【平均年収568万円】三ツ知 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

【平均年収568万円】三ツ知 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

三ツ知は、冷間鍛造をコア技術とし、自動車部品のカスタムファスナー製造・販売をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は469名で、日本、米国、タイ、中国、インドとグローバルに事業を展開。直近期は売上高が減少し、利益も大きく減少し、純利益は損失となりました。


目次

※本記事は、株式会社三ツ知 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


三ツ知グループは、自動車部品のカスタムファスナー製造・販売を主たる業務としています。自動車用部品の車体向けを中心に、シート用やウインドウレギュレーター用などの機能部品を手掛けています。冷間鍛造をコア技術とし、生産性向上と製品の高付加価値化に取り組んでいます。

単体従業員数は182名、連結従業員数は469名です。セグメントは日本、米国、タイ、中国の4つです。

主な国内グループ会社は、当社、冷間鍛造技術をコアとしたカスタムファスナーの主力生産拠点、自動車カスタムファスナーの製造拠点、金型加工技術をコアとした精密機械金型の製造・販売拠点などです。

同社グループは、第63期よりMitsuchi India Pvt. Ltd.を新規設立し、連結の範囲に含めています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社三ツ知は、製造業として安定した事業基盤を持つ企業です。従業員の定着を重視し、働きやすい環境づくりに力を入れていることがうかがえます。

同社グループはグローバルに事業を展開しており、多様な人材が活躍できる環境を目指しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数と平均年齢から、従業員が比較的長く在籍し、安定したキャリアを築いている傾向が見られます。経験豊富な人材が多数活躍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,680,760円
平均勤続年数 12.8年
平均年齢 42.8歳
単体従業員数 182人
連結従業員数 469人
単体のグループ内比率 38.8%


同社グループは、確定給付型と確定拠出型の両方の退職給付制度を採用しており、国内連結子会社も退職一時金制度を導入しています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、当連結会計年度における退職給付債務は4.8億円、年金資産は4.0億円となっています。確定拠出制度への要拠出額は17百万円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、人的資本が持続的な成長を行う上で重要かつ必要不可欠であると認識し、多様な人材が最大限に能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでいます。会社が社員に期待する人材像(知識・スキル・役割)を明確にしたうえで、会社への貢献度に応じて評価、処理、配置を行うことで、社員の成長を促進し、会社の継続的な発展につなげることを目的としています。

人財育成においては、積極的な学びを促す仕掛けと組織的フィードバックにより、自律・自走社員を育む土壌を構築しています。具体的には、教育システムを利用した階層別教育の実施や、外部教育と内部教育のコラボレーションを図っています。

キャリア人財の採用と登用にも力を入れており、高い専門性を持つキャリア採用を積極的に推進しています。ダイバーシティ&インクルージョンの取組も推進しており、性別・年齢/性的指向・国籍・宗教等を問わず、全ての人が能力を発揮して活躍できるよう、取組みの整備や支援体制の充実に努めています。

社内環境整備としては、安全・安心で労務災害のない健康で働き甲斐のある環境づくりを推進しており、安全衛生委員会による各種活動や、ハラスメント教育の実施にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、女性管理職比率、男性育児休業取得率、男女賃金差異は記載を省略しています。提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

人財育成・社内環境整備への取組


男女別中途採用の実績および有給休暇の取得率は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の規定に基づき算出されています。

指標 数値
男女別中途採用の実績(男性) 15名
男女別中途採用の実績(女性) 4名
男女別中途採用における女性の割合 21.0%
有給休暇の取得率(2024年度実績) 81.8%
有給休暇の取得率(2029年度目標) 90%以上

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


三ツ知は、自動車部品に特化したカスタムファスナーの製造・販売を主軸とする企業です。冷間鍛造をコア技術として、自動車のシート用部品、ウインドウレギュレーター用部品、ロック用部品といった機能部品を中心に提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、自動車部品メーカーを主要な取引先として、自動車関連業界の動向と密接な関係を持ちながら事業を展開しています。収益は主に自動車用部品の製造・販売から得ており、得意先のニーズに対応するため、生産性の向上と製品の高付加価値化に注力しています。特定の外部顧客への売上高が連結損益計算書の10%を占めることはありません。

同社グループは、日本、米国、タイ、中国、インドの5つの地域を報告セグメントとして事業を展開しています。各現地法人が独立した経営単位として、それぞれの地域で事業活動を行っています。

