【平均年収685万円】IPSホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

【平均年収685万円】IPSホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

IPSホールディングスは、アイ・ピー・エス、ワン・ハーモニー アドバイザリーなどを傘下に持つ持株会社です。ERP導入支援サービスを主たる業務とし、直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、IPSホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


IPSホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は155名、グループ連結従業員数は157名です。

同社グループは、販売、物流、購買、会計などの基幹業務機能を統合するERP(Enterprise Resource Planning)用パッケージソフトウェアの導入および保守を主たる業務としています。SAPジャパン株式会社のパートナーとしてERP導入支援サービスを提供し、最上位クラスのプラチナパートナーに認定されています。連結子会社2社を中心に、中堅・準大手企業向けのSAP導入ビジネスを展開しています。

主な国内グループ会社は、アイ・ピー・エス分割準備会社、ワン・ハーモニー アドバイザリーなどです。

同社は、2025年7月1日付で会社分割を実施し、持株会社体制へ移行しました。これに伴い、株式会社アイ・ピー・エス分割準備会社は株式会社アイ・ピー・エスへ商号変更しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


IPSホールディングスは、IT市場における人材難に対応するため、多様な人材の確保と育成を重視する方針を掲げています。社員の能力開発と働きやすい環境づくりを通じて、持続的な成長を目指していることがうかがえます。リモートワークやフレックス制度の導入など、柔軟な働き方を推進する取り組みも行われています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均年齢が30代後半であり、比較的若い年齢層の従業員が活躍している傾向が見られます。平均勤続年数も7年台となっており、一定期間のキャリア形成が可能な環境であると考えられます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 6,852,000円
平均勤続年数 7.7年
平均年齢 38.6歳
単体従業員数 155人
連結従業員数 157人
単体のグループ内比率 98.7%


同社には確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)があります。この制度は同社の従業員を対象としています。
退職一時金制度も採用されており、給与と勤務時間に基づいて一時金が支給されます。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、人材を最大の競争力の源泉と位置づけ、経営戦略上の最重点項目として人材戦略を策定しています。IT市場の人材難に対応するため、海外人材の活用、新卒女性比率の向上、キャリア採用の推進、従業員の定着率向上に注力し、充実した体制構築を目指しています。
特に「社員の能力開発と育成」および「多様な働き方の推進」を重要課題として掲げています。具体的な施策として、若手研修や管理職研修といった人材開発、コンサルタントや技術者の戦力化を目的とした職種別スキル訓練、自己啓発制度の活用を推進しています。
また、柔軟な働き方を支援するため、リモートワークやフレックス制度を導入し、最適なワークプレイスの提供、子育てや介護支援、社員のキャリア開発に向けた人事制度や施策の整備を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。連結子会社は公表義務がないため、記載が省略されています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 27.3%

多様性・登用

指標 数値
女性技術者比率 27.2%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


IPSホールディングスは、ERPパッケージソフトウェアの導入支援と保守を主軸に事業を展開する持株会社です。顧客企業のIT環境整備や競争力強化を支援し、ビジネス変革と成長に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


IPSホールディングスグループは、主にERP(Enterprise Resource Planning)用パッケージソフトウェアの導入と保守を事業の柱としています。ドイツのSAP SE社が提供するSAP ERPの導入支援サービスを主力とし、SAPジャパン株式会社のプラチナパートナーとして、中堅・準大手企業向けのノウハウを蓄積しています。特に年商100億円から2,000億円規模の企業をターゲットに、SAP社と共に市場開発を行ってきた実績があります。

同社グループは、長年のSAP導入ノウハウや顧客業務への知見、導入方法論、独自開発のAddonプログラムを統合した「EasyOneテンプレート」を確立し、これを継続的に成長させています。また、先進的なSAPソリューション、特にパブリッククラウドへの取り組みを強化し、独自の製品やサービス開発にも注力しています。顧客のグローバルビジネスを支援するため、世界約70カ国のSAPベンダーと提携するUnitedVARsにも参画し、広範な顧客サポート体制を構築しています。

