※本記事は、株式会社エムビーエス の有価証券報告書(2026年5月期、2025年6月1日 ~ 2026年5月31日、2026年8月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エムビーエスは、老朽化した建造物の維持・保全を目的とし、独自開発した「ホームメイキャップ工法」を用いた外壁・内装リフォームや補修・改修工事を手掛けています。一般工法による既設住宅の改修や新築住宅の施工も行っています。
単体従業員数は103名です。事業セグメントはホームメイキャップ事業、建築工事業、その他の3つです。
エムビーエスは、独自工法「ホームメイキャップ工法」による外壁・内装の補修・改修工事を直営方式で手掛けるほか、FC加盟店へのノウハウ提供や材料販売も行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
エムビーエスは、建設工事業を営む同社において、人材の確保・育成・定着を重要な経営課題と位置づけています。従業員の成長と働きやすい環境づくりに注力し、持続的な企業価値向上を目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も若すぎず高すぎない水準にあります。これは、若手から中堅まで幅広い年代の従業員が定着し、キャリアを築いている傾向を示していると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,585,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.8年 |
| 平均年齢 | 34.5歳 |
| 単体従業員数 | 103人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向け、人的資本を重要な経営資源と位置づけています。建設業における人手不足や労働環境の変化を踏まえ、人材の確保・育成・定着の強化を経営基盤の強化として取り組んでいます。
従業員の給与は、役割、経験、技能水準、業績への貢献度を総合的に考慮して決定する方針です。建設業における人材確保の重要性や市場環境の変化を鑑み、採用動向や賃金水準を考慮しながら報酬水準の見直しも行っています。特に、技術力の向上、資格取得、人材育成への貢献を評価要素とし、専門性の高い人材の育成と組織全体の能力向上に資する処遇の実現に努めています。
また、サステナビリティに関する喫緊の課題を「人材確保・人材育成」と位置づけ、従業員の“個”の最大化を図ることを最重要課題としています。性別・国籍、障がいの有無を問わず、建設工事業に興味・意欲のある人材を積極的に採用しています。新入社員からマネジメント層まで、様々なプログラムによる人材育成を行い、特に新入社員や若手社員の現場管理力早期育成に力を入れています。社員が望むキャリア形成に応えられるよう、多様性を認め合い、個々のスキルを最大限発揮できる環境整備を進めています。男女問わず社員一人ひとりが活躍できるよう働きやすい環境作りを目指し、60歳以上の社員が無期限で働き続けられる長期的な雇用機会の提供も行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は公表義務の対象ではないため記載を省略しており、パート・有期労働者の男女賃金差異は該当者がいないため記載されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 43.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 66.6% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員比率 | 6.8% |
| 障がい者雇用率 | 1.9% |
| 外国従業員比率 | 3.9% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 新卒採用計画数充足率 | 45% |
| 女性新入社員数 | 2名 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
エムビーエスは、独自に開発した施工技術を適用した建物の補修・改修工事を主軸に、幅広い建設事業を展開しています。顧客のニーズに応じたきめ細やかなサービスと、一貫した施工体制が特徴です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、老朽化した一般住宅、集合住宅、商業ビル、歴史的建造物、道路や橋梁といった諸建造物の維持・保全を目的とした事業を行っています。独自工法「ホームメイキャップ工法」を用いた外壁・内装リフォーム工事やコンクリートの落下防止等の補修・改修工事が主力です。また、加盟店へのノウハウ提供や材料販売も手掛けています。
同社のホームメイキャップ事業は、元請業者と複数の下請業者が施工する旧来の構造ではなく、足場から左官、防水・止水、塗装、シーリングまでを一貫して同社のみで手掛けるワンストップ対応を特徴としています。これにより、責任の明確化、価格体系の明瞭化、きめ細かいアフターサービスを実現しています。受注形態には、同社が元請業者や顧客と直接契約する直営方式と、認定FC加盟店が契約する提携方式があります。
ホームメイキャップ事業
耐久性等に優れた独自工法「ホームメイキャップ工法」により、一般住宅から集合住宅、商業ビル、歴史的建造物、道路、橋梁等の諸建造物の外壁及び内装の補修・改修を行う事業です。この工法は、特殊機能性塗料と独自の4つの施工技術(クリアコーティング施工、カラーコーティング施工、スケルトン防災コーティング施工、応用/特殊施工)を組み合わせ、劣化した建物の美観を再現し、優れた耐久性・補強性を提供しています。
収益は、これらの補修・改修工事の請負から得ています。運営は、エムビーエスが行っています。
建築工事業
一般的な工法による新築・改修工事を行う事業です。
