※本記事は、株式会社エリアクエスト の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エリアクエストは持株会社であり、単体従業員数は10名、グループ連結従業員数は31名です。
同社グループは、不動産ソリューション事業を展開しており、事業用不動産のビル所有者や経営者に対し、収益性向上と資産価値維持・向上のためのサービスを提供しています。また、事業用不動産を使用する借主には、効率的なファシリティ運営サービスを提供しています。連結子会社2社を中心に事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、従業員を事業成長の重要な存在と認識し、多様な人材が最大限の能力を発揮できる職場環境と企業風土の醸成に力を入れています。人材確保を経営上の重要課題と位置づけ、育成と社内環境整備の両面から様々な施策に取り組む方針です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は比較的若い年齢層で構成されており、平均勤続年数も短めの傾向が見られます。これは、組織の新陳代謝が活発である可能性を示唆しています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,579,723円 |
| 平均勤続年数 | 4.5年 |
| 平均年齢 | 28.0歳 |
| 単体従業員数 | 10人 |
| 連結従業員数 | 31人 |
| 単体のグループ内比率 | 32.3% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材確保に関する取り組みを経営上重要であると考えています。従業員を事業の成長を支える重要な存在と認識し、多様な人材が最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に努めています。
人材の育成と社内環境整備に関して、具体的な施策を進める方針です。人材の多様性確保とスキル向上のため、採用活動強化、新卒高校生の採用活動継続、女性管理職割合増加推進、資格手当・取得支援制度の改革、社内研修制度の充実を図ります。また、エンゲージメント向上や働き方改革推進のため、給与・手当制度の改革、従業員持株会加入促進、有給・育休制度整備、福利厚生の充実、健康診断の充実、社内基幹システム強化に取り組んでいくとしています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
エリアクエストは、不動産ソリューション事業を主軸に、事業用不動産の価値向上と効率的な運営を支援するサービスを提供しています。持株会社としてグループ全体の経営戦略を統括し、各子会社が専門的なサービスを展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、不動産ソリューション事業の単一セグメントで事業を展開しています。事業用不動産のビル所有者やビル経営者に対し、収益性向上と資産価値維持・向上のためのサービスを提供し、同時に、事業用不動産を使用する借主には、日常的な施設運営を効率化するサービスを提供しています。
具体的には、「テナント誘致事業」「更新及び契約管理事業」「ビル管理事業」の3つの主要なサービスを展開しています。テナント誘致事業では、ビル所有者や経営者に対して、借主のニーズマーケティングからテナント誘致、リーシングノウハウの提供までを成功報酬型で提供しています。多店舗展開を行うクライアントの出店戦略策定から物件選定、問題解決、出店実現までを支援し、効率的な出店を可能にしています。
更新及び契約管理事業では、ビルのキャッシュ・フロー極大化のため、トラブルの未然防止や解決に向けたアドバイスや情報を提供しています。建物新築に伴う立退きや賃料滞納の解消、明渡し交渉など、テナントとの円満な合意形成を目指しています。また、相続問題への対応や、ビル所有者・経営者の売却ニーズに応える売買仲介事業も行っています。
ビル管理事業では、ビルのメンテナンスコスト効率化サービスや、法令改正に伴うメンテナンス見直しのアドバイスを提供しています。独自の清掃業務や各種法定点検を通じて快適なビル経営をサポートしており、トラブル解決力とメンテナンスをパッケージ化した「プレミア会員」サービスも提供しています。要望に応じてサブリース事業も手掛けています。
同社は持株会社として、連結子会社であるエリアクエスト店舗&オフィス、エリアクエスト不動産コンサルティングに対し、経営コンサルティングや管理業務代行を行っています。これらの子会社が各事業を担っており、テナント誘致事業とビル管理事業のうちサブリース事業はエリアクエスト店舗&オフィスが、更新及び契約管理事業とビル管理事業はエリアクエスト不動産コンサルティングが主に担当しています。
同社グループの収益は、主にビル管理事業が最も大きく、次いでテナント誘致事業、更新及び契約管理事業が続きます。直近ではテナント誘致事業の収益が大きく増加する一方、更新及び契約管理事業の収益は減少しています。海外での売上高はなく、特定の外部顧客への売上高が連結売上高の10%以上を占めることもありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は継続して増加傾向にあります。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は変動が見られ、直近の当期においては前期から減少となりました。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 21.4億円 | 21.8億円 | 23.2億円 | 23.3億円 | 24.8億円 |
| 経常利益 | 2.2億円 | 1.7億円 | 2.3億円 | 2.2億円 | 1.9億円 |
| 経常利益率 | 10.1% | 7.9% | 10.1% | 9.5% | 7.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.4億円 | 1.0億円 | 1.1億円 | 1.3億円 | 1.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 6.97 | 5.14 | 6.04 | 7.77 | 7.00 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当期において前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も、当期は前期から大きく増加しました。これらの指標の改善は、組織全体の生産性が向上していることを示しています。
| 指標 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 59.7百万円 | 79.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.9百万円 | 9.4百万円
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を投資に回しつつも、手元に余剰資金を確保している状態を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は当期で35.1%となっており、前期の37.3%から減少しました。これはプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期7.5%で、前期の8.3%から減少しており、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は当期4.1億円で、前期の6.4億円から減少しました。これらの数値は、同社グループの財務基盤の健全性や収益性を判断する上で重要な要素となります。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 16.2億円 | 13.9億円 |
