※本記事は、テックファームホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
テックファームホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は27名、グループ連結従業員数は317名です。
同社グループは、連結子会社6社を中心に、先端技術を活用したICTソリューション事業と、食品や美容品などの海外輸出・卸売を行うクロスボーダー流通プラットフォーム事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、ICTソリューション事業を核に、顧客企業のDX推進を支援しています。社員の「働きがい」を重視し、エンゲージメントとウェルビーイングの向上を通じて心理的安全性の高い組織風土を醸成することを目指しています。多様な働き方を尊重し、エンジニア人財が能力を最大限に発揮できる環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が41.6歳、平均勤続年数が7.9年となっており、比較的落ち着いた年齢構成と中長期的なキャリア形成が可能な環境である傾向がうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,308,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.9年 |
| 平均年齢 | 41.6歳 |
| 単体従業員数 | 27人 |
| 連結従業員数 | 317人 |
| 単体のグループ内比率 | 8.5% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「最先端テクノロジーと創造力で、産業の変革をリードします。」というミッションのもと、ICTソリューション事業を柱としています。社員にとって「働きがいのある職場」となるよう、エンゲージメントとウェルビーイングの向上を図り、心理的安全性の高い組織風土を醸成する環境づくりに努めています。
働き方の多様性を尊重し、事業の源泉であるエンジニア人財が能力を最大限に発揮できる仕組みを確立しています。具体的には、フルリモート・時短勤務の制度化、遠隔地・育児・介護中のフルリモート勤務制度、性別・年齢問わず最長90日間の妊活休暇制度、育児・介護・病気療養・リスキリング等で活用できる最長60日間の失効年次有給休暇積立制度など、社内環境の整備を進めています。
人財育成においては、新卒社員入社研修や階層別キャリア研修の充実、キャリアパスと連動した能力開発・育成プログラムの作成運用、全社員対象のキャリア申告制度を導入しています。また、称賛する文化の浸透と従業員エンゲージメントを高めるピアボーナス制度も運用されています。人財の多様性確保のため、新卒・中途ともに通年採用を実施し、「地域」「ジェンダー」「学歴・職歴」「国籍」不問の「フリー採用」も行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ テックファーム
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 14.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
テックファームホールディングスグループは、持株会社体制のもと、ICTソリューション事業とクロスボーダー流通プラットフォーム事業の2つのセグメントを展開しています。最先端テクノロジーと創造力を基盤に、産業の変革をリードすることを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、先端技術を駆使した高付加価値ソリューションの提供と、業界特化型プラットフォームの展開を通じて収益を上げています。サービス提案から開発、運用保守まで一貫した支援体制を整え、顧客企業のDX推進を共創パートナーとして支えています。
ICTソリューション
ICTソリューション事業では、業務システムや基幹システムの受託開発、およびその運用保守などを手掛けています。収益は、複数の大型開発案件の受注と順調な開発進捗、そして社内エンジニアの高い稼働率によって得ています。当連結会計年度においては、売上高およびセグメント利益ともに過去最高を更新し、大きく成長している傾向が見られます。
また、AIを活用した次世代型データ分析ソリューションの提供も開始しており、顧客の課題に応じた最適なAI技術の選択・実装を通じて、データに基づく意思決定と施策最適化を支援しています。主要な顧客としては、当連結会計年度に㈱サプライズクルーや㈱マイナビへの販売実績が大きく伸長しています。
クロスボーダー流通プラットフォーム
クロスボーダー流通プラットフォーム事業は、最新のITと流通技術を組み合わせ、アジアと日本をつなぐ越境流通プラットフォームを展開しています。収益は、利用顧客数の増加と流通量の拡大によって確保されており、シンガポール市場を拠点に、輸出に向けた市場調査から販路開拓、マーケティングまで一貫したサポートを提供しています。
当連結会計年度は、シンガポールでの直営店舗やECサイトを活用した集客に成功し、to C向け販売マーケティングの実績を上げています。売上高は前期から大きく増加し、セグメント損失も縮小する傾向にあります。今後は、ECおよびデジタルマーケティングの強化を進め、東南アジア進出を希望する日本企業や自治体の顧客獲得を目指しています。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の90%を超えているため、国内市場が収益の大部分を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年6月期) | 売上高(2025年6月期) |
|---|---|---|
| ICTソリューション | 47.6億円 | 62.0億円 |
