【平均年収593万円】イード 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

【平均年収593万円】イード 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年6月期)

イードは、顧客企業へマーケティングサービスとデータ・コンテンツ提供、リサーチソリューションなどをグループ各社とともに展開しています。幅広い顧客ニーズに対応し、直近期の業績は減収減益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。


目次

※本記事は、株式会社イード の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


イードは、顧客企業へマーケティングサービスとデータ・コンテンツを提供するクリエイタープラットフォーム事業(CP事業)と、リサーチソリューションおよびメディアコマースを提供するクリエイターソリューション事業(CS事業)を主軸としています。同社グループは、Webメディア運営やECサイト構築支援を通じて、幅広い顧客ニーズに対応しています。

単体従業員数は120名、連結従業員数は230名です。セグメントはクリエイタープラットフォーム事業、クリエイターソリューション事業の2つです。

主な国内グループ会社は、エンファクトリー(CP事業)、ネットショップ総研(同)、マイケル(同)、SAVAWAY(同)、エフ・アイ・ティー・パシフィック(同)などです。

なお、2025年7月1日を効力発生日として、イードを吸収合併存続会社、マイケルを吸収合併消滅会社とする吸収合併を実施しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


イードは、インターネットサービス事業を展開する企業です。同社グループは、クリエイタープラットフォーム事業などを通じて、ユーザーエクスペリエンスの向上を目指しています。転職を検討される方にとって、同社グループの給与水準や働き方の特徴は、企業文化やキャリア形成を理解する上で重要な情報となるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


イードの従業員は、平均年齢と平均勤続年数から、比較的経験豊富な人材が長く在籍している傾向が見られます。これは、同社が安定した環境でキャリアを築ける可能性を示唆していると言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 5,930,000円
平均勤続年数 12.24年
平均年齢 42.2歳
単体従業員数 120人
連結従業員数 230人
単体のグループ内比率 52.2%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


イードは、「We are the User Experience Company.すべての人に最高のユーザーエクスペリエンスを!」を企業理念に掲げ、顧客およびサービス利用者の満足度向上を基本方針としています。この実現のため、人的資本を重要視しており、多様な人材の採用に力を入れています。

人材育成においては、eラーニングシステムによる外部研修プログラムの導入や外部研修の活用を通じて、従業員の能力向上を支援しています。また、働きやすい環境整備にも注力しており、リモートワークを併用しつつ、リアルコミュニケーションによる関係強化・活性化を図ることで、仕事と生活の調和を推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

多様性・登用

指標 数値
女性管理職(担当部長以上)の割合(現状) 17.0%
女性管理職(担当部長以上)の割合(目標) 20.0%以上
女性の正社員新規採用数(目標) 2名以上/年

育児・介護支援

指標 数値
男性育児休業(または育児を目的とした連続7日以上の休暇)の取得率(目標) 50.0%以上

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
フルタイム労働者一人当たりの年間法定時間外労働及び法定休日労働の合計時間数削減率(目標) 5.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社イードは、顧客企業に対してマーケティングサービスやデータ・コンテンツを提供するクリエイタープラットフォーム事業と、リサーチソリューションやメディアコマースを提供するクリエイターソリューション事業を展開しています。インターネット広告市場の成長を背景に、多様な収益ポートフォリオの構築を通じて事業拡大を図っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に2つの事業セグメントで収益を上げています。顧客企業へのマーケティングサービスやデータ・コンテンツ提供、リサーチソリューション、ECサイト運営などを通じて、幅広い顧客層にサービスを提供しています。

クリエイタープラットフォーム事業

この事業は、「iid-CMP(イード・コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)」を通じてWebメディアやコンテンツを運営し、顧客企業へインターネット広告やデータ・コンテンツ提供などのマーケティングサービスを提供しています。広告料金、データ・コンテンツ利用料金、ECサイト運営などから収益を得ています。2025年6月末時点で21ジャンル81個のWebメディア及びコンテンツを運営しており、ネット広告売上、データ・コンテンツ提供売上、出版ビジネス売上、システム売上などが主な収益源です。当連結会計年度においては、売上高、セグメント利益ともに前期から増加しました。

