【平均年収594万円】東洋ドライルーブ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

【平均年収594万円】東洋ドライルーブ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

東洋ドライルーブは、自動車機器や光学機器メーカーを主要顧客とし、ドライルーブ製品の開発・製造・販売、コーティング加工およびその技術指導をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は514名で、直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、東洋ドライルーブ株式会社 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、ドライルーブ製品の開発・製造・販売、自動車機器や電気・電子機器へのコーティング加工、およびその加工法の技術指導を主たる業務としています。自動車機器や光学機器メーカーを主要顧客とし、特に自動車機器向けのコーティング加工が増加しています。

単体従業員数は119名、連結従業員数は514名です。同社グループはドライルーブ事業の単一セグメントで事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、長野ドライルーブ、大分ドライルーブ、真永などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


特殊な技術を扱う専門企業として、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、東洋ドライルーブグループの給与水準や働き方は重要な要素となるでしょう。ここでは、同社グループがどのような給与体系を持ち、従業員がどのような環境で働いているのかを具体的に見ていきます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均年齢と勤続年数から、比較的長期にわたってキャリアを形成している人材が多い傾向が見られます。これは、安定した環境で専門性を深めたいと考える方にとって、働きやすさの一つの指標となるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 5,939,000円
平均勤続年数 15.0年
平均年齢 42.1歳
単体従業員数 119人
連結従業員数 514人
単体のグループ内比率 23.2%


同社は、退職金規程に基づく社内積立の退職一時金制度を設けており、確定給付型の退職給付制度を採用しています(確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です)。この制度は同社単体に適用されます。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、多様な人材が成長し活躍し続けることが企業価値向上に繋がると考え、人材の多様性確保、育成、社内環境整備に関する方針を掲げています。多様な人材を確保するため、新卒・中途・外国人社員など様々な経験を持つ人材を採用し、能力に応じた管理職や取締役への登用を進めています。

人材育成においては、従業員と会社が目標を共有し、成長を促す教育方針を策定しています。具体的には、部門ごとのスキルマトリクス作成によるスキル明確化や、OJTに加えて外部研修・通信教育への積極的な参加を通じて、継続的な人材育成に取り組んでいます。

また、社内環境整備では、ワークライフバランスの取れた安全・安心な職場環境を目指し、時間外労働時間の削減や年次有給休暇の取得促進に積極的に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

人材育成・エンゲージメント


これらの指標は、同社及び国内子会社を対象とした集計値です。

指標 数値
教育費用増加率(前年度比) 17%
受講講座数増加率(前年度比) 15%
教育費用増加率(2021年度比) 78%
受講講座数増加率(2021年度比) 72%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


東洋ドライルーブは、独自の技術を活かしたドライルーブ製品の開発から製造、販売までを一貫して手掛けています。自動車機器や光学機器など、幅広い分野の製品に機能性コーティング加工を提供し、産業の発展に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、ドライルーブ事業の単一セグメントで事業を展開しています。二硫化モリブデン、フッ素樹脂、グラファイトなどを主要成分とし、ポリアミドイミドやエポキシなどの樹脂系結合剤を溶剤中に均一に分散させる配合技術・分散技術を研究開発しています。これにより、潤滑耐久性、低摩擦性、非粘着性、電気的特性などの機能を持つ薄いフィルム状の強固な被膜を形成するドライルーブ製品を開発・製造・販売しています。

収益は、これらのドライルーブ製品の販売と、製品を自動車機器、光学機器、電気・電子機器、OA機器などの駆動伝達部へコーティング加工するサービスから得ています。特に、省エネや環境保全関連の技術革新が顕著な自動車機器向けのコーティング加工が増加傾向にあります。また、同社が独自に開発したコーティング設備を提供し、コーティング加工法の技術指導も行っています。

国内では東洋ドライルーブが製品の開発・製造・販売、コーティング加工、技術指導を行い、長野ドライルーブ、大分ドライルーブ、真永がコーティング加工を担っています。海外では、中国、タイ、ベトナムの子会社や関連会社がコーティング加工を行っており、海外での売上も存在します。当連結会計年度の為替差損益が悪化したとの記載があり、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


