【平均年収641万円】キングジム 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年6月期)

【平均年収641万円】キングジム 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年6月期)

キングジムは、文具事務用品事業とライフスタイル用品事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は1,661名で、直近の業績は売上高が微減となったものの、経常利益と純利益は大幅な増加となりました。


目次

※本記事は、株式会社キングジム の有価証券報告書(2026年6月期、2025年6月21日 ~ 2026年6月20日、2026年9月16日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


キングジムは、電子製品、生活環境用品、ステーショナリーなどの企画・製造販売を行う文具事務用品事業と、家具、雑貨、時計、生活家電などの企画・販売を行うライフスタイル用品事業を展開しています。同社グループは、これら二つの事業を通じて幅広い製品を提供しています。

単体従業員数は350名、連結従業員数は1,661名です。セグメントは文具事務用品事業、ライフスタイル用品事業の2つです。

主な国内グループ会社は、ラドンナ、アスカ商会、ぼん家具、ウインセス(作業手袋等の製造・販売)、ライフオンプロダクツなどです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


キングジムグループは、文具事務用品やライフスタイル用品の事業を展開しており、安定した事業基盤を持つ企業です。人材育成や多様性を重視する方針を掲げており、従業員が長く活躍できる環境づくりに力を入れていることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢もバランスが取れている傾向にあります。これは、従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境が整っていることを示しています。

項目 数値
平均年間給与 6,411,396円
平均勤続年数 17.3年
平均年齢 41.4歳
単体従業員数 350人
連結従業員数 1,661人
単体のグループ内比率 21.1%


同社グループは、従業員の退職給付制度として、確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。これらの制度は、同社および一部の連結子会社に適用されています。

退職一時金制度も存在しますが、その支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付制度における退職給付債務は21.4億円、年金資産は41.6億円となっています。また、確定拠出制度への要拠出額は77百万円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


キングジムグループは、「独創的な商品を開発し、新たな文化の創造をもって社会に貢献する」という経営理念のもと、従業員を最も重要な経営資源であり成長の原動力と位置付けています。持続的な企業価値向上に向けて、人材への投資を強化しています。

賃金制度は、同社の業績および人事評価を反映し、従業員のモチベーション向上と組織の活性化を図ることを基本的な考え方としています。従業員の給与および手当は、各従業員に期待される役割と責任、人事評価結果、および職務上のグレードを勘案して決定されます。

第11次中期経営計画では、「人材育成」「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進」「従業員エンゲージメント向上」を重点テーマとして掲げています。具体的には、「人材育成・社内環境整備方針」に基づき、公正で公平な採用、チャレンジ精神の奨励、学習の機会と実践の場の提供、適正な人事評価、健康的な職場環境、ダイバーシティの推進、ワークライフバランスの向上に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単独の法定開示データです。男性育児休業取得率は、当該年度内の配偶者が出産した男性の人数に対する取得者の割合で算出されています。

指標 数値
女性管理職比率 18.6%
男性育児休業取得率 75.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 74.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 73.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 83.5%

人的資本・多様性に関する取り組み


有給休暇取得日数の実績集計期間は2025年6月16日から2026年6月15日までです。なお、これらの指標と目標は同社単体を対象としています。

指標 数値
女性管理職比率 18.6%
有給休暇取得日数 13.0日

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


キングジムは、文具事務用品とライフスタイル用品の二つの事業を展開しています。同社グループは、多様な製品の企画・製造・販売を通じて収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


キングジムグループは、文具事務用品事業とライフスタイル用品事業の二つの報告セグメントで事業を展開しています。同社グループは、電子製品、生活環境用品、ステーショナリーなどの企画・製造販売、および家具、雑貨、時計、アーティフィシャルフラワー、生活家電などの企画・販売を行っています。収益は主にこれらの製品の販売から得ています。

文具事務用品事業

この事業では、電子製品(テプラ、デジタル文具など)、生活環境用品(防災用品、ラチュナ商品など)、ステーショナリー(ファイル、スタイル文具など)の製造・企画・販売を行っています。収益は、これらの製品の販売から得ています。運営は、キングジム、PT.KING JIM INDONESIA、KING JIM (MALAYSIA) SDN.BHD.、錦宮(上海)貿易有限公司、KING JIM (VIETNAM) CO., LTD.、錦宮(香港)有限公司、錦宮(深圳)商貿有限公司が担っています。当連結会計年度では、ステーショナリーの価格改定効果や海外事業の売上が増加した一方で、生活環境用品の売上が減少しました。

