※本記事は、株式会社オータケ の有価証券報告書(2025年5月期、2024年6月1日 ~ 2025年5月31日、2025年8月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
オータケグループは、管工機材の販売及び不動産賃貸業を主な事業としています。報告セグメントは管工機材卸売業のみであり、グループ全体でこの事業を展開しています。
単体従業員数は283名、連結従業員数は300名です。報告セグメントは管工機材卸売業の1つです。
主な国内グループ会社は、田中産業(配管資材の販売)などです。
オータケグループは、2024年9月30日に株式会社田中産業の全株式を取得し、同社を連結子会社としました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社オータケは、従業員の成長と幸せを追求し、企業価値の向上を目指すことを経営理念としています。多様な人材が働きがいを持って活躍できる環境づくりに注力しており、安定した基盤の中でキャリアを築きたいと考える方にとって、働きやすい環境が期待できるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的若いことから、長期的にキャリアを形成しやすい環境であることがうかがえます。若手から中堅まで幅広い年齢層の従業員が定着し、経験を積みながら活躍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,652,000円 |
| 平均勤続年数 | 12.2年 |
| 平均年齢 | 38.6歳 |
| 単体従業員数 | 283人 |
| 連結従業員数 | 300人 |
| 単体のグループ内比率 | 94.3% |
同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の制度を採用しています。この制度は、同社及び連結子会社の株式会社田中産業を適用範囲としています。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、「社員の成長と幸せを追求し、永続かつ発展的に企業価値を高め、より良い社会環境創りに貢献します。」という経営理念に基づき、ダイバーシティ推進を重要な経営戦略の一つと位置付けています。多様な人材が働きがいを持って活躍できるような取り組みを推進しています。
「第2次中期経営計画(2025年5月期~2027年5月期)」では、「人的資本経営の実践」を戦略ビジョンとして掲げています。具体的には、デジタルトランスフォーメーション推進、働きやすい職場環境の整備、多様な人材の採用、女性活躍の推進などに取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。管理職に占める女性労働者の割合は、女性活躍推進法の公表義務対象ではないため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 60.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 70.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 69.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・嘱託社員) | 57.6% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 採用した労働者に占める女性労働者の割合 | 38% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男女の平均継続勤続年数の差異 | 6.4年 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社オータケ(以下、同社グループ)は、管工機材の販売と不動産賃貸業を主な事業としています。主力事業である管工機材卸売業を通じて、社会環境整備と未来環境創造に貢献することを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、管工機材の販売及び不動産賃貸業を主な事業としています。事業は、株式会社オータケと連結子会社の株式会社田中産業、非連結子会社の中国器材株式会社の計3社で構成されています。
主力である管工機材卸売業では、バルブ・コック類、継手類、冷暖房機器類、衛生・給排水類、パイプ類といった多岐にわたる商品を扱っています。これらの商品は、デジタルトランスフォーメーションや脱炭素化に向けた設備投資の拡大に伴い、民間需要の回復が続いています。
収益は主に管工機材の販売から得ており、不動産賃貸収入も一部を占めています。同社グループは、営業体制の強化や管工事部門の立ち上げ、ECサイトの再構築などを通じて事業領域の拡大と収益確保に取り組んでいます。
事業活動は主に国内市場に焦点を当てており、特定の外部顧客への売上集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは、第73期より連結財務諸表を作成しています。そのため、過去の連結業績との比較はできませんが、直近の連結業績は堅調に推移しています。
売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに、目標を上回る実績となりました。
| 項目 | 2021年5月期 | 2022年5月期 | 2023年5月期 | 2024年5月期 | 2025年5月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 330億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 12.1億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 3.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 8.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 216.41 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの直近の連結従業員数に基づくと、従業員1人あたり売上高は110.0百万円となっています。また、従業員1人あたり営業利益は3.3百万円です。
これらの数値は、同社グループの事業活動における従業員一人ひとりの貢献度を示しています。
| 指標 | 2024年5月期 | 2025年5月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 110.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 3.3百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
オータケグループは、本業の事業活動を通じて着実に資金を創出し、安定した財務基盤を築いている状況がうかがえます。事業活動で得た資金を将来への投資や株主還元に充てています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
オータケグループの自己資本比率は59.0%となっており、プライム市場の平均(製造業46.8%、非製造業24.2%)と比較して高い水準を示しています。これは財務的な安定性が高く、事業運営の基盤がしっかりしていることを示唆しています。
ROE(自己資本利益率)は5.6%であり、プライム市場平均の9.4%と比較すると低い水準です。手元資金である現金及び預金は27.2億円を確保しており、不測の事態への対応力があると考えられます。
| 指標 | 2024年5月期(前期) | 2025年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 149億円 | 154億円 |
| 自己資本比率 | - | 59.0% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 5.6% |
| 現金及び預金 | 26.5億円 | 27.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