運営は、ECサイト「STYLE STORE」の運営や企業とプロ人材を結ぶ「プロクルアドバイザー」を運営するエンファクトリー、ECサイト運営代行やコンサルティングを行うネットショップ総研、コミュニティサービス「CARTUNE」を運営するマイケル(2025年7月1日に同社に吸収合併)、複数ネットショップの一元管理システム「TEMPOSTAR」を提供するSAVAWAY、車両衝突実験関連事業などを手掛けるエフ・アイ・ティー・パシフィックが行っています。

クリエイターソリューション事業

この事業は、リサーチソリューションとECソリューションの2つのサービスを提供しています。リサーチソリューションでは、大規模な定量調査から生活者個人に対する定性調査まで、幅広いリサーチメニューで顧客企業の要望に対応しています。ECソリューションでは、デザイン自由度が高く拡張性・汎用性の高いオリジナルECシステム「marbleASP」の提供を中心に事業を展開しています。当連結会計年度においては、売上高、セグメント利益ともに前期から減少しました。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、国内市場に強く依存しています。また、特定の顧客に売上が集中している状況はありません。

セグメント 売上高(2024年6月期) 売上高(2025年6月期)
クリエイタープラットフォーム事業 55.0億円 55.7億円
クリエイターソリューション事業 6.2億円 5.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は概ね増加傾向にありましたが、直近の当連結会計年度では前期からわずかに減少しました。経常利益は変動が見られ、当連結会計年度では前期から減少しています。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の前期に減少したものの、当連結会計年度では大きく増加しました。

項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期
売上高 54.1億円 55.7億円 60.7億円 61.3億円 60.8億円
経常利益 4.6億円 6.4億円 5.7億円 5.5億円 4.5億円
経常利益率 8.6% 11.5% 9.3% 8.9% 7.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 4.6億円 4.5億円 2.8億円 1.6億円 3.1億円
1株当たり当期純利益(円) 93.46 91.91 56.31 33.34 62.64


当連結会計年度の売上高は前期から0.7%減少し、営業利益は12.2%減少、経常利益は17.0%減少となりました。経常利益の減少は、投資事業組合運用損の計上が主な要因です。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益や事業譲渡益といった特別利益の計上により、前期から88.8%増加しました。

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期からわずかに減少しており、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少しています。これは、当連結会計年度において売上高が前期比で減少し、営業利益も減少したことと連動した傾向を示しています。

指標 2024年6月期 2025年6月期
従業員1人あたり売上高(連結) 27.0百万円 26.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.3百万円 2.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、手元資金も厚い状態を示しています。これにより、事業運営の安定性が保たれています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は、プライム市場の平均と比較して高い水準にあります。これは、財務基盤が安定していることを示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、前期からは改善しています。

また、手元資金である現金及び預金も潤沢に確保されており、不測の事態や将来の投資に備える余力がある状態です。これらの財務状況は、同社グループが安定した経営を継続していることを示しています。

指標 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
純資産 42.7億円 46.4億円
自己資本比率 67.0% 72.9%
ROE(自己資本利益率) 4.0% 7.0%
現金及び預金 36.1億円 36.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


営業活動によるキャッシュフローは、本業で得られた資金の動きを示しています。当期は前期から減少したものの、プラスを維持しています。投資活動によるキャッシュフローは、事業拡大のための投資状況を示しており、当期は前期に比べて支出が減少しました。

その結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している状況です。財務活動によるキャッシュフローは、借入金の返済や配当金の支払いなど、資金調達と返済の状況を示しています。当期は前期のプラスからマイナスに転じ、主に長期借入金の返済や自己株式の取得、配当金の支払いが行われました。

これらのキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた投資も行いつつ、財務健全性を保っていることを示しています。

項目 2024年6月期(前期) 2025年6月期(当期)
営業CF 8.3億円 4.9億円
投資CF △2.9億円 △0.9億円
財務CF 2.2億円 △4.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 5.3億円 4.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループのCP事業はWebメディアを運営しており、顧客企業からの広告マーケティング収入に売上が依存しています。企業のマーケティング活動は景気動向の影響を受けやすいため、活動が縮小した場合に業績へ影響を与える可能性があります。

