【平均年収755万円】キャンバス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

【平均年収755万円】キャンバス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

キャンバスは、抗がん剤の基礎研究から臨床開発までを一貫して手掛ける創薬企業です。研究開発型ベンチャーとして先行投資を継続しており、直近の業績では損失額が縮小傾向にあります。


目次

※本記事は、株式会社キャンバス の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


キャンバスは、抗がん剤の基礎研究から早期・後期臨床開発までを一貫して手掛ける創薬企業です。独自の創薬アプローチと基盤技術「創薬エンジン」を活かし、技術とプロダクトの両方を自社で創出するビジネスモデルを志向しています。

単体従業員数は14名です。同社は医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しています。

キャンバスは医薬品事業の単一セグメントであり、関係会社は存在しません。

2025年6月には、CBS9106の開発・製造・商業化に関する独占的権利を供与していた米国Stemline社とのライセンス契約を解消し、すべての権利がキャンバスに返還されました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


キャンバスは、医薬品事業に特化した創薬ベンチャー企業です。少数精鋭のプロフェッショナル人材が活躍する環境で、専門性を活かした働き方が期待できます。フラットな組織体制のもと、個々の能力を最大限に発揮できる職場づくりを目指しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


キャンバスでは、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も高めであることから、経験豊富な人材が中心となって事業を推進していることがうかがえます。少数精鋭の組織で、長期的な視点での貢献が期待される環境です。

項目 数値
平均年間給与 7,551,000円
平均勤続年数 13.5年
平均年齢 47.7歳
単体従業員数 14人


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


キャンバスは、「より良い抗がん剤を一日も早く患者さんにお届けすること」を事業目標とし、医薬品分野のバリューチェーンにおいて持続的に成長することを目指しています。この目標達成のため、多様な領域のプロフェッショナル人材の貢献が不可欠であると認識し、人材の育成と働きがいのある職場づくりを重要な課題としています。

人材育成方針としては、社員一人ひとりが自立し自律する主体的な市民として、互恵・相互扶助の精神やコンプライアンス、コミュニケーションを高め、高潔な人格を錬成するよう図っています。社内環境整備においては、多様なバックグラウンドを持つ社員が公正に評価され、能力を最大限発揮できるよう、現行制度の充実を図っています。

具体的には、コアタイムを設けたフレックスタイム制を運用し、ワーク・ライフ・バランスを尊重する環境を整備しています。有給休暇の取得奨励や産休後の職場復帰サポート、男性育休取得奨励といった取り組みを通じて、業務の生産性向上と個々の生活の質の向上を両立させることを目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率計算の対象となる事例は発生していません。平均年間賃金算出にあたり、少人数組織のため当事業年度における勤務月数による調整を行っています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 33.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 69.2%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 69.2%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


キャンバスは、抗がん剤の基礎研究から早期・後期臨床開発までを一貫して手掛ける創薬企業です。独自の創薬アプローチを活かし、技術とプロダクトの両方を自社で創出するビジネスモデルを志向しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しています。自社独自の創薬基盤技術「創薬エンジン」を基に、抗がん剤の研究開発に特化集中しています。複数の医薬品候補化合物によって開発パイプラインを構築し、外部専門機関や科学顧問団と連携しながら開発を進める戦略です。

長期的な目標は新薬の承認獲得と製品売上による収益獲得ですが、それまでの先行投資期間においては、製薬企業等との提携によるライセンス収益の獲得と財務基盤の安定・強化を目指しています。しかし、近年は創薬企業が投資家や市場から資金を調達し、独力で新薬承認獲得まで進む「創薬パイプライン型」開発が増加しており、同社もこの戦略を志向しています。

主要な開発パイプラインとしては、免疫着火剤として期待されるCBP501があり、現在は膵臓がんを対象とした臨床第2相試験を終え、次相臨床試験の準備を進めています。また、可逆的CRM1阻害剤であるCBS9106については、ライセンス契約を解消し、今後は追加の基礎研究成果や財務状況を考慮して開発方針を検討する方針です。これら以外にも、CBT005やCBP-A08、IDO/TDO阻害剤など、次世代の新規候補化合物の創出に向けた探索研究も積極的に行っています。

