※本記事は、日本プロセス株式会社 の有価証券報告書(2026年5月期、2025年6月1日 ~ 2026年5月31日、2026年8月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
日本プロセスは、システム開発を主たる業務とする企業です。同社グループは、制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システム、産業・ICTソリューションといった幅広い分野で事業を展開しています。
単体従業員数は715名、連結従業員数は780名です。セグメントは制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システム、産業・ICTソリューションの5つです。
主な国内グループ会社は、当社などです。
日本プロセスは、制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システム、産業・ICTソリューションといった多岐にわたるシステム開発を本体で手掛けています。
直近では、2025年9月30日付でSCSKと資本業務提携契約を締結しました。これにより、自動車システムをはじめとする産業分野での競争力強化を目指しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
日本プロセスは、情報通信技術を応用したソフトウェアエンジニアリングサービスを提供する企業です。従業員の成長を重視し、働きやすい環境整備にも力を入れていることがうかがえます。給与水準や働き方の詳細は、以下の各項目で確認できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢と平均勤続年数から、比較的長期にわたってキャリアを築いている人材が多い傾向が見られます。これは、安定した環境で専門性を高めたいと考える方にとって、参考となる情報です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,850,345円 |
| 平均勤続年数 | 12.78年 |
| 平均年齢 | 37.63歳 |
| 単体従業員数 | 715人 |
| 連結従業員数 | 780人 |
| 単体のグループ内比率 | 91.7% |
同社は、確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)及び前払退職金制度を選択制にて設けています。これらの制度は国内の従業員に適用されます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、ソフトウェアエンジニアリングサービスの提供を事業としており、持続的成長と企業価値向上を図る上で人材を重要な経営資源と位置付けています。技術革新やグローバル化に対応できる人材の育成を通じて、競争優位性の確立と付加価値の高いサービス提供を目指しています。
従業員の給与は年功序列ではなく、個々の実力や成果に基づいて決定されます。業績連動賞与は、売上高から諸経費を差し引いた利益に定められた率を乗じて総額を算定し、個々の貢献度に応じて分配する仕組みです。また、従業員向け譲渡制限付株式報酬制度を導入し、中長期的な企業価値向上への意識醸成を図っています。人的資本への投資として定期的な賃上げも実施し、優秀な人材の獲得と定着に努めています。
従業員の継続的な成長を不可欠と考え、成長意欲向上と労働意欲向上を重視しています。奨学金返済支援制度を設け、従業員の経済的負担軽減を図る取り組みも行っています。人材育成では、プロジェクト管理支援室や品質技術委員会が計画的な教育・研修を実施しており、全従業員が利用できるオンライン学習プラットフォームを導入し、戦略的技術習得と自律的なスキルアップを支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 3.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 88.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 81.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 83.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 25.9% |
人的資本・多様性
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員の育児休業取得率 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
日本プロセスは、システム開発を主たる業務とする企業グループです。社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献することを中期経営ビジョンとしています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループはシステム開発を主軸とし、多岐にわたる分野でソフトウェアエンジニアリングサービスを提供しています。SCSK株式会社との資本業務提携も締結しており、両社の強みを融合・連携させることで、産業分野における競争力強化を目指しています。
収益は主に顧客との契約に基づくシステム開発から得ており、各セグメントで専門性の高いサービスを提供しています。国内の外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えるため、国内事業が中心となっています。
制御システム
エネルギー関連の制御・監視・シミュレータ等のシステムや、鉄道・道路等の交通関連の制御・監視システム、交通機関における電子広告などの情報処理システム等の開発を行っています。電力グリッドや東京圏輸送管理システムが順調に推移し、前期から売上高が増加しています。
自動車システム
自動車そのものを制御する車載制御システム、カーナビゲーション等の車載情報システム、自動運転につながる先進運転支援システム(ADAS)等の開発を行っています。自動運転/先進運転支援関連や車載情報関連が好調に推移し、前期から売上高が増加しています。
特定情報システム
衛星画像処理システム、地理情報システム、映像監視システム等の開発と、これらを応用した防災関連システム、危機管理関連システム、人工衛星関連システム等の開発を行っています。危機管理関連や航空宇宙関連が堅調に推移し、前期から売上高が増加しています。
組込システム
