【平均年収661万円】ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年6月期)

【平均年収661万円】ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年6月期)

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは、最先端のメタボローム解析技術とバイオ技術を駆使し、研究開発などを支えるバイオ解析プラットフォーマーです。直近期の業績は減収減益となりました。


目次

※本記事は、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社 の有価証券報告書(2026年6月期、2025年7月1日 ~ 2026年6月30日、2026年9月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは、慶應義塾大学発のベンチャー企業であり、最先端のメタボローム解析技術とバイオ技術を活用し、人々の健康で豊かな暮らしに貢献することを企業理念としています。独創的な質量分析技術を駆使し、研究開発から生産効率化、品質保証・検査までを支える“バイオ解析プラットフォーマー”として事業を展開しています。

単体従業員数は62名、連結従業員数は65名です。同社グループの報告セグメントは「メタボローム解析受託サービス事業」の単一セグメントとなっています。

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは、顧客から提供された試料の代謝物質を抽出し、CE-MS等によるメタボローム解析を行い、解析結果を報告書として納品しています。また、顧客の要望に応じて解析結果に基づくソリューション提案やコンサルテーションも実施しています。

同社グループは、当連結会計年度より報告セグメントを「メタボローム解析受託サービス事業」の単一セグメントに変更しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは、最先端のメタボローム解析技術を核とするバイオ解析プラットフォーマーとして、専門性の高い事業を展開しています。従業員の成長を重視し、高度な専門知識を持つ人材の育成と定着に力を入れていることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の専門スキル向上とエンゲージメント向上による離職率低下を重要な戦略として掲げています。平均勤続年数や平均年齢からは、一定の経験を積んだ人材が長く活躍している傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 6,614,330円
平均勤続年数 10.9年
平均年齢 40.4歳
単体従業員数 62人
連結従業員数 65人
単体のグループ内比率 95.4%


なお、退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは、「従業員の成長=企業の成長」という考えのもと、人的資本の強化を通じて持続的な成長と企業価値向上を目指しています。多様かつ高度な専門性を持つ人材の確保・育成を推進するとともに、次世代リーダーの経営力強化やAI利活用スキルの向上にも取り組んでいます。

従業員の給与は、職務・役割に応じた公正な評価と処遇を方針としています。人事評価制度では、経営戦略に沿った業績目標の達成度を測る「目標管理制度(MBO)」と、同社グループが求める4つの能力を総合的に評価し、実力と組織貢献に見合った報酬体系を運用しています。給与の見直しは年1回を基本とし、業績連動賞与は通年業績に基づいて支給され、従業員の意欲向上につなげています。

人材戦略の重点テーマとして「専門スキルのさらなる向上」と「エンゲージメント向上による離職率低下」を掲げています。具体的には、部署ごとに求められるスキルを定義し、スキル評価に基づく教育・研修プログラムを実施しています。また、ハラスメント研修やグループ討議による働きやすい環境整備、タウンホールミーティングでの双方向コミュニケーションの促進にも努めています。2027年6月期からは、福利厚生の一環として従業員向け譲渡制限付き株式付与制度の導入も予定しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
全社平均スキル評価スコアの向上(対2026年6月期比) 10%増加
離職率低下(対2026年6月期比) 1pts低下

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは、慶應義塾大学発のベンチャー企業として、最先端のメタボローム解析技術を核に事業を展開しています。ライフサイエンス研究支援、機能性素材開発支援、バイオものづくり支援の3つのサービスを通じて、顧客の研究開発をサポートし、人々の健康で豊かな暮らしへの貢献を目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主にCE-MS法を用いたメタボローム解析法をコア技術として、代謝物質の網羅的解析技術を用いて顧客の研究開発を支援しています。顧客から提供された試料の解析を行い、その結果を報告書として納品する受託解析サービスが主な収益源です。顧客の要望に応じて、解析結果に基づくソリューション提案を行うコンサルテーションも実施しています。

同社グループの事業は「メタボローム解析受託サービス事業」の単一セグメントで構成されています。この事業は、主に「ライフサイエンス研究支援サービス」「機能性素材開発支援サービス」「バイオものづくり支援サービス」の3分野のニーズに応えるサービスを提供しています。