事業は大きく「ERP導入事業」と「保守その他事業」に分かれています。ERP導入事業では、SAP ERPの導入支援サービスを提供し、顧客企業の基幹業務機能の統合をサポートしています。保守その他事業では、導入済みSAP ERPの保守運用、周辺アプリケーションの保守、一部改善機能のプログラム開発など、総合的な保守業務を行っています。また、SAP ERPのバージョンアップサービスや、顧客が自律的にIT活用できる組織を築くためのサービスメニューも提供しています。

同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上がないため、海外比率は発生していません。特定の顧客への収益集中については、当連結会計年度において日本電波工業株式会社への売上高が全体の一定割合を占めています。

セグメント 売上高(2024年6月期) 売上高(2025年6月期)
ERP導入事業 2兆3,566億円 2兆9,218億円
保守その他事業 7,726億円 8,110億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


IPSホールディングスグループの直近5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、売上高が前期から大きく伸び、それに伴い各利益も堅調に増加しました。

項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期
売上高 25.0億円 27.3億円 28.3億円 31.3億円 37.3億円
経常利益 2.7億円 2.4億円 3.0億円 3.3億円 3.6億円
経常利益率 10.9% 8.9% 10.6% 10.4% 9.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 1.9億円 1.8億円 2.1億円 2.3億円 2.7億円
1株当たり当期純利益(円) 77.73 75.77 92.18 99.41 119.07

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


IPSホールディングスグループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、同社グループの生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、組織全体の効率化や事業活動の拡大が着実に進んでいることを示唆しています。

指標 2024年6月期 2025年6月期
従業員1人あたり売上高(連結) 21.3百万円 23.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.2百万円 2.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


IPSホールディングスは、本業で安定した資金を創出しながら、将来に向けた投資も継続している状況です。財務基盤の厚みや資金の流れから、同社グループの経営の安定性を確認できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


IPSホールディングスの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で56.5%となっており、前期の56.1%からわずかに上昇しています。これはプライム市場の製造業平均46.8%や非製造業平均24.2%と比較しても高い水準を示しています。

ROE(自己資本利益率)は当期17.5%で、前期の16.5%から改善しました。プライム市場平均の9.4%を大きく上回る水準です。

手元資金である現金及び預金は当期末で12.3億円と、前期末の10.3億円から増加しています。これらの指標は、同社グループが安定した財務体質を維持しており、事業活動に必要な資金を確保していることを示しています。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
純資産 14.8億円 16.8億円
自己資本比率 56.1% 56.5%
ROE(自己資本利益率) 16.5% 17.5%
現金及び預金 10.3億円 12.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


IPSホールディングスのキャッシュフローを見ると、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは5.4億円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益の増加や売上債権の減少、仕入債務の増加などが主な要因です。前期は0.8億円の支出でしたが、当期は大幅に改善しています。

投資活動によるキャッシュフローは、無形固定資産の取得による支出1.4億円や有形固定資産の取得による支出0.7億円などにより、2.5億円の支出となりました。これは将来に向けた事業基盤の強化のための投資が継続していることを示しています。

財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払による支出0.8億円などにより、0.9億円の支出となりました。その結果、営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローを合わせたフリーキャッシュフローは2.9億円の収入となり、前期の0.9億円の支出からプラスに転じました。これは、本業で創出した資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態を示しており、安定した事業運営と成長への余力をうかがわせます。

項目 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
営業CF △0.8億円 5.4億円
投資CF △0.1億円 △2.5億円
財務CF △0.7億円 △0.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △0.9億円 2.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


IPSホールディングスは、主要事業であるERP導入事業においてSAP社との契約に依存しており、契約内容の変更や解消が業績に影響を与える可能性があります。また、SAP社製品への依存度が高く、同社製品の市場競争力や新製品開発への対応力が業績に影響を与えるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、主力事業を推進する上で優秀な技術者の養成、確保、定着が重要であると認識しています。必要な優秀な技術者が確保できない場合、事業展開が制約される可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


