※本記事は、株式会社ビューティガレージ の有価証券報告書(第23期、自 2024年5月1日 至 2025年4月30日、2025年7月22日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ビューティガレージってどんな会社?
プロ向け美容商材のEC販売を主力とし、店舗設計や開業支援まで行う美容業界のプラットフォーマーです。
■(1) 会社概要
2003年に設立し、インターネット中古理美容機器販売サイトを開設しました。2013年にマザーズへ上場し、2016年に市場第一部へ変更しました。2018年にはECサイトを全面刷新し、2024年には鍼灸院・整骨院向け商材の取り扱いを開始するなど、事業領域を拡大しています。
連結従業員数は404名、単体では207名です。筆頭株主は創業者の野村秀輝氏で、第2位は共同創業者の供田修一氏であり、創業者らが主要株主となっています。第3位は資産管理業務を行う信託銀行です。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 野村 秀輝 | 26.28% |
| 供田 修一 | 9.25% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 6.46% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性8名、女性1名の計9名で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役CEO兼COOは野村秀輝氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 野村 秀輝 | 代表取締役CEO兼COO | 2003年同社設立代表取締役CEO。BGベンチャーズ代表取締役などを兼務。1990年中央宣興入社。 |
| 供田 修一 | 取締役Co-Founder | 2003年同社設立代表取締役COO。タフデザインプロダクト取締役などを兼務。1989年ヘアー&メイクSNIP入社。 |
| 野村 貴久 | 取締役 | 2001年タフデザインプロダクト設立代表取締役。2003年同社取締役。1993年ヨシダ宣伝入社。 |
| 樺島 義明 | 取締役 | 2003年同社取締役。2017年BGパートナーズ代表取締役。1997年中央宣興入社。 |
| 加藤 清 | 取締役 | 2003年同社入社。2009年執行役員を経て2018年より現職。1989年スズキフロリスト入社。 |
社外取締役は、緒方 大助(元らでぃっしゅぼーや社長)、内田 久美子(弁護士)、野嶋 朗(元リクルート・教授)です。
2. 事業内容
同社グループは、「物販事業」「店舗設計事業」および「その他周辺ソリューション事業」を展開しています。
■(1) 物販事業
理美容室やエステサロン、ネイルサロン等の美容サロンに対し、プロ向けの理美容機器や化粧品・消耗品等を販売しています。ECサイト「BEAUTY GARAGE Online Shop」に加え、全国のショールームやカタログ誌を通じた販売も行っています。
収益は、顧客である美容サロン等からの商品販売代金です。運営は、同社のほか、アイラッシュ商材を扱う株式会社アイラッシュガレージ、理美容機器販売の株式会社足立製作所、株式会社松風などのグループ会社が行っています。
■(2) 店舗設計事業
美容サロンや飲食店、クリニック等を対象に、店舗のデザイン・設計・施工管理を提供しています。トレンドを捉えたデザイン性の高い提案を行い、新規開業顧客や大手チェーン店からの受注に対応しています。
収益は、顧客からの設計・施工監理料や工事請負代金です。運営は、同社および連結子会社の株式会社タフデザインプロダクトが連携して行っています。
■(3) その他周辺ソリューション事業
美容サロンの開業準備から経営に関わる多様なサービスを提供しています。具体的には、不動産仲介、店舗リース、資金調達支援、システム導入、決済端末導入、集客支援、保険、教育セミナーなどです。
収益は、不動産仲介手数料、リース料、システム利用料、手数料収入などです。運営は、同社のほか、株式会社BGパートナーズ(金融・リース)、株式会社BGベンチャーズ(投資)、株式会社ビュートピア(メディア)などが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は毎期増加を続け、成長トレンドを維持しています。一方、利益面では第22期に最高益を記録しましたが、第23期は減益となりました。売上規模の拡大に伴い利益額も底上げされていますが、利益率は4~5%台で推移しています。
| 項目 | 2021年4月期 | 2022年4月期 | 2023年4月期 | 2024年4月期 | 2025年4月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 196億円 | 234億円 | 264億円 | 298億円 | 337億円 |
| 経常利益 | 11億円 | 12億円 | 14億円 | 17億円 | 16億円 |
| 利益率(%) | 5.5% | 5.2% | 5.1% | 5.8% | 4.7% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 4億円 | 6億円 | 7億円 | 8億円 | 8億円 |
■(2) 損益計算書
直近2期間の比較では、売上高が増加し、売上総利益も増加しましたが、売上総利益率は横ばいで推移しました。一方、販売費及び一般管理費の増加率が売上総利益の伸びを上回ったため、営業利益および営業利益率は低下しました。
| 項目 | 2024年4月期 | 2025年4月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 298億円 | 337億円 |
| 売上総利益 | 75億円 | 85億円 |
| 売上総利益率(%) | 25.1% | 25.1% |
| 営業利益 | 17億円 | 16億円 |
| 営業利益率(%) | 5.7% | 4.7% |