| クロスボーダー流通プラットフォーム | 3.1億円 | 5.1億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は変動がありましたが、直近の当期は大きく伸長し、過去最高を更新しています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、過去には損失を計上した期もありましたが、当期は大幅な増益となり、収益性が大きく改善している傾向が見られます。営業活動によるキャッシュ・フローも増加しており、本業での資金創出力が高まっています。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 60.0億円 | 55.2億円 | 57.7億円 | 50.7億円 | 67.1億円 |
| 経常利益 | 2.1億円 | △2.1億円 | 1.9億円 | 2.6億円 | 7.6億円 |
| 経常利益率 | 3.6% | △3.7% | 3.2% | 5.1% | 11.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △5.4億円 | △1.7億円 | △49百万円 | 1.6億円 | 5.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △76.40 | △23.86 | △6.87 | 22.00 | 70.75 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しており、生産性が向上していることが示されています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から大きく増加しており、収益性の改善がうかがえます。これらの指標の向上は、組織全体の効率化や事業の高付加価値化が進んでいる傾向を示しています。
| 指標 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 17.3百万円 | 21.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.8百万円 | 2.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務基盤の健全性と資金の流れから、同社グループの安定性と成長性について見ていきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
自己資本比率(当期54.8%)は、プライム市場平均(製造業46.8%・非製造業24.2%)と比較して高い水準です。ROE(当期20.1%)もプライム市場平均(9.4%)と比較して高い水準を示しています。
現預金残高も増加傾向にあり、手元資金が厚い状態です。これらの財務指標は、同社グループの安定した経営基盤を示しており、事業活動を支える強固な財務体質がうかがえます。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 22.8億円 | 27.2億円 |
| 自己資本比率 | 56.0% | 54.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 7.0% | 20.1% |
| 現金及び預金 | 23.4億円 | 25.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
営業活動によるキャッシュフローは、前期はマイナスでしたが、当期はプラスに転じています。これは税金等調整前当期純利益の増加やその他の要因による資金増加が、売上債権及び契約資産の増加による資金減少を上回ったためです。本業で安定的に資金を生み出す体制が整ってきていることを示しています。
投資活動によるキャッシュフローは、前期のプラスから当期はマイナスに転じました。有形固定資産の取得や投資有価証券の取得による支出が主な要因です。これは、事業拡大や将来の成長に向けた投資を積極的に行っている状況を示しています。
財務活動によるキャッシュフローは、前期に引き続きマイナスとなっています。配当金の支払いによる資金減少が主な要因です。
フリーキャッシュフローは当期にプラスとなり、前期と比較して大きく増加しています。本業で得た資金が投資活動の支出を上回っており、自由に使える資金が増加している状態です。
同社グループは本業で着実に資金を生み出し、同時に将来の成長に向けた投資も行っています。フリーキャッシュフローがプラスであり、事業活動で得た資金で投資を賄えている状況です。これは、安定した経営基盤と成長への意欲を両立していることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性、そして事業の成長性にも期待が持てる状況と言えます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △7百万円 | 328百万円 |
| 投資CF | 49百万円 | △61百万円 |
| 財務CF | △47百万円 | △41百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 42百万円 | 267百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
ICTソリューション事業の売上高が高い割合を占めており、当該事業に大規模な減衰が生じた場合、同社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
国内外の経済情勢や顧客企業のIT投資動向、技術進化、競合等により、同社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
優秀な人財の確保及び育成が目論見どおりに進まなかった場合や、人財流出や生産性が低下した場合、同社グループの中長期的な成長性、事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
テックファームホールディングスは、最先端テクノロジーと創造力を通じて産業変革をリードすることを目指す持株会社です。ITの力を社会に役立てるという志のもと、持続可能な社会の実現に真摯に取り組んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「最先端テクノロジーと創造力で、産業の変革をリードします。」をミッションとして掲げています。ITの発展に寄与すべく、前例のない技術開発にも果敢に挑戦する方針です。
