※本記事は、株式会社プラッツ の有価証券報告書(2025年6月期、2024年7月1日 ~ 2025年6月30日、2025年9月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
プラッツは、医療介護用電動ベッドの製造・販売、ウレタンフォームの加工及び販売を主たる業務とする企業です。同社グループは、在宅用ベッドと医療・高齢者施設用ベッドを国内外の多様な市場に提供しています。
単体従業員数は108名、連結従業員数は149名です。セグメントは医療介護用電動ベッド事業の1つです。
主な国内グループ会社は、やまと産業(ウレタンフォームの加工及び販売)などです。
直近では、2024年4月にウレタンフォームの加工販売を行うやまと産業を連結子会社化し、家具・寝具流通市場における販売実績を拡大しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
プラッツは、医療介護用電動ベッド事業を展開する企業です。同社グループの給与水準や働き方に関するデータからは、従業員の定着や年齢構成の傾向が見えてきます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も安定していることから、人材が定着しやすい環境であることがうかがえます。給与水準や従業員数は、同社の事業規模や特性を反映したものです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,322,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.1年 |
| 平均年齢 | 39.6歳 |
| 単体従業員数 | 108人 |
| 連結従業員数 | 149人 |
| 単体のグループ内比率 | 72.5% |
同社グループは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型の退職給付制度を設けています。この制度は同社グループ全体に適用されます。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、少子化による労働力不足が予想される中で、人的資本への投資を重要な経営課題と認識しています。優秀な人材の確保と生産性の向上を目指し、従業員が高いモチベーションを持ち、働きがいを感じられる社内環境の整備に取り組んでいます。
人材の確保及び育成に関する方針や社内環境整備に関する方針を掲げ、経営基盤の強化とそれに繋がる人材育成に注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 0.0% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 66.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 73.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 46.5% |
人的資本に関する指標及び目標
同社グループにおける主要な事業を営む提出会社の指標と実績を記載しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有給取得率 | 59.5% |
| 育児休業取得率 | 100.0% |
育児休業取得率は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を記載しています。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
プラッツグループは、医療介護用電動ベッドの製造・販売、ウレタンフォームの加工及び販売を主たる業務としています。高齢化社会のニーズに応える製品とサービスを提供し、国内外で事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、医療介護用電動ベッドやマットレス、ベッド周辺機器等の企画・開発・設計から販売までを一貫して行っています。連結子会社やまと産業はウレタンマットレスの加工・販売を担い、製品ラインナップを広げています。
海外では中国を中心に、連結子会社富若慈(上海)貿易有限公司が販売を、持分法適用関連会社SHENGBANG METAL CO.,LTD.や持分法非適用関連会社海尓景齢科技(浙江)有限公司が製造を担っています。プラッツはこれらの海外製造拠点に対し、技術指導を行うことでグループ全体の生産体制を強化しています。
同社グループが取り扱う医療介護用電動ベッドは、自宅で利用する方向けの「在宅用ベッド」と、医療・高齢者施設向けの「医療施設用ベッド」に大別されます。販売先市場は「福祉用具流通市場」「医療・高齢者施設市場」「家具・寝具流通市場」「海外市場」の4つに区分され、それぞれの市場特性に合わせた商品を提供しています。
「福祉用具流通市場」では、介護保険制度における福祉用具貸与事業と関連し、要介護認定者向けに「在宅用介護ベッド」などを提供しています。一方、「医療・高齢者施設市場」では、医療機器・施設設備販売会社等を通じて施設設備として「医療施設用電動ベッド」などを販売しています。
「家具・寝具流通市場」は介護保険制度とは直接関連せず、家具店や通信販売向けの卸売が中心で、ウレタンマットレスの販売や加工受託を行っています。また、「海外市場」では中国を中心とした東アジア地域で販売活動を展開しており、国内販売商品をベースに一部仕様を変更した商品を供給しています。
当連結会計年度は、福祉用具流通市場、医療・高齢者施設市場、海外市場で営業活動の強化が奏功し、販売実績が増加しました。家具・寝具流通市場においては、やまと産業株式会社を連結子会社化したことで販売実績が大きく伸びています。
