※本記事は、株式会社アクシーズ の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アクシーズは、飼料製造から鶏肉加工、加工食品製造、外食まで一貫した事業運営体制を構築し、一般消費者に鶏肉を提供しています。同社グループは、鶏肉製造販売、加工食品製造販売、外食の各事業を展開しています。
単体従業員数は863名、連結従業員数は1,282名です。セグメントは食品、外食、エネルギーの3つです。
主な国内グループ会社は、アクシーズフーズ、アクシーズケミカル、錦江湾飼料(飼料の製造)、南九州畜産(肥育管理業務及び肥育施設の運営)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アクシーズは、持続可能な成長を目指し、多様な人材の活躍を重視する企業です。従業員が仕事と生活の調和を図りながら、最大限の能力を発揮できる職場環境の醸成に取り組んでいます。給与水準や働き方の具体的な指標から、同社グループの働きがいのある環境を読み解きます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
アクシーズでは、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い水準にあります。これは、同社が従業員の長期的なキャリア形成を支援し、安定した雇用環境を提供している傾向を示していると言えます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,916,352円 |
| 平均勤続年数 | 10.0年 |
| 平均年齢 | 42.9歳 |
| 単体従業員数 | 863人 |
| 連結従業員数 | 1,282人 |
| 単体のグループ内比率 | 67.3% |
同社グループは、確定給付型の退職給付制度を設けています(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)。この制度は、同社及び連結子会社に適用されます。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
アクシーズは、持続可能な企業成長の実現には多様な人材の採用・登用と育成が不可欠であると考えています。従業員を成長の重要な存在と位置づけ、仕事と生活の調和を図りながら最大限の能力を発揮できる職場環境と企業風土の醸成に取り組んでいます。
具体的には、性別等に関係なく能力と適性に基づいた採用を行い、障害者雇用や女性活躍の推進を確保するための組織運営を構築しています。管理職への登用においては、年齢、性別、社歴等で区別せず、全ての従業員が平等に機会を得られるような人事評価制度とキャリアプランを整備しています。
多様性の確保に向けた人材育成と社内環境整備に努めており、今後は事業範囲の拡大や多様化に連動して従業員を育成し、管理職として登用していく方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 42.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 70.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 73.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 79.9% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社アクシーズフーズ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 25.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 74.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 76.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 96.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アクシーズは、飼料製造から鶏肉加工、外食まで一貫した事業運営体制を構築し、一般消費者に鶏肉を提供している同社グループです。食品、外食、エネルギーの3つの事業セグメントを展開しており、多角的なビジネスモデルで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、飼料製造から種鶏飼育、雛生産、ブロイラー飼育、鶏肉加工、鶏肉加工食品製造、外食まで、グループ内での一貫した事業運営体制(インテグレーション)を構築しています。これにより、安全性が高く、消費者のニーズに適合した鶏肉を安定的かつ継続的に供給することを目指しています。
同社グループの事業は「食品」「外食」「エネルギー」の3つのセグメントで構成されており、特に食品事業が収益の大部分を占めています。
食品
当セグメントでは、直営の肥育施設で飼育されたブロイラーによる鶏肉の製造販売を主たる業務としています。無投薬飼育や直営肥育施設での飼育を基本とし、安全性の高い鶏肉を提供しています。また、鶏肉を原料とした唐揚、レバー煮込み、チキンナゲットなどの加工食品の製造販売も行っています。
収益は、鶏肉製造販売、加工食品製造販売、鹿児島産出のゼオライト製品やシラスバルーンの製造販売から得ています。運営は、アクシーズ、アクシーズケミカル、錦江湾飼料が行っています。
外食
当セグメントでは、日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社のフランチャイズ店舗を経営しています。当期は兵庫県内に新店舗を出店し、事業を拡大しています。
収益は、ケンタッキーフライドチキン店舗の運営による売上から得ています。運営は、アクシーズフーズが行っています。
エネルギー
当セグメントでは、再生可能エネルギーの供給を行っています。鶏の排泄物を持分法適用関連会社へエネルギー原料として供給し、発生した電気や蒸気を食品工場等で利用し、余剰電力は売電しています。
収益は、再生可能エネルギーの製造及び販売から得ています。運営は、アクシーズが行っています。
同社グループは本邦以外の外部顧客への売上高がなく、事業は国内に集中しています。主要な顧客としてフードリンク株式会社と株式会社ニチレイフレッシュがあり、これら顧客への売上は食品セグメントに集中しています。
| セグメント | 売上高(2024年6月期) | 売上高(2025年6月期) |
|---|---|---|
| 食品 | 217億円 | 222億円 |
| 外食 | 36.5億円 | 37.6億円 |
| エネルギー | 4.7億円 | 4.8億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は過去5期にわたり継続的に増加傾向を示しています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、一時的に減少した時期がありましたが、当期は前期から増加に転じています。
当連結会計年度においては、売上高は前期から増加し、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も前期比で大きく増加しました。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 212億円 | 217億円 | 241億円 | 258億円 | 264億円 |
| 経常利益 | 35.1億円 | 26.7億円 | 19.8億円 | 17.8億円 | 21.7億円 |
| 経常利益率 | 16.6% | 12.3% | 8.2% | 6.9% | 8.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 24.1億円 | 19.4億円 | 14.1億円 | 12.4億円 | 17.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 429.52 | 346.07 | 251.17 | 220.74 | 306.43 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に前期から増加しており、生産性が改善している傾向が見られます。これらの指標は、組織全体の効率性や収益創出能力の向上を示しています。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 19.6百万円 | 20.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.2百万円 | 1.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