同社は研究開発型ベンチャーであるため、現時点では製品販売による収益は計上されていません。そのため、提携パートナーからの契約一時金やマイルストーン、受取研究開発費などが損益に大きな影響を与える可能性があります。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の直近の業績は、研究開発型ベンチャーとしての先行投資が継続している状況を示しています。当事業年度においては、売上高は計上されていません。営業損失、経常損失、当期純損失ともに計上されていますが、前事業年度と比較すると損失額は縮小する傾向にあります。

事業費用全体では、研究開発費が前年度から減少した一方で、販売費及び一般管理費は増加しています。営業活動によるキャッシュ・フローは引き続き減少となっていますが、その減少幅は前事業年度よりも縮小しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入により、増加傾向を示しています。


■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社は研究開発型ベンチャーであり、現時点では製品販売による収益を計上していません。そのため、従業員1人あたりの売上高は計上されていません。

指標 2024年6月期 2025年6月期
従業員1人あたり売上高(連結) - -

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


キャンバスは、医薬品の研究開発を主業務とする企業であり、製品上市前の先行投資期間が続いています。そのため、現時点では安定的な収益源を確立しておらず、資金調達や提携活動が事業継続の重要な要素となっています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


キャンバスの財務基盤については、自己資本比率やROEの具体的な数値は開示されていません。しかし、当事業年度末の総資産は増加しており、純資産の部では新株予約権の行使により資本金および資本準備金が増加しています。一方で、当期純損失の計上により繰越利益剰余金は減少しています。現金及び預金は増加しており、手元資金は厚みを増している状況です。これらの状況は、事業活動を継続するための資金確保に努めていることを示しています。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
自己資本比率 - -
ROE(自己資本利益率) - -
現金及び預金等 - -

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


営業活動によるキャッシュ・フローは減少を示しており、日常的な研究費や臨床試験関連費用、次世代プロジェクト関連の支出が主な要因となっています。これは、医薬品開発という本業における先行投資が継続している状況を反映しています。投資活動によるキャッシュ・フローには特筆すべき変動は見られません。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは増加しており、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入がその主な要因です。全体として、キャンバスは研究開発への投資を継続しつつ、外部からの資金調達によって資金を確保している状況がうかがえます。このような資金の流れは、将来の成長に向けた投資を優先していることを示しており、雇用や給与の安定性には、今後の事業進捗と収益化が重要となります。

項目 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
営業CF - -
投資CF - -
財務CF - -
フリーCF(営業CF+投資CF) - -

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


キャンバスは、医薬品として承認された製品の売上による事業収益を計上しておらず、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しています。同社は、資金調達や提携活動、後続パイプラインの開発状況に応じた早期アライアンスの獲得活動を進める方針です。

② 事業構造・収益性に関するリスク


キャンバスの事業構造・収益性に関するリスクとして、医薬品開発の不確実性が挙げられます。製品上市に至る過程は長期かつ多額の費用を要し、開発が成功する確率は決して高くありません。また、主要な製薬企業やバイオ関連企業など、多数の競合が存在しており、有効性の高い製品を効率よく生産・販売する競合相手との競争が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


キャンバスは、少数の事業推進者に依存するリスクを抱えています。特に、創業科学者であり代表取締役社長である河邊拓己氏への依存度が高い状態が続くことが見込まれています。優秀な人材の確保や社内教育が計画通りに進まない場合、または人材の流出が生じた場合には、事業戦略や研究開発の推進に支障をきたす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


キャンバスは、独自の創薬技術を基盤に、がん領域の新薬開発を通じて世界の医療に貢献することを目指す創薬企業です。患者さんの治療満足度向上と持続可能な社会の実現に向け、倫理的かつ科学的なアプローチを重視する企業文化を育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


キャンバスは、独自の創薬エンジンを基に基礎研究および臨床開発を実施し、技術とプロダクトの両方を自社で創出する「創薬企業」として、付加価値の獲得を目指すビジネスモデルを志向しています。
同社の事業目標は「より良い抗がん剤を一日も早く患者さんにお届けすること」です。
この目標を実現するための企業理念として、「フェアであること」と「科学的・倫理的・経済的に正しい道を最短の距離・時間で進むこと」を掲げています。
これらの理念に基づき、医薬品分野のバリューチェーンにおける存在意義のある会社として持続的に成長し、世界の医療の発展と、がんで失われる生命・健康・時間の最小化に寄与することを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