ライフサイエンス研究支援サービスは、バイオマーカー探索や作用機序解明などの基礎研究分野を支援する受託解析サービスです。当連結会計年度においては、国内アカデミア分野での大型案件の減少や海外市場全体の需要減により、売上高は減少しています。

機能性素材開発支援サービスは、機能性素材開発におけるワンストップソリューションサービスを提供しており、機能性成分探索パッケージやヘルスクレーム予測パッケージなどを通じて顧客を支援しています。当連結会計年度では、ヘルスクレーム測定パッケージなどの受注が好調に推移し、売上高を伸長させています。

バイオものづくり支援サービスは、バイオものづくりにおける生産性向上を支援するサービスで、当連結会計年度に提供を開始しました。上市後好調に受注が推移し、年間売上目標を上回る実績を達成しています。

地域別に見ると、同社グループの売上高は日本が大部分を占めています。欧米市場での売上高もありますが、当連結会計年度では需要低迷により減少しています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は緩やかに増加傾向にありましたが、当連結会計年度は減少に転じています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、当連結会計年度は前期から減少する結果となりました。

項目 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期 2026年6月期
売上高 12.2億円 13.0億円 13.5億円 14.6億円 14.2億円
経常利益 2.5億円 2.3億円 2.4億円 2.4億円 2.1億円
経常利益率 20.7% 17.9% 17.9% 16.6% 14.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.7億円 2.9億円 2.4億円 2.6億円 2.0億円
1株当たり当期純利益(円) 45.39 48.39 41.14 43.67 35.70

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、当連結会計年度において前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から減少する結果となりました。これらの指標は、同社グループの生産性が前期と比較して低下していることを示しています。

指標 2025年6月期(前期) 2026年6月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 23.5百万円 21.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.0百万円 3.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。事業活動で得た資金を適切に活用し、将来に向けた投資も行っている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズの財務基盤は強固な状態を示しています。自己資本比率は当期で80.2%となっており、プライム市場の製造業平均46.8%や非製造業平均24.2%と比較して高い水準にあります。また、ROE(自己資本利益率)も当期10.8%と、プライム市場平均の9.4%を上回っています。手元資金である現金及び預金も14.4億円を確保しており、事業運営の安定性につながる財務状況です。

指標 2025年6月期(前期) 2026年6月期(当期)
純資産 19.1億円 18.3億円
自己資本比率 79.6% 80.2%
ROE(自己資本利益率) 13.6% 10.8%
現金及び預金 15.6億円 14.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは当期2.1億円の収入となっています。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは当期で△83百万円の支出となっており、有形固定資産や無形固定資産の取得に資金を投じている状況です。その結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは当期1.3億円のプラスを確保しています。本業で安定的に資金を生み出し、成長のための投資も行いつつ、手元に資金を残している状態を示しています。このような資金の流れは、事業の持続的な成長と雇用・給与の安定性につながるものと考えられます。

項目 2025年6月期(前期) 2026年6月期(当期)
営業CF 3.7億円 2.1億円
投資CF △2.0億円 △83百万円
財務CF △3.7億円 △2.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 1.8億円 1.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、メタボローム解析受託サービスにおいて国内外での競合が増加傾向にあり、価格競争のリスクを認識しています。また、新規開発によるイノベーションが成長の主な要因であるため、事業化や商品開発の遅延が成長戦略に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは小規模組織であり、個々の役職員の果たす役割が大きいため、一定数の人材が流出した場合には事業が滞る可能性があります。このリスクに対応するため、透明性の高い社風構築や業績連動賞与の導入に取り組んでいます。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは、「未来の子供たちのために、人々の健康で豊かな暮らしに貢献する」ことを企業理念とし、最先端のメタボローム解析技術とバイオ技術を活用した研究開発を推進しています。独創的な質量分析技術を駆使し、研究開発から生産効率化、品質保証・検査までを支える“バイオ解析プラットフォーマー”として、顧客・ユーザーに付加価値を提供することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「未来の子供たちのために、最先端のメタボローム解析技術とバイオ技術を活用した研究開発により、人々の健康で豊かな暮らしに貢献する」ことを企業理念としています。その達成のために、「独創的な質量分析技術を駆使して、研究開発から生産効率化、品質保証・検査までを支える“バイオ解析プラットフォーマー”として、顧客・ユーザーに付加価値を提供する」ことをビジョンとして掲げています。