ストレージデバイス、IoT建設機械、医療機器等に組み込まれるシステム等の開発を行っています。半導体市場の回復を背景にストレージデバイス開発が好調で、IoT建設機械関連も新たな案件獲得により順調に推移し、前期から売上高が大きく増加しています。
産業・ICTソリューション
自動改札や券売機、IoTクラウド等に関連する開発、プライベート/パブリッククラウド等のシステム構築、鉄道子会社向けのエンジニアリングサービスを行っています。ガバメント向け開発の受注増やシステム構築案件の拡大により、前期から売上高が大きく増加しています。
株式会社日立製作所とAstemo株式会社が主要な顧客となっています。
| セグメント | 売上高(2025年5月期) | 売上高(2026年5月期) |
|---|---|---|
| 産業・ICTソリューション | 30.9億円 | 36.9億円 |
| 自動車システム | 24.1億円 | 26.3億円 |
| 特定情報システム | 17.9億円 | 20.1億円 |
| 制御システム | 17.1億円 | 19.5億円 |
| 組込システム | 14.8億円 | 18.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高、営業利益、経常利益は継続して増加傾向にあります。特に当期は売上高、営業利益、経常利益が上場来最高を更新しました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に発生した投資有価証券売却益の剥落などにより、前期から減少しています。
| 項目 | 2022年5月期 | 2023年5月期 | 2024年5月期 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 79.5億円 | 89.2億円 | 94.7億円 | 105億円 | 121億円 |
| 経常利益 | 8.1億円 | 9.7億円 | 10.1億円 | 12.8億円 | 15.3億円 |
| 経常利益率 | 10.2% | 10.8% | 10.6% | 12.2% | 12.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.3億円 | 6.8億円 | 7.3億円 | 14.8億円 | 11.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 55.63 | 70.70 | 75.56 | 152.76 | 117.51 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。
これは、人材育成やプロジェクト管理の強化、サービス価値向上による採算性改善などの取り組みが寄与していると考えられます。
| 指標 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 14.4百万円 | 15.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.6百万円 | 1.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
日本プロセスは、財務基盤の安定性と資金の流れから、堅実な経営状況を示しています。本業で得た資金を元手に、事業活動と投資活動を通じて資金を適切に運用している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
日本プロセスは、強固な財務基盤を構築している状況です。自己資本比率は高い水準を維持しており、プライム市場の平均と比較しても非常に高い水準を示しています。これは、外部からの借入に依存しない安定した経営基盤があることを示しています。
ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な資本活用ができている状況です。手元資金も潤沢に確保されており、不測の事態にも対応できる耐性があると考えられます。このような財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素となります。
| 指標 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 111億円 | 116億円 |
| 自己資本比率 | 76.6% | 79.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 13.7% | 10.0% |
| 現金及び預金 | 56.6億円 | 56.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
日本プロセスは、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュフローが1.9億円の獲得となりました。これは主に税金等調整前当期純利益によるものです。投資活動によるキャッシュフローは4.3億円の獲得となり、主に有価証券の償還によるものです。
財務活動によるキャッシュフローは6.7億円の使用となり、配当金の支払いを行ったことによるものです。これらの結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは6.2億円のプラスとなっています。本業で安定的に資金を生み出し、投資を賄った上で余剰資金を確保できている状況は、安定した経営基盤と将来への再投資余力があることを示しており、雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。
| 項目 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.0億円 | 1.9億円 |
| 投資CF | 10.3億円 | 4.3億円 |
| 財務CF | △4.4億円 | △6.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 15.3億円 | 6.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、主要取引先への依存リスクを認識しています。上位2社で売上高の約4割を占めており、これらの顧客の事業運営や方針変更が同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、情報通信関連技術の急速な進化に対応できない場合、業績に影響を与える技術革新のリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人材確保のリスクを重要な課題として認識しています。システム開発事業において優秀な人材の確保は不可欠であり、計画的な採用が困難になった場合や、従業員の離職が多数発生した場合には、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
