※本記事は、株式会社アルペン の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アルペンは、スポーツ用品の販売および製造を主たる事業としています。1972年の設立以来、「アルペン」「ゴルフ5」「スポーツデポ」「アルペンアウトドアーズ」など多岐にわたる業態を展開し、全国で事業を展開しています。
単体従業員数は2,896名、連結従業員数は3,257名です。同社グループの事業セグメントは小売事業とその他の2つです。
主な国内グループ会社は、アルペンリゾート(ゴルフ場の経営)、エス・エー・ピー(不動産仲介・損害保険代理業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アルペンは、スポーツ用品小売事業を主軸とする同社グループにおいて、従業員の働きがいと成長を重視する企業文化を醸成しています。多様な人材が活躍できる環境整備に力を入れており、個人のキャリアアップを支援する方針が示されています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
アルペンでは、従業員の平均勤続年数が比較的長く、安定してキャリアを築ける環境がうかがえます。平均年齢も中堅層が中心となっており、経験豊富な人材が多数在籍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,587,538円 |
| 平均勤続年数 | 16.0年 |
| 平均年齢 | 41.6歳 |
| 単体従業員数 | 2,896人 |
| 連結従業員数 | 3,257人 |
| 単体のグループ内比率 | 88.9% |
アルペンは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方の退職給付制度を設けています。これらの制度は、同社および国内連結子会社に適用されています。
退職一時金制度も設けられています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は83.0億円、年金資産は114億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
アルペンは、「スポーツ業界のイノベーターになる」という経営方針のもと、「最高の人材育成」を行動指針として掲げています。イノベーションを創出できる優秀な人材を育成し、社会に貢献する組織作りを目指しています。
人材育成においては、スポーツの専門家としての知識や経験を深める機会を拡大しているほか、リーダーシップやマネジメントスキルを習得するための研修プログラムの拡充を常に進めています。
また、同社グループは「多様性の尊重」と「女性活躍推進」を企業成長に不可欠な要素と捉えています。個人の事情に合わせた多様な働き方ができる制度の拡充や、互いを認め尊重し合える「チームワーク」の企業文化を醸成することで、性別や年齢に関わらずキャリアアップに挑戦できる環境整備を進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男女の賃金の差異は、主に男女間の管理職比率および雇用形態の差異によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 15.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 79.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 66.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規労働者) | 80.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(有期労働者) | 91.0% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱エム・アイ・ゴルフ
㈱エム・アイ・ゴルフの男女の賃金の差異は、主に男女間の管理職比率および雇用形態の差異によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 13.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 58.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(社員) | 66.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート労働者) | 73.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規労働者) | 88.2% |
人材育成・多様性等に関する目標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 14.7% |
| 店長職への女性登用人数の割合 | 12.2% |
| 中途採用者の管理職への登用の割合 | 34.3% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アルペンは、スポーツ用品の販売および製造を主たる事業とする同社グループの中核企業です。多岐にわたるスポーツ用品の小売と、関連施設の運営を通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
アルペンは、スポーツ用品の小売事業を主力としています。ゴルフ用品、スポーツライフスタイル用品、競技・一般スポーツ用品、アウトドア用品、ウインター用品といった幅広い商品部門を取り扱っています。
また、スキー場やゴルフ場の運営、フィットネスクラブの運営も手掛けています。これらの事業を通じて、顧客のスポーツライフ全般をサポートするビジネスモデルを構築しています。
同社グループの事業は、スポーツ関連商品の小売事業の単一セグメントとみなされています。収益は主に国内の外部顧客からの売上高で構成されており、特定の製品・サービスや主要な顧客への収益集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、一時的な減少を経て、当連結会計年度において大きく回復しました。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,332億円 | 2,323億円 | 2,445億円 | 2,529億円 | 2,687億円 |
| 経常利益 | 168億円 | 89.9億円 | 69.3億円 | 53.1億円 | 105億円 |
| 経常利益率 | 7.2% | 3.9% | 2.8% | 2.1% | 3.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 108億円 | 53.1億円 | 54.7億円 | 17.3億円 | 55.7億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 274.92 | 135.69 | 141.48 | 44.99 | 144.61 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期に比べて大きく向上しており、生産性の改善が見られます。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 80.9百万円 | 82.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.1百万円 | 2.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
アルペンは、財務の安定性を確保しつつ、事業活動を継続しています。同社グループは、本業で得た資金を投資に回し、将来の成長に向けた基盤を構築している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
アルペンは、自己資本比率やROEといった指標から、財務基盤の健全性を示しています。自己資本比率はプライム市場の平均と比較して高い水準にあり、安定した経営基盤がうかがえます。ROEは前期から改善しており、収益性の向上が見られます。手元資金の状況も、不測の事態への耐性を示す重要な要素です。これらの財務指標は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で参考となる情報です。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1,172億円 | 1,211億円 |
| 自己資本比率 | 58.1% | 58.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 1.5% | 4.6% |