アクシーズの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、投資活動も行いつつ、手元資金を確保している状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
アクシーズは強固な財務基盤を構築しており、高い自己資本比率を維持しています。自己資本比率はプライム市場平均(製造業46.8%・非製造業24.2%)を大きく上回る水準を示しています。これは事業の安定性を示す要素の一つです。
ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均(9.4%)を下回る水準となっていますが、手元資金である現金及び預金は増加傾向にあります。安定した財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる傾向があります。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 207億円 | 216億円 |
| 自己資本比率 | 84.8% | 86.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.1% | 8.1% |
| 現金及び預金 | 71.2億円 | 77.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
アクシーズのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは当期もプラスを維持しており、安定的に資金を生み出していることが分かります。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、主に有形固定資産の取得による支出によりマイナスとなっています。これは将来に向けた設備投資を積極的に行っている状況を示しています。その結果、事業活動で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出すフリーキャッシュフローはプラスとなっています。
財務活動によるキャッシュフローは、主に配当金の支払額によりマイナスとなっています。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定した収益を上げ、成長投資も行いつつ、健全な財務運営を維持していることを示しており、雇用や給与の安定性につながる傾向があります。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 37.3億円 | 29.2億円 |
| 投資CF | △21.8億円 | △17.2億円 |
| 財務CF | △5.8億円 | △5.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 15.5億円 | 12.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、鶏肉を主力製品としており、鶏肉や飼料原料の市況変動、為替変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、主要な販売先であるフードリンク株式会社と株式会社ニチレイフレッシュへの販売が総売上高の約40%を占めています。これらの企業の経営戦略が同社グループの業績に影響を及ぼす可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アクシーズは、日々の食生活に欠かせない食品を提供する企業として、良質な鶏肉の安定供給を通じて社会貢献を目指しています。食の安全と顧客ニーズへの対応を重視し、持続可能な成長を追求する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
アクシーズグループは、日々の食生活に欠かせない食品を取り扱う企業として、良質な鶏肉の安価かつ継続安定的な供給を通じて社会貢献を目指しています。同社グループの製品は、「安心して食べられ、健康に良いものであること」「鮮度が良く、美味しいものであること」「お客様に満足いただける価値を持っていること」「低価格で提供できること」「整然とした清潔な工場で造られていること」を基本方針としています。家内工業的な畜産業から近代産業としての食品業への進化を目指し、一貫した事業運営体制のもと、技術追求や設備投資により事業基盤の強化を図っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
アクシーズグループは、食の安心安全を基本に忠実な事業運営を行うとともに、常に変化する顧客ニーズに対応するため、良い品質を低価格で提供できるようスピード感を持った改善を重視しています。
サステナビリティへの取り組みとして、環境負荷の低減や廃棄物ゼロを目指す環境配慮、循環型社会の構築に貢献しています。
持続可能な成長のためには多様な人材の採用・登用と育成が不可欠と考えており、性別等に関係なく能力・適性に基づいた採用を行い、障害者雇用や女性活躍の推進に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
アクシーズグループは、中長期的な経営戦略として、製造・販売量の安定的拡大とともに、人材の確保と育成を重点テーマとしています。規模拡大を遂行する上で人材の確保と育成は不可欠であり、中途・新卒者ともに新規募集を強化し、採用後の教育体制の充実を図る予定です。
また、消費者に対する安全・安心への信頼を保証するため、品質管理体制の更なる発展に注力しています。食の安全を基本に忠実な事業運営を行いながら、顧客ニーズに対応した品質と低価格提供を実現するためのスピード感を持った改善も重要な課題としています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アクシーズは、監査等委員会設置会社として、効率的かつ透明性の高い経営体制を構築しています。取締役会と監査等委員会が業務執行の監査・監視を行い、経営会議で重要事項を迅速に決定する体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アクシーズの株主構成を見ると、有限会社照国興産が筆頭株主となっています。また、代表取締役社長である伊地知高正氏をはじめ、複数の個人株主が上位に名を連ねており、特定の株主グループが同社を支えている状況がうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社照国興産 | 10.68% |
| 伊地知 高正 | 8.95% |
| 伊地知 芳正 | 8.95% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は伊地知高正氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 伊地知 高正 | 代表取締役社長 | 2005年2月同社入社、2006年2月錦江湾飼料(株)代表取締役社長(現任)、2007年7月管理部長、2007年9月取締役、2009年9月専務取締役を経て、2017年9月より現職。 |
| 榊 茂 | 常務取締役 | 1977年4月同社入社、2001年9月取締役、2003年7月生産部長、2008年8月(株)アイエムポートリー代表取締役社長(現任)を経て、2017年9月より現職。 |
社外取締役は、山之内浩明氏(税理士法人れいめい代表社員・監査等委員)、新倉哲朗氏(弁護士法人和田久法律事務所代表社員・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役3名のうち2名が社外取締役です。社外取締役は、監査等委員として取締役会の意思決定の妥当性及び適正性を確保する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アクシーズの役員報酬は、役位、職責、在任年数、業績などを考慮した適正な水準を基本方針としています。報酬体系は、固定報酬としての基本報酬、賞与、そして退職慰労金で構成されています。基本報酬は月例の固定報酬として、賞与は業績を勘案して支給される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 35百万円 | 17.5百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.0百万円 |
| 社外取締役 | 1名 | 0百万円 | 0.0百万円 |
同社役員報酬の総額は41百万円であり、対象となる役員の員数は4名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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