過去5期間の業績を見ると、売上高は変動が見られるものの、直近の当連結会計年度では増加に転じています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、売上高の増加に伴い堅調に推移している傾向が見られます。

項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期
売上高 63.8億円 36.7億円 38.7億円 47.0億円 51.9億円
経常利益 7.3億円 7.4億円 4.2億円 8.1億円 9.8億円
経常利益率 11.5% 20.2% 10.9% 17.2% 18.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 4.5億円 5.8億円 3.3億円 6.2億円 7.0億円
1株当たり当期純利益(円) 342.13 435.02 251.20 466.23 530.93

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、同社グループの生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、組織全体の収益を創出する力が強化されていることがうかがえます。これらの指標の改善は、効率的な事業運営と収益体質の強化を示唆しています。

指標 2024年6月期 2025年6月期
従業員1人あたり売上高(連結) 9.2百万円 10.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.3百万円 1.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務基盤と資金の流れから、現在の経営状況と将来に向けた投資の方向性を見ていきます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を大きく上回る水準にあります。これにより、外部環境の変化に対する耐性が高い状態を示しています。
一方、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。
手元資金である現金及び預金は前期から減少していますが、引き続き一定の規模を維持しています。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
純資産 96.0億円 104億円
自己資本比率 79.9% 80.8%
ROE(自己資本利益率) 6.7% 7.0%
現金及び預金 46.1億円 42.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは9.4億円のプラスとなっています。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費によるものです。
一方、投資活動によるキャッシュフローは△20.3億円のマイナスとなりました。これは主に定期預金の預入、有形固定資産の取得、投資有価証券の取得による支出が要因となっています。
その結果、フリーキャッシュフローは△10.8億円のマイナスとなり、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況を示しています。
財務活動によるキャッシュフローは△75百万円のマイナスで、長期借入れによる収入がある一方で、長期借入金の返済や配当金の支払いが行われています。
これらの資金の流れから、同社グループは本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来に向けた積極的な投資を行っている成長投資フェーズにあることがうかがえます。

項目 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
営業CF 14.0億円 9.4億円
投資CF △10.8億円 △20.3億円
財務CF △139百万円 △75百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) 3.2億円 △10.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの売上高は自動車関連業界への依存度が高く、その生産高やコーティング加工の採用点数の影響を大きく受ける傾向があります。
また、主要顧客である自動車関連機器業界や電気・電子部品業界は価格競争が激しく、販売価格が低減する可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、技術革新が著しい業界の顧客に対応するため、新技術の開発や既存製品の改良が不可欠です。
そのため、優秀な技術者や研究開発要員の確保・育成ができない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


東洋ドライルーブは、特殊な機能を持つ被膜「ドライルーブ」の開発を通じて、社会に貢献することを目指しています。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを重視し、多様な人材が活躍できる企業風土を醸成しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


東洋ドライルーブは、特殊な機能を持つ被膜「ドライルーブ」の開発を通じて、各産業界の製品機能拡充に向けたキーテクノロジーの提供に努めています。同社グループの製品は、摩擦摩耗抑止潤滑被膜、電気制御被膜、熱制御被膜など8分類のラインナップを揃えています。

同社グループは「省エネルギー」と「環境保全」に貢献し、「人々の安全で豊かな生活を支える」ことを会社経営の基本方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


東洋ドライルーブは、コンプライアンス規程に基づき、地球環境保全や人権尊重、多様性の尊重、公正な取引などを遵守しています。取締役会はサステナビリティ課題を経営に重要な影響を与えるものと認識し、積極的な取り組みを進めています。

同社グループは、新卒、中途、外国人社員など多様な経験・知見を持つ人材を採用し、能力に応じた管理職や取締役への登用を行っています。従業員と会社が目標を定め、スキルマトリクス作成やOJT、外部研修・通信教育を通じて継続的な人材育成に取り組んでいます。

