※本記事は、株式会社Macbee Planet の有価証券報告書(第11期、自 2025年5月1日 至 2026年4月30日、2026年7月27日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. Macbee Planetってどんな会社?
データ解析に基づくLTVマーケティングを強みとし、成果報酬型の広告コンサルティングを展開しています。
■(1) 会社概要
2015年8月に設立され、データ解析プラットフォーム「ハニカム」をリリースしました。2020年3月にマザーズ市場へ上場し、2024年7月にプライム市場へ移行しました。2021年にAlpha、2023年にネットマーケティング(現All Ads)を子会社化するなどM&Aを推進し、2023年11月には持株会社体制へ移行しています。
現在の従業員数はグループ連結で201名、単体で42名です。筆頭株主は同社取締役が全株式を保有する資産管理会社のMG合同会社で、第2位は創業者の小嶋雄介氏、第3位は信託業務を行う日本マスタートラスト信託銀行です。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| MG合同会社 | 30.43% |
| 小嶋雄介 | 8.90% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.71% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は千葉知裕氏です。社外取締役比率は62.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 千葉知裕 | 代表取締役社長 | 2010年あずさ監査法人入所、公認会計士登録。2018年同社入社、2019年取締役を経て2021年より現職。 |
| 松本将和 | 取締役会長 | 2005年まくびー設立。2015年同社設立時より取締役、2017年経営戦略本部長等を経て2021年より現職。 |
| 靱江佑介 | 取締役 | 2007年ネットマーケティング(現All Ads)入社。同社広告事業本部長や代表取締役社長を経て2023年より現職。 |
社外取締役は、澤博史(元データセクション社長CEO)、中村繁貴(元テンダ社長)、山岸義久(元三菱商事産業金融事業本部戦略企画室長)、横山隆(弁護士・ととのい法律事務所代表)、金井重高(公認会計士・金井公認会計士事務所代表)です。
2. 事業内容
同社グループは、「LTVマーケティング事業」および「その他」事業を展開しています。
■LTVマーケティング事業
インターネット上で商品の販売やサービスの提供を行う企業に対し、データ解析プラットフォームやWebホスピタリティツールを用いたLTV予測によるマーケティングコンサルティングを提供しています。消費者行動を予測し、複数のメディアにまたがる広告の一元管理や効果的な流入促進を行います。
収益源は、広告主からサービス申込や商品購入等の成果に連動した報酬、およびサブスクリプション型の定額報酬として受け取ります。当該事業の運営は同社のほか、子会社のMAVELやAll Adsが主に行っています。
■その他事業
報告セグメントに含まれないその他の事業活動を行っています。主に新規のプロダクト開発や、マーケティングテクノロジー領域における周辺サービスの提供が含まれます。
収益源は、報告セグメント以外の事業活動から得られる売上であり、主に新規サービス等の提供に伴う対価を受け取ります。運営は同社や一部のグループ会社が担当しています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近3期間の連結業績を見ると、売上収益は順調に拡大していましたが、当期は一部の主要顧客における個別要因の影響により減収に転じました。また、利益面においても同様の要因に加えて販売費及び一般管理費が増加したことで、税引前利益および当期利益ともに減益となっています。
| 項目 | 2024年4月期 | 2025年4月期 | 2026年4月期 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 394億円 | 517億円 | 506億円 |
| 税引前利益 | 41億円 | 51億円 | 36億円 |
| 利益率(%) | 10.3% | 9.8% | 7.2% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 27億円 | 34億円 | 24億円 |
■(2) 損益計算書
売上収益は前年度からやや減少したものの、売上総利益は大幅に増加し、売上総利益率も改善しています。一方で、事業拡大に伴うシステム利用料や人件費等のコスト増加などの影響により、営業利益および営業利益率は前年度を下回る結果となりました。
| 項目 | 2025年4月期 | 2026年4月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 517億円 | 506億円 |
| 売上総利益 | 41億円 | 57億円 |
| 売上総利益率(%) | 7.9% | 11.3% |
| 営業利益 | 52億円 | 37億円 |
| 営業利益率(%) | 10.0% | 7.2% |
販売費及び一般管理費のうち、人件費が24億円(構成比48%)、支払手数料が13億円(同26%)を占めています。
■(3) セグメント収益
LTVマーケティング事業は、既存案件の拡大や新規受注が堅調に推移したものの、一部主要顧客の個別要因の影響により減収となりました。一方、その他事業については前年度から売上を伸ばしています。
