※本記事は、西川計測株式会社 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
西川計測は、制御・情報機器システム、計測器、理化学機器、産業機器などの商品販売に加え、エンジニアリング、ソフトウェア製作、計装工事、保守サービスを一貫して提供しています。横河電機などの代理店として、主要商品の仕入れも行っています。
単体従業員数は403名です。同社のセグメントは単一です。
西川計測は、制御・情報機器システム、計測器、理化学機器、産業機器などの商品販売から、エンジニアリング、ソフトウェア製作、計装工事、保守サービスまでを一貫して手掛けています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
西川計測は、計測制御機器や理化学機器などの電子応用機器の販売と、それに付随するエンジニアリング業務を専門とする企業です。専門性の高い技術分野で事業を展開しており、社員の成長を重視する企業理念を掲げています。このような事業特性から、安定した環境で専門性を高めながらキャリアを築ける可能性があります。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が40代前半、平均勤続年数が15年を超えており、比較的長く勤める従業員が多い傾向が見られます。これは、同社が安定した環境でキャリアを築ける可能性を示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 10,880,000円 |
| 平均勤続年数 | 16.9年 |
| 平均年齢 | 42.3歳 |
| 単体従業員数 | 403人 |
同社は、確定給付型の退職一時金制度と確定拠出年金制度を採用しています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は8.4億円、年金資産は8.0億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
西川計測は、人材を「人財」と位置づけ、最も重要な経営資源であると考えています。社員の成長なくして企業価値の向上は困難であるとの認識のもと、多様な価値観を持つ社員の主体性や創造性を重視し、一人ひとりの適性と目標に合わせた成長機会の提供と組織強化を推進しています。
具体的には、多様性の推進として女性の活躍が不可欠であると認識しており、女性管理職への登用が十分ではない現状を踏まえ、育児・介護休業や勤務時間の短縮を取得しやすい環境整備に努めています。また、働き方改革として快適な職場環境や健康管理体制の整備・維持向上、社内DXの推進による業務効率化にも取り組み、従業員のエンゲージメントレベル向上を目指しています。初任給や昇給率において男女差は設けていない方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 1.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 73.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 66.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 64.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 64.4% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 1.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異 | 66.0% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 73.0% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者の有給取得率 | 70.3% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
西川計測は、制御・情報機器システムや計測器、理化学機器、産業機器などの販売から、それに付随するエンジニアリングや保守サービスまでを一貫して提供する企業です。幅広い産業分野の顧客に対して、技術とソリューションを提供することで事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
西川計測は、制御・情報機器システム、計測器、理化学機器、産業機器・その他の商品販売を主軸としています。これらの商品販売に加え、エンジニアリング、ソフトウエア製作、計装工事、保守サービスを一括して提供することで、顧客の多様なニーズに応えています。
同社は横河電機、横河ソリューションサービス、アジレント・テクノロジーの代理店として、主要な商品を仕入れています。特にシステム販売分野では、機械設備や計装工事などをエンジニアリング・工事会社に発注し、製作・施工を行っています。
同社の事業セグメントは単一ですが、商品の品目別に見ると、制御・情報機器システム部門はライフライン関連の設備更新や半導体関連企業の設備投資需要が順調に推移し、販売実績が増加しています。計測器部門も半導体業界の在庫調整の正常化や通信・自動車関連の投資需要拡大により、販売実績が伸びています。
理化学機器部門は半導体、化学、石油関連の研究開発投資需要が継続しているものの、販売実績は減少傾向にあります。産業機器・その他部門は自動車関連企業における次世代モビリティ開発に向けた投資需要が継続し、販売実績が増加しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期から増加しています。特に売上高は前期に比べて大きく伸びており、それに伴い各利益も堅調に増加する結果となりました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたりの売上高は、当期において一定の水準を示しています。この数値は、同社が従業員一人あたりでどの程度の売上を生み出しているかを示す指標であり、事業活動の効率性を測る上で重要です。
| 指標 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 96.1百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、本業で安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も行っている状況です。財務基盤は強固であり、安定した事業運営が期待されます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均を上回る水準であり、安定性が高いことを示しています。ROEもプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金も十分に確保されており、事業の継続性や将来の成長投資に向けた余力がある状況です。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 182.7億円 | 204.8億円 |
| 自己資本比率 | 57.9% | 60.4% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 13.8% |
| 現金及び預金等 | 102.7億円 | 96.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は、本業の営業活動で安定的に資金を生み出しています。当事業年度の営業活動によるキャッシュフローは28.0億円の収入となり、税引前当期純利益の計上や契約負債の増加などが主な要因となっています。これは、同社が事業を通じて着実に利益を現金として獲得できている状況を示しています。
