※本記事は、セグエグループ株式会社の有価証券報告書(第12期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. セグエグループってどんな会社?
ITシステムにおけるインフラ及びセキュリティ製品の設計、構築、運用、保守を一貫提供しています。
■(1) 会社概要
1995年にジェイズ・コミュニケーションを設立し、ネットワークセキュリティ製品の輸入販売を開始しました。2014年に単独株式移転により持株会社としてセグエグループを設立し、2016年に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)へ上場しました。その後もM&Aを積極的に進め、近年ではタイ王国の企業を子会社化するなど、海外事業展開も加速させています。
従業員数は連結で712名、単体で28名体制で事業を運営しています。筆頭株主は創業者の愛須康之氏で、第2位はエーディーシーです。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 愛須 康之 | 30.36% |
| エーディーシー | 8.73% |
| セグエグループ従業員持株会 | 1.89% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性1名の計7名で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は愛須康之氏が務めています。社外取締役は3名で、社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 愛須 康之 | 代表取締役社長 | ジェイズ・コミュニケーション設立、代表取締役。セグエグループ設立、代表取締役社長。セグエセキュリティ代表取締役会長やタイ現地法人役員等を経て、2026年1月よりジェイズ・コミュニケーション代表取締役会長。 |
| 渡邉 辰夫 | 取締役 | 三井情報常務執行役員などを経て、2024年ジェイズ・コミュニケーション取締役副社長。2025年3月よりセグエグループ取締役。2026年1月よりジェイズ・コミュニケーション代表取締役社長。 |
| 小林 剛 | 取締役 | 公認会計士。武蔵野市役所、EY新日本有限責任監査法人などを経て、グリッド執行役員CFOに就任。2025年12月セグエグループに入社し社長室長を務め、2026年3月より取締役コーポレート本部長。 |
| 福田 泰福 | 取締役(監査等委員) | 三井住友建設、栗田工業を経て、2007年ジェイズ・コミュニケーション入社。2014年セグエグループ取締役経営管理部長などを歴任し、2026年3月より取締役(監査等委員)。 |
社外取締役は、三露正樹(元日本オラクル専務執行役員)、寺田有美子(アーカス総合法律事務所パートナー弁護士)、髙田隆太郎(元みんかぶ取締役副社長兼CFO)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ITソリューション事業」の単一セグメントですが、販売内容により「ソリューションプロダクト事業」と「ソリューションサービス事業」を展開しています。
■ソリューションプロダクト事業
海外メーカーからのセキュリティ製品やITインフラ製品の輸入・国内調達による販売のほか、自社開発のセキュリティソフトウェア製品を提供しています。主な顧客はシステムインテグレータや通信事業者などの販売パートナーを通じて販売される国内のエンドユーザーです。
主に販売パートナーへの製品卸売や自社開発ソフトウェアのライセンス販売等により収益を獲得しています。運営はジェイズ・コミュニケーションやジェイズ・テクノロジー、タイ現地のISS Resolution Limitedなどが担っています。
■ソリューションサービス事業
顧客の要件に合致するITシステムの設計や構築を行うサービスに加え、導入後の保守・メンテナンスやヘルプデスク等のサポートサービスを提供しています。また、セキュリティ関連の各種サービスや情報システム支援サービスも手掛けています。
システム構築の対価や、保守契約やヘルプデスク等に基づく継続的なストック型収益を獲得しています。運営は主にジェイズ・コミュニケーション、ジェイズ・テクノロジー、セグエセキュリティなどが担当しています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5年間の業績は、売上高が堅調に拡大を続けており、特に直近の事業年度においては官公庁や民間企業向けの大型案件獲得が寄与し、大幅な増収を達成しています。経常利益も売上成長に伴い増加傾向にあり、利益率も安定した推移を見せています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 120億円 | 136億円 | 174億円 | 187億円 | 251億円 |
| 経常利益 | 7億円 | 11億円 | 10億円 | 11億円 | 20億円 |
| 利益率(%) | 5.7% | 7.7% | 5.8% | 5.7% | 8.0% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 5億円 | 6億円 | 6億円 | 6億円 | 6億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の拡大に伴い、売上総利益および営業利益ともに大幅な増加を達成しています。営業利益率は前期から大きく改善し、ビジネスモデルの拡大に伴う収益性の向上が確認できます。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 187億円 | 251億円 |
