※本記事は、株式会社スマレジ の有価証券報告書(2026年4月期、2025年5月1日 ~ 2026年4月30日、2026年7月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
スマレジは、クラウド型POSレジ「スマレジ」を中核に、キャッシュレス決済、クラウド勤怠管理、EC支援など店舗経営に必要な機能を包括的に提供するクラウドサービスを展開しています。飲食・小売の店舗業務を網羅する「お店のOS」への進化を目指しています。
単体従業員数は421名、連結従業員数は477名です。同社グループはクラウドサービス事業の単一セグメントとなっています。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ネットショップ支援室などです。
2026年5月1日付で連結子会社であるネットショップ支援室を吸収合併しました。これにより、実店舗とECをシームレスに支援する体制を整えています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社スマレジは、クラウド型POSレジサービスを中核とするSaaS企業として、IT人材の確保と育成に注力しています。従業員の平均年齢は比較的若く、柔軟な働き方を支援する制度を導入し、多様な人材が活躍できる環境づくりを進めていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的若い年齢層の従業員で構成されており、平均勤続年数も短めであることから、成長フェーズにある企業の特徴がうかがえます。中途採用人材を競争力の源泉と位置づけ、継続的な増員に取り組んでいます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,437,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.34年 |
| 平均年齢 | 33.8歳 |
| 単体従業員数 | 421人 |
| 連結従業員数 | 477人 |
| 単体のグループ内比率 | 88.3% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「お店を元気に、街を元気に!」をミッションに掲げ、クラウド型POSレジ「スマレジ」を中核とした「お店のOS」の実現を目指しています。長期ビジョン「VISION2031」の達成に向け、開発部門および営業部門を中心とした優秀な人材の確保と育成を重要な経営課題と位置付けています。特に、AI活用によるプロダクト強化とAIネイティブな組織開発を人材戦略の重要な柱として推進しています。
人事制度の目的は「一人ひとりの挑戦や成長を支え、最高のパフォーマンスを発揮できること」であり、役割を示す等級制度、評価基準を示す評価制度、評価結果を反映する報酬制度の3つを連動させた仕組みを運用しています。報酬については、年齢や在籍期間に応じた基本給に加え、評価結果に応じた能力給、役職手当、特殊な技能に対する技能手当を組み合わせることで、経験・成果・専門性のいずれも適切に処遇へ反映する体系を構築しています。また、決算賞与により、会社業績と個人の成果に応じた還元を行っています。
具体的な取り組みとしては、社内にAI活用の専門チームを設置し、各部署へのハンズオン支援を通じて実務リーダーを育成するほか、AIエージェントが定型作業を担い、エンジニアが顧客課題の発見やUX向上に注力する「AIエージェント共創モデル」の確立を目指しています。多様な経験と専門性を持つ中途採用人材が競争力の源泉となっており、新卒採用はエンジニア職に限定し、通年でのインターンシップ受け入れを通じた相互理解に基づく採用モデルを構築しています。公正・透明な評価制度、副業制度、自由出勤時間制、育児・介護支援制度などを通じて、社員一人ひとりの個性と強みを尊重したキャリア形成を支援し、有給休暇取得率向上や男性の育児参加を推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 13.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 73.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 80.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 84.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 116.8% |
育児・介護支援
2026年4月期の実績です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有給休暇取得率 | 81.0% |
| 男性育児休業取得率 | 73.3% |
人材育成・エンゲージメント
2026年4月期の実績です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| インターンシップ受入人数 | 9名 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社スマレジは、クラウド型POSレジ「スマレジ」を中核に、店舗運営に必要な多様なクラウドサービスを提供する企業です。飲食業や小売業を中心に、幅広い業種・業態の店舗を顧客としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、クラウドサービス事業の単一セグメントで事業を展開しています。主力サービスであるクラウド型POSレジ「スマレジ」は、リアルタイムでの売上情報や商品情報へのアクセスを可能にし、店舗運営の効率化を支援しています。この「スマレジ」は、基本的なレジ機能を無料で提供し、高度な機能を有料プランとして提供するフリーミアムモデルを採用しています。
また、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済に対応するキャッシュレス決済サービス「スマレジ・PAYGATE」や、出退勤管理から給与計算までをカバーするクラウド勤怠管理システム「スマレジ・タイムカード」も提供しています。さらに、EC事業者の収益拡大と業務効率化を支援する「スマレジEC」も展開しています。これらのクラウドサービスは、月額利用料として継続的な収益を生み出すサブスクリプション型ビジネスモデルが特徴です。
