※本記事は、株式会社シー・エス・ランバー の有価証券報告書(2026年5月期、2025年6月1日 ~ 2026年5月31日、2026年8月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
シー・エス・ランバーグループは、木材のプレカット加工、木造戸建住宅や一般建築物の建築請負、不動産賃貸を主な事業としています。住宅関連業界において、幅広いサービスを提供しています。
単体従業員数は209名、連結従業員数は320名です。事業セグメントはプレカット事業、建築請負事業、不動産賃貸事業、その他事業の4つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)(プレカット事業)、なのはなハウジング(建築請負・事業)、シー・エス・リアルエステート(その他事業)、シー・エス・不動産リース(不動産賃貸事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社シー・エス・ランバーは、木材事業を基盤に多様な収益源を追求し、持続的な成長を目指しています。同社グループは「人」を重要な経営資源と捉え、従業員の成長と働きがいを重視した人材戦略を推進しています。多様な人財の活躍を支援する制度や、働きやすい環境づくりにも積極的に取り組んでいる傾向が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数は8年となっています。このデータからは、比較的幅広い年齢層の従業員が在籍し、一定期間にわたってキャリアを築いている傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,932,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.0年 |
| 平均年齢 | 40.8歳 |
| 単体従業員数 | 209人 |
| 連結従業員数 | 320人 |
| 単体のグループ内比率 | 65.3% |
同社グループは、確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。この制度は同社及び一部の連結子会社に適用されています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
シー・エス・ランバーグループは、創業50周年(2032年)に向けた「シー・エス・ランバーVISION 2032」を掲げ、プレカット販売を基盤としつつ多様な収益源を創出する企業集団を目指しています。同社グループは「企業は人なり」という考えのもと、「未来を切り拓く力を育てる」ことを企業価値向上の源泉と位置づけています。
人材ビジョンに基づき、役割や能力、成果を重視した給与決定方針を採用しています。基本給は人事評価に応じた本給と加給で構成され、役職手当や職務手当、家族手当などの諸手当も規定に基づき支給されます。賞与は会社業績に連動する基本賞与と個人の成果・貢献度に応じた評価賞与の合算で、年2回支給される仕組みです。
同社グループは、次世代経営幹部の育成、人財確保と育成、若手の積極的登用、従業員の知識向上とスキルアップ、多能工の育成を推進しています。また、女性従業員や障がい者の活躍推進も重点テーマとしています。
多様な人財の活用を重視し、女性の管理的地位への登用や外国人の正社員採用、外国人技能実習生の受け入れを積極的に進めています。働きやすい環境づくりの一環として、労働時間の適正化、雇用形態による労働条件格差の是正、年次有給休暇の取得促進に取り組んでいます。在宅勤務制度の導入やサテライトオフィスの検討、障がい者や高齢者、外国出身者の採用も推進し、人財育成や労働安全衛生・メンタルヘルスにも注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務項目として選択しておらず、公表されていません。男女賃金差異は、等級ごとの性別構成比の差によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 86.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 80.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 84.8% |
多様性・登用
提出会社単体の任意開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 全社員に占める女性の割合 | 28.7% |
| 管理的地位にある労働者に占める女性の割合 | 10.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
シー・エス・ランバーは、木材のプレカット加工や建築請負、不動産賃貸などを手掛ける同社グループです。住宅関連事業を主軸に、多角的な収益源を構築しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、プレカット事業、建築請負事業、不動産賃貸事業、およびその他の事業を展開しています。これらの事業を通じて、住宅関連市場における多様なニーズに応えています。収益は主に、各事業における製品販売、工事請負、賃料収入から得られています。
プレカット事業
在来工法やツーバイフォー工法における木材のプレカット加工、パネル製造、製品販売、建て方工事の請負を行っています。機械加工による品質安定化、工期短縮、コストダウンをメリットとしています。
収益は、プレカット製品の販売や建て方工事の請負から得ています。
建築請負事業
木造戸建住宅や木造一般建築物の建築請負、建設工事の請負を行っています。組織体制を強化し、大手取引先を中心とした提案・受注活動を推進しています。
収益は、各種建築工事の請負から得ています。
不動産賃貸事業
事業用および居住用不動産の賃貸と管理を行っています。新たに賃貸物件を取得し、保育所やその他の賃貸施設から安定した賃料収入を維持しています。
収益は、保有する不動産の賃料収入から得ています。
その他の事業セグメント
