※本記事は、株式会社D&Mカンパニー の有価証券報告書(2026年5月期、2025年6月1日 ~ 2026年5月31日、2026年8月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
D&Mカンパニーグループは、医療機関等に対する経営サポート事業を展開しています。安心できる医療、穏やかな老後を暮らせる福祉、全ての世代が夢を持って生きられる社会の実現に貢献することを追求しており、F&I(資金支援)、C&Br(コンサルティング)、HR&OS(人材・アウトソーシング)の3つのサービスを複合的に提供しています。
単体従業員数は53名、連結従業員数は68名です。セグメントはF&Iサービス、C&Brサービス、HR&OSサービスの3つです。
主な国内グループ会社は、D&Mパートナーズ、D&Mキャリア(HR&OSサービス)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
D&Mカンパニーグループは、医療・介護業界の経営課題解決を支援する専門人材集団の形成を目指しています。従業員の働き方の多様化と待遇改善を積極的に推進しており、個人の成長と組織の成長を連動させる方針です。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社の現状と今後の方向性を確認できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
D&Mカンパニーの平均勤続年数は比較的短く、平均年齢は40代後半となっています。これは、多様な経験を持つ人材の確保を重視する同社グループの人材戦略を反映している可能性があります。従業員の定着と成長を促すための社内環境整備にも積極的に取り組んでいます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,553,000円 |
| 平均勤続年数 | 1.9年 |
| 平均年齢 | 47.5歳 |
| 単体従業員数 | 53人 |
| 連結従業員数 | 68人 |
| 単体のグループ内比率 | 77.9% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
D&Mカンパニーグループは、「社会課題を解決し、人の願いを叶える」という経営理念のもと、医療・介護業界の経営課題を解決する専門人材集団の形成を人材戦略の基本方針としています。人材を事業成長を支える最も重要な経営資源の一つと位置付けており、医療経営コンサルタント、金融・M&A・事業再生の専門知識を持つ人材、人材ソリューション領域のコンサルタント、次世代マネジメント人材の確保・育成を重点施策としています。さらに、ファンド運営、アセットマネジメント、不動産金融、金融コンプライアンス等の高度専門人材の確保・育成にも取り組む方針です。
中長期的な企業価値向上と経営戦略の実現のため、人材戦略と整合した評価・報酬制度の構築を重視しています。求める人材像と各職種に期待される役割を明確化し、評価制度と報酬制度に反映させています。目標管理制度(MBO)の継続的な高度化を進め、専門性の向上、知見共有、人材育成への貢献、組織貢献、業績への貢献を適切に評価する仕組みを整備しています。
多様な個性、経験を持つ人材が継続的な成長と企業力を高めると認識しており、性別、年代、国籍等の多様性に配慮した採用を推進しています。労働環境の継続的向上を目指し、給与改善や評価制度の拡充、スライド勤務、時短勤務、育児休業取得の促進など、多様な人材がやりがいを持って働ける職場作りを推進しています。経営陣から次世代人材へのノウハウ移転や組織的なナレッジマネジメントを重視し、案件レビュー、情報共有会議、OJT等を通じて知見を組織内に蓄積し、組織能力の向上を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
D&Mカンパニーは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載されていません。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性役員数 | 1名 |
| 女性管理監督者数 | 4名 |
| 外国国籍者数 | 4名 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
D&Mカンパニーグループは、医療機関等に対する経営サポート事業を営んでいます。社会課題の解決と人々の願いを叶えることを理念とし、安心できる医療や穏やかな老後を暮らせる福祉の実現に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に医療機関や介護施設を顧客とし、F&I(ファイナンス&インベストメント)、C&Br(コンサルティング&ビジネスリノベーション)、HR&OS(人材&アウトソーシング)の3つのサービスを複合的に提供しています。顧客の課題を特定し、その解決策を実行するためにこれらのサービスを融合して提供することが特徴です。
F&Iサービスでは、診療・介護報酬債権等の譲渡に基づく資金支援、各種動産のリース、不動産活用型支援を提供しています。特に、将来発生する見込みの債権を積極的に買い取ることで、顧客の継続的な資金需要に対応しています。
C&Brサービスは、経営診断やコスト削減コンサルティング等で構成されています。債権買取を行う顧客に対し、経営改善を目的としたコンサルティングを実施し、事業再生における「ハンズオン」に相当する経営サポートを行っています。
HR&OSサービスでは、医療・介護事業者の経営層や管理者人材の紹介、事務系やヘルパー系人材の派遣、アウトソーシングの受託を行っています。外国人人材の紹介においては、登録支援機関として生活支援業務も受託しています。
同社グループは国内のみで事業を展開しており、海外からの売上高はありません。主要な顧客として、医療法人財団コンフォートと有限会社アメニティ・ライフ・エイドへの売上高が、連結売上高の10%以上を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期間にわたり増加傾向を示しています。直近の連結会計年度では、売上高は前期から増加しました。
