【平均年収942万円】スリー・ディー・マトリックス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年4月期)

【平均年収942万円】スリー・ディー・マトリックス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年4月期)

スリー・ディー・マトリックスは、MIT由来の自己組織化ペプチド技術を基盤に、医療機器や医薬品の研究開発・製造・販売をグループ各社とともにグローバルに展開しています。直近期の業績は、事業収益が大幅に伸び、経常利益と当期純利益が黒字に転換し、増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社スリー・ディー・マトリックス の有価証券報告書(2026年4月期、2025年5月1日 ~ 2026年4月30日、2026年7月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


スリー・ディー・マトリックスは、MITから独占的実施権を得た自己組織化ペプチド技術を基盤とする医療製品事業を展開しています。同社グループは、この技術を応用し、外科領域、組織再生領域、DDS領域における医療機器や医薬品の研究開発、製造、販売を行っています。

単体従業員数は19名、連結従業員数は129名です。同社グループのセグメントは医療製品事業の1つです。

国内においてはスリー・ディー・マトリックスが生産・販売を担い、海外6社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。吸収性局所止血材の製造は扶桑薬品工業株式会社およびドイツのPharmpure社に委託しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社スリー・ディー・マトリックスは、医療製品事業を展開しており、専門性の高い分野で事業成長を目指しています。同社グループでは、人材の確保と育成を重視し、多様な働き方を支援する制度を通じて従業員のエンゲージメント向上に努めています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の定着と活躍を重視する姿勢が見られます。平均勤続年数と平均年齢からは、特定の年齢層に偏らず、幅広い年代の従業員が在籍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 9,417,000円
平均勤続年数 3.53年
平均年齢 47.37歳
単体従業員数 19人
連結従業員数 129人
単体のグループ内比率 14.7%


当社及び一部の連結子会社は退職給付制度を採用していませんが、在外連結子会社である3-D Matrix Inc.及び3-D Matrix Asia Pte. Ltd.は確定拠出型年金制度を採用しています。確定拠出型年金制度とは、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用し、その運用実績によって将来の給付額が決まる制度です。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「バイオマテリアルによって医療の進展に貢献する」という企業理念の実現のため、中長期的な事業成長を担う人材の確保と育成を不可欠と考えています。性別や国籍、人種等の区別なく優秀な人材の採用を強化し、多様な人材が活躍できる企業風土と仕組みづくりに取り組んでいます。

具体的には、フィードバック面談やコミュニティ形成、家庭環境等を考慮した時短勤務などの社内制度を通じて、従業員のエンゲージメントを高め、離職防止と定着に努めています。また、必要に応じたサポートや研修も実施しています。

従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関しては、個々の職務内容・能力に応じた適切な報酬水準を設定しています。基本給と営業成績に応じたインセンティブ、職責に応じて付与するストックオプションから構成されるシンプルな体系を採用しており、年齢、性別、勤続年数等に基づく属人的な手当には依拠していません。給与等の水準は経済状況や労働市場の変化に対応するよう定期的に見直しを行い、競争力のある報酬の提供に努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


スリー・ディー・マトリックスは、MITから独占的実施権を得た自己組織化ペプチド技術を基盤に、医療製品の研究開発、製造、販売を手掛けています。同社グループは医療製品事業の単一セグメントで、グローバル市場で事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、自己組織化ペプチド技術を基盤とした医療製品の開発・製造・販売を行っています。主に外科領域、組織再生領域、DDS(ドラッグデリバリーシステム)領域において製品開発を進めています。外科領域では吸収性局所止血材、粘膜隆起材、癒着防止材、組織再生領域では創傷治癒材、歯槽骨再建材が主要な開発パイプラインです。

これらの医療機器は、同社グループ自らが開発し製造販売承認を取得する方針です。地域によっては現地企業等と提携して製品化を進めることもあります。販売戦略としては、製品や地域に応じて代理店を通じた直接販売と販売パートナーへの販売権許諾を組み合わせています。