| 自己資本比率 | 37.3% | 35.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 8.3% | 7.5% |
| 現金及び預金 | 6.4億円 | 4.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは3.0億円のプラスとなり、前期の0.6億円から増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△1.8億円のマイナスとなり、前期の3.8億円のプラスから減少しました。これは主に有形固定資産の取得による支出や預り保証金の返還による支出があったためです。財務活動によるキャッシュフローは△3.3億円のマイナスとなり、前期の△1.9億円から支出が増加しています。これは主に自己株式の取得、社債の償還、配当金の支払いによるものです。
これらの結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは1.1億円のプラスとなり、前期の4.4億円から減少しました。同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、投資活動を行いつつも、手元に余剰資金を確保している状態です。この資金の流れは、同社グループが事業の成長を維持するための投資を行いながら、財務的な健全性を保っていることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性につながる要素であると言えます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 0.6億円 | 3.0億円 |
| 投資CF | 3.8億円 | △1.8億円 |
| 財務CF | △1.9億円 | △3.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.4億円 | 1.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが事業を営む不動産業界において、経済環境の悪化により業績に影響を及ぼす可能性があります。また、宅地建物取引業法及び関係法令の規制を受けており、これらに違反した場合、免許取消を含む行政処分がなされる可能性があり、業績に影響が及ぶ可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
エリアクエストは、地域密着を経営の基本方針とし、貸主・借主双方への徹底したサービス提供を通じて、顧客と共に栄えることを目指しています。情報と組織の強みを活かし、事業用不動産収益の最大化を追求する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
エリアクエストグループは、「地域密着を旨とし、貸主・借主に徹底サービスを提供する。情報と組織の強みを活かしたサービスに従事し、顧客と共に栄える。」という経営理念を掲げています。また、企業哲学として「テナント誘致・ビル管理・更新及び契約管理の三事業部が情報を共有・連携し、事業用不動産収益の最大化を追求する。」ことを重視しています。同社グループは、専門的な不動産サービスを通じて、顧客の問題解決に貢献し、事業用不動産収益の最大化を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
エリアクエストグループは、経営理念と企業哲学に基づき、地域密着と顧客への徹底サービスを重視する企業風土を持っています。貸主と借主が双方に利益を得る「ウィンウィン」の関係を築く不動産管理を目指しており、既存建物の有効活用やリフォーム工事の促進を通じて、地球環境保護や空き家問題の解決にも貢献しています。また、従業員を事業成長の重要な存在と捉え、多様な人材が能力を発揮できる職場環境と企業風土の醸成に力を入れています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
エリアクエストグループは、同社独自の専門的な不動産サービスを通じて、問題解決力のある管理会社を目指し、顧客の囲い込みを進めることを経営課題としています。人材確保も重要なテーマと捉え、多様な人材が能力を発揮できる職場環境と企業風土の醸成に取り組んでいます。具体的には、採用活動の強化、女性管理職割合の増加推進、資格手当・取得支援制度の改革、社内研修制度の充実などを図っています。また、給与・手当制度の改革、従業員持株会加入促進、有給・育休制度の整備、福利厚生の充実、健康診断の充実、社内基幹システムの強化といった社内環境整備にも注力しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
エリアクエストは、取締役会と監査役会で構成される監査役会設置会社です。重要な意思決定は取締役会で審議・決議され、業務執行の監査・監督は社外役員を含む体制で行われています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
エリアクエストの株主構成を見ると、筆頭株主は謙雅産業であり、同社グループを支える主要な事業会社であることがうかがえます。また、代表取締役社長である清原雅人氏も上位株主として名を連ねており、特定の事業会社と経営陣が主要な株主として同社を支える資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 謙雅産業 | 44.30% |
| 鈴木 洋 | 11.92% |
| 清原 雅人 | 2.91% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性3名・女性3名)で構成され、女性役員比率は50.0%です。代表取締役社長は清原雅人氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 清原 雅人 | 代表取締役 社長 | 1991年4月に野村證券株式会社に入社後、1998年4月株式会社クエストプロパティーズ(現 株式会社エリアクエスト店舗&オフィス)取締役に就任。2000年1月同社設立代表取締役社長に就任し、2003年10月には株式会社エリアクエスト店舗&オフィス及び株式会社エリアクエスト不動産コンサルティングの代表取締役に就任し、現職。 |
| 北原 美佳 | 取締役 | 2006年4月に同社に入社後、2023年9月同社取締役に就任。同年9月には株式会社エリアクエスト店舗&オフィスおよび株式会社エリアクエスト不動産コンサルティングの監査役にも就任し、現職。 |
社外取締役は、石川志保氏(株式会社BTホールディング取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を設置しています。社外取締役および社外監査役が取締役会に参加することで、業務執行の監査・監督の実効性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
エリアクエストの役員報酬は、職務執行の対価としての固定報酬により構成されています。報酬総額の最高限度額は株主総会の決議で定められており、株主による監視が働く仕組みとなっています。個別の報酬額は、連結業績や役位、職責、業績への貢献度などを考慮して決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 47百万円 | 23.5百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 14百万円 | 3.5百万円 |
同社役員の報酬総額は60.8百万円であり、対象となる役員は合計6名です。
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