Macbee Planet 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

Macbee Planet 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証プライム市場に上場し、LTVマーケティング事業を展開する企業です。データを活用した成果報酬型広告や解約防止などのマーケティング支援を行っています。直近の決算では売上収益が前期比31.1%増、営業利益が同27.7%増と大幅な増収増益を達成しました。


※本記事は、株式会社Macbee Planet の有価証券報告書(第10期、自 2024年5月1日 至 2025年4月30日、2025年7月31日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. Macbee Planetってどんな会社?


データを活用した「LTVマーケティング」を軸に、企業の集客から顧客維持までを成果報酬型で支援する企業です。

(1) 会社概要


2015年に設立され、データ解析プラットフォーム「ハニカム」をリリースしました。2020年に東京証券取引所マザーズへ上場し、2023年にはネットマーケティング(現All Ads)を子会社化して事業を拡大しました。2024年に東京証券取引所プライム市場へ上場区分を変更しています。

連結従業員数は182名、単体従業員数は43名です。筆頭株主は取締役会長の松本将和氏の資産管理会社であるMG合同会社で、第2位は創業者の小嶋雄介氏、第3位は資産管理業務を行う信託銀行です。

氏名 持株比率
MG合同会社 37.95%
小嶋 雄介 8.94%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 6.52%

(2) 経営陣


同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は千葉知裕氏です。社外取締役比率は62.5%です。

氏名 役職 主な経歴
千葉 知裕 代表取締役社長 あずさ監査法人を経て、2018年に同社入社。管理本部長、経営管理本部長などを歴任し、2021年12月より現職。MAVEL代表取締役も兼務。
松本 将和 取締役会長 ライブドアファイナンス等を経て、まくびーを設立。2015年に同社設立に参画し取締役就任。経営戦略本部長などを経て2021年3月より現職。
靱江 佑介 取締役 ネットマーケティング(現All Ads)に入社し、広告事業本部長などを歴任。2022年12月より同社代表取締役社長。2023年7月より現職。


社外取締役は、澤博史(データセクション元会長)、中村繁貴(テンダ元社長)、山岸義久(丸の内キャピタル元副社長)、横山隆(弁護士)、金井重高(公認会計士)です。

2. 事業内容


同社グループは、「LTVマーケティング事業」および「その他」事業を展開しています。

(1) LTVマーケティング事業


インターネットを活用した販売促進や集客を目指す企業に対し、データ解析プラットフォーム「ハニカム」やWebホスピタリティツール「Robee」を用いて、顧客の生涯価値(LTV)を予測しROIを最適化するマーケティング支援を行っています。新規ユーザー獲得から既存顧客の解約防止までを一貫して提供します。

収益は、広告主(クライアント)から成果(サービス申込、商品購入等)に応じた成果報酬や、ツールの利用期間に応じた定額報酬(サブスクリプション)を受け取ります。運営は主に株式会社MAVELや株式会社All Adsなどが行っています。

(2) その他


報告セグメントに含まれない事業として、新規事業領域などが含まれます。

収益は、当該事業の顧客からの対価となります。運営は同社グループが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


第10期よりIFRS(国際会計基準)を適用しています。売上収益、利益ともに順調に拡大しており、成長基調にあります。特に直近では売上収益が500億円を突破し、利益率も約10%と高い水準を維持しています。

項目 2024年4月期 2025年4月期
売上収益 394億円 517億円
税引前利益 41億円 51億円
利益率(%) 10.3% 9.8%
当期利益(親会社所有者帰属) 27億円 34億円

(2) 損益計算書


売上収益は大幅に増加しており、売上総利益も拡大しています。営業利益率も10%を確保しており、効率的な事業運営が行われていることがうかがえます。

項目 2024年4月期 2025年4月期
売上高 394億円 517億円
売上総利益 80億円 92億円
売上総利益率(%) 20.2% 17.9%
営業利益 40億円 52億円
営業利益率(%) 10.3% 10.0%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が19億円(構成比46%)、研究開発費が3億円(同7%)を占めています。

(3) セグメント収益


主力のLTVマーケティング事業が売上、利益ともに大きく伸長し、全社の成長を牽引しています。

区分 売上(2024年4月期) 売上(2025年4月期) 利益(2024年4月期) 利益(2025年4月期) 利益率
LTVマーケティング事業 392億円 507億円 58億円 72億円 14.2%
その他 2億円 10億円 1億円 4億円 38.5%
調整額 - - -18億円 -24億円 -
連結(合計) 394億円 517億円 40億円 52億円 10.0%

(4) キャッシュ・フローと財務指標


* パターン:末期型(売上債権増加による)
* 財務指標:企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は30.4%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は52.2%で市場平均を上回っています。

項目 2024年4月期 2025年4月期
営業CF 49億円 -3億円
投資CF -17億円 -10億円
財務CF -15億円 -24億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは「革新的なマーケティングにより、世界を牽引する企業になる。」ことをビジョンとして掲げています。テクノロジーを活用してマーケティングの課題に新たなソリューションを提供し、商品やサービスの魅力を正しく的確に消費者に届けることで、社会に溢れる様々なマーケティングの問題解決に挑戦しています。

(2) 企業文化


「夢・目標を共に実現し続ける組織に」という経営理念のもと、事業環境の変化にも柔軟に対応できる強い企業体質を目指しています。人材開発・育成が不可欠との認識から、優秀な人材の確保と教育の充実に注力し、組織の活性化を図る文化を持っています。

(3) 経営計画・目標


売上高と営業利益を重視する経営指標として掲げ、その向上を図る経営に努めています。将来にわたって確実に利益を出し続ける企業づくりに専念し、持続的成長による経営基盤の強化を目指しています。

(4) 成長戦略と重点施策


LTVマーケティングの進化(深化)を目指し、データとテクノロジーの活用を推進しています。具体的には、データ技術を活用して新たなLTVマーケティング領域への事業拡大を図るとともに、一気通貫でのサービス提供を目指します。また、サブスクリプション型サービスの拡大や、新規クライアントの開拓による特定の商材・顧客への偏りの解消にも取り組んでいます。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


持続的な事業収益の拡大には人材開発・育成が不可欠であると認識しています。そのため、優秀な人材を確保し、教育の充実を図ることで組織の活性化を推進しています。また、多様な人材が活躍できる環境づくりに取り組み、従業員との対話を重視した適材適所の配置や健康的な働き方の推進を行っています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はプライム市場の平均とほぼ同じ水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年4月期 33.1歳 3.1年 7,519,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、正社員における女性労働者の割合(39.6%)、役職者における女性労働者の割合(18.4%)、有給取得率(67.6%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 市場環境と競合企業


成果報酬型マーケティング市場は成長を続けていますが、競合企業も多く厳しい競争環境にあります。新たな規制の導入や予期せぬ要因で市場規模が縮小した場合、あるいは資金力のある企業の参入で競争が激化した場合には、事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 市場動向やクライアントニーズの変化


メディアのあり方が多様化する中で、市場動向やクライアントニーズへの対応が遅れた場合、収益性が低下する可能性があります。そのため、効率的な管理や新規プロダクトの開発に取り組んでいますが、これらが想定通りに進まない場合は業績に影響を与える可能性があります。

(3) 特定のクライアントへの依存


DMM.comやSBI証券など一部のクライアントに対する売上高が大きくなっています。上位2社で総取引実績の4割弱を占めており、これらの取引先の業績や取引条件の変更等が、同社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。