【平均年収681万円】ムサシ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収681万円】ムサシ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ムサシは、情報・印刷・産業システム機材、金融汎用・選挙システム機材、紙・紙加工品販売、不動産賃貸・リース事業などをグループ各社とともに展開しています。幅広い分野で事業を手掛け、直近期は増収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社ムサシ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ムサシグループは、情報・印刷・産業システム機材、金融汎用・選挙システム機材、紙・紙加工品の販売、および不動産賃貸・リース事業などを展開しています。幅広い分野で事業を手掛けています。

単体従業員数は201名、連結従業員数は544名です。セグメントは情報・印刷・産業システム機材、金融汎用・選挙システム機材、紙・紙加工品、不動産賃貸・リース事業等の4つです。

主な国内グループ会社は、武蔵エンジニアリング(金融汎用・選挙システム機材)、ムサシ・フィールド・サポート、エム・ビー・エス、エフ・ビー・エム(情報・印刷・産業システム機材)、武蔵興産などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ムサシは、従業員を「人財」と位置づけ、能力開発と働きがいを重視する企業文化を醸成しています。多様な働き方を支援し、個々の成長を通じて持続的な企業価値向上を目指す方針です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


ムサシでは、従業員の平均勤続年数が長く、安定して働き続けられる環境がうかがえます。平均年齢も比較的高い水準にあり、経験豊富な人材が多数在籍している傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 6,809,331円
平均勤続年数 20.0年
平均年齢 46.0歳
単体従業員数 201人
連結従業員数 544人
単体のグループ内比率 36.9%


ムサシは、ムサシ・フィールド・サポート株式会社、武蔵興産株式会社及びエム・ビー・エス株式会社の従業員を対象に、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を設けています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まり、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は29.2億円、年金資産は55.0億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ムサシは、従業員を「人財」と位置づけ、経営戦略と一体となった人的資本戦略を推進しています。従業員一人ひとりの能力や適性に応じたローテーションと育成を通じて、仕事の喜びと働きがいを創出し、持続的な企業価値向上を目指しています。

給与等の決定においては、公平性、育成・適正配置との整合、透明性、適法性を原則としています。役割や成果、職務遂行、行動を評価し処遇に結びつけるとともに、評価・算定基準を対象者に周知することで透明性を確保しています。賞与は会社業績、個人の目標達成度や職務遂行度、在籍・貢献要素を組み合わせて算定されます。

具体的には、「能力・適性に基づくローテーションと育成」として、人材要件のレベル定義や次世代リーダー育成を推進し、人的資本の流動性を高めています。また、「多様性と働きやすさを軸とした雇用の質向上」を目指し、柔軟な勤務形態の導入や多様性を尊重する職場環境の整備、仕事と育児等の両立支援、メンタルヘルスケア体制の強化に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。

多様性・登用

指標 数値
女性採用比率 26.3%
障害者雇用率 3.0%

健康・安全

指標 数値
健康診断受診率 98.0%
ストレスチェック受験率 99.5%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
希望職務マッチ率 93.5%
社内研修の受講率 100.0%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ムサシは、情報・印刷・産業システム機材、金融汎用・選挙システム機材、紙・紙加工品、不動産賃貸・リース事業といった多岐にわたる事業を展開しています。同社グループは、これらの事業を通じて幅広い顧客層にサービスや製品を提供し、収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、株式会社ムサシと複数の子会社、関連会社で構成されており、多様な事業を展開しています。各事業はそれぞれ異なる市場と顧客に対応し、独自の収益モデルを構築しています。

情報・印刷・産業システム機材

このセグメントでは、電子メディア・マイクロフィルム総合システムの機器・材料・情報処理サービスと保守、機能性材料の販売を行っています。また、印刷システム・IPSシステムの機器・材料と保守、レーザー加工機の機器と保守、産業用検査の機器・材料と保守も手掛けています。収益は、スキャナーなどの電子化機器や業務用ろ過フィルター、LTOテープ、工業用検査機材の販売などから得ています。文書のデジタル化事業や印刷システム機材の販売も行っています。

金融汎用・選挙システム機材

このセグメントは、貨幣処理・選挙・セキュリティシステムの機器及び関連機材と保守を提供しています。収益は、セキュリティ機器や金融機関の集中部門向けシステム機器の販売、貨幣処理機器の販売から得ています。特に、投票用紙交付機や読取分類機などの選挙システム機材、投開票管理システムの販売やサポート業務が収益に大きく貢献しています。