オータケグループのキャッシュフローは、本業の営業活動で資金を創出し、それを投資活動と財務活動に充てている状況を示しています。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは9.8億円のプラスとなりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは△5.3億円のマイナスとなり、有形固定資産の取得や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得に資金が使われています。財務活動によるキャッシュフローは△4.0億円のマイナスで、自己株式の取得や配当金の支払いが主な要因です。
結果として、フリーキャッシュフローは4.5億円のプラスとなっており、本業で稼いだ資金が投資を上回っている状況です。このキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営を行いながら、将来に向けた投資も継続し、かつ株主還元も行っていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる財務基盤があると考えられます。
| 項目 | 2024年5月期(前期) | 2025年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 9.8億円 |
| 投資CF | - | △5.3億円 |
| 財務CF | - | △4.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 4.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが属する管工機材業界は、公共投資や民間設備投資の動向に業績が左右される傾向があります。経済活動の先行き不透明感が高まった場合、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、取扱商品の仕入価格は、素材の供給状況や市場価格の動向により変動する可能性があります。急激な価格変化に対して十分な対応ができない場合、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
働き方改革の影響による労働時間の減少は、慢性的な人手不足とともに労働供給不足の要因となっています。これは同社グループを取り巻く事業環境において、今後の企業収益を押し下げる要因となる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
オータケは、お取引先の課題解決に貢献し、企業をつなぐ「ベスト・パートナー」を目指しています。また、従業員にとって働きやすい「ベスト・カンパニー」であることも追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、企業をつなぎ・必要とされ続ける「ベスト・パートナー」と、働きやすさを追求する「ベスト・カンパニー」を目指しています。建設設備関連に不可欠な基礎資材である「管工機材」を通じて、マイホームからプラントまであらゆる分野で付加価値の高い商品と高品質なサービスを提供しています。未来を創造するサステナブルな社会に貢献していくことをビジョンとして掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、従業員一人ひとりの能力や創造力を最も重要な経営資源と捉えています。「会社を信頼して働ける職場づくり」や「恒常的・自発的な知恵/改善を促進する仕組みづくり」に加え、「徹底的な人材育成」に努める企業風土です。チャレンジを促進する企業風土を醸成するため、積極的な人材登用と適材適所による人材の有効活用を図っています。
また、経営理念である「社員の成長と幸せを追求し、永続かつ発展的に企業価値を高め、より良い社会環境創りに貢献します。」に基づき、ダイバーシティ推進を重要な経営戦略の一つと位置づけています。多様な人材が働き甲斐を持って活躍するための取り組みを推進しており、「人的資本経営の実践」を戦略ビジョンとして掲げています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、営業基盤・商品開拓の強化、商品構成の変革、人材育成の強化・活用を重点施策としています。特に人材育成においては、従業員一人ひとりの能力・考える力・創造力を最も重要な経営資源と捉え、徹底的な人材育成に努めています。
具体的な取り組みとして、商品勉強会を積極的に行い、商品特性を把握し、お客様のニーズに最適な商品提案ができるようにしています。また、チャレンジを促進する企業風土を醸成するため、人材育成の方向性を明確にし、積極的な人材登用と適材適所による人材の有効活用を図っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役による経営チェック機能の強化を重視したガバナンス体制を構築しています。迅速な意思決定と経営の健全性向上を図ることを経営上の重要な課題の一つとして位置付けています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
オータケ持株会が筆頭株主であり、従業員持株会も上位に名を連ねています。その他、事業会社や地方自治体も主要株主として同社を支える構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| オータケ持株会 | 12.28% |
| 西尾市 | 9.27% |
| キッツ | 8.63% |
| オータケ従業員持株会 | 7.81% |
| 岡谷鋼機 | 4.16% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.0%です。代表取締役社長は金戸俊哉氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 金戸 俊哉 | 代表取締役 社長 | 2018年7月同社入社経理部長、2019年6月取締役企画管理本部長、2021年6月常務取締役企画管理本部長を経て、2024年6月代表取締役社長より現職。 |
| 村井 善幸 | 取締役 会長 | 1979年3月同社入社、2005年8月取締役営業部長、2015年8月代表取締役社長、2024年6月代表取締役会長を経て、2025年8月取締役会長より現職。 |
| 岡沢 等 | 取締役 営業本部長 | 1986年3月同社入社、2017年8月東日本エリア統括部長、2019年8月取締役東日本エリア統括部長を経て、2020年6月取締役営業本部長より現職。 |
| 山田 勝猛 | 取締役 営業本部副本部長 | 1996年4月同社入社、2018年6月関西支店支店長、2023年8月中国器材株式会社代表取締役社長を経て、2024年8月取締役営業本部副本部長より現職。 |
社外取締役は、小川真紀氏(Collective Intelligence代表取締役)、宮廣慎一郎氏(JES総合研究所代表取締役)、赤星知明氏(赤星公認会計士事務所・監査等委員)、石原宏一氏(石原総合法律事務所弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、経営へのチェック機能とリスク管理の強化を目的としています。社外取締役が過半数を占める監査等委員会を設置し、客観的な立場から取締役の業務執行を監査・監督する体制を採用しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社では、取締役(監査等委員を除く)の報酬は職務や業績、貢献度を総合的に勘案し取締役会で決定されます。監査等委員である取締役の報酬は、職務と責任に応じた額を協議によって決定しています。また、株主との株価変動メリット・リスク共有のため、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。業績連動報酬は、売上高・営業利益・経常利益を指標としており、安定的な収益計上を重視した設計となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 89百万円 | 22.2百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 12百万円 | 12.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 11百万円 | 2.7百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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