また、ワークライフバランスの取れた安全・安心な職場環境を整備し、時間外労働時間の削減や年次有給休暇の取得を積極的に推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


東洋ドライルーブは、中長期の経営戦略として、事業構造の見直しと「省エネルギー」「環境保全」に関連した事業への取り組み強化を掲げています。

対処すべき課題として、技術革新への挑戦を重視し、配合設計技術と分散技術をコアとした新規製品開発を進めています。また、生産性の向上を目指し、AIやカメラ搭載ロボットの導入、IoT化、自動化を推進しています。

新規営業戦略とアジア・グローバル戦略の展開では、自動車市場の変化に対応した新機能製品の開発や新規分野の開拓に注力しています。海外および国内子会社との連携を強化し、アジア・アセアン市場の深耕を進めています。

さらに、環境への対応として、環境配慮型ドライルーブ製品の開発や製造・加工プロセスにおける環境負荷物質の低減に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


東洋ドライルーブは監査等委員会設置会社であり、取締役会が経営の重要事項を決定し、業務執行を監督する体制をとっています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


東洋ドライルーブの株主構成を見ると、代表取締役社長である飯野光彦氏が筆頭株主となっています。また、専務取締役の飯野光俊氏や飯野玲子氏など、創業家関係者が上位株主として名を連ねており、同社の経営を支える主要な存在であることがうかがえます。

株主名 持株比率
飯野 光彦 23.10%
飯野 光俊 8.40%
飯野 玲子 8.00%
スター・ライツ・クリエイト 7.80%
飯野 佐保里 5.30%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.0%です。代表取締役社長は飯野光彦氏が務めています。社外取締役比率は22.2%です。

氏名 役職 主な経歴
飯野 光彦 代表取締役社長 1978年4月同社入社、1992年8月同社代表取締役社長に就任。2004年8月昆山三民塗頼電子材料技術有限公司(現 昆山三民塗頼表面処理技術有限公司)董事長、2015年7月DRILUBE VIETNAM CO.,LTD.会長などを経て、2019年9月より同社代表取締役社長現職。
飯野 光俊 専務取締役 2009年4月同社入社、2012年10月DRILUBE(THAILAND)CO.,LTD.営業部門マネージャー。2017年9月同社取締役事業推進室長兼技術開発センター副センター長、2019年9月同社常務取締役などを経て、2022年9月より同社専務取締役現職。
梶田 哲二 常務取締役 1996年10月同社入社、2010年9月同社取締役愛知事業部長。2013年3月DRILUBE VIETNAM CO.,LTD.社長などを経て、2019年9月より同社常務取締役現職。
小林 昭仁 取締役 1996年11月同社入社、2009年3月同社群馬事業部副事業部長。2010年9月同社取締役群馬事業部長、2016年6月よりDRILUBE(THAILAND)CO.,LTD.社長現職。
武藤 和彦 取締役群馬事業部長 1995年7月同社入社、2009年3月同社技術開発センター長。2010年9月同社取締役技術開発センター長を経て、2020年7月より同社取締役群馬事業部長現職。
鈴木 茂生 取締役管理部長 2019年6月同社入社、同管理部長。2019年9月より同社取締役管理部長現職。


社外取締役は、山口秀巳氏(元国税庁東京国税局調査第二部長・監査等委員)、池本優子氏(佐藤新総合法律事務所弁護士・監査等委員)です。

東洋ドライルーブは監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役3名のうち2名が社外取締役で構成されています。社外取締役は独立役員として、客観的かつ中立的な立場から経営の監視機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


東洋ドライルーブの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。業務執行取締役には固定報酬としての基本報酬と業績連動報酬が支給され、社外取締役には基本報酬のみが支払われる構成です。業績連動報酬は連結営業利益の達成度合いに応じて算出されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 6名 1.2億円 20.8百万円
監査等委員(社外除く) 1名 17百万円 17.4百万円
社外役員 2名 4百万円 1.8百万円


なお、報酬等の総額は1.46億円であり、役員1人あたりの平均報酬は16.2百万円となっています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。