ビューティガレージ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ビューティガレージ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ビューティガレージは東京証券取引所プライム市場に上場し、美容サロン向けにプロ用美容商材のECサイト運営を行う物販事業や、店舗設計事業、ソリューション事業を展開しています。業績は直近5年間で売上高が順調に拡大を続ける一方、当期は物流拠点の稼働等に伴う費用増加により経常利益が減少しています。


※本記事は、株式会社ビューティガレージの有価証券報告書(第24期、自 2025年5月1日 至 2026年4月30日、2026年7月24日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ビューティガレージってどんな会社?


美容サロン向けのプロ用商材ECサイトを主力とし、店舗設計から経営支援まで総合的なサービスを提供しています。

(1) 会社概要


同社は2003年に設立され、インターネット中古理美容機器販売サイトを開設しました。2005年に店舗設計・施工事業を手がけるタフデザインプロダクトを子会社化し、2013年に東京証券取引所マザーズ市場へ上場しました。その後、2016年に同市場第一部へ市場変更し、現在はプライム市場に上場しています。

従業員数は連結で425名、単体で216名です。筆頭株主は創業者で代表取締役会長兼CEOの野村秀輝氏であり、第2位も創業メンバーの供田修一氏、第3位は資産管理業務を行う信託銀行となっています。

氏名 持株比率
野村 秀輝 23.34%
供田 修一 8.21%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 6.91%

(2) 経営陣


同社の役員は男性8名、女性1名の計9名で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役会長兼CEOは野村秀輝氏、代表取締役社長兼COOは樺島義明氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
野村 秀輝 代表取締役会長兼CEO WASABI(現BGナビ)等を経て2003年に同社設立、代表取締役CEO就任。2025年7月より現職。
樺島 義明 代表取締役社長兼COO 中央宣興を経て2003年に同社取締役に就任。子会社等の役員を経て2025年7月より現職。
供田 修一 取締役Co-Founder 創美堂等を経て2003年に同社設立、代表取締役COO就任。2022年7月より現職。
野村 貴久 取締役 ヨシダ宣伝等を経て2001年にタフデザインプロダクト設立。2003年より同社取締役に就任。
加藤 清 取締役 ジークス等を経て2003年に同社入社。2009年に執行役員となり、2018年7月より同社取締役に就任。
松浪 光市郎 取締役(監査等委員) ライドオンエクスプレス等を経て2009年同社入社。内部監査室長などを歴任し、2022年7月より現職。


社外取締役は、緒方大助氏(元らでぃっしゅぼーや代表取締役社長)、内田久美子氏(弁護士)、野嶋朗氏(ハリウッド大学院大学客員教授)です。

2. 事業内容


同社グループは、「物販事業」、「店舗設計事業」および「ソリューション事業」の3つを報告セグメントとして展開しています。

物販事業

美容サロン(理美容室、エステサロン、ネイルサロン、アイラッシュサロン等)に向けて、美容機器や化粧品などのプロ向け美容商材を、インターネット通販サイト「BEAUTY GARAGE Online Shop」や全国のショールームなどを通じて販売しています。
国内外のメーカー商品やオリジナルブランド商品を、ビューティサロンへダイレクトに販売することで収益を得ています。運営は主にビューティガレージが行い、アイラッシュ商材についてはアイラッシュガレージなどが提供しています。

店舗設計事業

美容サロンや飲食店、クリニックなどの顧客に対して、店舗のデザイン、設計、工事施工監理などのサービスを提供しています。新規開業から改装にいたるまで、顧客への多面的な支援を行っています。
顧客となるサロンオーナー等から店舗設計および施工に関する請負代金を受け取ることで収益を得ています。事業の運営はタフデザインプロダクトが行っており、ビューティガレージと連携して事業を展開しています。

ソリューション事業

ビューティサロンの開業準備から開業後の経営に関わる各種サービスを提供しています。居抜き物件の不動産仲介、店舗リース、システム導入支援、集客支援、各種セミナーの運営などが含まれます。
サロンオーナー等から不動産仲介手数料、リース料、システム利用料、講習会参加費などの各種サービス対価を受け取ることで収益を得ています。運営はビューティガレージやBGパートナーズなどのグループ各社が共同で行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


過去5年間の業績を見ると、売上高は一貫して右肩上がりで拡大し、234億円から382億円へと大きく成長しています。一方、経常利益は増減を繰り返しており、直近は新物流拠点の稼働に伴う一時的な費用の増加などにより2期連続で減少しています。