投資活動によるキャッシュフローは△24.5億円の支出となっており、投資有価証券の取得や長期預金の預入など、将来に向けた投資を積極的に行っていることがうかがえます。本業で得た資金を成長のための投資に回しつつ、フリーキャッシュフローもプラスを維持していることから、財務的な健全性を保ちながら事業拡大を図っている状況です。このような資金の流れは、同社の安定した事業運営と将来的な成長への期待につながるものとなっています。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 15.9億円 | 28.0億円 |
| 投資CF | △6.6億円 | △24.5億円 |
| 財務CF | △5.5億円 | △10.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 9.3億円 | 3.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、主要販売先上位10社で売上全体の約30%を占めており、ライフライン関連の設備投資減少や更新計画の延期が受注活動に影響を与える可能性があります。また、主要仕入先である横河電機株式会社グループからの仕入額が全仕入の約30%を占めており、同グループの製品競争力低下や代理店契約の変更が業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、最先端技術や厳格化する品質基準に対応できる技術者の確保と育成が不可欠であると認識しています。これらの人材確保や育成ができない場合、顧客ニーズへの適切な対応ができなくなり、同社の信頼性や業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
西川計測は、「みんなで良くなろう」という企業理念を掲げ、計測・制御・理化学のエンジニアリングを基盤に、社会貢献と顧客・取引先・株主・社員の発展を目指しています。同社は、変化する経営環境に対応しながら、持続的な成長と企業価値向上を追求する企業風土を持っています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
西川計測は、「みんなで良くなろう」という企業理念を掲げています。同社は、計測・制御・理化学のエンジニアリングを基盤とし、上下水道などの公共事業体をはじめ、エネルギー、化学、食品、薬品、自動車、半導体、サービスといった幅広い産業の発展に貢献しています。
これにより、顧客、取引先、株主、そして社員が共に良くなることを目指しています。事業経営においては、法令や社会規範を遵守し、企業倫理に則った公正かつ適切な経営を通じて、企業の社会的責任(CSR)を果たすことを方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
西川計測は、「みんなで良くなろう」という企業理念を核に、顧客、取引先、株主、社員のすべてが良くなることを目指す価値観を大切にしています。同社は、計測・制御・理化学のエンジニアリングを基盤として、社会の発展に貢献することを重視しています。
事業経営においては、法令や社会規範の遵守、企業倫理に則った公正な経営を徹底し、企業の社会的責任を果たすことを行動規範としています。また、人材を「人財」と捉え、社員一人ひとりの成長を企業価値向上の源泉と位置づけ、多様な価値観を尊重し、主体性と創造性を育む企業風土を醸成しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
西川計測は、新中期経営計画「Strong & Expanding 2025」で策定した基本戦略を着実に推進することを重要な経営課題と位置づけています。特に、経営基盤の強化と推進においては、ESG(環境・社会・ガバナンス)およびSDGs(持続可能な開発目標)への寄与を最重視した経営を行い、社会に必要とされる会社を目指しています。
また、DX、IoT、AIといった先進技術を独自の付加価値として提供し、顧客経営のためのソリューションビジネスを強化することも重点テーマの一つです。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
西川計測は、取締役会と監査等委員会を設置する体制で、経営の意思決定と監督機能を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
筆頭株主は横河電機であり、事業会社が同社の主要な株主となっています。その他、投資会社や創業家関係者、社員持株会などが上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 横河電機 | 13.06% |
| 株式会社UH Partners2 | 7.53% |
| 光通信 | 7.44% |
| 株式会社UH Partners3 | 7.34% |
| 西川 徹 | 7.12% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は-です。代表取締役社長は田中勝彦氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 田中 勝彦 | 取締役社長(代表取締役) | 1977年4月同社入社、2004年9月取締役エンジニアリング統括本部長、2013年7月より現職。 |
| 赤塚 雅賢 | 専務取締役技術ソリューション統括本部長(代表取締役) | 1995年4月ワイエヌシステム株式会社(現同社)入社、2020年9月取締役VAソリューション本部長、2025年7月より現職。 |
| 須田 真 | 取締役 | 1987年4月同社入社、2018年9月取締役公共営業本部長兼営業統括本部室長、2025年7月より現職。 |
| 福山 貴弘 | 取締役営業統括本部長兼首都圏営業本部長兼営業統括本部室長 | 1995年4月同社入社、2022年9月取締役首都圏営業本部長兼営業統括本部室長、2025年7月より現職。 |
| 後藤 靖文 | 取締役コーポレート本部長 | 2008年4月株式会社アイロムホールディングス(現株式会社アイロムグループ)入社、2015年7月同社入社、2021年9月より現職。 |
社外取締役は、野田謙二氏(野田総合法律事務所パートナー弁護士)、熊澤賢一氏(MAACパートナーズ代表取締役)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能を強化しています。社外取締役が過半数を占める監査等委員会により、客観的かつ中立的な経営監視機能が確保されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬(固定報酬)、業績連動報酬(短期インセンティブ報酬)、株式報酬(中長期インセンティブ報酬)の3種類で構成されています。これにより、持続的な成長と企業価値向上へのインセンティブを高めることを目指しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 4.3億円 | 86.1百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 16百万円 | 15.8百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 10百万円 | 5.1百万円 |
役員報酬の総額は4.57億円であり、対象となる役員の合計人数は8名です。
個人別報酬が開示されている役員は、田中勝彦氏(1.18億円)です。
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