※本記事は、株式会社エヌジェイホールディングス の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エヌジェイホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は18名、グループ連結従業員数は866名です。
同社グループは、連結子会社6社とともに、ゲーム事業とモバイル事業を主軸に事業を展開しています。ゲーム事業では企画・開発・運営を、モバイル事業ではキャリアショップや販売店の運営を行っています。
主な国内グループ会社は、ゲームスタジオ.5(ゲーム事業)、ネプロクリエイト.5(モバイル事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
エヌジェイホールディングスは、ゲーム事業やモバイル事業を傘下に持つ持株会社です。同社グループは、人材が持つスキルや知識を価値創造の源泉と捉え、優秀な人材の獲得と能力開発を重視する方針を示しています。多様な働き方を推進し、個人の能力を最大限に発揮できる環境づくりに取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
エヌジェイホールディングスの単体従業員は、比較的高い平均年齢と長い平均勤続年数を示しており、安定したキャリア形成が可能な環境であると考えられます。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,578,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.9年 |
| 平均年齢 | 46.4歳 |
| 単体従業員数 | 18人 |
| 連結従業員数 | 866人 |
| 単体のグループ内比率 | 2.1% |
エヌジェイホールディングスには、確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)があります。この制度は国内グループ会社を対象としています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付に係る負債の期末残高は1.6億円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
エヌジェイホールディングスは、ゲーム事業やモバイル事業において、人材のスキルや知識が価値創造の源泉であると認識し、優秀な人材の獲得・保持・能力開発を経営の重要課題としています。新卒・中途を問わず、常に人材確保に取り組む方針です。管理職への登用においては、性別・年齢・国籍等による優遇をせず、能力・知識・経験を重視し、評価が拮抗した場合は多様性の拡大を重視しています。人材育成では、全社員対象の研修に加え、本人の希望に応じた選択研修を提供し、多様な働き方を実現することで、ライフイベントがキャリア形成の阻害要因とならないよう環境整備を進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
エヌジェイホールディングスは、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ (株)ウィットワン
(注)女性管理職比率は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法の規定に基づき算出しています。労働者の男女の賃金の差異は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の規定に基づき算出しており、パートタイム労働者の人員数は、フルタイム労働者の月間所定労働時間を基に換算しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 88.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 85.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用労働者) | 98.3% |
グループ全体(連結)の任意開示指標
管理職の基準は、同社グループ各社の実態を踏まえつつ、横断的に集計できるよう、原則として女性活躍推進法における管理職の考えに沿った基準を採用しています。
▼ 連結
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 無期雇用者に占める女性の割合 | 30.5% |
| 管理職に占める女性の割合 | 16.6% |
| 各割合の比率 | 54.3% |
▼ ゲーム事業
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 無期雇用者に占める女性の割合 | 29.2% |
| 管理職に占める女性の割合 | 16.1% |
| 各割合の比率 | 55.2% |
▼ モバイル事業
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 無期雇用者に占める女性の割合 | 40.6% |
| 管理職に占める女性の割合 | 12.0% |
| 各割合の比率 | 29.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
エヌジェイホールディングスは、持株会社として同社グループ全体の経営戦略を統括しています。同社グループは、ゲーム事業とモバイル事業を主軸に事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ゲームの企画・開発・運営を行うゲーム事業と、移動体通信事業者の端末・サービスを取り扱う店舗運営を行うモバイル事業を主な事業としています。その他、クレジット決済事業なども手掛けています。
ゲーム事業
このセグメントでは、ゲームの企画・開発および運営を行っています。収益は、ゲームの開発受託や運営受託などから得ています。運営は、ゲームスタジオ、トライエース、ウィットワン、ウィットワン沖縄、テックフラッグが行っています。
当連結会計年度においては、前期に開発体制のピークを過ぎた案件や運営・運営サポート案件の体制縮小により、売上高は減少しました。
モバイル事業
このセグメントでは、特定の移動体通信事業者のキャリアショップや、複数の通信事業者の端末・サービスを取り扱う販売店PiPoPark(ピポパーク)を運営しています。収益は、主に新規出店した店舗の収益寄与や既存店の販売台数増加から得ています。運営は、ネプロクリエイトが行っています。
当連結会計年度においては、主に新規出店した店舗の収益寄与により、売上高は増加しました。
その他の事業セグメント
このセグメントでは、クレジット決済事業などを行っています。当連結会計年度においては、売上高は減少しました。
同社グループの売上高は、ゲーム事業が最も大きく、モバイル事業がそれに続いています。主要な顧客としては、ゲーム事業ではバンダイナムコエンターテインメントやSNK、モバイル事業ではジェイ・コミュニケーションが挙げられます。
| セグメント | 売上高(2024年6月期) | 売上高(2025年6月期) |
|---|---|---|
| ゲーム事業 | 75.7億円 | 65.3億円 |
| モバイル事業 | 20.6億円 | 25.1億円 |
| その他の事業セグメント | 71百万円 | 68百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は減少傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、変動が大きいものの、直近の当連結会計年度では黒字を確保しています。
当連結会計年度の連結業績は、売上高が前期と比べて減少しました。これは主にゲーム事業の減収によるものです。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も前期と比べて減少しています。営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度では減少となりました。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 120億円 | 107億円 | 101億円 | 97.0億円 | 91.1億円 |
| 経常利益 | 2.0億円 | △8.7億円 | △2.6億円 | 96百万円 | 32百万円 |
