【平均年収689万円】きちりホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

【平均年収689万円】きちりホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

きちりホールディングスは、KICHIRI、ApplyNoWなどを傘下に持つ持株会社です。グループ連結従業員数は数百名規模で、飲食店の経営を主たる業務としています。直近期の売上高は増加しましたが、営業利益は減少しました。


目次

※本記事は、株式会社きちりホールディングス の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


きちりホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は27名、グループ連結従業員数は558名です。

同社グループは、飲食店の経営およびこれに付随する業務を主たる業務としています。連結子会社4社とともに、真心のこもった手作り感のある料理と徹底したおもてなしにより、豊かさや楽しさといった付加価値を提供しています。低価格競争には参入せず、高品質なサービスを追求する方針です。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)KICHIRI、ApplyNow(採用DXサービスの開発・販売)、ユニゾン・ブルーなどです。

同社グループは、当連結会計年度よりフランチャイズ事業を飲食事業に含め、プラットフォームシェアリング事業をDXコンサルティング事業に名称変更しました。また、2024年7月1日付で株式会社ApplyNowが株式会社Webrydayを吸収合併しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


きちりホールディングスは、「大好きがいっぱい」という企業理念のもと、人を最大の資産と捉える人材戦略を掲げています。多様性を尊重した採用や評価、そして「KICHIRI MBA」という独自の社内教育制度を通じて、従業員の成長とキャリア形成を支援する環境が整っています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


きちりホールディングスでは、平均年齢が43.9歳、平均勤続年数が10.5年となっており、比較的年齢層が高く、長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。従業員が安定して働き続けられる傾向が見られます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 6,890,554円
平均勤続年数 10.5年
平均年齢 43.9歳
単体従業員数 27人
連結従業員数 558人
単体のグループ内比率 4.8%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


きちりホールディングスは、「大好きがいっぱい」という企業理念を掲げ、人を最も重要な資産と位置づけています。従業員の採用においては、性別、国籍、学歴、年齢などの制限を一切設けず、多様性を尊重した人材登用を基本方針としています。

評価においても多様性を重視し、上長による適切な育成を通じて、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出すことを目指しています。具体的な取り組みとして、全従業員がいつでも受講できる社内教育制度「KICHIRI MBA」を設けています。

この制度は、受講だけでなく社内で講師を育成する仕組みも備えており、従業員間で知識を共有し、各自のキャリアステップに繋がるよう設計されています。管理職登用においても、能力と適性を総合的に判断し、女性や中途採用者、若手社員の積極的な登用を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率および非正規雇用労働者の男女賃金差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 16.7%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 82.2%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 82.2%

連結子会社の法定開示


主要事業会社の数値のみ掲載します。

▼ 株式会社KICHIRI

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 25.0%
男性労働者の育児休業取得率 80.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 97.5%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 99.3%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 91.8%

任意開示


きちりホールディングスでは、人材の多様性の確保や育成、社内環境整備に関する方針について、目標とすべき指標を現在検討中であると開示されています。性別や国籍を問わず、誰もが働きやすい会社を目指す方針が示されています。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


きちりホールディングスは、飲食事業を主軸としつつ、そのノウハウを活かしたDXコンサルティング事業も展開する持株会社です。多様な顧客ニーズに応えるサービスを提供しています。

同社グループは、飲食店の経営およびこれに付随する業務を主たる事業としています。単に料理を提供するだけでなく、真心のこもった手作り感のある料理と徹底したおもてなしにより、豊かさや楽しさといった付加価値を提供することを重視しています。低価格競争には参入せず、高品質な料理とサービスによる差別化を図っています。

飲食事業

飲食事業では、「KICHIRI業態」「いしがまやハンバーグ業態」「韓国料理業態」など、多様な飲食サービス業を展開しています。収益は、これらの飲食店の運営による外部顧客への売上高から得ています。運営は、KICHIRI、ユニゾン・ブルー、PT KICHIRI RIZKI ABADIなどが行っています。