日本プロセスは、情報通信技術を応用した新しい価値創造を通じて社会に貢献することを目指す企業です。顧客とともに成長し、社会の基盤を支えるソフトウェア開発に情熱を注いでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
日本プロセスは、「情報通信技術を応用した新しい価値創造で顧客とともに社会に貢献すること」を企業理念としています。ソフトウェアによって顧客の製品やシステムの価値を高めることを経営目標に掲げています。
2024年7月19日に策定された中期経営計画では、「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」ことを中期経営ビジョンとしています。同社グループは、品質・納期・価格・セキュリティの4項目に重点を置き、ソフトウェアのライフサイクル全体にわたる信頼できるトータルサービスを提供することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、顧客満足度向上のため、品質・納期・価格・セキュリティの4項目に重点を置いています。これまでに蓄積した「ソフトウェアエンジニアリング技術」を一歩進め、「きめ細かなサービスとは何か」を徹底的に追求する姿勢を大切にしています。
事業活動においては、「トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス(T-SES)」のレベル向上と注力分野の拡大を基本方針としています。T-SESとは、同社が保有する知見に基づき、顧客を正しい仕様決定に導き、以降一貫して完成まで請け負うことを指します。
従業員の継続的な成長を不可欠と考え、成長意欲と労働意欲を高めるための取り組みを進めています。多様な視点や価値観を会社の強みと認識し、管理職登用においては性別や国籍等によらず、能力、識見及び人格で評価しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、情報サービス産業における需要拡大と労働力人口の減少による人手不足を経営課題として認識しています。大規模案件の受注機会増加に伴い、安定的な受注体制構築のための営業力及び技術力の強化が求められています。
これらの課題に対し、同社グループは営業力の強化と引き合い案件の増加、請負化・大規模化の推進に取り組んでいます。また、生成AIの活用による開発効率及び品質の向上を目指しています。
さらに、優秀な人材の確保・育成、パートナー企業の開拓、グローバル化の推進、働き方改革の推進にも注力しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
日本プロセスは、社外取締役を含む取締役会と社外監査役を含む監査役会を設置しています。任意の諮問委員会も設置し、コーポレート・ガバナンスの強化を図る体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社は、事業会社であるSCSK株式会社が筆頭株主として同社グループを支えています。個人株主や社員持株会も上位に名を連ねており、多様な株主によって資本が構成されていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| SCSK | 20.68% |
| 大部 仁 | 7.65% |
| 日本プロセス社員持株会 | 7.64% |
| 大部 力 | 7.35% |
| アドソル日進 | 6.42% |
なお、大部仁氏は当事業年度末後の2026年7月8日に同社株式を同社に取得されたため、所有株式数に変動が生じています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は東智氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 東 智 | 代表取締役社長 | 1991年10月同社入社。国際プロセス株式会社代表取締役社長、大連艾普迪科技有限公司董事長兼総経理などを経て、2024年6月より現職。 |
| 大部 仁 | 取締役会長 | 1992年4月郵政省(現総務省)入省。2003年7月同社代表取締役社長、2013年6月同社代表取締役会長などを経て、2025年8月より現職。 |
| 三品 真 | 取締役 事業統括兼技術統括兼事業本部長 | 1985年4月同社入社。同社ITソリューション1部長、グループ会社統括兼管理部長などを経て、2026年6月より現職。 |
| 坂巻 詳浩 | 取締役 財務統括兼経理部長兼経営企画室長 | 1995年1月株式会社フルキャスト入社。スリープログループ株式会社執行役員などを経て、2026年6月より現職。 |
社外取締役は、川村純氏(SCSK執行役員)、加藤之啓氏(ゆき屋ConCon代表取締役社長)、豊田眞代氏(檜原 森のおもちゃ美術館おもちゃ学芸員)です。社外監査役は、椎名健二氏(中村・椎名法律事務所弁護士)、上薗朗氏(上薗朗公認会計士事務所所長)です。
同社は監査役会設置会社であり、独立性の高い社外取締役と社外監査役が経営の監督・監視機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、取締役(社外取締役を除く)に対して固定報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬を組み合わせています。社外取締役と監査役は固定報酬のみで構成されており、経営責任と中長期的な企業価値向上へのインセンティブを考慮した設計となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 100百万円 | 20.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 13百万円 | 13.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 17百万円 | 4.2百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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