仕入実績為替レートが円安傾向にありましたが、仕入コストの低減により売上総利益率が改善しました。主要な顧客として株式会社西川と株式会社日本ケアサプライへの販売実績があり、特定の顧客への収益集中が見られます。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は直近5年間で変動があり、当連結会計年度は前期から大幅な増加となりました。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、前期と比較して大きく改善しています。
これは、福祉用具流通市場、医療・高齢者施設市場、海外市場での営業活動強化や、家具・寝具流通市場における連結子会社やまと産業の販売実績が加わったことなどによるものです。
| 項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 70.4億円 | 63.8億円 | 63.1億円 | 63.9億円 | 84.2億円 |
| 経常利益 | 8.7億円 | 3.9億円 | 25百万円 | 1.9億円 | 2.4億円 |
| 経常利益率 | 12.4% | 6.2% | 0.4% | 2.9% | 2.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.1億円 | 2.6億円 | 2.2億円 | 66百万円 | 1.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 84.02 | 74.64 | 62.85 | 18.52 | 54.71 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、生産性の向上が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から大きく改善しており、事業活動における収益性の高まりを示しています。これらの指標の改善は、同社グループの事業効率が向上していることを示唆しています。
| 指標 | 2024年6月期 | 2025年6月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 45.6百万円 | 56.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.3百万円 | 1.2百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている段階にあります。財務基盤の健全性を維持しながら、事業の成長を目指している状況がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の製造業平均を上回っており、安定した財務基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)は前期から改善傾向にあり、収益性の向上が見られます。手元資金も一定の水準を保っており、事業運営の安定性につながっています。
| 指標 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 31.9億円 | 31.0億円 |
| 自己資本比率 | 50.9% | 49.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 2.1% | 6.1% |
| 現金及び預金 | 20.6億円 | 17.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費、利息及び配当金の受取額が増加した一方で、持分法による投資損益や売上債権、棚卸資産の増加額、法人税等の支払額が減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出などにより減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入やセール・アンド・リースバックによる収入があった一方で、長期借入金の返済による支出や自己株式の取得による支出、配当金の支払額などにより減少しています。本業で得た資金を成長投資に充てている状況であり、将来の事業拡大に向けた動きが見られます。
| 項目 | 2024年6月期(前期) | 2025年6月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.9億円 | 2.2億円 |
| 投資CF | 1.4億円 | △4.0億円 |
| 財務CF | △4.8億円 | △1.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 5.3億円 | △1.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、介護保険制度の改正や介護報酬の改定が業績に影響を及ぼす可能性を認識しています。また、部品及び商品の輸出入取引や海外生産拠点に起因する為替変動リスクも存在しています。円安傾向が続いた場合、売上原価の増加により利益が減少する可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
プラッツは、医療介護用電動ベッドの製造・販売を主軸に、社会の高齢化という課題に向き合いながら事業を展開しています。持続的な成長と企業価値の向上を目指し、人材育成やサステナビリティを重視する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
プラッツは、医療介護用電動ベッド事業において、国内市場の拡大と新分野への挑戦を経営方針として掲げています。在宅介護ベッドで業界トップシェア、医療・高齢者施設ベッドで業界No2のポジションを確立し、ベッド関連商品や新分野の製品展開を通じて収益源の拡大を目指しています。
