ビーウィズ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ビーウィズ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ビーウィズは東京証券取引所プライム市場に上場し、コンタクトセンター・BPO事業やクラウドPBX「Omnia LINK」のシステム販売を展開しています。直近の業績は、売上高が横ばいで推移する一方、利益面は改善傾向にあり、増益を確保しています。


※本記事は、ビーウィズ株式会社の有価証券報告書(第27期、自 2025年6月1日 至 2026年5月31日、2026年8月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ビーウィズってどんな会社?


同社グループは、コンタクトセンターやBPOサービスの提供と、自社開発システムの販売を行っています。

(1) 会社概要


2000年に三菱商事などにより設立され、2015年にパソナグループの完全子会社となりました。2017年にクラウド型PBXを提供開始し、2022年に東京証券取引所へ上場しました。直近の2026年にはマレーシアのAI関連企業を子会社化し、グローバル展開を進めています。

同社グループの従業員数は連結で793名、単体で697名です。筆頭株主は事業会社のパソナグループで、第2位は資産管理業務を行う信託銀行です。第3位には社員持株会が名を連ねています。

氏名 持株比率
パソナグループ 54.43%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 3.00%
ビーウィズ社員持株会 1.22%

(2) 経営陣


同社の役員は男性4名、女性3名の計7名で構成され、女性役員比率は42.9%です。代表取締役社長は飯島健二氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
飯島健二 代表取締役社長 2002年ビーウィズ入社。経営企画部長、取締役執行役員、取締役副社長執行役員等を経て、2025年より現職。
森本宏一 取締役会長 パソナテック社長等を歴任。2018年パソナグループ副社長執行役員。ビーウィズ代表取締役社長を経て、2025年より現職。
仲瀬裕子 取締役 1992年テンポラリーセンター入社。パソナIR室長等を経て、2025年パソナグループ副社長執行役員CFO。同年より現職。
中島孝 取締役(常勤監査等委員) パソナ営業法務部長、パソナグループコンプライアンス室長等を歴任。2020年より現職。


社外取締役は、冨松宏之(弁護士・弁理士)、伊能美和子(元ドコモgacco社長)、政井貴子(元日本銀行政策委員会審議委員)です。

2. 事業内容


同社グループは、「コンタクトセンター・BPO事業」を展開しています。

(1) コンタクトセンター・BPOサービス


顧客対応チャネルを複数提供するコンタクトセンター運営や、バックオフィス部門の事務業務を請け負うBPOサービスを提供しています。金融、情報通信、小売流通業界の企業などを主要顧客としています。

収益源は、顧客企業から受け取るスタッフの稼働時間やシステム、場所等の提供費用です。運営はビーウィズが主体となって行っています。

(2) システムソリューション販売(Omnia LINK等)


自社開発のクラウド型PBX「Omnia LINK」や、AIを活用した応対品質評価システムなどのデジタルソリューションを開発し、外部企業へ販売しています。

収益源は、外部企業から受け取るシステム利用料やライセンス販売費、オプション販売費です。システムの開発は子会社のアイブリットなどが担い、販売はビーウィズが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は2024年5月期に383億円まで拡大し、直近は360億円台で安定して推移しています。経常利益は一時的に減少したものの、当期は回復傾向にあります。

項目 2022年5月期 2023年5月期 2024年5月期 2025年5月期 2026年5月期
売上高 324億円 352億円 383億円 364億円 363億円
経常利益 26億円 23億円 25億円 10億円 12億円
利益率(%) 8.0% 6.5% 6.6% 2.8% 3.3%
当期利益(親会社所有者帰属) 18億円 17億円 18億円 5億円 6億円

(2) 損益計算書


売上高はほぼ横ばいですが、人員配置の適正化やデジタル技術の活用により売上総利益率が改善し、営業利益は増加しています。

項目 2025年5月期 2026年5月期
売上高 364億円 363億円
売上総利益 52億円 54億円
売上総利益率(%) 14.2% 14.8%
営業利益 11億円 12億円
営業利益率(%) 3.0% 3.3%


販売費及び一般管理費(42億円)のうち、給料及び手当が15億円(構成比35%)と最も大きく、次いで地代家賃が3億円(同7%)を占めています。

(3) セグメント収益


特定の公共案件の業務量縮小により全体の売上は微減となりましたが、システム外販の成長が下支えしています。

区分 売上(2025年5月期) 売上(2026年5月期)
コンタクトセンター・BPO事業 364億円 363億円
連結(合計) 364億円 363億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業CFはプラス、投資CFはマイナス、財務CFはプラスとなっており、営業で利益を出し、借入によって積極投資を行う積極型の状態です。

項目 2025年5月期 2026年5月期
営業CF 12億円 13億円
投資CF -5億円 -15億円
財務CF -7億円 5億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は6.6%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は52.7%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略

(1) 経営理念


同社は「洞察を通じた社会への貢献」を事業理念として掲げています。社会や経済のあり方を洞察し、社会に歓びと価値を創造することによって企業価値を向上させ、ステークホルダーと良好な関係を構築することを使命としています。

(2) 企業文化


時代の潮流の中で変化する顧客課題に対し、当事者意識をもって解決するプロフェッショナルな人材の育成を目指しています。また、多様な価値観や経験を持つ人材が互いを尊重し、それぞれの能力を最大限発揮できる環境整備を推進しています。

(3) 経営計画・目標


「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」を中期経営計画のビジョンとして掲げています。堅実で持続的な成長を通じて新たな事業創出を図るため、客観的指標として売上高成長率と営業利益成長率を目標に設定しています。

(4) 成長戦略と重点施策


コンタクトセンター・BPO事業とシステムソリューション販売の2つの事業を両面で成長させる方針です。金融や情報通信などの重点分野の深耕に加え、AI適用人材の育成や、マレーシア子会社を活用した海外展開などを重点施策として推進しています。

5. 働く環境

(1) 人材戦略・方針


人材を持続的な企業価値向上の最大の資本と位置づけています。「AI適用人材の育成」「自律的キャリアによる社員エンゲージメントの最大化」「ダイバーシティ&インクルージョン」を柱とし、教育体系の再構築やジョブローテーションを推進しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はプライム市場の平均を大きく下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年5月期 40.0歳 7.1年 5,247,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 20.0%
男性育児休業取得率 68.4%
男女賃金差異(全労働者) 79.0%
男女賃金差異(正規雇用労働者) 86.1%
男女賃金差異(パート・有期労働者) 90.5%


また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、本社シェアードサービスユニットにおける障がい者雇用数(70名超)、全国のコンタクトセンターにおける障がい者雇用数(100名超)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 顧客企業の事業環境変化によるリスク


アウトソーシングというビジネスの性質上、顧客企業の属する業界での競争激化や経営方針の転換により、受託業務量が大幅に変動する可能性があります。これに対し、顧客ポートフォリオの多様化や新規ソリューションの開発を進めています。

(2) 特定の顧客企業への依存度によるリスク


東京電力エナジーパートナーとの取引が売上高の14.1%を占めており、特定顧客の動向が業績に影響を与える可能性があります。新規取引先の拡大やクロスセルによる取引領域の拡大を通じ、依存度の低下を図っています。

(3) システム障害の発生によるリスク


コンタクトセンター業務の基幹となるクラウド型PBX「Omnia LINK」等でシステム障害が発生した場合、業務に重大な支障をきたし損害賠償を請求される可能性があります。システム開発時の品質保証レビューや稼働前後の点検で安定性の向上に努めています。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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