DXコンサルティング事業

DXコンサルティング事業では、同社グループが培ってきた外食企業運営基盤「プラットフォーム」を活用し、多種多様な分野におけるブランドホルダーとのコラボレーションを通じて新たな顧客価値を創造しています。また、地方創生事業としてふるさと納税寄付に関する業務を受託し、返礼品事業者への対応や支払い代行、プロモーションサービスを提供しています。このほか、動画面接システム「ApplyNow」の導入やプロ面接官のシェアリングサービス「Interview Cloud」など、システム開発・導入による生産性向上への取り組みも行っています。収益は、これらのコンサルティングサービスやシステム提供による外部顧客への売上高から得ています。運営は、きちりホールディングス、KICHIRI、ApplyNowなどが行っています。

同社グループは、当連結会計年度より、従来「その他」に区分していたフランチャイズ事業を飲食事業に含めています。また、「プラットフォームシェアリング事業」を「DXコンサルティング事業」に名称変更しています。

セグメント 売上高(2024年6月期) 売上高(2025年6月期)
飲食事業 133億円 146億円
DXコンサルティング事業 4.0億円 4.7億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、一時的な損失を計上した期もありますが、直近の2期間では増加を続けています。当連結会計年度においては、売上高は増加したものの、営業利益は減少しました。

項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期
売上高 56.2億円 69.2億円 109億円 137億円 151億円
経常利益 △5.6億円 3.6億円 △2.7億円 4.5億円 5.5億円
経常利益率 △10.0% 5.1% △2.5% 3.2% 3.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 △5.4億円 1.5億円 △2.5億円 2.6億円 3.1億円
1株当たり当期純利益(円) △53.26 14.90 △25.01 24.44 27.43

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期からわずかに減少しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から減少する結果となっています。これらの指標は、組織全体の効率性や収益創出力の傾向を示すものとなります。

指標 2024年6月期 2025年6月期
従業員1人あたり売上高(連結) 27.3百万円 27.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.6百万円 1.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で資金を生み出しながらも、事業拡大のための投資を継続している状況です。財務基盤の健全性を維持しつつ、成長に向けた資金活用を進めていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。また、ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準を示しています。現金及び預金は前期と比較して減少していますが、これらの財務指標は同社グループの事業運営における安定性を示していると言えます。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
純資産 18.4億円 21.1億円
自己資本比率 23.3% 27.5%
ROE(自己資本利益率) 22.5% 16.7%
現金及び預金 29.8億円 21.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローはプラスであり、本業で安定的に資金を生み出している状況です。当期は前期と比較して営業活動による資金の増加は減少しており、税金等調整前当期純利益や減価償却費が主な要因となっています。

投資活動によるキャッシュフローはマイナスで、主に有形固定資産の取得による支出が増加しています。これは、事業拡大に向けた積極的な投資が行われていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは、前期はプラスでしたが当期はマイナスに転じ、主に長期借入金の返済による支出が要因となっています。

これらの結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。同社グループは事業拡大のための投資を継続しており、今後の成長に向けた基盤を構築していることがうかがえます。

項目 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
営業CF 9.4億円 7.4億円
投資CF △7.1億円 △7.8億円
財務CF 3.0億円 △8.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 2.2億円 △44百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

外食業界は参入障壁が低く、新規参入が多いことから、厳しい競合状態が続いています。競合他社の出店等により競争が激化した場合、同社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、新規出店においては、希望する条件に合う物件が見つからない場合、同社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、ホスピタリティに溢れた優秀な人材の継続的確保を重要な経営課題と認識しています。人材の確保及び育成が計画通りに進まない場合には、同社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


きちりホールディングスは、外食産業における新たなスタンダードの創造を目指し、「大好きがいっぱい」という企業理念を掲げています。人を大切にするホスピタリティ精神と、多様性を尊重するフラットな組織文化を特徴としています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループの企業理念は「大好きがいっぱい」です。この理念のもと、ドミナント構築による規模拡大と、サービス・商品・空間全てにこだわる店舗運営を通じて、外食産業における新たなスタンダードの創造を目指しています。