収益は、新築工事や改修工事の請負から得ています。運営は、エムビーエスが行っています。
また、FC加盟店に対するコーティング材等の販売や、不動産の売買・賃貸及び仲介等を行うその他の事業も展開しています。同社は本邦以外の外部顧客への売上高がないため、海外比率や為替リスクに関する言及はありません。
| セグメント | 売上高(2025年5月期) | 売上高(2026年5月期) |
|---|---|---|
| ホームメイキャップ事業 | 45.8億円 | 48.0億円 |
| 建築工事業 | 1.3億円 | 1.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度における同社の売上高は、パートナーとの関係強化継続による受注の拡大及び工事の順調な進捗により、前年同期比で増加しました。営業利益は、売上高増加に伴う売上総利益の増加により、前年同期比で増加しています。経常利益は、保険解約益や有価証券償還益等の計上により、前年同期比で大幅に増加しました。当期純利益も、前年同期比で増加しています。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
エムビーエスは、本業で安定した資金を生み出し、財務基盤を堅固にしています。事業活動と投資活動を通じて資金を確保し、安定した経営状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
エムビーエスの財務基盤は、高い自己資本比率とROEを示しています。当期の自己資本比率は75.9%であり、プライム市場の平均と比較しても高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)も15.0%と、プライム市場平均を上回る水準です。手元資金である現金及び現金同等物は24.2億円となっており、安定した資金状況を保っています。これらの指標は、同社が堅実な経営を行っていることを示しており、事業の継続性や雇用・給与の安定性につながる要素と言えます。
| 指標 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 37.0億円 | 38.8億円 |
| 自己資本比率 | 75.8% | 75.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 13.2% | 15.0% |
| 現金及び現金同等物 | 18.3億円 | 24.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
エムビーエスのキャッシュフローは、本業で安定して資金を生み出している状況を示しています。当期の営業活動によるキャッシュフローは7.2億円の収入となり、前期から増加しています。これは主に税引前当期純利益の増加や仕入債務の減少、売上債権の減少などによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは2.3億円の収入となり、前期の支出から収入へと転換しました。これは保険積立金の解約による収入が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローは3.6億円の支出となり、自己株式の取得や配当金の支払いが主な要因となっています。
結果として、フリーキャッシュフローは9.5億円のプラスであり、本業で得た資金が投資を上回り、事業の成長や株主還元に充てられる余力があることを示しています。この資金の流れは、同社の安定した経営基盤と将来への投資余力があることを示唆しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素と言えます。
| 項目 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.7億円 | 7.2億円 |
| 投資CF | △0.4億円 | 2.3億円 |
| 財務CF | △2.3億円 | △3.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 5.2億円 | 9.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
建設・不動産市場の動向は、経済情勢の悪化や競争環境の激化により、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ホームメイキャップ事業で採用している特殊機能性塗料の仕入先であるシーカ・ジャパン㈱への依存度が高く、取引条件の変更や契約解除があった場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、スピード感のある事業展開・拡大を実現するために、優秀な人材の確保と育成が必要であると考えています。求める人材が十分に確保できない場合や在職人材が流出した場合、営業戦略の立案及び実行等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
エムビーエスは、「ドラマ化される会社にする」という経営理念を掲げ、建設業界に「新たな常識づくり」を目指すベンチャー企業として事業を展開しています。顧客と社会が求める「安心・安全・安価」を追求し、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「ドラマ化される会社にする」という経営理念に基づき、高品質な技術・施工に努めています。あらゆる建造物に対し、これまでにない高品質なリフォーム工法を提供することを事業方針としています。