| 現金及び預金 | 180億円 | 152億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
アルペンは、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローが90.8億円のプラスとなりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の変動や未払消費税等の増減額、売上債権の総減額により資金が増加したことによるものです。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは△85.7億円のマイナスとなっており、有形固定資産の取得による支出が減少したことなどにより、資金の使用が減少しました。その結果、フリーキャッシュ・フローは5.1億円のプラスとなっています。財務活動によるキャッシュ・フローは△34.4億円のマイナスであり、短期借入金の減少により資金が減少しました。同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、投資活動も行いつつ、手元資金を維持している状況が示されています。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 57.1億円 | 90.8億円 |
| 投資CF | △105.1億円 | △85.7億円 |
| 財務CF | 53.9億円 | △34.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △48.0億円 | 5.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが属するスポーツ・レジャー用品業界では、景気や個人消費の動向、異業種からの新規参入、インターネットショップ等の新たな業態との競争が激化しています。また、ナショナルブランドメーカーのDtoC拡大や人口減少による市場規模縮小も業績に影響を及ぼす可能性があります。
一部の商品を海外から仕入れているため、為替レートの急激な変動は仕入原価の上昇要因となり、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは多数の社員・アルバイトが勤務しており、スタッフの専門性や販売力が業績向上の大きな要因となっています。そのため、充分な人材確保が進まない場合には、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アルペンは、「スポーツをもっと身近に」というパーパス(存在意義)を掲げ、誰もがスポーツを楽しみ、健康で充実した日常を送れる世界の実現を目指しています。常に革新的な取り組みに挑戦し、「スポーツ業界のイノベーターになる」ことを経営方針としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「スポーツをもっと身近に」をパーパス(存在意義)とし、お客様の求める商品・サービスを提供し続けることを基本方針としています。同時に、「スポーツ業界のイノベーターになる」ことを経営方針に掲げ、スポーツ市場を変革するリーディングカンパニーであり続けることを目指しています。企業理念である「スポーツの溢れる未来」の実現に向け、信頼性の高い企業運営を通じて社会に貢献し、従業員の生活も豊かになる経営を実践していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
アルペンは、「スポーツ業界のイノベーターになる」という経営方針と「最高の人材育成」という行動指針を掲げ、イノベーションを引き起こせる優秀な人材による組織作りを目指しています。多様な人材の確保と育成に注力し、リーダーシップを持った人材の重要性を認識しています。また、「多様性の尊重」や「女性活躍推進」を重視し、誰もが働きやすく、働きがいのある最高の職場環境の創造を目指しています。個人の事情に合わせた多様な働き方を可能にする制度の拡充や、互いを尊重し合える「チームワーク」の企業文化を醸成しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、「中期経営計画2027」に基づき、複数の重点課題に取り組んでいます。人材育成の強化として、優秀で多様な人材の確保と育成、教育・研修体系の整備、働きやすさと働きがいを両立する人事制度・組織体制の見直しを進めています。また、サステナビリティ経営を推進し、環境に配慮した企業活動や外部企業との協業を重視しています。デジタル活用・データ経営の推進も重点テーマであり、新たなデジタル技術の導入や既存システムの刷新、データ分析の深化を通じて、データに基づいた判断を全社的に実行できる組織を目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アルペンは、執行役員制度を導入し、取締役の意思決定機能と執行役員の業務執行機能を明確にすることで、コーポレート・ガバナンスの強化を図っています。監査等委員会設置会社として、経営の効率性・透明性・健全性の向上とコンプライアンスの徹底を基本方針としています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アルペンの筆頭株主はミズノ・ホールディングスであり、同社の株式を保有しています。また、代表取締役会長の水野泰三氏と代表取締役社長の水野敦之氏も上位株主として名を連ねています。水野泰三氏は水野敦之氏の父であり、創業家が関連会社を通じて上位株主として同社グループの経営に深く関与している資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ミズノ・ホールディングス | 35.24% |
| 水野泰三 | 17.55% |
| 水野敦之 | 8.63% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.47% |
| アルペン社員持株会 | 1.31% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.0%です。代表取締役会長は水野泰三氏、代表取締役社長は水野敦之氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 水野 泰三 | 代表取締役会長 | 1972年7月 同社設立 代表取締役社長就任、2022年3月 代表取締役会長就任より現職。 |
| 水野 敦之 | 代表取締役社長 | 2000年4月 同社入社、2016年9月 代表取締役社長就任より現職。 |
| 村瀬 一夫 | 取締役副社長 | 1976年4月 同社入社、2018年2月 取締役副社長就任より現職。 |
| 二十軒 翔 | 専務取締役COO 戦略企画本部長 商品本部長 | 2007年4月 ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド入社、2024年9月 取締役就任より現職。 |
社外取締役は、松本絢子氏(西村あさひ法律事務所パートナー)、包原智幸氏(包原智幸税理士事務所開業・監査等委員)、鬼頭潤子氏(鬼頭潤子公認会計士事務所開業・監査等委員)、青柳良則氏(アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は9名で構成され、うち4名が社外取締役です。社外取締役のうち3名は監査等委員として、取締役会での意見表明や内部監査室との連携を通じて、経営監視機能の向上に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アルペンの取締役の報酬は、同社グループの企業業績と株主価値の持続的な向上に資することを基本方針としています。監査等委員である取締役を除く取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬、業績連動報酬としての役員賞与、および非金銭報酬としての譲渡制限付株式の付与で構成されています。社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は基本報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 2.3億円 | 45.8百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 2名 | 13百万円 | 6.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 13百万円 | 2.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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