また、同社グループが提供するサービスの技術的な参入障壁は著しく高いとは言えず、資金力やブランド力を持つ大手企業を含む競合他社の参入が予想されます。これにより、PV数やUU数が低下し、業績に悪影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、業務拡大に伴い積極的な採用活動を行っています。今後も事業規模の拡大や業務内容の多様化に対応するため、人員の増強と併せて、組織再編や内部管理体制の整備・充実を継続的に推進していく方針です。これらの管理体制の整備が予定通り進まなかった場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


イードは、「We are the User Experience Company.すべての人に最高のユーザーエクスペリエンスを!」という企業理念のもと、顧客とサービス利用者の満足度向上を目指しています。インターネットサービスを通じて、多様な価値提供と企業価値の向上に取り組む会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


イードは、「We are the User Experience Company.すべての人に最高のユーザーエクスペリエンスを!」を企業理念として掲げています。同社グループは、この理念に基づき、事業における顧客とサービス利用者の満足度向上を図ることを基本方針としています。コンテンツマーケティング企業として、クリエイタープラットフォーム事業とクリエイターソリューション事業を主軸に、事業の拡大と新たな収益基盤の開発を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


イードは、企業理念の実現に向けて人的資本を重要視しており、多様な人材の採用に力を入れています。社員が自身の能力を発揮し、仕事と生活の調和を図りながら働きやすい環境を整備することを目指しています。また、市場の変化に速やかに柔軟に対応できる組織運営のため、経営管理体制の強化にも継続的に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


イードグループは、事業環境の変化を見据え、AI活用による新規サービスの創出を図っています。M&Aによる事業拡大においては、事業取得後の共同プロジェクト推進を通じて、グループ内でのシナジー効果発揮のための体制整備を進めています。また、企業としての競争力強化のため、AIをはじめとする新技術の利活用を進め、エンジニアリング力の強化に取り組んでいます。市場の変化に速やかに対応できる組織運営を目指し、経営管理体制の更なる強化と、個人情報等の機密情報に関する情報管理体制の徹底を図っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


イードは、株主総会、取締役会、監査役会を設置する企業統治体制を採用しています。取締役会は経営の最高意思決定機関として業務執行を決定し、監査役会は取締役の職務執行を監査・監督しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


イードの株主構成を見ると、筆頭株主はエキサイト、次いで博報堂、マイナビといった事業会社が上位に名を連ねています。代表取締役である宮川洋氏も上位株主の一人です。複数の事業会社が主要株主として同社を支えていることが特徴です。

株主名 持株比率
エキサイト 14.53%
博報堂 10.64%
マイナビ 8.22%
宮川 洋 5.62%
ティーガイア 5.14%


なお、前事業年度末において主要株主であった博報堂DYメディアパートナーズは、2025年4月1日付で博報堂に株式が承継されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


イードの役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役は宮川洋氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
宮川 洋 代表取締役 1988年4月アスキー入社、1999年12月インターネット総合研究所入社、2000年4月同社取締役就任、2002年10月同社代表取締役就任より現職。
須田 亨 取締役 1986年5月日本能率協会コンサルティング入社、1995年7月旧イード入社、2010年6月同社取締役就任より現職。


社外取締役は、大和田廣樹氏(ドリームキッド代表取締役社長)、吉崎浩一郎氏(グロース・イニシアティブ代表取締役)です。

イードは監査役会設置会社であり、株主総会、取締役会、監査役会を設置しています。社外取締役は取締役会に出席し、幅広い知見と経験に基づき経営の監督機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


イードの役員報酬は、株主総会で定められた報酬総額の範囲内で決定されています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての金銭報酬と、企業価値向上へのインセンティブとなる譲渡制限付株式報酬で構成されています。一方、監督機能を担う社外取締役の報酬は金銭報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 43百万円 21.3百万円
監査役(社外除く) 1名 7百万円 6.7百万円
社外取締役 2名 8百万円 3.9百万円
社外監査役 2名 5百万円 2.7百万円


なお、譲渡制限付株式報酬は、当期の費用計上額を記載しています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。