販売費及び一般管理費のうち、給料手当が16億円(構成比23%)、賃借料が10億円(同14%)を占めています。
■(3) セグメント収益
各セグメントの状況を見ると、主力の物販事業が増収ながらも減益となり、全体の利益を押し下げました。店舗設計事業とその他周辺ソリューション事業は増収増益となり、特にその他周辺ソリューション事業は利益率の高さが際立っています。
| 区分 | 売上(2024年4月期) | 売上(2025年4月期) | 利益(2024年4月期) | 利益(2025年4月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 物販事業 | 245億円 | 277億円 | 15億円 | 12億円 | 4.5% |
| 店舗設計事業 | 34億円 | 35億円 | 2.0億円 | 2.7億円 | 7.8% |
| その他周辺ソリューション事業 | 19億円 | 25億円 | 2.5億円 | 3.3億円 | 13.3% |
| 連結(合計) | 298億円 | 337億円 | 17億円 | 16億円 | 4.7% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
ビューティガレージは、営業活動により資金が増加し、投資活動では設備投資等で資金を使用しました。財務活動では、長期借入により資金が増加しています。営業活動によるキャッシュ・フローの増加は、売上債権の増加があったものの、税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加が寄与しました。投資活動によるキャッシュ・フローの減少は、主に有形固定資産の取得や敷金・保証金の差入れによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローの増加は、主に長期借入による収入があったことによります。
| 項目 | 2024年4月期 | 2025年4月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 6億円 | 14億円 |
| 投資CF | -6億円 | -6億円 |
| 財務CF | 1.3億円 | 1.7億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は「美容業界を変える」というスローガンと、「美容業界に新しい価値を創造し、サロンビジネスの繁栄に貢献する」という使命を掲げています。IT、物流、ソリューションサービスを磨き上げ、美容サロン向けBtoB流通の圧倒的No.1プラットフォーマーとなることを目指しています。
■(2) 企業文化
同社は人材の多様性(ダイバーシティ)を重視し、性別・年齢・国籍等を問わず、個人の能力や個性を最大限発揮できる職場づくりを推進しています。また、持続可能な社会実現のため、環境保護や3R活動にも積極的に取り組む姿勢を持っています。
■(3) 経営計画・目標
同社は美容業界における新しい価値創造とサロンビジネス繁栄への貢献のため、売上の増加と適正利益の確保、適切な投資による事業拡大を目指しています。重視する経営指標として以下の数値を挙げています。
* 売上高成長率
* 経常利益率
* ROE(自己資本当期純利益率)
■(4) 成長戦略と重点施策
ECプラットフォームとしての圧倒的地位確立を目指し、UI/UXの進化や取扱商品の拡充を推進しています。物流面では新拠点開設による生産性向上を図り、さらに鍼灸・フィットネス業界向け事業やSaaS型サービス等の新規事業の収益化、グローバル展開も進めています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
人材を最大の資産と位置づけ、多様な人材の確保と育成に注力しています。女性活躍推進のため、ライフステージに合わせた柔軟な働き方制度を整備し、2030年までに女性管理職比率を向上させる目標を掲げています。また、ジョブチャレンジ制度や社内ベンチャー制度を通じ、社員の挑戦と成長を支援しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はプライム市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年4月期 | 38.8歳 | 6.3年 | 5,962,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 19.6% |
| 男性育児休業取得率 | 0.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 56.0% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 72.7% |
| 男女賃金差異(非正規) | 84.9% |
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性の管理職比率目標(2030年6月末までに1/3以上)、修正後男女間賃金格差(63.9%(全労働者))などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 品質管理及び不良品について
販売商品には身体へ接触するものが含まれるため、安全性に細心の注意を払っています。しかし、商品の不具合が発生した場合、業績や財務状況、社会的信用に影響を与える可能性があります。
■(2) 競合について
独自ビジネスモデルを展開していますが、各事業分野には競合が存在します。特に物販事業において、競合企業や新規参入企業との競争が激化した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(3) システム障害におけるリスク
事業の根幹であるECサイトの安定運用のためにシステム強化を行っていますが、自然災害や事故、不正アクセス等によりシステム障害が発生した場合、営業活動への支障や損害賠償請求等により、業績や社会的信用に影響を与える可能性があります。



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