紙・紙加工品

このセグメントでは、印刷・出版・情報・事務用紙、紙器用板紙、特殊紙、紙加工品、感圧紙を取り扱っています。収益は、医薬品や化粧品向け紙器用板紙などの販売が順調に推移する一方で、印刷用紙や情報用紙の販売も行っています。

不動産賃貸・リース事業等

このセグメントは、不動産の賃貸業・リース業、損害保険代理業、人材事業を展開しています。収益は、不動産賃貸やリース事業などから得ています。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が事業の中心となっています。また、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める特定の外部顧客はありません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
情報・印刷・産業システム機材 188億円 178億円
金融汎用・選挙システム機材 94.1億円 139億円
紙・紙加工品 89.0億円 86.2億円
不動産賃貸・リース事業等 3.0億円 3.0億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は堅調な増加傾向を示しています。経常利益は期間中に変動が見られるものの、当期は前期とほぼ同水準を維持しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に大きく増加した後、当期は減少に転じています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 362億円 371億円 331億円 374億円 406億円
経常利益 18.5億円 27.1億円 11.2億円 47.4億円 47.2億円
経常利益率 5.1% 7.3% 3.4% 12.7% 11.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 9.8億円 17.6億円 7.7億円 34.3億円 28.0億円
1株当たり当期純利益(円) 141.53 258.66 112.70 503.77 411.42

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけて増加しています。従業員1人あたりの営業利益も同様に増加しており、組織全体の生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、効率的な事業運営や収益性の高い事業への注力が進んでいることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 70.2百万円 74.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 6.3百万円 8.6百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動による資金創出と投資活動による資金獲得が両立しており、安定した財務基盤を築いていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率はプライム市場の平均と比較して高い水準にあり、財務基盤の安定性を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均をやや下回る水準となっています。手元資金である現金及び預金は前期から増加傾向にあり、不況時への耐性も備えている状況です。このような財務の安定性は、事業の継続性や将来の成長投資の余力につながり、結果として雇用や給与の安定性にも良い影響を与える傾向があります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 340億円 369億円
自己資本比率 68.2% 69.9%
ROE(自己資本利益率) 10.7% 7.9%
現金及び預金 223億円 236億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、当期において25.6億円の資金獲得となりました。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費などの収入要因があった一方で、売上債権の増加や法人税等の支払額といった支出要因により相殺されたものです。

投資活動によるキャッシュフローは、当期において5.0億円の資金獲得となっています。定期預金の払戻による収入があったものの、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出も発生しています。

財務活動によるキャッシュフローは、当期において△4.8億円の資金使用となりました。これは主に配当金の支払によるものです。結果として、フリーキャッシュフローは30.6億円のプラスとなっており、同社グループは本業で安定的に資金を創出し、投資活動でも資金を獲得している状況です。この資金状況は、事業の安定性や将来の成長に向けた余力を示しており、雇用や給与の安定性にもつながる傾向があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 33.3億円 25.6億円
投資CF 23.3億円 5.0億円
財務CF △4.3億円 △4.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 56.7億円 30.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、デジタル化の進展に伴う印刷物や紙の需要縮小が長期にわたって続く市場環境変動リスクを認識しています。また、生成AIをはじめとするデジタル技術の急速な進展により、既存サービスや業務プロセスが陳腐化するリスクも存在しています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、将来にわたって企業価値を向上させるために、優れた人材の確保・育成が重要であると認識しています。常に優秀な人材を安定的に採用・確保できる保証はなく、人材の離職や育成計画の遅れが事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ムサシは、「人とシステムの創造と調和を実現し、健全で信頼される企業を目指し続けます」という企業理念を掲げています。同社グループは、この理念に基づき、お客様に付加価値のあるシステムを提供することで、社会に貢献することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ムサシグループは、「人とシステムの創造と調和を実現し、健全で信頼される企業を目指し続けます」という企業理念を掲げています。同社グループは、各社の特徴や強みを活かしたグループ経営により、既存事業の強化を図っています。

その周辺分野における新規事業の開拓と自社開発商品・サービスの拡充にも積極的に取り組み、常に安定した業績を確保できる体制の確立を目指しています。お客様の要望に合わせてソフトと先進の機器を組み合わせ、付加価値を持ったオリジナルシステムを創造し提供することを、同社グループの役割と認識しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ムサシグループは、「人財」を経営の最も重要な資産と位置づけ、企業戦略と一体となった人的資本戦略を推進しています。能力・適性に応じた配置と育成を通じて、仕事の喜びと働きがいを創出し、持続的な企業価値向上を目指す方針です。

