※本記事は、株式会社ニイタカ の有価証券報告書(2026年5月期、2025年6月1日 ~ 2026年5月31日、2026年8月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、業務用洗剤・洗浄剤・除菌剤・漂白剤・固形燃料などの製造・販売を行うケミカル事業と、健康食品の製造・販売を行うヘルスケア事業を展開しています。幅広い製品とサービスを通じて、衛生と健康を支える事業活動を行っています。
単体従業員数は242名、連結従業員数は380名です。事業セグメントはケミカル事業とヘルスケア事業の2つです。
主な国内グループ会社は、ミッケル化学、京葉糖蜜輸送(アルコール製剤の製造・販売)、バイオバンクなどです。
ニイタカグループでは、2026年4月1日付で株式会社バイオバンクを存続会社とし、株式会社オーエム・エックスおよび株式会社カメリアを消滅会社とする吸収合併を実施しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ニイタカは、従業員の安定したキャリア形成を支援し、多様な働き方を尊重する環境づくりに注力しています。給与水準や福利厚生、人材育成への取り組みを通じて、長期的な視点で従業員の成長を支える方針がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の定着を重視し、長期的なキャリアを築ける環境を提供している傾向があります。平均勤続年数や平均年齢から、経験豊富な人材が長く活躍していることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,045,294円 |
| 平均勤続年数 | 15年2ヶ月 |
| 平均年齢 | 43歳8ヶ月 |
| 単体従業員数 | 242人 |
| 連結従業員数 | 380人 |
| 単体のグループ内比率 | 63.7% |
同社グループは、確定給付型と確定拠出型の両方の退職給付制度を設けています。これらの制度は国内グループ会社に適用されます。
退職一時金制度があり、給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。
なお、確定給付制度における退職給付債務は21.6億円、年金資産は9.2億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ニイタカグループは、経営理念である「四者共栄」のもと、長期ビジョン「世の中の“キレイ”を支える会社」の実現を目指し、人的資本への投資を経営基盤強化戦略の一つとして掲げています。具体的には、「事業拡大を支える次世代幹部候補の育成強化と採用」と「人材の活躍をさらに促す仕組みの構築」を進めています。
人材育成においては、幹部候補育成研修や基礎研修、キャリアパスの多様化にあわせた研修などを通じて育成体系の整備・充実化を図っています。また、事業戦略に沿った必要スキルの明確化と習得推進にも取り組んでいます。
従業員の給与は、個人の能力や業務経験、年齢、勤続年数等を総合的に勘案して決定されます。基本給は「資格給」「年齢給」「勤続給」で構成されており、資格給は社内資格に応じて支給されます。賞与については、基本給をベースに役職等を勘案して支給する方針です。
人材確保では、長期ビジョンの実現に求められる人材像を明確化し、採用戦略を構築・推進しています。人材活躍の面では、各社員の挑戦的な取り組みを評価する仕組みや、女性活躍推進に向けた施策、育児休暇取得に向けたフォローなど、多様な人材が活躍できる環境づくりを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 4.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 87.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 71.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 79.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 74.7% |
幹部社員育成
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 次世代幹部候補者数 | 12人 |
従業員の能力向上
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 基礎研修年間受講数(1名あたり平均) | 2.7講座/人・年 |
女性活躍推進
「監督職」とは、管理職候補となる者(サブマネージャー職)を指します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性の管理職・監督職比率 | 7% |
ワークライフバランスの向上
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 育児休業取得率 | 89% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ニイタカグループは、業務用洗剤や健康食品の製造・販売を通じて、社会の衛生と健康を支える事業を展開しています。主に「ケミカル事業」と「ヘルスケア事業」の2つのセグメントで構成されており、それぞれの分野で専門性の高い製品を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、業務用洗剤や固形燃料といったケミカル製品と、健康食品を主力商品としています。顧客との契約から生じる収益は、主にこれらの製品の製造・販売から得られています。
ケミカル事業
業務用洗剤・洗浄剤・除菌剤・漂白剤・固形燃料、仕入商品等の製造・販売を行っています。外食市場の堅調な推移を背景に、大手外食チェーン向けの洗剤需要が増加しており、高付加価値製品の拡販や新規チャネル開拓も進めています。収益は、洗剤や固形燃料、感染対策製品の販売から得ています。前期と比較して売上高、営業利益ともに増加傾向にあります。
ヘルスケア事業