DDS領域では、自己組織化ペプチドを薬剤の担体として活用し、製薬会社等への技術供与(ライセンス)を通じてロイヤリティー収入の獲得を目指しています。製造に関しては、扶桑薬品工業株式会社やドイツのPharmpure社といった外部企業に委託しています。販売は、欧州ではFUJIFILM Europe B.V.と止血材の独占販売契約を締結しているほか、米国、日本、オーストラリアでは直販体制を敷いています。地域別の事業収益を見ると、米国が最も大きく、次いでオランダ、日本、その他地域が続いており、海外での収益比率が高い傾向にあります。主要な顧客としてFUJIFILM Europe B.V.が挙げられます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの事業収益は、過去5期にわたって増加傾向にあり、特に当期は前期から大幅な伸びを示しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、過去数期にわたり損失が続いていましたが、当期において大きく黒字に転換しています。営業利益も同様に、前期までの損失から当期は黒字に転じており、同社グループの収益性が大きく改善した状況がうかがえます。

項目 2022年4月期 2023年4月期 2024年4月期 2025年4月期 2026年4月期
売上高 - - - 69.3億円 109億円
経常利益 △18.1億円 △23.6億円 1.4億円 △24.8億円 39.7億円
経常利益率 - - - △35.8% 36.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 △18.9億円 △24.5億円 △2.6億円 △25.0億円 41.6億円
1株当たり当期純利益(円) △37.20 △40.64 △3.49 △25.20 34.89

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も、前期の損失から当期は黒字に転じており、収益性の改善がうかがえます。これらの指標の改善は、同社グループの事業規模拡大と収益構造の転換が、従業員一人ひとりの稼ぐ力にも反映されていることを示しています。

指標 2025年4月期(前期) 2026年4月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 60.8百万円 84.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △10.1百万円 10.4百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


株式会社スリー・ディー・マトリックスの財務状況は、事業拡大に伴う資金の動きが活発な段階にあります。同社グループは、本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資を進めている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率が大きく改善し、手元資金も増加しています。当期の自己資本比率は66.7%であり、プライム市場の製造業平均46.8%や非製造業平均24.2%と比較しても高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は100.4%と非常に高い数値となっています。

手元資金である現金及び預金も増加しており、事業運営に必要な資金を確保している状況です。これらの財務状況は、同社グループの事業活動を支える安定性を示しています。

指標 2025年4月期(前期) 2026年4月期(当期)
純資産 22.2億円 68.0億円
自己資本比率 26.8% 66.7%
ROE(自己資本利益率) - 100.4%
現金及び預金 15.8億円 28.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、当期に大きな改善を見せています。本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは、前期のマイナスから当期は3.9億円のプラスに転じました。これは、米国子会社における業績拡大が主な要因となっています。

投資キャッシュフローは、前期の△0.3億円から当期は△0.4億円と、引き続きマイナスで推移しており、事業に必要な投資を行っている状況です。財務キャッシュフローは、前期の20.1億円のプラスから当期は7.9億円のプラスとなりました。これは、転換社債型新株予約権付社債の償還または転換が完了したことや、新規の当座借越契約及び既存のコミットメントラインの融資枠拡大が行われたことによるものです。

結果として、フリーキャッシュフローは前期の△17.5億円から当期は3.5億円のプラスに転じました。これは、本業で得た資金が投資を上回り、自由に使える資金が生み出されていることを示しています。このキャッシュフローの改善は、同社グループが事業拡大フェーズにおいて、安定した資金繰りを実現しつつあることを示しており、今後の事業成長と雇用安定性への期待につながります。

項目 2025年4月期(前期) 2026年4月期(当期)
営業CF △17.1億円 3.9億円
投資CF △0.3億円 △0.4億円
財務CF 20.1億円 7.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △17.5億円 3.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの事業構造・収益性に関するリスクとして、医療製品業界における激しい競争環境が挙げられます。競合製品の登場により、医療製品の売上が減少する可能性があります。また、欧州での医療製品販売において、特定の契約先であるFUJIFILMへの依存度が高いこともリスクとして認識されています。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクとして、同社グループの競争力の核である研究開発力や事業企画力を支える専門性の高い人材の確保と育成が挙げられます。計画どおりに進まない場合、同社グループの財政状態と経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


スリー・ディー・マトリックスは、バイオマテリアルを通じて医療の進展に貢献することを目指し、グローバルな事業展開と組織体制の強化に取り組む企業です。同社グループは、革新的な医療機器の開発を通じて、社会に価値を提供することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「バイオマテリアルによって医療の進展に貢献する」ことを企業理念としています。

外科領域や組織再生領域等において製品開発を継続し、グローバルな競争力を獲得することに努めています。医療機器の開発企業として、製造販売承認を取得予定の製品の安定供給体制と販売体制を構築し、製品のグローバル展開を目指しています。