社員の成長と顧客の価値創造の実現を通じて、社会貢献に努めていくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社員にとって「働きがいのある職場」となるよう、「エンゲージメント」と「ウェルビーイング」の向上を図り、心理的安全性の高い組織風土の醸成に努めています。また、「働き方の多様性」を尊重しており、スキルアップのための資格補助や教育研修制度を整え、エンジニア人財が能力を最大限に発揮できる仕組みを確立しています。
社内環境整備として、フルリモート・時短勤務の制度化、遠隔地・育児・介護中のフルリモート勤務制度、最長90日間の妊活休暇制度、最長60日間の失効年次有給休暇積立制度を導入しています。人財育成では、新卒社員入社研修や階層別キャリア研修の充実、キャリアパスと連動した能力開発プログラムの作成運用、全社員対象のキャリア申告制度、従業員エンゲージメントを高めるピアボーナス制度を推進しています。人財の多様性確保のため、ポテンシャル(新卒)採用とキャリア(中途)採用を通年で実施し、「地域」「ジェンダー」「学歴・職歴」「国籍」不問の「フリー採用」も行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループが優先的に対処すべき課題として、先端技術の習得、人財の確保と育成、事業領域の拡大を挙げています。市場ニーズに応える技術力を習得・保持するため、ICTソリューション事業においてAIとXR(VR/AR/MR等)のスマートデバイス連動を活用した案件を増やすことを重視しています。
中長期的な成長のためには、先端技術や大型案件を担えるエンジニアの獲得と育成が重要であると認識しており、会社のブランディング強化やキャリアに応じた教育制度の整備、技術力の底上げと組織全体のパフォーマンス向上を図っています。また、「働き方の多様性」を尊重し、リモートワークや時短勤務、国内遠隔地を対象としたフルリモート勤務を導入することで、優秀なエンジニアが能力を長期にわたり発揮できる環境を構築しています。
事業領域の拡大においては、受託開発型のICTソリューション事業から、強固な経営基盤と持続的な成長を可能とする多極的な事業構造への転換を目指しています。創業以来培ったICTの知見とノウハウを融合・発展させ、先見的な自社サービス提供型ソリューションの開発・事業化を推進し、産業イノベーション領域の拡大と収益構造の変革に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
テックファームホールディングスは持株会社体制を採用しており、監査等委員会設置会社としてガバナンス体制を構築しています。取締役会は社外取締役を含む6名で構成され、経営の健全性と透明性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
テックファームホールディングスの筆頭株主はTOKAIコミュニケーションズという事業会社です。上位株主には、筒井雄一朗氏、小林正興氏といった複数の個人株主も名を連ねています。事業会社と個人株主がバランス良く存在していることが、同社の資本構成の特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| TOKAIコミュニケーションズ | 9.00% |
| 筒井 雄一朗 | 6.61% |
| 小林 正興 | 3.92% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
テックファームホールディングスの役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長CEOは永守秀章氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 千原 信悟 | 代表取締役 会長 | Federal Express Corporation入社後、翼システム、サイバードを経て同社に入社。同社取締役、代表取締役社長CEOを歴任し、テックファーム代表取締役社長、同社代表取締役会長より現職。 |
| 永守 秀章 | 代表取締役 社長 CEO | ドレスナー証券会社、SBCウォーバーグ証券会社、クレディスイスファーストボストン証券会社を経てサイバードに入社。同社取締役兼CFOを歴任し、テックファーム取締役、同社代表取締役社長CEOより現職。 |
| 筒井 雄一朗 | 取締役 | キヤノン、ハイパーネットを経て同社に入社。同社代表取締役社長、取締役会長を歴任し、同社取締役より現職。 |
社外取締役は、小夫みのり氏(小夫みのり税理士事務所所長・監査等委員)、大井哲也氏(TMI総合法律事務所パートナー・監査等委員)、田口浩介氏(田口浩介公認会計士事務所代表・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が監査等委員を務めることで、経営の健全性と透明性の確保に努めています。社外取締役の活用と適切な権限委譲を通じて、取締役会のモニタリング機能の強化と意思決定の迅速化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
テックファームホールディングスでは、企業価値の持続的な向上を促すため、株主利益と連動した報酬体系を採用しています。基本報酬は月例の固定報酬であり、非金銭報酬として譲渡制限付株式報酬制度を導入することで、役員のインセンティブを高める設計となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 1.1億円 | 36.1百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 13百万円 | 4.2百万円 |
なお、報酬総額には連結子会社からの報酬が含まれています。また、非金銭報酬等の総額は、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く。)2名に対する譲渡制限付株式報酬に係る費用計上額となっています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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