建造物外装仕様を業界常識にとらわれず、あらゆる現象や不測事象に対処可能な高機能なものに変えることで、高耐久性を有する建造物の構築を図っています。建設業界における「新たな常識づくりを目指す」ベンチャー企業として、積極的な成長と計画的な経営体質強化に挑戦しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、以下の行動規範を掲げ、顧客満足を第一とした事業運営を重視しています。具体的には、「新たな常識づくり」に対して興味と情熱を持ち、誠意ある姿勢で仕事に努めること、高品質な施工を適正価格にて提供するべく、絶えず追求し研鑽し続けること、事業に携わる全ての関係者が協調して運営にあたることを旨としています。
また、サステナビリティ(持続可能性)の実現に向けてESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営を実践し、SDGsの目標達成へ貢献することを目指しています。性別・国籍、障がいの有無等を問わず、建設工事業に興味・意欲のある人材を積極的に採用する方針です。社員一人ひとりが活躍できるよう働きやすい環境作りを目指し、多様性を認め合い、個々のスキルを最大限発揮できる環境整備を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、今後のさらなる事業拡大に向けて、いくつかの課題に取り組んでいます。施工体制の強化として、施工担当者への教育や安全・技術研修の体系化を進め、全国均質な施工体制の構築を図っています。
また、原価管理の徹底と収益力強化の一環として、ITツールの導入・活用を進め、業務効率の向上と属人化の解消を図ることで、生産性向上及び働き方改革の実現を目指しDX化を推進しています。人材育成と専門技能の継承も重要な課題であり、将来の幹部社員・中堅社員候補の計画的な採用・育成に取り組んでいます。大学・高校等への求人活動やインターンシップ制度の活用、働きやすい労働環境の整備により若手人材の確保を図っています。
さらに、社内研修制度を通じた技能の継承・多能工化を推進し、OJT・資格取得支援・技能実習制度を通じて若手技術者の育成と将来の技術継承体制を確立しています。ガバナンスとコンプライアンス体制の強化も重点テーマであり、リスク管理やコンプライアンスを徹底し、内部統制およびリスクマネジメント体制の強化を継続しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
エムビーエスは監査等委員会設置会社として、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置しています。これにより、経営の効率性・透明性の向上と企業価値の最大化を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
エムビーエスの株主構成を見ると、代表取締役社長である山本貴士氏が筆頭株主として名を連ねています。同氏が経営の基盤を支える主要な株主であることがうかがえます。また、極東ホールディングスや鳴本聡一郎氏といった企業や個人も上位株主として同社を支えています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 山本 貴士 | 30.27% |
| 極東ホールディングス | 15.87% |
| 鳴本 聡一郎 | 5.19% |
| エムビーエス従業員持株会 | 4.33% |
| 松岡 弘晃 | 2.01% |
なお、鳴本聡一郎氏及びその共同保有者である極東ホールディングスは、2025年8月29日現在で極東ホールディングスが1,075,000株(13.90%)、鳴本聡一郎氏が360,000株(4.66%)を所有している旨が記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は山本貴士氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山本 貴士 | 代表取締役社長 | 1991年4月㈱ヤナセ入社、1993年1月足場業を個人創業、1997年6月㈲アクアビギ(現:㈱エムビーエス)を設立し代表取締役社長に就任。2001年7月同社に組織変更し代表取締役社長就任より現職。 |
| 松岡 弘晃 | 取締役ホームメイキャップ事業本部長 | 1995年8月プロジェクトBIGIに参加、2001年7月同社取締役就任。2019年6月同社ホームメイキャップ事業本部長就任より現職。 |
| 高木 弘敬 | 取締役ホームメイキャップ事業本部スケルトン担当 | 1999年4月㈱フォーバル入社、2002年2月同社入社。2008年8月同社取締役就任。2022年6月同社ホームメイキャップ事業本部スケルトン担当就任より現職。 |
| 栗山 征樹 | 取締役経営企画室長兼管理部長 | 1985年4月芙蓉総合リース㈱入社、2007年7月同社入社。2011年8月同社取締役就任。2019年6月同社管理部長就任より現職。 |
社外取締役は、伊藤尚毅氏(アント・キャピタル・パートナーズ在籍・監査等委員)、前田隆氏(トライアンド代表取締役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役2名はいずれも監査等委員として、独立した立場から経営の監視・監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
エムビーエスの役員報酬は、役員の役割や職責に見合った水準とすることを基本方針としています。報酬は固定報酬が主体であり、業績連動報酬は採用されていません。監査等委員である取締役の報酬は、監査等委員会の協議によって決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 37百万円 | 9.3百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 8.8百万円 |
| 社外役員 | 1名 | 0百万円 | 0.1百万円 |
事業年度中に報酬の支給対象となった役員の総数は6名であり、報酬等の総額は46.0百万円となっています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。