国内外の適応拡大に向けた経営資源の配置や、各パイプライン、および国内外の研究機関で応用研究が進む次のパイプライン候補の事業化に注力する方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、ステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、コーポレート・ガバナンスの充実を経営上の最も重要な課題の一つと認識しています。サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別・監視し、取締役会や監査役等に報告する体制を構築しています。

企業理念の実現には、中長期的な事業成長を担う人材の確保と育成が不可欠であると考えています。性別や国籍、人種等の区別なく優秀な人材の採用を強化する方針です。

フィードバック面談やコミュニティ形成、家庭環境等を考慮した時短勤務等の社内制度を通じて、従業員のエンゲージメントを高め、離職防止と定着に努めています。また、必要に応じたサポートや研修を行うことで、多様な人材が活躍できる企業風土と仕組みづくりに取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、パイプラインの進展と事業のグローバル展開に対応するため、研究開発体制や経営管理体制の強化を経営課題と認識しています。小規模な体制で各規制当局の定める基準に準拠した研究開発体制を構築し、法令や規則の遵守のための活動を継続しています。

グローバルに拠点を展開する組織として、グループ全体での内部統制体制を確立し、組織間の牽制機能の強化やコンプライアンス体制の強化に取り組む方針です。

事業計画に合わせた人員計画により、高度な専門知識や経験を有する国内外の人材確保や育成、外部リソースの積極活用に努めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


株式会社スリー・ディー・マトリックスは、監査役会設置会社として、客観性と中立性を確保した経営管理体制を構築しています。取締役会は経営の基本方針や重要事項の意思決定、業務執行の監督を行い、監査役会は独立した立場から経営全般の監査を実施しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの株主構成を見ると、上位には国内外の機関投資家が名を連ねています。特定の株主が過半数を占める状況ではなく、幅広い投資家によって支えられていることが特徴です。取締役会長である永野恵嗣氏も上位株主の一人として名を連ねています。

株主名 持株比率
JPモルガン証券 2.02%
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG 1.76%
永野 恵嗣 1.45%
楽天証券 1.26%
松本 松二 1.09%


なお、ハイツ・キャピタル・マネジメント・インクは2026年3月9日現在で9,622,624株(7.41%)を所有している旨が記載されていますが、同社として実質所有株式数の確認ができていないため、大株主の状況には反映されていません。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は13.0%です。代表取締役社長は天沼利彦氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。

氏名 役職 主な経歴
天沼 利彦 代表取締役 社長 2000年4月ベイン・アンド・カンパニー東京事務所入所、2010年7月ソニー入社、2012年11月3-D Matrix, Inc.マネージャー就任、2019年7月同社執行役員北米事業統括部長就任、2021年7月同社取締役就任、2026年4月同社代表取締役社長就任より現職。
永野 恵嗣 取締役会長 1978年4月エクソン化学入社、1986年6月ベイン・アンド・カンパニー東京事務所入所、1994年4月同所韓国事務所長就任、2004年5月同社設立代表取締役会長就任、2016年3月同社取締役会長より現職。
小林 智 取締役 2005年8月フレゼニウスメディカルケアジャパン入社、2007年4月同社入社事業開発部、2017年7月同社執行役員事業開発部長就任、2021年7月同社取締役就任より現職。
茂木 龍平 取締役 1994年4月弁護士登録、柳田野村赤井法律事務所入所、2003年8月弁護士法人大江橋法律事務所入所、2022年1月同社入社ジェネラルカウンセル就任、2023年7月同社取締役就任より現職。


社外取締役は、菅野みずき氏(弁護士法人大江橋法律事務所パートナー)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会には社外取締役1名が選任されています。監査役会は常勤監査役1名と非常勤監査役2名の計3名で構成され、全員が社外監査役であり独立役員に指定されています。社外取締役および社外監査役は、取締役会や監査役会への出席、内部監査部門や会計監査人との連携を通じて、経営の監督・監査機能の強化に努めています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社グループの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能するよう、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、および株式報酬で構成されています。一方、監督機能を担う社外取締役には、その職務に鑑み基本報酬のみが支払われます。代表取締役の報酬構成割合は、基本報酬70%、業績連動報酬20%、非金銭報酬10%を目安としています。監査役の報酬額は、監査役の協議により決定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 1.0億円 20.5百万円
社外取締役 2名 6百万円 2.9百万円
社外監査役 3名 13百万円 4.5百万円


報酬等の総額が1億円以上である役員は存在しないため、個人別の開示はありません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。