※本記事は、株式会社プロパスト の有価証券報告書(2025年5月期、2024年6月1日 ~ 2025年5月31日、2025年8月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
プロパストは、主に首都圏で不動産事業を展開しています。企画力・デザイン力を活かした分譲マンション開発、駅近の賃貸マンション開発、中古収益ビルのバリューアップを手掛けています。
単体従業員数は41名です。セグメントは分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業の3つです。
プロパストは、主に首都圏において分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業を自社で展開しています。
同社は、財務体質の健全化を図るため、在庫削減と総資産圧縮に注力し、賃貸開発事業およびバリューアップ事業における新規物件の厳選取得と保有物件の積極的な売却を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
プロパストは、都心部での不動産開発に強みを持つ企業です。専門性の高い事業を展開しており、従業員の成長を重視する人材戦略を掲げています。働きがいと働きやすさの両面から、従業員が能力を発揮できる環境づくりに注力していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が長期的にキャリアを形成できるような環境が整備されていると考えられます。平均年齢は40代前半であり、一定の勤続年数を経た従業員が活躍していることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 11,880,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.6年 |
| 平均年齢 | 40.4歳 |
| 単体従業員数 | 41人 |
同社は確定給付型の制度として、退職一時金制度を採用しています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
プロパストは、持続可能な社会環境づくりのため、「洗練された作品を残し続ける、元気な総合不動産ディベロッパー」というサステナビリティ基本方針を定めています。この方針に基づき、人材を「人財」と捉え、会社と共に個の成長を促すことを重視しています。
同社の人財育成方針は、従業員が「プロパストイズム」を体現できる人材を育成することにあります。「プロパストイズム」は、「解析力」「創造デザイン力」「高品質実現力」「プレゼンデザイン力」「建築監理・アフター対応力」の5つの要素から構成されています。これらの要素を強化するための社内プログラムを充実させ、従業員のモチベーションを持続させるため、働きがいと働きやすさの両面から各種施策を設けています。
具体的には、働きがいとして充実した報奨金制度を整えています。また、働きやすさの観点からは、慰安と親睦を兼ねた全国懇親会や国内外ホテル視察、ベビーシッター派遣利用支援制度の導入、プロパスト研修制度(カフェテリアプラン)、次世代リーダー育成プログラムの構築、宅地建物取引士資格取得支援制度、リファーラルリクルーティング(社員紹介制度)の活用など、多様な施策を実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
2. 多様な人財の活躍を支える職場環境の整備
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 慰安と親睦の実施 | 年2回以上 |
| 宅地建物取引士資格取得コースの実施 | 年1回 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
プロパストは、首都圏を中心に不動産開発とバリューアップ事業を展開しています。分譲マンションの開発・販売、賃貸マンションの開発・売却、中古収益ビルの改修・売却を通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、主に首都圏において分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業の3つの事業を展開しています。それぞれの事業において、不動産の企画・開発から販売・売却までを一貫して手掛けることで収益を得ています。
分譲開発事業
首都圏エリアを中心に、同社の企画力とデザイン力を活かした分譲マンションを開発し、主に単身者層やパワーカップルを対象に販売しています。当該物件の土地の特性や地域性、周辺環境とのバランスを考慮したコンセプトに基づき、空間デザインを創り出しています。収益は、開発した分譲マンションの販売から得ています。当事業年度は売上高がありませんでした。
賃貸開発事業
首都圏エリアにおいて、駅近で利便性の高いマンション用地の取得を目指し、中規模かつ中低層のRC造賃貸マンションの開発を行っています。同社のデザインを活かしたハイセンスな賃貸マンションを国内外の富裕層や投資ファンド等に提供しています。収益は、開発した賃貸マンションの売却から得ています。当事業年度は売上高が増加しました。
バリューアップ事業