また、業界の人手不足の課題を解決するサービスの展開も視野に入れています。製造機能の強化、経営基盤の強化と人材育成、そして海外市場、特に東・東南アジアの強化も重要な経営戦略としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
プラッツでは、「高品質・高機能・低価格」を企業の強みとして事業を展開しています。事業活動とサステナビリティを一体化させ、経営戦略会議や取締役会を通じて事業・経営戦略の進捗管理と監督を行っています。
人的資本への投資を重要な経営課題と認識しており、優秀な人材の確保と生産性の向上を目指し、従業員が高いモチベーションと働きがいを感じられる社内環境の整備に取り組む企業風土です。人事評価制度や人材育成プログラムの見直しにも注力し、イノベーションを促進する人的資本戦略を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
プラッツが優先的に対処すべき課題として、経営基盤の強化とそれに繋がる人材育成を挙げています。少子高齢化による労働人口減少を受け、医療介護業界の人材不足が深刻化する中で、企業価値向上のためには人材の確保とスキル向上が不可欠と認識しています。
働きやすい職場環境の整備に注力し、新規事業などイノベーションを促進する人的資本戦略を策定・遂行しています。また、国内市場の拡大と新分野へのチャレンジ、海外市場の拡大も重点テーマであり、新製品やサービスの企画開発、各国の介護ニーズに合った商品開発を通じて事業領域の拡大を図っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
プラッツは、取締役会の監督機能強化のため、監査等委員会設置会社へ移行しています。取締役会は経営方針や事業計画の意思決定を担い、監査等委員会が経営の適正性を監視する体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
プラッツの株主構成を見ると、筆頭株主は株式会社EKSです。その他、Vietnam Precision Industrial CO.,LTD.や日本カストディ銀行(信託E口)が上位に名を連ねています。また、同社の取締役会長である福山明利氏や、プラッツ従業員持株会も主要な株主として名を連ねており、多様な主体によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 株式会社EKS | 15.53% |
| Vietnam Precision Industrial CO.,LTD. | 8.01% |
| 日本カストディ銀行(信託E口) | 4.79% |
| 株式会社福岡銀行 | 3.38% |
| プラッツ従業員持株会 | 3.08% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性11名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は河内谷忠弘氏が務めています。社外取締役比率は36.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 河内谷 忠弘 | 取締役社長 (代表取締役) | 1991年株式会社山善入社、2004年同社入社。管理本部長兼人事総務部長、営業統括部長などを経て、2023年より現職。 |
| 古賀 愼弥 | 専務取締役 | 1994年九州松下電器株式会社入社、2009年同社入社。商品本部長兼商品開発部長、商品統括部長などを経て、2023年より現職。 |
| 近藤 勲 | 常務取締役 | 1997年株式会社住友銀行入行、2005年同社入社。管理本部財務経理部長兼経営企画課長、管理統括部長などを経て、2023年より現職。 |
| 山口 勝也 | 常務取締役 在宅営業部長 | 1999年同社入社。営業統括部東日本営業部長、営業部長などを経て、2025年より現職。 |
| 福山 明利 | 取締役会長 | 1983年株式会社山善入社、1992年有限会社九州和研(現同社)設立代表取締役社長。2023年より現職。 |
| 城 雅宏 | 取締役副会長 | 1985年株式会社山善入社、2004年同社入社。取締役営業部長、代表取締役副社長などを経て、2023年より現職。 |
社外取締役は、八田正昭氏(二和興産専務取締役)、川邊康晴氏(元西日本シティ銀行代表取締役専務・監査等委員)、廣瀬隆明氏(広瀬公認会計士事務所所長・監査等委員)、柴田祐二氏(柴田祐二公認会計士事務所所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員会は社外取締役3名を含む4名で構成されています。これにより、取締役会の監査・監督機能の強化を図り、コーポレート・ガバナンス体制の充実を目指しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
プラッツの役員報酬は、固定報酬である基本報酬、業績連動報酬、そして非金銭報酬等で構成されています。基本報酬は役位や職責、在任年数などを考慮して決定され、業績連動報酬は経営計画の達成度合いに応じて支給されます。非金銭報酬としては譲渡制限付株式が用いられ、監査等委員である取締役には非金銭報酬等は支払われません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 1.0億円 | 17.2百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 2名 | 10百万円 | 5.2百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 5百万円 | 1.2百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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