| 区分 | 売上(2025年4月期) | 売上(2026年4月期) |
|---|---|---|
| LTVマーケティング事業 | 507億円 | 494億円 |
| その他 | 10億円 | 12億円 |
| 調整額 | -億円 | -億円 |
| 連結(合計) | 517億円 | 506億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業CFがプラス、投資CFおよび財務CFがマイナスとなっており、営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う健全型のキャッシュ・フロー状況を示しています。
| 項目 | 2025年4月期 | 2026年4月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | -3億円 | 16億円 |
| 投資CF | -10億円 | -9億円 |
| 財務CF | -24億円 | -9億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は19.0%で、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も55.6%であり、いずれも市場平均を上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「夢・目標を共に実現し続ける組織に」という経営理念のもと、「革新的なマーケティングにより、世界を牽引する企業になる。」ことをビジョンに掲げています。商品やサービスの魅力を的確に消費者に届けるため、テクノロジーを活用してマーケティング課題に新たなソリューションを提供し、問題解決に挑戦しています。
■(2) 企業文化
同社は、事業環境の変化に柔軟に対応し、ESGと事業戦略を結び付けた透明性・客観性の高いESG経営を推進する文化を大切にしています。社会貢献活動の延長線としてではなく、企業価値を高める活動として全社一丸で取り組む風土を醸成しています。また、オープンコミュニケーションによる透明性の確保を推奨し、心理的安全性を重視する組織文化が根付いています。
■(3) 経営計画・目標
同社グループは、売上収益および営業利益を重視する経営指標として掲げ、その持続的な向上を図る経営に努めています。コア事業の持続的成長による経営基盤の強化を推進し、インターネット業界特有の事業環境の変化にも柔軟に対応できる強い企業体質の構築を目指しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
同社はLTVマーケティングの進化に向け、データおよび解析技術を生かした事業基盤の確立を推進しています。また、新たなLTVマーケティング領域への事業拡大や、一気通貫でのサービス提供を目指しています。
・収益構造の改善と新規プロダクト開発による収益性の向上
・新規顧客開拓とサブスクリプション型サービス拡大による偏りの解消
・与信管理体制を含めた債権管理の強化
・優秀な人材の確保と育成による組織活性化
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は従業員の知識や能力を中長期的な企業価値向上の源泉である「人的資本」と位置付け、採用・育成を推進しています。バリューに共感し主体的に行動できる優秀な人材の獲得に努め、入社後のオンボーディングや定期的な1on1面談により早期戦力化を支援します。また、意欲と能力に応じた積極的な登用や権限委譲を行っています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はプライム市場の平均をやや上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年4月期 | 35.9歳 | 3.2年 | 8,985,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、正社員における女性労働者の割合(47.8%)、役職者における女性労働者の割合(23.5%)、有給取得率(72.4%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 市場動向やクライアントニーズの変化
LTVマーケティング事業において、メディアのあり方が多様化する中、市場動向やクライアントニーズを的確に把握できず対応が遅れた場合、収益性が低下し利益を圧迫するリスクがあります。同社は新規プロダクトの開発や既存プロダクトの改善により収益性向上に取り組んでいます。
■(2) 特定の商材やクライアントへの依存
金融や医療等の特定の商材における売上構成比率が高く、また一部のクライアントに対する売上収益が大きいため、外部要因の環境変化や取引先の業績・取引条件の変更が同社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
■(3) 個人情報の管理と法的規制
Cookie技術を利用してユーザーの行動履歴等を取得しているため、新たな個人情報保護関連の法令制定や自主規制が求められた場合、サービスの提供に制約を受けるリスクがあります。また、景品表示法や薬機法等の規制強化も事業展開に影響を与える可能性があります。
■(4) 生成AIの利用に伴うリスク
サービスの運営業務や社内業務の効率化を目的として生成AIを利用していますが、個人情報や機密情報の漏洩、著作権の侵害、誤情報の生成等のリスクが存在します。同社はガイドラインの整備や啓蒙活動によりリスク軽減に努めています。



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