首都圏エリアを中心に、3億円から10億円程度の中古収益ビル等を取得し、効率的な改修や賃料の見直し、居住率の向上を目的としたリーシングを行うことで収益性を高めています。既存の建物の質を高め、新たな付加価値を生み出すビジネスであり、国内外の富裕層を中心に売却を実施しています。収益は、付加価値を高めた不動産の売却から得ています。当事業年度は売上高が大きく増加しました。
| セグメント | 売上高(2024年5月期) | 売上高(2025年5月期) |
|---|---|---|
| 賃貸開発事業 | 172億円 | 180億円 |
| バリューアップ事業 | 23.2億円 | 98.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前年同期と比較して増加しました。特に売上高は大きく伸びています。セグメント別では、バリューアップ事業の売上高が大幅に増加しました。一方で、分譲開発事業は当事業年度の売上高がありませんでした。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたりの収益性および生産性に関するデータは開示されていません。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
プロパストは、財務基盤の健全化と在庫削減、回転率重視の経営に注力しています。これにより、総資産圧縮と安定的な自己資本の確保を目指す方針です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
プロパストは、財務体質の健全化を図るため、在庫の削減や回転率を重視し、総資産圧縮に注力しています。同社は自己資本比率を重要な経営指標と位置づけており、40%以上の安定した資本確保を目指す方針です。収益の原資となる販売用不動産の取得を厳選し、総資産の過度な増加を抑制しながら、着実な利益確保により安定的に自己資本を高めていくとしています。
| 指標 | 2024年5月期(前期) | 2025年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
プロパストの当事業年度におけるキャッシュフローは、営業活動による資金が7,641百万円増加しました。これは主に税引前当期純利益の獲得と棚卸資産の減少によるものです。投資活動による資金は53百万円増加しており、定期預金の払戻が主な要因となっています。財務活動による資金は4,064百万円減少しており、長期借入金及び短期借入金の返済が主な要因です。
本業で安定的に資金を稼ぎ出し、投資活動もプラスとなっていることから、事業の成長と財務の健全性を両立している状況です。このような資金の流れは、同社の事業が安定しており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤を示しています。
| 項目 | 2024年5月期(前期) | 2025年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
プロパストの事業は、経済状況の悪化に伴う地価の下落や需要の低下、金利水準の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、物件の引渡し時期によっては、売上及び収益が特定の時期に偏重するリスクがあります。想定した売上及び収益が翌事業年度にずれ込む場合もあり、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
プロパストは、不動産を「作品」と捉え、企画力とデザイン力を活かした付加価値の高い物件を提供することを目指しています。持続可能な社会環境づくりにも貢献する総合不動産ディベロッパーとして、従業員の成長を重視する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
プロパストの経営方針は、外部環境を分析しつつ、付加価値を高めることのできる不動産を取得することです。周囲の状況や経済の状態に応じた最高レベルの企画を施し、最も高い価値を実現できる方法で「作品」を提供することを掲げています。
サステナビリティ基本方針として「洗練された作品を残し続ける、元気な総合不動産ディベロッパー」を定めています。従業員の成長を重視し、都心部における経済・社会・環境に応じた自由な創造デザイン力を武器に、すべてのステークホルダーを笑顔にし、成長し続ける企業を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
プロパストでは、従業員が体現すべき5つの要素を「プロパストイズム」と定義し、これを競争力の源となる「タクティクス」と総称しています。具体的には、「解析力(情報整理とスピーディな判断)」、「創造デザイン力(同じ物は創らない、コンセプトから派生する無限の空間デザイン)」、「高品質実現力(本質を見極める。唯一無二の存在が生まれる)」が挙げられます。
さらに、「プレゼンデザイン力(潜在意識まで問いかけるイメージ戦略)」、「建築監理・アフター対応力(全員参加で取り組む)」も「プロパストイズム」の重要な要素です。同社は、人材を「人財」と捉え、この「プロパストイズム」に共感し、会社と共に個の成長を促すことを重視しています。