ライフスタイル用品事業

この事業では、家具、キッチン雑貨、フォトフレーム、アロマ関連商品、時計、アーティフィシャルフラワー、生活家電、雑貨、ルームフレグランスなどの企画・販売を行っています。収益は、これらの製品の販売から得ています。運営は、ぼん家具、ラドンナ、アスカ商会、ライフオンプロダクツ、ウインセスが担っています。当連結会計年度では、ラドンナをはじめとするグループ会社の売上が堅調に推移したものの、ぼん家具の売上が低調に推移しました。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えています。主要な顧客としては、アスクルとエコール流通グループがあります。

セグメント 売上高(2025年6月期) 売上高(2026年6月期)
文具事務用品事業 252億円 249億円
ライフスタイル用品事業 145億円 142億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は概ね横ばいから微減の傾向にあります。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の当連結会計年度において大幅な増加を示しています。特に当連結会計年度では、売上総利益率と販売費及び一般管理費率の改善により、営業利益が大きく向上しました。

項目 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期 2026年6月期
売上高 366億円 394億円 396億円 396億円 391億円
経常利益 13.4億円 6.4億円 1.3億円 8.4億円 15.1億円
経常利益率 3.7% 1.6% 0.3% 2.1% 3.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 7.9億円 4.2億円 △3.2億円 4.2億円 10.0億円
1株当たり当期純利益(円) 27.69 14.72 △11.16 15.12 35.54

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から大きく向上しており、同社グループ全体の生産性が高まっている傾向が見られます。これは、売上総利益率の改善や販売費及び一般管理費率の低下が寄与していると考えられます。

指標 2025年6月期(前期) 2026年6月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 22.8百万円 23.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.3百万円 0.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


キングジムグループの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、強固な財務基盤を維持していることを示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループは、高い自己資本比率を維持しており、強固な財務基盤を示しています。これは、外部環境の変化に対する耐性があることを意味します。一方で、ROEはプライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金も潤沢に確保されており、事業運営の安定性につながる要素です。

指標 2025年6月期(前期) 2026年6月期(当期)
純資産 241億円 262億円
自己資本比率 67.5% 70.0%
ROE(自己資本利益率) 1.8% 4.0%
現金及び預金 68.3億円 68.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは増加しており、税金等調整前当期純利益や減価償却費が主な要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の売却による収入があった一方で、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出があり、資金の使用は減少しました。

財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純減額や長期借入金の返済による支出が主な要因となり、資金獲得から使用に転じています。結果として、フリーキャッシュフローは増加しており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している状況です。これは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた再投資の余力も確保していることを示しています。

項目 2025年6月期(前期) 2026年6月期(当期)
営業CF 14.7億円 21.1億円
投資CF △8.3億円 △5.5億円
財務CF 1.8億円 △18.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 6.4億円 15.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、デジタル化の進展によるペーパーレス化の影響で主力のファイル市場が縮小傾向にあることを認識しており、新たな商品開発への投資が市場に受け入れられない可能性をリスクとして挙げています。また、海外での生産や営業活動において、経済情勢や政治情勢の変動、法規制の改定、テロや戦争の勃発、感染症拡大などが事業に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、有能な人材の確保をめぐる競争激化や労働人口の減少により、必要な人材の獲得・確保ができない可能性をリスクとして認識しています。また、急激な円安や突発的な景気の変動によって採用数を抑えなければならなくなる可能性も挙げています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


キングジムは、約100年の歴史を持つ企業として、常に時代の変化を捉え、独創的な商品開発を通じて社会に貢献することを目指しています。仕事と暮らしを快適にする「あたらしさ」にこだわり、新たな価値提供を追求する企業文化を持っています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


キングジムは「独創的な商品を開発し、新たな文化の創造をもって社会に貢献する」ことを経営理念としています。約100年の歴史の中で、時代の変化を捉え、世の中にないものを作り続けてきました。2021年には「おどろき、快適、仕事と暮らし」というコーポレートメッセージを制定し、仕事と暮らしを快適にする「あたらしさ」にこだわり続けています。同社グループは、企業活動を通じて持続可能な社会の実現と持続的な発展を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


