※本記事は、株式会社インターファクトリー の有価証券報告書(2026年5月期、2025年6月1日 ~ 2026年5月31日、2026年8月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
インターファクトリーは、「コマースを進化させる」をスローガンに、ECシステムの構築・運用保守を行うクラウドコマースプラットフォーム事業を主軸としています。EC事業者の成長を支援するECビジネス成長支援事業や、データ利活用プラットフォーム事業も展開し、幅広いニーズに応えています。
単体従業員数は163名です。事業セグメントはクラウドコマースプラットフォーム事業、ECビジネス成長支援事業、データ利活用プラットフォーム事業の3つです。
インターファクトリーは、ECシステムの構築・運用保守を行うクラウドコマースプラットフォーム事業、EC事業者の成長を支援するECビジネス成長支援事業、およびデータ利活用プラットフォーム事業を自社で展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
インターファクトリーは、従業員の成長と多様な働き方を重視し、柔軟な環境を提供している企業です。ITサービス業界の特性を活かし、個々の専門性を高めながらキャリアを築けるような制度が整えられています。給与水準や働き方の具体的な内容は、以下の各項目で詳しく見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が30代半ばであり、比較的若い層が活躍していることがうかがえます。平均勤続年数も一定の期間を示しており、従業員が長期的にキャリアを形成しやすい環境が整っていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,736,794円 |
| 平均勤続年数 | 6.6年 |
| 平均年齢 | 35.6歳 |
| 単体従業員数 | 163人 |
同社は、確定拠出年金制度を採用しています。これは会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
インターファクトリーは、従業員一人ひとりの自律的な成長と専門性の向上を支援することを人材戦略の基本方針としています。人材の育成と社内環境整備を重要なサステナビリティ課題と位置づけ、積極的な投資を行っています。
給与の決定においては、個人の能力や成果に報いる公平かつ透明性の高い処遇を実現することを基本方針としています。基本給および昇給は、年1回実施される人事考課に基づいて決定され、360度評価の要素を取り入れ、部門長間で構成される人事考課会議での協議を経て客観性と納得性を確保しています。賞与は、会社の業績と従業員の貢献との連動性を高めるため、あらかじめ定めた業績連動の基準をもとに支給額が決定されます。
人材育成の具体的な制度としては、スキルマップの作成・共有によるスキルの可視化や、専門資格取得の推奨を行っています。自己啓発支援制度や資格取得支援制度に加え、師弟制度およびメンター制度を導入し、きめ細やかなサポート体制を構築しています。また、異動に関する自己申告制度の導入や、新規事業の展開に合わせた活躍の場の提供により、従業員の主体的なキャリア形成を支援しています。
社内環境整備においては、多様な人材がライフステージに合わせて柔軟に働けるよう、フレックスタイム制、リモートワーク、遠隔地勤務等の体制を整備しています。組織運営では、各従業員が一定の裁量と責任を持つ「ティール組織」の概念を導入し、心理的安全性と主体性を重んじる風土づくりを進めています。福利厚生面では、確定拠出年金制度および従業員持株会制度を導入し、従業員の中長期的な生活の安定と資産形成を支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、公表義務の対象ではないものの任意で記載されています。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性管理職の割合 | 8.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
同社は、ECシステムの構築・運用からEC事業者の成長支援、データ活用まで、ECビジネス全般をサポートするサービスを提供しています。複数の事業セグメントを通じて、EC事業者の多様なニーズに応える収益構造を構築しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「コマースを進化させる」をスローガンに、ECシステムの構築及び運用保守を行うクラウドコマースプラットフォーム事業を主軸としています。加えて、EC事業者の成長を支援するECビジネス成長支援事業、そしてECデータの統合・分析を可能にするデータ利活用プラットフォーム事業を展開しています。これらの事業を通じて、EC事業者の幅広いニーズに対応し、収益源の多様化を図っています。
クラウドコマースプラットフォーム事業
同社の主力事業であり、クラウドコマースプラットフォーム「EBISUMART」シリーズを提供しています。ECシステムの受託開発、運用保守、およびその他のサービスを通じて、中規模から大規模のEC事業者を支援しています。収益は、顧客の要望に応じたシステムカスタマイズ料や、月額利用料として提供される運用保守サービスから得ています。
ECビジネス成長支援事業
EC事業者の事業ステージや領域に合わせた最適なソリューションを提供する「EBISU GROWTH」を展開しています。EC戦略の策定からサイト構築、運用業務の支援、集客施策の提案、物流・倉庫の最適化まで、EC事業の成長を一気通貫で支援しています。収益は、EC戦略PM支援サービスやECモール特化型運営支援サービス、AI活用EC運用代行サービスなど、多岐にわたる支援サービスから得ています。前期と比較して、売上高は減少しましたが、セグメント利益は黒字に転換しました。
データ利活用プラットフォーム事業
EC事業者のバックエンド情報とフロントエンド情報を統合・分析するプラットフォームの提供を目指しています。新規プロダクトとして、商品データ統合プラットフォーム「EBISU PIM」を提供し、EC業務の効率化と商品価値の最大化を実現しています。収益は、商品データ統合プラットフォームの新規受注から得ています。当期に売上高を計上しましたが、セグメント損失は拡大しました。
| セグメント | 売上高(2025年5月期) | 売上高(2026年5月期) |
|---|---|---|
| クラウドコマースプラットフォーム事業 | 26.2億円 | 27.3億円 |
| ECビジネス成長支援事業 | 2.5億円 | 1.3億円 |
| データ利活用プラットフォーム事業 | - | 1百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が前期からほぼ横ばいで推移しました。一方で、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも前期から減少する結果となりました。これは、クラウドコマースプラットフォーム事業のシステム受託開発売上が想定を下回ったことや、ECビジネス成長支援事業の収益計上方法の変更、データ利活用プラットフォーム事業への先行投資などが影響しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたりの収益性を示す指標は、当期と前期のデータが不足しているため、具体的な傾向を把握することはできません。しかし、一般的にこれらの指標は、組織全体の効率性や収益体質の強さを示す重要な要素となります。従業員1人あたりの稼ぐ力は、将来的な給与水準の持続性や、企業の成長戦略を評価する上で注目すべき点です。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は本業で安定した資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた投資を積極的に行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、安定した経営基盤を示しています。手元資金も一定規模を確保しており、事業運営に必要な流動性を維持している状況です。