IPSホールディングスは、お客様の経営革新とビジネス革新を支援することを基本方針とし、先進技術の追求と高い収益性の実現を目指しています。同社グループは、お客様と社員、株主の喜びを追求する経営理念のもと、持続的な成長と社会貢献を重視する企業文化を育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループの経営理念は、「お客様の驚きと満足、当社社員並びに株主の皆様の喜びを実現すること」です。これは、新しい技術やサービスを通じてお客様がビジネスで新たな成果を得ることで驚きや満足を感じ、同時に全社員が目標達成や自己成長の喜びを感じ、株主と利益配分の喜びを共有することを目指しています。

同社グループは、SAP ERPの導入支援を通じてお客様の経営革新とビジネス革新を支援することを基本方針としています。導入品質、コスト、納期(QCD)と顧客への付加価値の醸成を顧客満足の4大要素と捉え、これらを高次元で提供することに努めています。また、先進的な技術を背景に、同社にしかできないサービスを追求し、高い収益性を得ることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、社員一人ひとりが自らなすべきことを考え、行動を改革し、事業そのものを変革するための基本的な考え方を「企業理念」としています。この理念に基づき、実効性・透明性の高い企業統治と法令・社会規範の遵守を重視しています。

AI/IoTに代表される新しい情報技術を活用したDXサービスを通じて、社会に価値ある変化を提供することを目指しています。また、社員とその家族の健康活動を積極的に支援し、組織的な健康活動を推進することで、「働きやすい、やりがいのある会社」づくりに取り組んでいます。新たな事業やコンサルティングサービスの立ち上げ、新しい働き方や働く環境の創出にチャレンジし、社員やお客様と共に大きな喜びと成長を掴み取ることを大切にしています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、SAPパブリッククラウドへの対応強化を重要な課題としています。具体的には、Fit To Standardのための導入方法論とサービスの開発、開発環境の変化への追随、そして顧客のIT活用技術の育成に取り組んでいます。

また、DXによる真の効率化の実現と生成AIの実践活用も重点テーマです。企業内部でITを活用した変革を推進する本質的な顧客価値の創出を目指し、生成AIを活用した業務の自動化の試行と実践を開始しています。さらに、人材開発育成にも注力しており、海外人材の活用や新卒採用を中心とした人材育成、従業員満足度向上による充実した体制構築を推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


IPSホールディングスは、持株会社としてグループ全体の経営を統括しており、監査役会設置会社として企業統治体制を構築しています。取締役会は4名で構成され、うち1名が社外取締役です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


IPSホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社ファウンテンであり、同社の代表取締役社長がその取締役を務めています。上位には複数の個人株主が名を連ねており、特定の株主グループが経営に影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
有限会社ファウンテン 42.17%
小池 博幸 3.01%
高田 智士 2.58%
田中 晴美 2.35%
山下 博 2.09%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は渡邉寛氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
渡邉 寛 取締役社長 (代表取締役) 1985年4月コベルコシステム株式会社入社。1997年6月同社設立代表取締役社長。2001年12月有限会社ファウンテン取締役より現職。
赤松 洋 代表取締役専務 2007年4月同社入社。2021年7月同社常務執行役員SAPサービス事業部長。2025年4月同社代表取締役専務。株式会社アイ・ピー・エス代表取締役社長より現職。
中川 朋子 取締役 管理部長 1994年4月株式会社パソナ入社。1998年2月同社入社。2021年9月同社取締役管理部長。株式会社アイ・ピー・エス監査役より現職。


社外取締役は、榎卓生氏(税理士法人大手前綜合事務所代表社員)です。

同社は監査役会設置会社であり、監査役会は社外監査役2名を含む3名体制で構成されています。社外取締役は、客観的・中立的な視点から経営を監視し、助言を行う役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


IPSホールディングスでは、役員報酬について、持続的な企業価値向上を目的とした方針を定めています。具体的には、業績連動報酬は採用せず、固定報酬制度と、金銭報酬とは別枠で譲渡制限付き株式報酬制度を導入しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 53百万円 10.7百万円
監査役(社外除く) 1名 7百万円 6.5百万円
社外役員 3名 7百万円 2.4百万円


なお、取締役の支給額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。