キングジムグループは、経営理念とサステナビリティの考え方に基づき、「独創的な商品の開発による社会貢献」「環境への配慮」「多様な人材の活躍推進」「ガバナンスの充実」をマテリアリティとして特定しています。同社グループは、従業員を会社の最も大切な資産かつ成長の原動力と捉え、「人材育成・社内環境整備方針」を定めています。この方針では、公正で公平な採用、チャレンジ精神の奨励、学習の機会と実践の場の提供、適正な人事評価、健康的な職場環境、ダイバーシティの推進、ワークライフバランスの向上を重視しています。特に、イノベーションへの挑戦や失敗を恐れない姿勢を高く評価する文化があります。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


キングジムグループは、DXの加速によるペーパーレス化で主力ファイル市場が縮小する中、ファイル依存の収益構造からの脱却を課題としています。第11次中期経営計画では「社会の変化の波をチャンスと捉え新たな成長へ」をテーマに掲げ、既存ビジネスの強化に加え、「サービス事業への展開」「ライフスタイル分野の拡大」「海外事業の強化」の3つの骨太の方針を推進しています。また、ファンとのコミュニケーション展開としてSNSとECを連動させたお客様中心のブランディング・商品づくりを進めています。人的資本経営においては、会社と社員が共に成長し、挑戦し続ける組織を目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


キングジムは監査役会設置会社として、公正かつ透明性の高い経営を目指しています。取締役の任期を1年とし、社外取締役の比率を高めることで、コーポレート・ガバナンス体制の強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


キングジムの株主構成を見ると、筆頭株主は東京中小企業投資育成株式会社であり、機関投資家や信託銀行が上位に名を連ねています。同社の資本構成は、特定の創業家や事業会社が突出して高い比率を占める形ではなく、多様な株主によって支えられている傾向が見られます。また、従業員持株会も上位株主の一つとして存在しています。

株主名 持株比率
東京中小企業投資育成 7.52%
三井住友銀行 4.64%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 4.52%
キングジム第一共栄持株会 3.75%
三菱UFJ銀行 3.41%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性7名・女性5名)で構成され、女性役員比率は41.66%です。代表取締役社長社長執行役員兼CEO兼開発本部担当は木村美代子氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
木村 美代子 代表取締役社長社長執行役員 兼 CEO 兼 開発本部担当 1988年プラス入社、アスクルで取締役CMO執行役員などを歴任。2022年9月同社取締役常務執行役員開発本部長、2024年9月同社代表取締役社長社長執行役員兼CEO兼開発本部長、2025年6月より現職。
原田 伸一 取締役専務執行役員経理財務本部長 兼 CFO 兼 海外事業本部長 兼 海外販売系子会社担当 兼 総務部担当 1984年東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、三菱東京UFJ銀行(中国)上海支店副支店長、ドイツ総支配人などを歴任。2014年9月同社取締役管理本部長、2023年9月取締役専務執行役員管理本部長兼CFO、2026年6月より現職。
亀田 登信 取締役常務執行役員 1985年同社入社後、電子文具事業推進部長、開発本部長などを歴任。2014年9月取締役開発本部長、2020年9月取締役常務執行役員開発本部長、2026年6月より現職。
宮本 彰 取締役会長 1977年同社入社後、常務取締役、専務取締役を経て、1992年4月代表取締役社長に就任。2024年9月より現職。


社外取締役は、垣内惠子氏(髙木総合法律事務所弁護士・アミューズ社外取締役)、岩城みずほ氏(オフィスベネフィット代表・MZ Benefit Consulting代表取締役)、平木いくみ氏(東京国際大学商学部教授)、倉島薫氏(元味の素専務執行役員・物語コーポレーション社外取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役が取締役会に出席し、専門的な立場から業務執行を監督することで、経営の透明性と健全性を確保しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


キングジムの役員報酬は、取締役(社外取締役を除く)に対して基本報酬、業績連動報酬としての賞与、そして株式報酬で構成されています。社外取締役および監査役は、その役割に鑑み、固定報酬である基本報酬のみが支給されています。業績連動報酬の賞与はROEを指標とし、中長期的な企業価値向上への貢献意欲を高めることを目的としています。株式報酬も同様に、譲渡制限付株式として支給され、企業価値向上への意識付けを図っています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 1.7億円 34.8百万円
監査役(社外除く) 1名 18百万円 18.3百万円
社外役員 8名 30百万円 3.8百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。