クラウドサービスに付随して、タブレットやレシートプリンターなどのレジ周辺機器、消耗品の販売も行っています。これにより、月額利用料以外の収入源も確保しています。同社グループは、日本国外の外部顧客への売上高はなく、特定の主要顧客に売上が集中している状況もありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、近年堅調な成長を示しています。売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向にあります。特に直近の連結会計年度においては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてで前期を上回る増益となりました。
| 項目 | 2022年4月期 | 2023年4月期 | 2024年4月期 | 2025年4月期 | 2026年4月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 43.0億円 | - | - | 111億円 | 133億円 |
| 経常利益 | 5.9億円 | - | - | 23.6億円 | 31.9億円 |
| 経常利益率 | 13.8% | - | - | 21.4% | 23.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.6億円 | - | - | 16.5億円 | 22.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 28.66 | - | - | 85.46 | 115.71 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高および営業利益は、前期と比較して増加しています。これは、組織全体の生産性が向上している傾向を示しています。事業規模の拡大と効率的な運営が、従業員一人ひとりの貢献度を高めていると考えられます。
| 指標 | 2025年4月期 | 2026年4月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 25.4百万円 | 28.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.5百万円 | 6.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、手元資金を厚くしている状態を示しています。これにより、事業活動の安定性と成長への余力がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は当期で68.3%となっており、前期の70.3%からわずかに減少しています。これはプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期25.8%で、前期の21.4%から向上しており、プライム市場平均を大きく上回っています。手元資金である現金及び預金は当期末で81.4億円に増加しており、財務基盤の安定性がうかがえます。これらの指標は、同社の事業が安定した財務状況で運営されていることを示しています。
| 指標 | 2025年4月期(前期) | 2026年4月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 76.7億円 | 96.1億円 |
| 自己資本比率 | 70.3% | 68.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 21.4% | 25.8% |
| 現金及び預金 | 59.1億円 | 81.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは当期に31.2億円の獲得となりました。これは税金等調整前当期純利益の計上や未払金、預り金の増加などが主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは6.1億円の使用となり、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が主な要因となっています。その結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは25.1億円のプラスとなり、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している状況です。財務活動によるキャッシュフローは2.9億円の使用となり、配当金の支払いが主な要因です。これらの資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を行いながら、将来に向けた投資も継続し、株主還元も行っていることを示しており、雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。
| 項目 | 2025年4月期(前期) | 2026年4月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 24.7億円 | 31.2億円 |
| 投資CF | △19.2億円 | △6.1億円 |
| 財務CF | 0.8億円 | △2.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 5.5億円 | 25.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループはクラウドサービス事業及び決済サービスの分野において、多くの事業者との競争に直面しています。競争激化により価格競争が生じる可能性や、十分な差別化が図れない場合には、事業及び業績に影響を及ぼすリスクがあります。また、景気変動や顧客企業の倒産、新規出店の減少、小売店等の衰退、電子決済市場の縮小なども、同社グループの事業に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、持続的な成長のために、高い専門性を持つ優秀な人材、特にソフトウェアエンジニアの継続的な確保と育成を必要としています。生成AIの進化に伴い高度人材の市場価値が高まり、採用競争が激化する中で、計画通りに人材確保や育成が進まない場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社スマレジは、「いい未来をつくる」という企業理念のもと、企業活動に関わるすべての人の「いい未来」を創造することを目指しています。また、「OPEN DATA, OPEN SCIENCE!」を経営理念に掲げ、データ・ドリブン経営による生産性向上を追求する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「いい未来をつくる」を企業理念としています。これは、お客様、株主、経営陣、従業員、そしてその家族など、企業活動に関わるすべての人のための「いい未来」を意味しています。