具体的には、全社視点での人材要件定義に基づくローテーションと次世代リーダー育成を組み合わせ、人的資本の流動性を高めています。また、「多様な働き方の実現」と「雇用の質向上」を目指し、柔軟な勤務形態の導入と多様性を尊重する職場環境の整備を進めています。

働きやすい就業環境の整備、仕事と育児等の両立支援、従業員のメンタルヘルスケア体制の強化を通じて、能力を発揮し活躍できる社内環境を推進しています。サステナビリティマネジメントを推進するため、組織横断的な「サステナビリティ委員会」を設置し、ESG課題の解決に向けたマネジメントを行っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ムサシは、取締役会を経営上の重要事項に対する意思決定機関として運営しています。社外役員を選任することで、経営の客観性と中立性を確保し、監視・監督機能の強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ムサシの株主構成を見ると、筆頭株主は上毛実業、次いでショウリン商事といった事業会社が上位を占めています。また、ムサシ社員持株会やムサシ互助会、さらには代表取締役名誉会長である小林厚一氏も上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
上毛実業 20.37%
ショウリン商事 13.16%
ムサシ社員持株会 4.59%
ムサシ互助会 4.38%
小林 厚一 3.48%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は17名(男性17名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は小野貢市氏が務めています。社外取締役比率は7.7%です。

氏名 役職 主な経歴
小林 厚一 代表取締役名誉会長 1972年2月 同社入社、1992年12月 同社代表取締役社長、2013年6月 同社代表取締役会長、2025年6月 同社代表取締役名誉会長より現職。
羽鳥 雅孝 代表取締役会長 1984年12月 同社入社、1992年12月 同社代表取締役専務取締役管理本部長、2013年6月 同社代表取締役社長、2025年6月 同社代表取締役会長より現職。
小野 貢市 代表取締役社長 1985年4月 同社入社、2017年6月 同社取締役東京第一支店副支店長、2023年6月 同社取締役副社長経営本部長、2025年6月 同社代表取締役社長より現職。
小林 将治 専務取締役 経営本部長 2009年4月 同社入社、2019年6月 同社取締役紙・紙加工事業部長、2023年6月 同社専務取締役第一営業本部長、2025年6月 同社専務取締役経営本部長より現職。
羽鳥 智紀 専務取締役 役員室長 兼 グループ企業管理室長 2010年5月 同社入社、2019年6月 同社取締役経営企画本部副本部長兼経営企画部長、2023年6月 同社専務取締役役員室長兼グループ企業管理室長より現職。
山本 義明 取締役 財務部長 1985年4月 同社入社、2019年6月 同社取締役財務部長より現職。
村田 一則 取締役 第一営業本部長 1985年4月 同社入社、2021年6月 同社取締役名古屋支店長、2023年6月 同社取締役東京第一支店長、2025年6月 同社取締役第一営業本部長より現職。
森山 明彦 取締役 第二営業本部長 兼 東京第二支店長 1986年4月 同社入社、2021年6月 同社取締役第二営業本部長、2023年6月 同社取締役第二営業本部長兼東京第二支店長より現職。
横尾 孝之 取締役 紙・紙加工事業部長 1988年4月 同社入社、2021年6月 同社取締役紙・紙加工事業部長より現職。
池田 哲郎 取締役 東京第一支店長 1987年4月 同社入社、2023年6月 同社取締役名古屋支店長、2025年6月 同社取締役東京第一支店長より現職。
荻野 勝紀 取締役 大阪支店長 1993年4月 同社入社、2021年6月 福岡支店長、2025年6月 同社取締役大阪支店長より現職。
田島 賢大 取締役 名古屋支店長 1993年4月 同社入社、2021年6月 東京第二支店長、2023年6月 北関東支店長、2025年6月 同社取締役名古屋支店長より現職。


社外取締役は、髙原巨章氏(税理士)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会が経営上の重要事項を決定しています。社外取締役は、税理士としての専門知識に基づき、経営の客観性と中立性の維持に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ムサシの役員報酬は、取締役・監査役ともに固定報酬を基本としています。これは、一時的な利益変動に左右されず、持続的な成長と中長期的な企業価値向上への貢献意欲を高めることを目的としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 14名 2.7億円 19.0百万円
監査役(社外除く) 3名 23百万円 7.7百万円
社外役員 3名 11百万円 3.7百万円


なお、取締役の報酬等の総額には、使用人兼務役員の使用人分給与は含まれていません。また、固定報酬の額には、当事業年度の役員退職慰労引当金繰入額が含まれています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。