戸建住宅の開発と分譲販売を行う不動産販売事業を区分しています。土地や木造注文住宅、建売住宅の販売を手掛けています。
収益は、土地や住宅の販売から得ています。
同社グループの事業は日本国内に集中しており、本邦以外の外部顧客への売上高はありません。
| セグメント | 売上高(2025年5月期) | 売上高(2026年5月期) |
|---|---|---|
| プレカット | 141億円 | 132億円 |
| 建築請負 | 51.4億円 | 55.9億円 |
| 不動産賃貸 | 11.2億円 | 13.4億円 |
| その他の事業セグメント | 3.6億円 | 2.1億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期間において売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに減少傾向を示しています。特に直近の当連結会計年度では、売上高が前期からわずかに減少した一方で、各利益は大きく減少しました。これは、住宅関連業界の低迷や建築資材・労務費の高騰、地政学リスクによる建材供給制約などが影響しています。
| 項目 | 2022年5月期 | 2023年5月期 | 2024年5月期 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 251億円 | 245億円 | 211億円 | 207億円 | 204億円 |
| 経常利益 | 40.3億円 | 31.8億円 | 20.8億円 | 16.8億円 | 10.0億円 |
| 経常利益率 | 16.0% | 13.0% | 9.9% | 8.1% | 4.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 27.7億円 | 22.4億円 | 14.4億円 | 11.6億円 | 6.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 1,508.43 | 1,212.03 | 776.11 | 625.99 | 374.69 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、当連結会計年度において前期からわずかに増加しました。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しています。これは、売上高の減少幅に比べて営業利益の減少幅が大きかったことが影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 63.0百万円 | 63.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.4百万円 | 3.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
シー・エス・ランバーグループの財務状況を見ると、本業で資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた投資を積極的に行っているフェーズにあることがわかります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回る水準にあります。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っています。現金及び預金は前期と同水準を維持しており、手元資金を確保している状況です。
| 指標 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 113億円 | 119億円 |
| 自己資本比率 | 41.9% | 39.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.7% | 6.0% |
| 現金及び預金 | 50.5億円 | 50.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
営業活動によるキャッシュフローは、本業で得られた資金の動きを示します。当期は税金等調整前当期純利益や減価償却費の増加要因があったものの、法人税等の支払額などにより、前期から減少しました。
投資活動によるキャッシュフローは、主に定期預金の預入や不動産賃貸事業における賃貸施設の新規取得による固定資産の取得により、資金を使用しています。前期と比較して使用額は減少しています。
財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入が増加要因となり、前期から獲得額が増加しました。フリーキャッシュフローはマイナスですが、前期と比較してマイナス幅は縮小しています。
同社グループは本業で資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた投資を継続している状況です。このような資金の流れは、事業拡大への意欲と、それに伴う雇用・給与の安定性への期待を示しています。
| 項目 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 21.6億円 | 18.4億円 |
| 投資CF | △55.5億円 | △46.1億円 |
| 財務CF | 15.9億円 | 19.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △33.9億円 | △27.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業は、住宅着工戸数の動向に大きく影響を受けます。景気動向や金利動向、税制変更などにより消費者の需要が低下した場合、経営成績に影響が生じる可能性があります。
また、扱う木材の多くを海外から輸入しているため、為替変動リスクや輸出国の情勢、国内外の住宅需要による原材料価格の変動が調達コストに影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、優秀な人材の確保と組織の活性化に努めています。しかし、計画通りに求める人材が確保できない場合、同社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