経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も前期から増加しています。一方で、営業利益は前期から減少する結果となりました。これは、人材関連費用や管理体制強化のための業務委託費の計上が主な要因です。
| 項目 | 2022年5月期 | 2023年5月期 | 2024年5月期 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 9.3億円 | 11.1億円 | 11.9億円 | 15.0億円 | 16.2億円 |
| 経常利益 | 2.3億円 | 2.5億円 | 2.7億円 | 3.0億円 | 3.1億円 |
| 経常利益率 | 25.2% | 22.5% | 23.1% | 20.0% | 19.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.5億円 | 1.7億円 | 1.8億円 | 2.2億円 | 2.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 94.97 | 111.91 | 115.63 | 98.85 | 97.18 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、直近の連結会計年度で前期から増加しました。これは、従業員数の増加を上回る売上高の成長があったことを示しています。
一方、従業員1人あたりの営業利益は、前期から減少しています。これは、売上高の増加に対して営業利益の伸びが鈍化したことによるものです。
| 指標 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 22.8百万円 | 23.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.5百万円 | 4.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
D&Mカンパニーの財務状況を見ると、同社グループは現在、事業拡大に向けた投資を積極的に行っている段階にあることがうかがえます。資金の流れや財務基盤の状況から、その安定性と成長への取り組みを確認できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
D&Mカンパニーの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で22.1%となっています。これはプライム市場の非製造業平均24.2%と比較するとやや低い水準です。ROE(自己資本利益率)は当期で9.9%であり、プライム市場平均の9.4%を上回っています。手元資金である現金及び預金は当期で6.4億円を確保しており、前期から増加しています。これらの財務状況は、同社グループの事業運営の安定性を示す指標となります。
| 指標 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 21.2億円 | 23.5億円 |
| 自己資本比率 | 22.8% | 22.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 13.0% | 9.9% |
| 現金及び預金 | 5.8億円 | 6.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
D&Mカンパニーのキャッシュフローを見ると、当期における営業活動によるキャッシュフローは8.0億円の支出となりました。これは主に、主力であるF&Iサービスにおける取引拡大に伴い、買取債権の増加による支出があったためです。投資活動によるキャッシュフローは1.5億円の支出となっており、不動産活用型支援の開始に伴う有形固定資産の取得など、事業拡大に向けた投資が行われています。
財務活動によるキャッシュフローは11.1億円の収入となり、短期借入金の純増額などにより資金調達が行われました。結果としてフリーキャッシュフローは9.5億円のマイナスとなっています。同社グループは事業拡大局面であり、診療・介護報酬債権等の買取増額を進めており、これに伴う資金需要を金融機関からの借入れで賄っている状況です。これは、同社グループが成長に向けた投資を積極的に行っている段階にあることを示しており、今後の事業展開と雇用安定性に関わる重要な要素となります。
| 項目 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △70百万円 | △8.0億円 |
| 投資CF | △74百万円 | △1.5億円 |
| 財務CF | 2.5億円 | 11.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.4億円 | △9.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、医療法人財団コンフォートと有限会社アメニティ・ライフ・エイドへの売上高が連結売上高に占める割合が高い状況です。これらの取引関係が継続困難となった場合や大幅に減少する場合、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、厚生行政の見直しにより、取引先の経営成績に大きな影響を与える可能性があり、取引条件の見直しを余儀なくされる結果、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後の事業拡大及び提供するサービス多様化に対応するため、経験豊富な人材確保と多役化を一層進める方針です。しかし、人材マーケットの状況次第で、事業拡大に見合う人員確保と育成ができない場合、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