お客様に対しては、適切な距離感を大切にし、魅力的な作品を提供することで「ファン」を増やすことを目指しています。協力会社とは「ワンチーム」で取り組むことを掲げ、地域社会に対しては、環境、健康、安全に配慮した素材の提案と空間デザインの提供を通じて貢献しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
プロパストは、サステナビリティに関連するリスクと機会を適切に監視・管理するため、2023年6月12日付で「サステナビリティ委員会」を設置し、ガバナンス体制の強化を図っています。これは、ダイバーシティ&インクルージョンなどの人的資本を含む、持続的な企業価値向上に向けたサステナビリティ経営の実現に資するものです。
同社は、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)に対し、適切なKPIと目標を設定し、進捗管理と改善を図っています。全役職員へのコンプライアンス意識の徹底浸透や、コンプライアンスおよび法令遵守の強化も重点テーマとしています。
また、多様な人財の活躍を支える職場環境の整備にも取り組んでおり、従業員への周知・浸透活動を推進し、全社的な理解と実行力の向上を図っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
プロパストは、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけています。監査等委員会設置会社として、透明性の高い経営と取締役会の監督機能の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
プロパストの筆頭株主はシノケングループであり、同社はプロパストの主要株主として、不動産関連事業などを展開するグループの持株会社です。上位には複数の事業会社や金融機関が名を連ねています。特定の株主グループが同社の経営に影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| シノケングループ | 36.94% |
| 上田八木短資 | 2.09% |
| ジュポンインターナショナル | 1.28% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は津江真行氏が務めています。社外取締役比率は70.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 津江 真行 | 代表取締役社長 | 1982年4月東洋信託銀行㈱(現三菱UFJ信託銀行㈱)入行。2004年2月同社入社取締役総務部長。2009年2月同社代表取締役社長より現職。 |
| 都倉 茂 | 取締役 専務執行役員 統括本部長 | 1986年4月㈱熊谷組入社。2002年1月同社入社。2009年8月同社取締役。2023年3月同社取締役専務執行役員統括本部長より現職。 |
| 矢野 義晃 | 取締役 常務執行役員 管理本部長兼 経営企画部長 | 1990年4月東洋信託銀行㈱(現三菱UFJ信託銀行㈱)入行。2006年8月同社入社経営企画部長。2011年8月同社取締役管理本部長兼経営企画部長。2023年3月同社取締役常務執行役員管理本部長兼経営企画部長より現職。 |
社外取締役は、玉置貴史氏(シノケングループ代表取締役社長)、萩原浩二氏(シノケングループ ディレクター 法務・コンプライアンス担当兼法務室室長)、三浦義明氏(シノケンハーモニー代表取締役社長)、田下宏彰氏(小川建設代表取締役社長)、秋山高弘氏(元日本総合研究所常任監査役・常勤監査等委員)、井上勝次氏(イノウエ税務会計事務所開業・シノケングループ監査役・監査等委員)、大倉圭氏(シノケングループ在籍・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が過半数を占める監査等委員会が業務執行の監査・監督を担うことで、経営の透明性と監督機能の強化を図っています。東京証券取引所には、社外取締役の秋山高弘氏と井上勝次氏の2名が独立役員として届け出られています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
プロパストの役員報酬体系は、中長期的な視点での経営を重視し、安定性を考慮した固定報酬を基本としています。これに加えて、企業価値向上へのインセンティブとして、譲渡制限付株式による非金銭報酬を付与する仕組みとなっています。非金銭報酬は、役位や職責、同社の業績や株価を総合的に勘案して決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役 | 7名 | 1.1億円 | 16.1百万円 |
| うち社外取締役 | 4名 | 12百万円 | 3.0百万円 |
| 監査役 | 3名 | 2百万円 | 0.7百万円 |
| うち社外監査役 | 3名 | 2百万円 | 0.7百万円 |
同社の役員報酬等の総額は1億1500万円であり、支給対象となった役員は合計10名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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