| 経常利益率 | 1.7% | △8.1% | △2.6% | 1.0% | 0.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △92百万円 | △12.3億円 | △4.7億円 | 2.7億円 | 32百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △17.47 | △232.70 | △88.65 | 51.93 | 6.02 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から減少しています。一方、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から横ばいの水準となっています。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 10.9百万円 | 10.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.1百万円 | 0.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務基盤は、自己資本比率や手元資金の状況からその安定性が見えてきます。キャッシュフローの動きからは、事業活動や投資活動における資金の流れを把握することが可能です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は前期から上昇し、安定した水準を維持しています。これは、事業運営における財務的な安定性を示す指標の一つです。ROE(自己資本利益率)は前期と比較して低下しており、収益性の改善が今後の課題となる可能性があります。手元資金である現金及び預金は前期から減少しており、資金の流動性には注意が必要です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な要素となります。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 16.7億円 | 17.1億円 |
| 自己資本比率 | 40.1% | 43.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 19.0% | 2.0% |
| 現金及び預金 | 16.9億円 | 8.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローは、営業活動による資金が減少に転じ、マイナスとなりました。これは主に売上債権の増加や未払金の減少が要因となっています。投資活動による資金も減少しており、固定資産の取得による支出が主な要因です。その結果、本業の稼ぎと投資活動を合わせたフリーキャッシュフローもマイナスに転じています。財務活動による資金は減少していますが、前期と比較すると減少幅は縮小しています。これらの資金の流れは、同社グループが事業運営において資金を外部から調達したり、手元資金を取り崩したりしている状況を示しており、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を判断する上で注視すべき点であると言えます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 6.6億円 | △4.8億円 |
| 投資CF | 4.2億円 | △1.9億円 |
| 財務CF | △5.3億円 | △1.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 10.8億円 | △6.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループのゲーム事業では、レベニューシェア収入が販売先のプロモーション活動や政策変更に大きく影響されるリスクがあります。また、モバイル事業では、移動体通信事業者の経営方針変更により、一次代理店を通じて受け取る手数料の取引条件が変更される可能性があります。これらの外部要因は、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業運営及び事業拡大のために高度な技術力やノウハウを持つ優秀な人材の確保・育成を必要としています。十分な人材を確保・育成できない場合、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
エヌジェイホールディングスは、「超悦」を経営理念に掲げ、人と技術の融合を通じて顧客に感動と悦びを提供し、社会に貢献することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
エヌジェイホールディングスは、「超悦」を経営理念としています。これは、人と技術を結びつけ、顧客に満足を超える感動と悦びを与える商品・サービスを提供することを目指すものです。同社グループは、この理念に基づき、投資家や株主から期待される会社作りを目指しています。中長期的には、事業収益力の強化と投下資本に対する収益率の向上に取り組む方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
エヌジェイホールディングスは、社会・環境と調和した持続的成長のため、環境負荷を伴わない付加価値の創出を重視しています。技術的・職業的スキルの向上と生産性向上を通じて、多様な人々に仕事を通じた社会参画の機会を提供し、「誰一人取り残さない社会の実現」を目指すことを基本的な方針としています。
人材の多様性確保と育成においては、性別・年齢・国籍等に関わらず能力・知識・経験に基づいた登用を行い、評価が拮抗した場合は多様性の拡大を重視する方針です。また、ライフイベントがキャリア形成の阻害要因とならないよう、多様な働き方の実現にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、ゲーム事業において、大型プロジェクトを率いるコア人材の育成と少数精鋭チームの組成力強化を課題としています。モバイル事業では、オンライン販売の普及に伴う実店舗の競争激化と人材確保の難しさに対処しています。
これらの課題に対し、同社グループは人的資本経営を推進しています。ゲーム事業では、人的資本価値の最大化を目指し、無形資産への投資促進と資産的価値の把握強化に取り組んでいます。モバイル事業では、人材の採用・教育プログラムを強化し、組織の活性化と人材層の充実を通じて顧客満足度を高める方針です。
また、長期的な発展のため、新規事業への挑戦や新しい収益モデルの探求、付加価値創出の土壌醸成を重要なテーマとしています。人材の育成と保持も重要なテーマであり、能力開発や成長機会の充実、採用競争力向上のための業務改革や人事制度の検討を進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
エヌジェイホールディングスは、取締役会と監査役会を設置する体制を採用しています。社外取締役と社外監査役をそれぞれ2名選任し、経営の健全性と透明性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
エヌジェイホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社リーコムであり、複数の個人株主が上位に名を連ねています。特定の法人や個人が上位株主として同社を支えていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| (有)リーコム | 30.09% |
| 滝西 竜子 | 19.06% |
| 中村 英生 | 15.28% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は福田尚弘氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 福田 尚弘 | 代表取締役社長 | 1991年京成ハウジング㈱入社、2000年同社入社。㈱モバイル&ゲームスタジオ(現㈱ゲームスタジオ)代表取締役を経て、2013年同社取締役、2022年同社代表取締役社長より現職。 |
| 五反田 義治 | 取締役 | 1993年㈱日本テレネット入社。㈲トライエース(現㈱トライエース)入社後、1996年同社取締役、1999年同社代表取締役。2020年同社取締役より現職。 |
| 中野 喜一郎 | 取締役 | 1964年横浜ゴム㈱入社、1966年日東工業㈱入社。同社代表取締役社長を経て、2010年同社取締役より現職。 |
社外取締役は、宮田彰彦氏(さざれキャピタルマネジメント マネージングディレクター・指名委員長・報酬委員長)、滝西敦子氏(京都先端科学大学准教授・指名委員)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と監査役3名(うち社外監査役2名)が経営の監督機能を果たしています。これにより、経営の健全性と透明性の維持・強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
エヌジェイホールディングスの役員報酬は、基本報酬としての固定報酬のみで構成されています。職責に応じた堅実な職務遂行を促し、中長期的な企業成長や企業価値向上への責務と動機付けを考慮して報酬額が決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 32百万円 | 10.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 7百万円 | 6.6百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 16百万円 | 4.0百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。