| 指標 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産合計 | 11.8億円 | 12.1億円 |
| 自己資本比率 | 55.9% | 60.8% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金 | 4.77億円 | 3.87億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、本業の営業活動で資金を生み出しながら、将来の成長に向けた投資活動に資金を投じている状況です。営業活動によるキャッシュフローは、減価償却費の計上や税引前当期純利益の計上などにより、資金の流入を示しています。投資活動によるキャッシュフローは、主にサービス充実を目的とした無形固定資産の取得による支出が要因となり、資金の流出となっています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の返済などにより資金の流出を示しています。
本業で得た資金を成長投資に充てていることから、将来の事業拡大に期待が持てる一方で、現時点ではフリーキャッシュフローがマイナスとなっています。これは、事業の成長フェーズにおいて、積極的な投資を行っていることを示しています。
| 項目 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.76億円 | 1.45億円 |
| 投資CF | △1.75億円 | △2.16億円 |
| 財務CF | △0.30億円 | △0.20億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.01億円 | △0.71億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社はECサイト構築を主たる事業としているため、EC市場の動向が業績に影響を与える可能性があります。また、競合他社の参入による価格競争の激化や市場シェアの低下も、業績に悪影響を及ぼすリスクとして認識されています。
③ 人材・組織に関するリスク
優秀な人材の確保、育成及び定着は、今後の業容拡大のための重要課題です。必要な人材を採用できない場合や、育成した従業員が社外流出した場合には、事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
インターファクトリーは、EC関連サービスの提供を通じてコマースの進化を目指す企業です。従業員、顧客、取引先の幸せを追求する理念のもと、多様な働き方を支援し、主体性とオープンさを重視する企業風土を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「関わる従業員、お客様、取引先様の幸せを実現する」ことを企業理念に掲げています。この理念に基づき、「コマースを進化させる」ことを事業目的とし、クラウドコマースプラットフォーム「EBISUMART」をはじめとしたサービスを提供しています。EC関連サービスの多様化・複雑化に対応し、幅広いニーズに応えるとともに、収益手段の多様化と新しいプロダクトへの積極的な投資を進めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、従業員が能力を最大限に発揮できるよう、多様な働き方を支援する社内環境を整備しています。フレックス勤務やリモートワーク、時短勤務などの体制を整え、自己啓発支援制度やメンター制度を通じて人材育成に努めています。また、主体的かつオープンで安心な環境を構築するため、各従業員が一定の裁量を持つティール組織を導入し、働きやすい環境作りを進めているのが特徴です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、人材の確保・育成を経営上の最重要課題の一つと位置付けています。高度なシステムエンジニアリングとコンタクトセンターサービスを提供するため、有能な人材の採用と継続的な教育を推進しています。また、顧客満足度向上のためカスタマーサクセスチームを設置し、顧客ニーズの収集体制を強化しています。サステナビリティの観点からは、人材の多様性の確保を含む人材育成と社内環境整備を重要な課題としています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
インターファクトリーは、取締役会と監査役会を設置する監査役会設置会社です。
経営の効率化と透明性・客観性の向上を図り、企業価値の最大化を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
筆頭株主は代表取締役社長兼CEOの蕪木登氏であり、創業家が上位株主として名を連ねています。
また、関連会社や従業員持株会も上位株主に含まれており、特定の株主グループが同社の経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 蕪木 登 | 34.20% |
| ケイエイビー | 5.45% |
| 蕪木 有紀 | 4.96% |
| 森本本店 | 3.48% |
| インターファクトリー従業員持株会 | 3.19% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。
代表取締役社長兼CEOは蕪木登氏が務めています。
社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 蕪木 登 | 代表取締役社長兼CEO | 2003年6月 有限会社インターファクトリー設立、2006年7月 同社へ組織変更、代表取締役社長兼CEO就任より現職。 |
| 兼井 聡 | 取締役 | 2006年1月 同社入社 システムソリューション部 部長就任、2006年12月 同社取締役就任より現職。 |
| 三石 祐輔 | 取締役兼CMO | 2013年3月 同社入社 マネジメントプランニング部 部長就任、2013年3月 同社取締役CMO就任より現職。 |
| 赤荻 隆 | 取締役兼CFO | 2014年6月 同社コーポレートディベロップメント部 部長就任、2014年8月 同社取締役兼CFO就任より現職。 |
社外取締役は、鳥山亜弓氏(千代田国際法律会計事務所所長・弁護士・公認会計士)、笹川大介氏(元KDDI株式会社リスクマネジメント本部監査部マネージャー)です。
同社は監査役会設置会社です。
社外取締役は取締役会の監督機能強化に、社外監査役は監査機能強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と、業績連動報酬により構成されています。
社外取締役の報酬は職責の特性上、固定報酬のみで決定されています。
業績連動報酬は営業利益を指標とし、公表した業績予想値を超えた場合に支払われる仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.1億円 | 26.7百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 19百万円 | 3.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。