日本

日本セグメントは、同社グループの主要な事業拠点であり、自動車用部品の製造・販売を行っています。当連結会計年度においては、得意先からの受注が減少し、売上高は減少傾向にあり、営業損失を計上しました。

米国

米国セグメントも自動車用部品の製造・販売を担っています。得意先の生産調整により受注が減少し、売上高は減少しました。その結果、営業損失となりました。

タイ

タイセグメントは、得意先からの受注が増加したことにより、売上高は増加しました。経費削減に努めた結果、営業利益を確保しています。

中国

中国セグメントは、得意先からの受注が減少し、売上高が大きく減少しました。この結果、営業損失を計上しています。

インド

インドセグメントは、当連結会計年度に現地法人を新規設立し、報告セグメントに追加されました。

セグメント 売上高(2024年6月期) 売上高(2025年6月期)
日本 89.6億円 83.5億円
タイ 22.5億円 23.6億円
米国 15.3億円 14.4億円
中国 4.1億円 2.6億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、当連結会計年度は売上高が前期から減少しました。利益面では、営業利益、経常利益ともに前期から大きく減少しています。親会社株主に帰属する当期純利益は損失に転じており、固定資産の減損損失(のれんを含む)が特別損失として計上されたことが影響しています。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは収入を確保しており、本業からのキャッシュ創出力は維持されていますが、前期からは減少しています。

項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期
売上高 138億円 124億円 126億円 131億円 124億円
経常利益 6.2億円 5.4億円 1.4億円 6.4億円 1.7億円
経常利益率 4.5% 4.3% 1.1% 4.8% 1.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 4.2億円 4.0億円 △32百万円 4.2億円 △1.2億円
1株当たり当期純利益(円) 82.15 78.11 △6.37 82.83 △23.45

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当連結会計年度において前期からわずかに減少しました。従業員1人あたり営業利益(連結)は、当連結会計年度に前期から大きく減少しており、これは当期の営業利益が減少したことによる影響を示しています。これらの指標は、同社グループの生産性が前期と比較して低下傾向にあることを示しています。

指標 2024年6月期 2025年6月期
従業員1人あたり売上高(連結) 26.6百万円 26.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.9百万円 0.2百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


財務の安定性は、企業の持続的な成長と従業員の雇用環境に深く関わっています。同社グループの現在の財務状況と資金の流れから、その安定性を確認します。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は、前期からわずかに増加し、高い水準を維持しています。これは、財務基盤が安定していることを示しています。ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスとなりましたが、前期はプラスでした。手元資金である現金及び預金は、前期から増加しています。これらの状況は、同社グループが安定した財務基盤を維持していることを示しています。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
純資産 99.8億円 96.5億円
自己資本比率 60.7% 60.8%
ROE(自己資本利益率) 4.4% -1.2%
現金及び預金 45.1億円 49.5億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費や売上債権、棚卸資産の減少による資金増があった一方で、法人税等の支払額による資金減があり、収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入があったものの、定期預金の預入や有形固定資産の取得による支出があり、支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増減による資金増があったものの、長期借入金の返済、自己株式の取得、配当金の支払額による資金減があり、支出となっています。

営業活動によるキャッシュ・フローがプラスである一方で、投資活動によるキャッシュ・フローがマイナス、フリーキャッシュ・フローもプラスとなっています。これは、本業で得た資金を投資に充てつつ、なお余剰資金がある状態を示しています。この資金状況は、同社グループが事業活動で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、財務的な余力も維持していることを示しています。

項目 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
営業CF 13.2億円 8.9億円
投資CF △5.1億円 △5.2億円
財務CF △9.9億円 △3.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 8.1億円 3.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、自動車部品に係る車体部品の製造・販売を主な事業としており、自動車部品に係る売上高の割合が高い傾向にあります。そのため、国内外の自動車生産台数やモデルチェンジ、納入価格の変動が経営成績に影響を与える可能性があります。また、主要販売先である自動車部品メーカーの海外展開に伴い、同社グループも海外市場での事業展開を進めており、為替相場の変動や景気動向、法律・規制の変更、政治・経済状況の変化などのリスクが内在しています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、海外市場展開において人財の採用確保の難しさをリスク要因として認識しています。これは、グローバル化の推進において、適切な人材の確保と育成が重要な課題であることを示しています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


三ツ知は、冷間鍛造技術を基盤に持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。未来をつなぐ技術と人財を重視し、変化する社会に対応する企業風土を醸成しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