D&Mカンパニーは、社会課題の解決と人々の願いを叶えることを経営理念に掲げ、医療・介護・福祉分野の持続的発展に貢献することを目指しています。多様なサービスを通じて、より良い社会の実現に貢献する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
D&Mカンパニーは、「社会課題を解決し、人の願いを叶える」ことを企業理念としています。安心できる医療、穏やかな老後を暮らせる福祉、そして全ての世代が夢を持って生きられる仕組みを創り、より素晴らしい社会・世界の実現に貢献することを目指しています。同社グループは、「医療・福祉事業のより良い未来に貢献する」「日本のより良い未来に貢献する」「世界のより良い未来に貢献する」という3つのミッションを掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
D&Mカンパニーは、「お客様、投資家、私たち、そして社会」にとっての「四方良し」を考え抜き行動することを事業運営の方針としています。多様な個性や経験を持つ人材が継続的な成長と企業力を高めると認識しており、性別、年代、国籍等の多様性を重視した採用を推進しています。従業員が個性と意欲を発揮できる職場作りを目指し、給与改善や評価制度の拡充、スライド勤務、時短勤務、育児休業取得の促進を通じて、多様な働き方を支援する組織構築を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
D&Mカンパニーは、取引先を含む地域医療・介護・福祉のSDGsを意識した取り組みと寄付等を通じた社会への還元を重要な課題としています。地域関係施設・機関との連携強化を図り、社会インフラとしての地域医療・介護の安定的発展に積極的に貢献する方針です。また、今後の事業拡大とサービス多様化に対応するため、経験豊富な人材の確保と多役化を一層進めることを重点テーマとしています。さらに、外国人就労支援事業やアウトソーシングサービスの受託推進を図るべく、業種を超えたアライアンスに積極的に取り組み、新たな人材サービスの仕組みづくりを推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社グループは、株主総会、取締役会、経営会議、監査役会、会計監査人を設置し、リスクマネジメントとコンプライアンスを重視した体制で業務執行の適正性を確保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの筆頭株主はYSYであり、代表取締役社長である松下明義氏も上位株主の一人です。複数の個人株主も上位に名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| YSY | 34.53% |
| 松井 信博 | 5.23% |
| 松下 明義 | 4.56% |
| 上田八木短資 | 4.32% |
| イノベーション・エンジンPOC第2投資事業有限責任組合 | 3.60% |
なお、株式会社CARPE DIEMは2025年12月17日現在で115,200株を所有しており、株券等保有割合は5.04%となっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は松下明義氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 松下 明義 | 代表取締役社長 | 1991年住友銀行(現三井住友銀行)入行。2002年UNIDO入職。2003年シティバンクNA入行。2005年フレームワークス入社、経営企画部長。2005年パソナ入社、パソナフォーチュン(現パソナJOB HUB)常務取締役、2007年同社代表取締役。2015年UBS銀行入行。2015年同社設立、代表取締役社長より現職。 |
| 藤井 幹正 | 専務取締役 | 1967年住友銀行(現三井住友銀行)入行。1993年同行富田林支店長。1999年同行個人業務本部ファミリーバンキング営業部付部長。2001年同行コンシューマー営業部上席推進役。2003年エクセランド証券入社、大阪営業所長。2006年グレタアセット代表取締役。2007年グレタランド代表取締役。2010年エヌエスパートナーズ代表取締役。2015年同社顧問。2019年同社取締役。2020年同社専務取締役より現職。 |
| 南浦 佳孝 | 取締役 | 1999年近畿日本鉄道(現近鉄グループホールディングス)入社。2023年同社入社、管理部担当部長。2023年同社取締役より現職。 |
| 衣川 雄明 | 取締役 | 1990年大和銀行(現りそな銀行)入行。2021年りそなビジネスサービス入社。2023年同社入社。2025年同社営業本部審査部長。2025年同社取締役より現職。 |
社外取締役は、松吉三郎氏(トキ代表取締役)です。
社外監査役は、喜田仁志氏(粧美堂内部監査室長)、田川裕一氏(田川公認会計士事務所代表)、寺田明日香氏(N&T法律事務所共同代表)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役1名、社外監査役3名を選任しています。社外役員は、経営の監督機能や監査機能の強化を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬と業績連動報酬で構成されています。業績連動報酬は役員賞与として、連結の税金等調整前当期純利益の達成度合いや各取締役の貢献度を考慮して決定されます。社外役員には、業務執行から独立した立場を重視し、固定報酬のみが支給されています。役員退職慰労金制度は導入されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 90百万円 | 22.5百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 20百万円 | 4.9百万円 |
なお、取締役の業績連動報酬等の額の算定基礎として、連結の税金等調整前当期純利益が選定されています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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