経営基本方針としては、競争優位性を持つメタボローム解析技術・ノウハウを基軸とした新規事業・新サービスの開発(イノベーション)を強力に推進しています。同時に、業務活動全般におけるオペレーショナル・エクセレンスを高めることで、さらなる収益性の向上を図り、ステークホルダー全体の満足度向上と企業価値向上を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、従業員が付加価値を創造していると考えており、高度な専門的知識、技能、経験を持つ多様な人材の確保と育成を重視しています。自律的にチャレンジし、創造・変革を推進する人材の増加が持続的な成長に不可欠であるとしています。

人事評価では「期待する能力要件」を再定義し、評価基準を明確化するとともに、能力向上のための研修時間を確保しています。仕事のしやすい環境整備のため、ハラスメント研修やグループ討議を実施し、従業員同士の理解を深める取り組みも行っています。年に10回程度のタウンホールミーティングを通じて、従業員と経営者が双方向のコミュニケーションをとる機会を設けています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、5か年中期経営計画[TIAD6]を策定し、いくつかの重点課題に取り組んでいます。既存事業の維持・拡大においては、ライフサイエンス研究支援サービスにおける営業改革を推進し、企業顧客の潜在ニーズ創出型の営業スタイルへの変革を目指しています。また、データやAIを駆使した営業効率の改善にも取り組む方針です。

事業領域の拡張として、2027年6月期には「ヘルスケア検査受託サービス」という研究開発領域以外の事業に進出する計画です。技術競争力の強化では、高感度分析を「超高感度分析」にアップグレードし、ハイスループットのさらなる短縮を図ります。生産性の向上に向けては、多角的なAI導入やロボット活用による省人化、業務平準化を進める方針です。人的資本強化として、専門力強化プログラムの推進と従業員向け譲渡制限付き株式付与制度の実施を掲げています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは監査等委員会設置会社であり、取締役会が経営の意思決定と業務執行の監督を担っています。監査等委員会は取締役の職務執行を監査する役割を担っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの筆頭株主は個人である冨田勝氏です。上位株主には、機関投資家であるMSIP CLIENT SECURITIESや事業会社のエムスリー、さらに複数の個人株主や金融機関が名を連ねています。多様な株主によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
冨田 勝 7.20%
MSIP CLIENT SECURITIES 4.04%
エムスリー 4.01%
曽我 朋義 3.84%
第一生命保険 3.43%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は5名(男性4名・女性1名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は大畑恭宏氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。

氏名 役職 主な経歴
大畑 恭宏 代表取締役社長 1988年プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク入社。高島株式会社で取締役、常務取締役、常務執行役員を歴任。2020年同社入社、2024年9月より現職。
紙 健次郎 取締役 2012年同社研究開発事業部入社。執行役員メタボロミクス事業カンパニー解析本部長、海外事業管掌などを経て、2024年9月より現職。


社外取締役は、夏苅一氏(松田綜合法律事務所パートナー)、安藤英廣氏(株式会社アンディファーマパートナーズ代表)、氏家美千代氏(氏家公認会計士事務所所長・株式会社エノモト社外取締役(監査等委員)・興亜監査法人パートナー)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役3名全員が社外取締役です。これにより、中立的かつ客観的な立場からの経営監視体制を強化しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、基本報酬、業績報酬、そして業績条件付事後交付型譲渡制限付株式報酬で構成されています。監査等委員である取締役および社外取締役には、独立性と中立性を確保するため、業績報酬と株式報酬は適用されません。業績報酬は前連結会計年度の業績成果に基づき、財務指標と非財務指標の達成度を考慮して算定されます。株式報酬は、会社業績と株式価値との連動性を高め、中長期的な企業価値向上へのインセンティブを目的としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 2名 50百万円 25.0百万円
社外役員 3名 9百万円 3.0百万円


非金銭報酬等は、業績条件付事後交付型譲渡制限付株式報酬の当事業年度における報酬額の費用計上額です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。