健康食品等の製造・販売を行っています。物価上昇による消費マインドの冷え込みが影響し、国内外ともに売上が減少しています。収益は、健康食品の販売から得ています。前期と比較して売上高、営業利益ともに減少傾向にあります。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客に対するものが90%を超えており、国内市場が中心となっています。また、特定の顧客に売上が集中することはありません。ケミカル事業が同社グループの売上高の大部分を占めており、主要な収益源となっています。
| セグメント | 売上高(2025年5月期) | 売上高(2026年5月期) |
|---|---|---|
| ケミカル事業 | 222億円 | 233億円 |
| ヘルスケア事業 | 14.9億円 | 13.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は継続的に増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、直近2期は順調に増加しており、堅調な推移を示しています。
| 項目 | 2022年5月期 | 2023年5月期 | 2024年5月期 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 178億円 | 195億円 | 227億円 | 237億円 | 246億円 |
| 経常利益 | 18.6億円 | 8.9億円 | 15.0億円 | 19.5億円 | 22.2億円 |
| 経常利益率 | 10.4% | 4.5% | 6.6% | 8.2% | 9.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 12.3億円 | 5.6億円 | 7.1億円 | 18.1億円 | 19.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 208.59 | 95.13 | 119.58 | 305.84 | 321.01 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加しており、従業員一人ひとりの生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化や組織の効率化が進んでいることを示唆しています。
| 指標 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 59.3百万円 | 64.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.8百万円 | 5.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ニイタカグループの財務状況は、安定した基盤を示しています。本業で得た資金が投資を上回り、資金繰りにも余裕がある状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ニイタカの自己資本比率は68.2%と、プライム市場の製造業平均を上回る水準です。ROE(自己資本利益率)も12.3%と、プライム市場平均を上回っており、効率的な経営を示しています。手元資金である現金及び預金も83.5億円と潤沢であり、堅実な財務基盤が雇用や給与の安定性につながる可能性があります。
| 指標 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 148億円 | 163億円 |
| 自己資本比率 | 65.3% | 68.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 12.8% | 12.3% |
| 現金及び預金 | 68.4億円 | 83.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ニイタカグループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは27.0億円の収入となり、前期から増加しています。これは主に税金等調整前当期純利益の増加や減価償却費があったことによるものです。投資活動によるキャッシュフローは0.4億円の収入となり、前期の支出から収入に転じました。これは投資有価証券の売却収入があった一方で、有形固定資産の取得支出があったことによるものです。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いにより、△13.8億円の支出となりました。結果として、フリーキャッシュフローは27.4億円のプラスとなり、本業で得た資金が投資を上回る状況を示しています。この資金の流れは、ニイタカグループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた余力を確保していることを示唆しており、雇用や給与の安定性につながる可能性があります。
| 項目 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 10.4億円 | 27.0億円 |
| 投資CF | △4.2億円 | 0.4億円 |
| 財務CF | △9.5億円 | △13.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 6.2億円 | 27.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
ニイタカグループは、主に国内フードビジネス業界向けの製商品・サービスを提供しており、特定の市場への依存度が高い状況です。フードビジネス業界の需要動向や競合状況により、業績が影響を受ける可能性があります。また、洗剤・洗浄剤の原材料は石油等の鉱物資源や天然油脂に由来するものが多く、これらの価格高騰が業績に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