キャンバスは、環境問題をはじめとする社会課題への対応を経営の重要事項と捉え、持続可能な社会の実現を目指しています。
上場企業としてのガバナンスを重視し、役職員が適法適正に業務を遂行するための行動規範の徹底と、財務報告の信頼性と透明性を高める仕組みを構築しています。
人材育成方針としては、社員一人ひとりが自立し自律する主体的な市民(シティズン)として、平等・博愛、互恵・相互扶助の精神、コンプライアンス、コミュニケーションを相互に高め、高潔な人格を錬成するよう図っています。
また、多様な国籍・バックグラウンド・スキル・経験・性別・家族構成・生活環境を持った社員が適正かつ公正に評価され、個々の能力を最大限発揮できる職場環境づくりを推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


キャンバスは、事業活動においてCBP501の臨床試験推進を最も重要な課題と位置づけています。
早期の新薬承認と上市を実現することが、同社の中長期的な企業価値の源泉であるとしています。
また、新規の開発候補化合物パイプラインを継続的に創出・獲得し、候補化合物の最適化を実施する創薬エンジンの改良と充実も、将来の継続的な成長のために必須のテーマです。
経営基盤においては、開発プロジェクトの進展に伴う資金需要に対応するため、製薬企業との戦略提携の実現に向けた活動を展開しています。
サステナビリティに関する活動の推進及び統括のため、「サステナビリティ推進委員会(仮称)」の設置による取組みを検討しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


取締役会は、常勤取締役と監査等委員である社外取締役で構成されています。同社は監査等委員会設置会社として、経営の透明性と公正性を重視したガバナンス体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


キャンバスの株主構成を見ると、楽天証券が筆頭株主となっています。その他、SBI証券やマネックス証券といった証券会社が上位に名を連ねており、幅広い投資家層に支えられていることがうかがえます。特定の創業家や事業会社が突出して多くの株式を保有している状況ではありません。

株主名 持株比率
楽天証券 2.21%
SBI証券 1.18%
マネックス証券 0.91%


なお、SBI証券は2025年5月30日現在で973,944株(4.94%)を保有している旨が変更報告書に記載されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は河邊拓己氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
河邊 拓己 代表取締役 社長 1983年5月医籍登録、京都大学医学部附属病院内科勤務、京都大学大学院分子医学系専攻修了、ワシントン大学博士研究員、名古屋市立大学医学部分子医学研究所助教授を経て、2001年3月同社取締役就任、2003年5月同社代表取締役社長より現職。
加登住 眞 取締役 最高財務責任者 兼 経営企画室長 1987年4月日本合同ファイナンス(現ジャフコグループ)入社、エムビーエルベンチャーキャピタル取締役就任、2000年9月同社取締役就任、取締役管理部長を経て、2020年10月同社取締役最高財務責任者兼経営企画室長より現職。
坂本 一良 取締役 管理部長 1988年4月チェースマンハッタン銀行東京支店入行、NIFコーポレート・マネジメント取締役就任、2008年12月同社入社管理部企画担当、経営企画室長を経て、2010年9月同社取締役経営企画室長就任、2020年10月同社取締役管理部長より現職。


社外取締役は、小宮山靖行氏(社会保険労務士法人みくりや社中代表・監査等委員長)、白川彰朗氏(インテリジェント・キャピタルゲイト代表取締役・監査等委員)、古田利雄氏(弁護士法人クレア法律事務所代表弁護士・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社です。監査等委員である取締役3名はいずれも社外取締役であり、取締役会での議決権を通じて経営の監視機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


キャンバスの役員報酬は、金銭報酬と譲渡制限付株式を付与する非金銭報酬で構成されています。業績連動報酬は当面定められていません。中長期的な企業価値向上と株主との価値共有を目的として、譲渡制限付株式の付与が導入されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 58百万円 14.4百万円
社外取締役 3名 19百万円 6.2百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。