また、「OPEN DATA, OPEN SCIENCE!」を経営理念に掲げ、POSデータのオープン化を通じた収益性の向上と、データ・ドリブン経営による社内生産性の向上を目指しています。
長期ビジョン「VISION2031」に基づき、「お店のOS」プラットフォーム戦略を推進し、商取引データを起点に決済・金融領域まで事業を拡張することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、企業理念「いい未来をつくる」に「誠実さ」や「社会的責任」、「積極性」や「情熱」を表現しています。2024年10月には、ミッション「お店を元気に、街を元気に!」、ビジョン「販売データの保有量で日本一」「キャッシュレス化の推進」「中小企業者様におけるICT利用の促進」を新たに策定しました。
バリューとしては、「行けるとこまで行く!」「要件定義ではなく、要求定義」「家族に誇れる仕事を」を掲げています。また、「人財」の育成を経営上の重要課題と位置づけ、多様な背景を持つ人材が能力を最大限に発揮できる組織づくりに取り組んでいます。
公正・透明な評価制度、副業制度、自由出勤時間制、育児・介護支援制度などを通じて、社員一人ひとりの個性と強みを尊重したキャリア形成を支援する環境整備に注力しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、お客様のニーズに応える技術力や自社サービスの強化、技術者(ソフトウェアエンジニア)の確保、組織力の強化を対処すべき課題としています。具体的には、積極的な採用活動と新入社員に対するオンボーディングの強化に取り組んでいます。
また、コンプライアンス体制の強化として、従業員への定期的なインサイダー取引防止研修や内部通報制度の整備を進めています。情報セキュリティの更なる強化も重点テーマであり、セキュリティポリシーの見直しや従業員教育、技術的対策の強化に努めています。
サステナビリティ推進体制の明確化も進めており、経営における重要事項としての位置づけを強化する方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
スマレジのガバナンス体制は監査役会設置会社を採用しており、取締役会が業務執行の権限と責任を集中させています。取締役会から独立した監査役および監査役会が監査機能を担うことで、適切な経営の意思決定と業務執行の実現を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
スマレジの株主構成を見ると、筆頭株主は山本博士事務所であり、個人株主である徳田誠氏や徳田といった関連性の高い株主が上位に名を連ねています。これにより、特定の株主グループが経営に対して一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 山本博士事務所 | 17.09% |
| 徳田 誠 | 15.23% |
| 徳田 | 10.38% |
| PERSHING-DIV. OF DLJ SECS. CORP. | 8.31% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 6.40% |
なお、ヴォイチェフ ヤクブ ポドバスは2026年3月16日現在で701,100株(3.56%)を、アセットマネジメントOneは2026年4月30日現在で1,250,900株(6.35%)をそれぞれ所有している旨が大量保有報告書に記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役は宮﨑龍平氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 宮﨑 龍平 | 代表取締役 | 2007年11月アイオステクノロジー株式会社入社。2011年1月同社入社開発課長、2017年1月開発部長、2019年7月取締役就任。2024年7月より現職。 |
| 髙間舘 紘平 | 取締役 | 2007年4月株式会社ジャフコ(現ジャフコグループ株式会社)入社。2013年12月セカイエ株式会社代表取締役就任。2021年1月同社取締役就任、経営企画室長。2021年5月より現職。 |
| 高橋 徹弥 | 取締役 | 2012年10月株式会社リクルートライフスタイル(現株式会社リクルート)入社。2015年4月株式会社リクルートペイメント代表取締役社長就任。2025年7月より現職。 |
社外取締役は、浅田慎二氏(One Capital代表取締役CEO)、岡田陽介氏(ABEJA代表取締役CEO)です。
同社は監査役会設置会社を採用しています。取締役会から独立した監査役及び監査役会が監査機能を担うことで、経営の意思決定と業務執行の適切性を確保する体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬である固定報酬と、株式報酬を含む非金銭報酬で構成されています。非金銭報酬には譲渡制限付株式報酬制度、事後交付型業績連動型株式報酬制度、ストックオプション制度が導入されており、株主との価値共有と中長期的な企業価値向上への貢献意欲を高めることを目的としています。特に業績連動型株式報酬では、年間経常収益(ARR)を重要な経営指標として採用し、その達成度合いに応じて支給額を決定する仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.2億円 | 25.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 14百万円 | 13.7百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 19百万円 | 3.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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