三ツ知グループは、「未来を『つなぐ』技術で世界中の人と想いを『つなぐ』」を経営理念として掲げています。創業以来培ってきた冷間鍛造技術と品質保証体制を基盤に、自動車産業をはじめとする幅広い分野に信頼性の高い製品を提供し、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。

また、持続的成長と企業価値向上のため、生産性向上と収益力強化、新たな需要への対応を見据えた技術開発、設備投資、環境負荷低減や人材育成などサステナビリティ経営を重点課題として取り組んでいます。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


三ツ知グループは、サステナビリティに関する課題対応を経営戦略の重要な要素と認識し、中長期的な課題について議論を行っています。毎月開催される中期経営計画フォロー会議でリスクを識別し、対応策を協議することで、企業価値向上に努めています。

「人的資本」をグループの持続的な成長に不可欠と捉え、多様な人財が能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでいます。人財像を明確にし、貢献度に応じた評価・配置で社員の成長を促進する人事制度を導入しています。

また、積極的な学びを促す教育システムや、性別・年齢・国籍等を問わず全ての人が活躍できるダイバーシティ&インクルージョンの推進にも力を入れています。安全・安心で働きがいのある環境づくりを推進し、ハラスメント教育も実施しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


三ツ知グループは、経営環境の変化に対応するため、いくつかの重点実施項目に取り組んでいます。海外事業の最適化として、インドでの新会社設立や量産体制確立、タイでの大型設備投資による新規受注品立ち上げ、米国での新規基軸商権獲得、中国での経営スリム化を進めています。

新規事業の領域拡大では、自社開発特殊ファスナーの用途拡大や新規顧客獲得、新たな事業開拓に向けた情報収集を行っています。デジタル化を推進し、新基幹システムの稼働による間接業務の合理化や、製造現場の見える化からDX化を推進しています。

人財戦略では、従業員個人のスキルアッププランの立案・実施、グローバル人財の計画的な育成、社員のエンゲージメント向上を目的とした人事評価制度の見直しを開始しています。ESG経営への取り組みも強化しており、CN推進チームを中心にカーボンニュートラルに能動的に取り組み、地域社会に愛される企業を目指した活動を行っています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


三ツ知は、取締役会の構成とガバナンス体制を通じて、経営の透明性と健全性を確保しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


三ツ知の株主構成を見ると、筆頭株主は名古屋中小企業投資育成であり、機関投資家が主要な支援者となっています。また、複数の個人株主が上位に名を連ねており、特に「箕浦」姓の株主が複数確認できることから、創業家や関連する個人が一定の資本を保有していることがうかがえます。

株主名 持株比率
名古屋中小企業投資育成 17.16%
野田 正英 5.90%
箕浦 義彦 4.50%
箕浦 智康 4.45%
箕浦 仁 4.43%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は下元守氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
下元 守 代表取締役社長 1995年4月同社入社、株式会社三ツ知部品工業代表取締役社長などを経て、2023年9月同社取締役工場長に就任。2024年9月より現職。
村越 康幸 取締役 1985年4月同社入社、株式会社三ツ知製作所代表取締役社長などを歴任。2017年9月同社取締役総務部長を経て、2023年10月より現職。
遠藤 信幸 取締役 1996年4月株式会社阪村機械製作所入社、2023年2月同社技術部長。株式会社三ツ知製作所代表取締役社長などを経て、2025年7月より現職。
國田 真吾 取締役 1994年4月同社入社、Thai Mitchi Corporation Ltd.取締役社長、Mitsuchi Corporation of America取締役社長などを歴任。2025年9月より現職。


社外取締役は、澤田由香氏(ケイパビルド代表取締役)、東野繁幸氏(東野繁幸税理士事務所所長・監査等委員)、小川洋子氏(弁護士法人TRUTH&TRUST代表社員・監査等委員)です。

同社は、2015年9月29日より監査等委員会設置会社に移行しています。これにより、取締役会の監督機能が強化され、独立した立場からの経営監視が行われています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


三ツ知の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして設計されています。業務執行取締役の報酬は、基礎的役員報酬(固定報酬)、業績連動役員報酬、役員賞与、譲渡制限付株式報酬で構成されています。一方、監督機能を担う社外取締役には基礎的役員報酬のみが支給される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 1.0億円 20.2百万円
監査等委員(社外除く) 1名 24百万円 24.3百万円
社外役員 3名 4百万円 1.2百万円


月例報酬の支給割合は、基本報酬が85~90%、業績連動報酬が10~15%となっています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。