る特別利益を計上した結果、当期純利益は黒字に転換しました。これは3事業年度ぶりの黒字転換となります。


■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


マツモトの従業員1人あたり売上高に関する具体的な数値は開示されていませんが、同社は既存事業の収益力強化と構造改革を進めています。教育分野での新たな価値創出を目指す「DAT構想」を掲げており、将来的な生産性向上への取り組みが見られます。

当期純利益が3事業年度ぶりに黒字転換したことは、収益体質の改善に向けた取り組みが進められていることがうかがえます。

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社の財務状況を見ると、本業の資金繰りには課題があるものの、投資活動による資金流入と財務活動による資金調達により、全体的な資金の動きは改善傾向にあります。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の自己資本比率は42.1%であり、前期から上昇しています。ROE(自己資本利益率)は15.6%と前期のマイナスから黒字転換しました。手元資金である現金及び預金等は676百万円となり、前期から増加しています。これらの財務指標は、同社の財務基盤が改善傾向にあることを示しています。

指標 2025年4月期(前期) 2026年4月期(当期)
自己資本比率 39.4% 42.1%
ROE(自己資本利益率) △79.2% 15.6%
現金及び預金等 325百万円 676百万円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローを見ると、本業の資金の動きを示す営業キャッシュフローは281百万円の支出となり、前期に比べて支出が増加しています。これは主に、役員退職慰労引当金の減少や固定資産売却益などの資金減少要因があったことによるものです。

投資キャッシュフローは450百万円の収入となり、前期の支出から収入に転じています。これは投資有価証券や有形固定資産の売却、保険積立金の解約による収入が主な要因です。財務キャッシュフローは287百万円の収入となり、前期の支出から収入に転じています。これは短期借入金の純増と社債の発行による収入が主な要因です。

これらの結果、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローは169百万円の収入となりました。営業キャッシュフローは継続してマイナスですが、投資活動による資金流入と財務活動による資金調達により、全体的な資金の動きは改善傾向にあります。ただし、本業での資金創出力には課題が残っており、今後の事業運営におけるコスト管理や収益改善が、従業員の雇用安定性や給与水準の維持に影響を与える可能性があります。

項目 2025年4月期(前期) 2026年4月期(当期)
営業CF △425百万円 △281百万円
投資CF △56百万円 450百万円
財務CF △144百万円 287百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △481百万円 169百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


同社は当事業年度において営業損失および経常損失を計上し、3期連続の赤字となっています。また、4期連続で営業活動によるキャッシュフローがマイナスとなっており、当事業年度末日後1年内の資金繰りに懸念があり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在しています。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社の売上高の約81%を占める学校アルバム事業は、少子化の進行により市場規模が縮小し、同業他社との競争が激化しています。また、一般商業印刷部門では、情報メディアのデジタル化に伴うペーパーレス化の加速により、紙媒体の需要が減少し市場が縮小するリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社は継続企業の前提に関する状況を解消するため、労務費及び人件費の削減を施策の一つとして挙げています。これは、今後の人員計画や待遇に影響を与える可能性がある点として留意が必要です。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


マツモトは、情報産業の一翼を担う印刷産業として、IT革命に呼応した「印刷とITの融合」をテーマに掲げています。従来の紙を主体とする印刷から情報産業への収益構造改革を進め、持続可能な社会の実現にも貢献することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は、情報産業の一翼を担う印刷産業として、各種メディアに対応し、IT革命に呼応した「印刷とITの融合」をテーマとしています。印刷業界において常に新技術の開発・導入を図り、各分野におけるパイオニアとなることを目指す経営スタンスです。

新型コロナウイルス感染拡大以降のデジタル化の加速に対応し、従来の紙を主体とする印刷から情報産業への収益構造改革を進めています。中長期的には、情報メディアのデジタル化の流れに対応し、インターネット関連事業の伸長に積極的に取り組む方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は、会社の持続的運営において社内人材の活性化を最大のカギと認識しています。会社運営が単一志向に陥らないよう、人材の多様性を確保し、自律的人材を育成することが最大のリスク管理であると考えています。

各部門に多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に外部採用し、重要な組織の設置・改編や主要ポジションの見直し、効果的な社員教育の実施を進めています。また、企業活動を取り巻く自然環境を永続的なものとすることが、自らの企業活動を持続発展的なものに結び付くと認識しており、生産活動における省電力化やCO2排出量低減、プラスチック由来製品取扱低減にも取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況を解消するため、複数の施策に取り組んでいます。具体的には、学校アルバム販売価格の適正化による収益の改善、労務費及び人件費の削減、拠点の集約・売却等による効率化を進めています。

中長期的には、紙からデジタルへの情報媒体の変化に対応するため、既存の学校アルバム、一般商業印刷の二部門に加え、インターネットを介したデジタル写真アルバム、写真プリント販売、自費出版サービス、印刷通販、Web3.0事業等のインターネット関連事業の収益基盤の拡充を目指しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は監査役会設置会社であり、社外取締役と社外監査役が経営監視機能を担う体制を構築しています。専門的な知見を持つ社外役員が、取締役会の意思決定の妥当性や適正性の確保に貢献しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主はBrand New Retail Initiative Fundです。上位株主には中村規氏や松本敬三郎氏、代表取締役社長の松本大輝氏などが名を連ねています。

株主名 持株比率
Brand New Retail Initiative Fund 9.93%
中村 規 8.83%
松本 敬三郎 7.62%
大分銀行 3.82%
森原 智明 3.36%


なお、前事業年度末において主要株主ではなかったBrand New Retail Initiative Fundは、当事業年度中に主要株主となりましたが、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。前事業年度末において主要株主であった松本敬三郎は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は松本大輝氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
松本 大輝 代表取締役社長 2007年1月富士ゼロックス株式会社(現富士フイルムビジネスイノベーション株式会社)入社、2008年4月同社入社、2009年7月同社常務取締役営業本部長就任、2022年7月同社代表取締役社長就任より現職。
柳川 尚 常務取締役アルバム・新規事業営業推進本部長 1982年4月大日本スクリーン製造株式会社(現株式会社SCREENホールディングス)入社、2005年6月富士フイルムグラフィックシステムズ株式会社入社、2018年3月富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社常務執行役員、2024年7月同社常務取締役アルバム・新規事業営業推進本部長就任より現職。


社外取締役は、杉本佳彦氏(公認会計士)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役1名と社外監査役2名を選任しています。社外取締役の杉本佳彦氏は公認会計士の資格を有し、財務・会計に関する専門的な知見から取締役会の意思決定の妥当性確保に貢献しています。社外監査役の松井博昭氏は弁護士の資格を有し、法務全般にわたる高度な知見から職務執行の監査を厳格に行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、世間基準や業界水準、経営成績、従業員給与とのバランスを考慮して決定されています。基本報酬のみが支給され、業績連動報酬や非金銭報酬は採用されていません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 60百万円 15.0百万円
監査役(社外除く) 1名 6百万円 6.1百万円
社外役員 3名 5百万円 1.6百万円


なお、取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。