ニイタカグループでは、感染症流行時に従業員の感染による事業所の一時的閉鎖が発生した場合、業績に影響が及ぶ可能性があります。これに対し、代替要員の育成や生産の自動化を進め、生産の停滞を回避する体制構築に努めています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ニイタカは、社会の持続可能性に配慮した事業を通じて、関わる全ての人々や環境に貢献することを目指しています。お客様の満足を常に追求し、品質と全員参加を重視する企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「四者共栄」を経営理念として掲げています。これは、取引先とユーザー、会社と株主、社員と家族、社会と環境の四者すべてに貢献し、幸福をもたらすことを意味しています。この理念のもと、長期ビジョンとして「世の中の“キレイ”を支える会社」を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、お客様の満足を追求するため「品質第一主義の経営」と「真の全員参加の経営」を基本方針としています。品質第一主義では、社会の持続可能性に配慮した高品質な製品・サービス提供、環境保全、業務・企業のあり方における品質を重視します。真の全員参加の経営では、社員一人ひとりがお客様と社会のために主体的に考え、行動できる仕組みを構築することを目指しています。
また、経営理念「四者共栄」のもと、サステナブル経営を推進し、環境、社会、ガバナンスの強化を重要課題(マテリアリティ)としています。気候変動対応、サーキュラーエコノミー、清潔で衛生的な環境・習慣づくり、人権尊重、人材開発・投資の強化などに取り組んでいます。自律性を備えた人材が集まり、多様な価値観が活かされる組織を目指す人的資本経営も推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、外部環境の変化に対応し、社会課題を最速で解決することを軸に競争優位性を高めることを目指しています。中期経営計画「NX2028」を推進しており、ヘルスケア事業の成長軌道への回帰と、新領域・海外の成長基盤構築を引き続き対処すべき課題と認識しています。
経営基盤強化戦略として、全社DXを通じたデータ活用経営基盤の構築に取り組んでおり、基幹システムの刷新プロジェクトを開始しました。また、人的資本への投資も重点テーマの一つであり、中期経営計画の実現に資するスキル習得の仕組みづくりや、モチベーションの創出・維持を図るためエンゲージメントサーベイを導入しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ニイタカは監査等委員会設置会社であり、取締役会は監査等委員である取締役を含む8名で構成されています。経営の効率性、健全性、透明性を確保するため、指名・報酬諮問委員会や監査等委員会が設置されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ニイタカの株主構成を見ると、筆頭株主は同社の関連会社であるニイタカSCです。また、ニイタカ社員持株会をはじめとする複数の社員持株会が上位株主として名を連ねており、従業員による株式保有が進んでいることがうかがえます。その他、個人株主や事業会社も主要な株主として同社を支えています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ニイタカSC | 19.83% |
| ニイタカ社員持株会 | 6.37% |
| つくしの会持株会 | 4.06% |
| ニイタカ会持株会 | 3.33% |
| 森田 千里雄 | 2.94% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長執行役員は野尻大介氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 野尻 大介 | 代表取締役 社長執行役員 | 1994年4月同社入社、2015年6月営業本部東日本営業部長、2020年9月取締役常務執行役員営業本部長就任、2023年6月代表取締役社長執行役員就任より現職。 |
| 奥山 吉昭 | 代表取締役会長 | 1982年4月同社入社、1996年7月取締役就任、2013年6月代表取締役社長就任、2023年6月代表取締役会長就任より現職。 |
| 佐古 晴彦 | 取締役 | 1984年3月同社入社、2005年8月執行役員就任、2011年8月取締役就任、2023年9月取締役就任より現職。 |
| 高瀬 和久 | 取締役 | 1983年3月同社入社、2009年11月執行役員技術製造本部副本部長、2015年8月執行役員製造本部長、2024年9月取締役就任より現職。 |
社外取締役は、岡和貴氏(元ユニチカ執行役員・常勤監査等委員)、清水裕子氏(ライト工業社外取締役・監査等委員)、山本あつ美氏(山本あつ美公認会計士事務所長・監査等委員)、上田純氏(久保井総合法律事務所代表パートナー・監査等委員)です。
ニイタカは監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役は全員が社外取締役で構成されています。独立社外取締役が経営に対する客観的な監督と助言を行うことで、健全な経営判断を支える体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ニイタカの役員報酬は、企業価値の最大化を基本方針とし、固定報酬、業績連動報酬、非金銭報酬で構成されています。業務執行取締役には業績連動報酬と譲渡制限付株式報酬が導入されており、企業価値の持続的向上へのインセンティブと株主との価値共有を図っています。監査等委員である取締役および非業務執行取締役の報酬は固定報酬のみです。報酬の決定は、指名・報酬諮問委員会の審議を経て取締役会で決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 80百万円 | 20.1百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 28百万円 | 5.7百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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