シー・エス・ランバーは、「木材を通じて顧客に満足いただける取引に徹する」という社是を掲げ、木造住宅資材の販売流通を通じて社会に貢献することを目指しています。顧客満足と会社の繁栄、社員の幸福を一致させることを経営理念としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
シー・エス・ランバーグループは、「Customer Satisfaction through Lumber」(木材を通じて顧客に満足いただける取引に徹する)を社是としています。経営理念として、木造住宅資材の販売流通を通して社会に貢献すること、顧客満足と会社の繁栄、社員の幸福を一致させることを掲げています。
また、数値に基づく行動と現場主義の徹底を行動原理としています。同社グループは、創業50周年を迎える2032年を見据え、「シー・エス・ランバーVISION 2032」を掲げ、プレカット事業を基盤としつつも、多様な収益源を創りながら事業の拡大・成長を続ける企業集団を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
シー・エス・ランバーグループは、経営理念として「数値に基づく行動と現場主義の徹底」を行動原理としています。サステナビリティの基本方針として、人権の尊重や地球環境への配慮を重要な経営課題と位置づけています。
多様な人財の育成と登用を推進し、人種、国籍、性別、年齢、障がいの有無などに関わらず、適性や能力を基準に採用を行っています。また、労働時間の適正化、雇用形態による労働条件格差の是正、年次有給休暇の取得促進、在宅勤務制度の導入など、多様な働き方を支援する環境整備にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
シー・エス・ランバーグループは、将来的な新設住宅着工戸数減少や労働力不足といった課題に対し、多角的な取り組みを進めています。環境問題や社会的ニーズに対応するため、サイディングプレカットの展開や「材工一体」でのサービス提供を通じて、新たな価値創造を目指しています。
建築請負事業では、都市部へのエリア拡大や、環境とデザイン性に配慮した大型木造非住宅施設の受注に注力しています。また、将来の経営幹部の育成、女性社員の活躍促進に向けた環境整備、社員の知識向上・スキルアップを図る教育態勢の構築にも取り組んでいます。リスク管理態勢の強化やグループ企業間の連携強化を通じて、企業価値の向上を図る方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
シー・エス・ランバーは監査役会設置会社として、独立性の高い社外役員を配置し、経営の監視機能と意思決定の適正性を確保する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
シー・エス・ランバーの筆頭株主は株式会社千代であり、同社グループの資本構成において重要な位置を占めています。上位株主には複数の個人株主も名を連ねており、特定の株主グループが経営に一定の影響力を持つ構造となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 千代 | 35.68% |
| INTERACTIVE BROKERS LLC (常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券) | 8.17% |
| 日本証券金融 | 4.64% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は中井千代助氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中井 千代助 | 代表取締役社長 | 1973年4月 ㈱中井材木店入社、1983年4月 ㈱千葉中井材木店(現 シー・エス・ランバー)設立、代表取締役社長就任。2007年12月 ㈱なのはなハウジング代表取締役就任、2011年7月 ㈱プロスト(現 シー・エス・ホーム)代表取締役就任、2022年6月 ㈱シー・エス・物流代表取締役就任、2026年2月 サンヨー建設㈱代表取締役就任より現職。 |
| 中井 俊輔 | 専務取締役 | 2009年4月 ユアサクオビス㈱入社、2016年7月 同社入社、2020年8月 ㈱シー・エス・マテリアル代表取締役就任。2022年8月 同社取締役就任、2025年8月 同社専務取締役就任より現職。 |
社外取締役は、石塚英一氏(弁護士)、熊切直美氏(元大東建託代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、独立性の高い社外取締役2名と社外監査役2名を含む体制で、経営の監視・牽制機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
シー・エス・ランバーの役員報酬は、固定報酬としての月額報酬と役員退職慰労金で構成されています。業績連動報酬としての役員賞与は現在まで支給されておらず、非金銭報酬等も採用していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 54百万円 | 17.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 8.6百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 9百万円 | 1.8百万円 |
なお、退職慰労金は当事業年度に計上した役員退職慰労引当金の繰入額及び戻入額を記載しています。また、使用人兼務取締役に対する使用人給与(賞与を含む。)は1,843千円です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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