| 売上総利益 | 46億円 | 59億円 |
| 売上総利益率(%) | 24.5% | 23.7% |
| 営業利益 | 7億円 | 19億円 |
| 営業利益率(%) | 3.8% | 7.4% |
販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が13億円(構成比32%)、のれん償却費が2億円(同6%)、株主優待引当金繰入額が2億円(同5%)を占めています。
■(3) キャッシュ・フローと財務指標
本業は赤字だが、将来成長のため借入で投資を継続している勝負型の状態です。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 18億円 | -28億円 |
| 投資CF | -10億円 | -0.1億円 |
| 財務CF | -3億円 | 12億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は33.6%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は22.1%で市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「IT技術を駆使して、価値を創造し、お客様とともに成長を続け、豊かな社会の実現に貢献する。」ことを理念として掲げています。これまで培ってきた経験と様々な技術を駆使し、顧客の安全で先進的なIT利活用とビジネスの成功を支える価値あるITとセキュリティのトータルソリューションを提供し、企業価値の向上に努めています。
■(2) 企業文化
同社は、持続的な成長のために多様な人材が活躍できる環境づくりを重視しています。「自律自走できる人材」の育成を掲げ、従業員一人ひとりの能力開発を支援する文化があります。また、各種サーベイによるコンディション把握や、柔軟な働き方を推進するなど、安心して長く働ける組織づくりに取り組んでいます。
■(3) 経営計画・目標
2026年12月期を最終年度とする中期経営計画「Segue300」を策定し、事業の拡大と企業価値の向上に取り組んでいます。事業進捗の好調さを踏まえ、最終年度の目標を上方修正し、成長を加速させています。
・売上高300億円
・営業利益23億円
■(4) 成長戦略と重点施策
IT業界において高度化するサイバー攻撃へ対抗するため、積極的な新規商材の取扱いや安全性と使いやすさを兼ね備えたセキュリティ製品・サービスの開発を進めています。また、M&Aや資本業務提携の推進による事業ポートフォリオの拡充と、グループ組織体制の最適化を図ることで、さらなる収益力の強化とシナジーの創出を目指しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は、優秀なIT人材の確保と育成を重要な経営課題と位置づけています。積極的な採用活動や教育研修制度の充実に加え、人事制度の継続的改善を行っています。また、フレックス制度やテレワーク等を活用した柔軟な働き方を推進し、多様な経験を持つ人材が十分に能力を発揮できる環境整備に取り組んでいます。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はプライム市場の平均をやや上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 37.8歳 | 6.6年 | 8,013,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 0.0% |
| 男性育児休業取得率 | - |
| 男女賃金差異(全労働者) | 61.2% |
| 男女賃金差異(正規労働者) | 64.9% |
| 男女賃金差異(非正規労働者) | 0.0% |
※男性育児休業取得率は対象者がいないため算出されていません。
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、ディープサーベイ結果の業界における当社の偏差値(49)、当社スコア(57)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 競合とメーカー製品力の低下リスク
同社が代理店として取扱うメーカーの総合的な製品力やサービス力が低下した場合、競争力を維持できなくなる可能性があります。特定メーカーに依存しない体制を目指していますが、新規メーカー製品の立ち上げが想定通りに進まない場合、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
■(2) 技術革新と市場変化への対応遅れ
IT市場は技術革新やトレンドの変化が著しく、新技術や新サービスが次々と生み出されています。同社グループにおいて新しい技術に適切に対応できなかった場合や、想定外の新技術が急速に普及した場合には、事業展開や業績に悪影響を与える可能性があります。
■(3) 仕入先との販売代理店契約に関するリスク
海外メーカーから製品を輸入する中で、特定の主要仕入先からの仕入高が全体の約6割を占めています。取引先との良好な関係を維持していますが、予期せぬ事由による不利な契約条件の変更や契約解除、またはメーカーの買収に伴う事業方針の変更が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。



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