「きちりを大好きで一杯にしたい」という企業精神を掲げ、家族、恋人、友達、お客様、社員、パートナー、お取引業者様といった周囲の人々から愛される存在となることを目標としています。大好きが溢れる店をみんなで創り、多くの人から“ニコッ”と微笑みかけられるような存在になることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、企業理念である「大好きがいっぱい」を従業員一人ひとりが表現し、独自の“おもてなし”を提供することで競合他社との差別化を図っています。ホスピタリティに溢れた優秀な人材の継続的確保を重要な経営課題と認識しています。

これまでのピラミッド型ではなく、多く階層を持たないフラットな組織体系を構築し、情報の伝達を早めることで、風通しの良い、従業員一人ひとりの働く意欲を高められる組織を目指しています。従業員の採用においては、性別、国籍、学歴、年齢等の制限を一切設けておらず、多様性を尊重した人材配置と育成を行っています。管理職登用においても能力や適性を総合的に判断し、女性、中途採用者、若手社員も積極的に登用されています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは「外食産業の新しいスタンダードの創造」という目標達成のため、競合優位性の確立と人材確保及び教育を優先的に対処すべき課題としています。競合優位性については、KICHIRI業態、いしがまやハンバーグ業態、韓国料理業態など多様な業態を保有し、トレンドを的確に捉える高い業態開発力を持っています。

人材確保及び教育においては、ホスピタリティに溢れた優秀な人材の継続的確保が重要であり、中途採用による即戦力となる人材の確保はもちろん、新卒者の採用も積極的に行っています。フラットな組織体系により情報の伝達を早め、従業員一人ひとりの働く意欲を高められる組織構築に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


きちりホールディングスは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の監督機能を果たしています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


きちりホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主はエムティアンドアソシエイツです。その他、同社の役員やその関連とみられる個人名が上位株主として複数名を占めています。これにより、経営陣が会社の資本構成において重要な位置を占めていることがうかがえます。

株主名 持株比率
エムティアンドアソシエイツ 34.70%
葛原 昭 3.00%
平川 勝基 2.30%
平川 昌紀 2.10%
平田 哲士 1.80%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEO兼COOは平川昌紀氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。

氏名 役職 主な経歴
平川 昌紀 代表取締役社長CEO兼COO 1993年株式会社ダイヤモンドリゾート入社後、1997年より飲食店の経営を開始。1998年に有限会社吉利(現 きちりホールディングス)を設立し代表取締役に就任。2019年4月より同社代表取締役社長CEO兼COOより現職。
葛原 昭 常務取締役CFO 1998年橋爪総合会計事務所入所。2003年同社入社後、管理部門を担当。2006年10月同社取締役管理本部長に就任し、2019年4月より同社常務取締役CFOより現職。
平田 哲士 取締役 営業統括 本部長 2000年大和実業株式会社入社。2001年同社入社後、営業部門に従事。2011年9月より同社取締役営業統括本部長より現職。
松藤 慎治 取締役 商品統括 本部長 1998年大阪電技株式会社入社。2006年同社入社後、商品部門を担当。2015年9月より同社取締役商品統括本部長より現職。


社外取締役は、木村敏晴氏(元ワタミ株式会社取締役上席執行役員CFO)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役1名と社外監査役2名が独立役員として指定されています。社外取締役は、豊富な経験と幅広い見識に基づき、経営の監督とガバナンスの向上に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


きちりホールディングスの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を目的としたインセンティブとして機能するよう設計されています。報酬体系は、固定報酬としての基本報酬と、株主との価値共有を目的とした株式報酬(譲渡制限付株式)によって構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.1億円 26.6百万円
監査役(社外除く) 1名 2百万円 1.8百万円
社外役員 3名 6百万円 2.0百万円


同社の役員報酬等の総額は1億1439万円であり、対象となる役員の合計人数は8名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。