項目 2022年4月期 2023年4月期 2024年4月期 2025年4月期 2026年4月期
売上高 234億円 264億円 298億円 337億円 382億円
経常利益 12億円 14億円 17億円 16億円 15億円
利益率(%) 5.2% 5.1% 5.8% 4.7% 3.9%
当期利益(親会社所有者帰属) 6億円 7億円 8億円 8億円 6億円

(2) 損益計算書


売上高は増加しているものの、新物流拠点と既存拠点の並行稼働による支払送料の増加などにより、売上総利益率は前年より低下しています。また、それに伴い営業利益率も減少傾向にあります。

項目 2025年4月期 2026年4月期
売上高 337億円 382億円
売上総利益 85億円 93億円
売上総利益率(%) 25.1% 24.2%
営業利益 16億円 15億円
営業利益率(%) 4.7% 4.0%


販売費及び一般管理費のうち、給料手当が17億円(構成比23%)、賃借料が10億円(同13%)を占めています。

(3) セグメント収益


主力の物販事業は顧客基盤や取扱商品の拡大により大幅な増収となりました。店舗設計事業およびソリューション事業も堅調に売上を伸ばしており、全セグメントで前年を上回る増収を達成しています。

区分 売上(2025年4月期) 売上(2026年4月期)
物販事業 277億円 312億円
店舗設計事業 35億円 39億円
ソリューション事業 25億円 31億円
連結(合計) 337億円 382億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標

項目 2025年4月期 2026年4月期
営業CF 14億円 6億円
投資CF -6億円 -19億円
財務CF 2億円 4億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は11.4%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は45.2%でこちらも市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念

同社は「美容業界を変える」というスローガンと、「美容業界に新しい価値を創造し、サロンビジネスの繁栄に貢献する」という使命を掲げています。旧態依然とした美容業界に常に新しい価値創造を行うことで変革をもたらし、結果として美容業界でもっとも必要とされる会社となることを目指しています。

(2) 企業文化

同社は創業以来、中古理美容機器のリユース市場を創出し、循環型経済サイクルの浸透に貢献してきた文化を持っています。人材の多様性を重視し、社員一人ひとりの持続的な成長をサポートしながら、多様な働き方ができる環境や新たな挑戦を後押しする風土を大切にしています。

(3) 経営計画・目標

同社は美容サロン向けBtoB流通の圧倒的No.1プラットフォーマーの地位を確立することを中長期的な目標としています。事業の成長性の指標として「売上高成長率」「経常利益率」「ROE(自己資本当期純利益率)」を重視し、財務基盤の強化の観点から「自己資本比率」「流動比率」を経営目標の指標に掲げています。

(4) 成長戦略と重点施策

既存事業の拡大に加え、医療・美容クリニックやフィットネスジム、温浴施設等への市場参入など、新たな顧客領域の開拓を進めています。また、物流センターの安定稼働による出荷キャパシティの拡大や生産性向上を図り、ECサイトの進化を通じてロイヤル顧客の拡大と年間利用額の増加を目指します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針

同社にとっての一番の資産は「人」であると考え、多様な人材が集まり、社員が力を最大限発揮できる環境づくりに注力しています。ジョブチャレンジ制度や社内ベンチャー制度など、所属部署の枠を超えて挑戦できる仕組みを整え、社員の成長意欲を高めるとともに人材投資を通じて競争優位性を発揮することを目指しています。

(2) 給与水準・報酬設計

同社(単体)従業員の平均年間給与はプライム市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年4月期 39.3歳 6.7年 6,199,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示

同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 23.4%
男性育児休業取得率 50.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 54.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 74.9%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 86.0%

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) システム障害、サイバー攻撃におけるリスク

主力のECサイトにおいて、自然災害や事故等によるシステム障害や通信ネットワークの不具合、外部からのサイバー攻撃等によるサーバー停止などが発生した場合、同社の営業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(2) 知的財産権に係る訴訟リスク

事業戦略上重要な商品については商標権などの権利保全を図っていますが、第三者からの訴訟提起や権利侵害の主張を受ける事態を完全に防止することは困難であり、万が一訴訟等が発生した場合は同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 品質管理及び不良品について

同社が物販事業で販売する商品には、お客様の身体に直接・間接的に接触するものが含まれます。商品の不具合が発生してお客様の身体に危害が生じた場合、同社の業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 競合について

物販事業を中心に、美容サロン向けECプラットフォームを展開する上で競合企業や新規参入企業との間で競争が激化した場合、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。